スプラトゥーン3 return to the beginning   作:キール・フェストリー

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Three powers that connect

「合体!?」

僕らの発言に最速で反応したのは1号で、その目には驚きと輝きが見えている。このような状況でロマンを出せばそういう反応にはなるのかは、経験がない僕にはわかりかねるが。

「そんなことできるの? 規格が違ってきそうだけど……」

「このオタカラたちの接続は幸いにも共通規格のユニバーサルジョイントD型で統一されている上、動力も汎用バルブでエネルギーロスも少なく済む……とブラストが」

司令が示した懸念にブラストが答えそれをリアルタイムで翻訳し伝える。この機械知識こそ僕が生きれた理由で、こいつの真骨頂だ。

「だったら話は早いね。ブラスト君が指示を出して3号はそれを翻訳、その指示に従ってワタシ達で組み立てる。頼んでいい?」

「ええ、まかせてください」

「いってみよー! やってみよー!」

1号がかけたその号令で組み立て作業が始まった。

 

「このパーツは?」

「くこるおるりか」

「ジョイント3番です。その方向でお願いします」

「これは?」

「そちらはPOWER OUTと書かれてる場所へ」

僕らは3人に指示を出して完成を目指す。司令たちを顎で使っている状況には気が引けてしまうが、現状これしか方法がないから割り切ることとする。

「あれ? コレどっち回し?」

「右回しです」

「……くお! くありき!」

「待って、締めすぎです。壊れる!」

ここには工具作業に長けた人物がいないため、それを作りきるのにはアクシデント手前の事態が何回かあったが、指示を出すごとにだんだんとオタカラがブキの形を取っていった。

その形を一言で示す事はできないが、めちゃくちゃに付けられた金色の刃物の大群を絶妙なバランスで律する青いフレーム、そのフレーム伝いで機械仕掛けの心臓が力を送り出し刃物に実行力を与える。その丸ノコ、ナイフ、縦ノコにランスで対象を数十枚おろしにする事を目的とした『謎の兵装』が出来上がった。

「かんせー!」

「よ~し、結構疲れたけどなんとかなった。司令、あとはよろしく~」

「任せて! 離れててね……」

そういって眼帯を取った司令にはオーラが満ち始め、瞳孔が開ききるところで十分な量の力がチャージされる。

謎の兵装を片手で軽々と持ち上げてロケット方面に放り投げると、それに続いて司令がその方向に跳躍し空中で再び兵装を持ち直す。

「この程度のケバ、全部切り刻むよ……!」

兵装を振り回してケバインクのケバを切り刻むと、どういうわけかインクの方が力を失って消滅する。

そしてそれを短時間で数十回繰り返して、発射台の有る土地から茶色が消えた。

「っと、お掃除終わり! こっちこっち!」

ガンッと雑に着地した衝撃でありあわせのブキは黒い煙を吹いているが、それとは対照的に司令はなんともないように残っている僕たちを案内する。

それを受けて白い雪に足を踏み入れたその時、

 

『ちょっと待つんじゃあーーーー!』

聞き覚えのある甲高い女声が響いた。

 

「ヘイヘイ! ワシらが簡単に引き下がると思ったら大間違いじゃ!」

「ここでイモヒキになったらすりみ連合の名廃るわ!」

「エ、エイ……!」

ギャングスターが吠えサメ使いがこちらを睨む中、事情を知っているいきものは少し焦るように2人を止めようとする。

「痛い目にあいたくなければ、大人しくそのオタカラを置いていくんじゃな!」

しかしそれを無視してウツホは拳を突き出す。

どうやら誤解されたままここまできたらしい、こちらのやったことを考えれば仕方のないことではあるかもしれないが。

「あ、もう使わんしお好きにどうぞ~」

2号はこちらの事情に対して当然の反応を、

「ええっ? オタカラ……いらへんの!?」

「こちとら何度もケンカふっかけたんじゃぞ!? それでもワシらに譲ってくれるんか……?」

ウツホとフウカは誤解に対して当然の反応をした。

こちらは最初からアタリメ老人の捜索をしていたから、主目的はオタカラではなかった。たまたまそれらが発信機と似た周波数を出していたから調査しただけなのだ。

それを伝えず一方的にぶっ飛ばしたのはこちらだから、むしろこちらが謝って引き渡さなければならないかもしれない。

「どーぞどーぞ!」

「むしろこっちがメンゴ。こっちの説明不足で戦う事になったし、オタカラまで奪ったのワタシたちやからね」

そう考えたときにはすでに1号と2号が譲渡と謝罪を終えていた。

「ワシらが悪いのに謝りまでするとは……な、なんとフトコロの深いお方たちじゃ……!」

その言葉がよほど予想外だったのかすりみ連合は一旦たじろいだ後、そのまま座り込み叫んだ。

 

「ならば……ならばアネゴと呼ばせて欲しいのじゃ!」

「許しとぉくれやす。女将(オカミ)……ウチらはあの人たちをアネゴと呼びたいんどす」

「エイーッ!」

 

「わーっ! すごいよホタルちゃん! ホタルちゃんにシャテイができちゃった! いいなーっ!」

「ワタシもなんかしれっと女将にされちゃったよ!?」

「めんどうくさいことになった……」

それぞれ三者三様の感情ですりみ連合の義理人情に答える。正確にはそれを義理人情(にんじょう)と呼ぶかどうかは怪しいところではあるが、一刻を争う状況でそこまで気にもしてられない。

「……とりあえず先を急ぎましょう、司令」

「そ、そうだね、行こうか3号」

僕らはインクレールをつたって施設に突入した。

まさか施設の下にもうけられた口が正面口とは思わなかったが。

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