スプラトゥーン3 return to the beginning   作:キール・フェストリー

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A/PHOENIX

「もうやれることはないね。祈るしかない」

「歯がゆいのう……ホントのところワシ自らカチコミしたいんじゃが……」

ワタシが全員に鼓舞(こぶ)の意味でそう言うと、ウツホちゃんは悔しそうにそんなことをこぼした。

「せめて女将だけでも送り出したらええんやけど……肝心のスーツ一着しかあらへんのや」

「仕方ないよ。あれは3号の仕事だから」

フウカちゃんが申し訳無さそうに謝るから、ワタシは気にしてない風を装う。

だけど実際のところワタシも歯がゆい思いをしていた。

3号はあの強大な存在に1人と1匹で立ち向かうことになる。タコワサの時とはスケールが違うし、総帥の時みたいに相手が攻撃してこない訳じゃない。

怒りのまましがみついたときクマサンは抵抗してきた。右ウデにケバインクを流し込んで引きはがそうとしていたんだ。

ワタシは右ウデをネリモノ化させることができたから被害は小さかったけれど、普通にくらえばあのスーツだって持つかどうかわからない。

「……なんね、あれ?」

そんな考えをしているとき、黒い機影が遠くから近づいてくることに2号が気づいて思考を止める。

近づいてくる機影はだんだん見覚えのある形になっていって、その機体を動かしているのが誰かもわかった。

「タコツボキング……? タコワサ!?

「ええ!?」

「きゃ、きゃつ、なぜこんなところに!」

あたふたしているとタコツボキングがこっちに近づいてきて、タコワサがハッチからカオをだした。

「……ギ? マンタロー、スーツハドコニヤッタ?」

「エ! エエイ!」

「3ゴウニワタシタカ、3ゴウハ?」

「エイエイ!」

「モウウチュウニイッタノカ? ナルホド、ジカセイマスドライバーカ」

「マンタロー、あのコワモテと知り合いなんか?」

違和感なく会話する2人に疑問を持ったウツホちゃんが聞くと、2人は頷いた。

「……コノヨウスデハウチアガッタアトダナ」

「そ、そうだけど、なんで?」

「OK コレヲミテホシイ」

そしてタコワサがホログラムを映した。

そしてびっくりした。そこにいたのは

 

『私はNew! カラストンビ部隊のカンナ。これが再生されてるってことは、そこにお姉ちゃんや3号が集まってるはずだね』

 

映像が再生され終わって、ワタシ達は意志を固める。

「──つまりワタシが3号の代わりにタコツボキングに乗って戦う。ここに残る5人はカンナかワタシが合図したタイミングで歌うってことだね」

「4号が考えたにしてはかなり強引のような気がするけど……」

「これくらい力業のほうがええ! 全力でフカすで!」

「ハッ、面白いのう! やってやるわ!」

「エイ!」

「この衣装でライブかぁ……がんばらなくちゃ!」

「……まっ、イッカ」

2号も前を向いたところで、ワタシは全員を見回してからタコツボキングに乗る。

「それじゃあ、行ってくる!」

「無事に帰ってくるんじゃぞ!」

「オハギ用意してまっとるぞい!」

「気をつけてね……!」

それぞれの応援を受け取ってワタシは操縦席のハッチを閉める。

コントローラーを堅く握って機首を上げるとそのまま加速させて急ぐ。

重力発生装置とプロペラントタンクで飛んでいるから、最悪重力を振り切るだけの速度がなくても大丈夫。

というより未完成のこの機体じゃ絶対に出せない速度だ。そのためにリアルタイムでタコワサが調整している。

それでもワタシは出せる限りの全力を尽くして宇宙へ出ようと飛んでいった。

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