スプラトゥーン3 return to the beginning 作:キール・フェストリー
タコツボキング3号機が大気圏を離脱したのを確認して、私はヒーロースーツを
こっちを着るのは5年ぶりくらいかもしれない。もちろん、今からやろうとすることもそれくらい前だった。
スマホで動画配信サイトを立ち上げて、ライブ配信を自分のチャンネルで始める。
タイトルを「EMERGNCY_ODRER」としたライブ配信は、開始から数秒で7人の同時接続があった。
「……声および映像チェック、どっちも大丈夫だね」
『ブキマニア、いきなり配信するなんて何かあった?』
「……23時32分だよ。暇人なの?」
『寝れない』
『ゼルロイドの再放送あるし……』
「まっ、そっちの方が好都合だけどね」
『え、なになに?』
『ちょっと気になるんだけど』
普段の私のスタイルから大きく外れたライブ配信に、リスナーの動揺がコメントから見える。
私がこれから言うことでさらに悪化する気配はするけど、コレは作戦だ。止められはしない。
「今から言うことは信じても信じなくてもいい。だけど、信じてくれるなら協力を要請する」
『え、怪談でもするの?』
『にしてはシリアスじゃない?』
私は一息おいた。自分が言い出しっぺだけれどやっぱり実感がない。
動揺をなるべく隠して口を開くことにした。
「クマサン商会のクマサンが、世界を滅ぼそうとしてる」
『!?』
『マジで!?』
『さっきバイトしたばっかなんだけど』
「しかも、それは今まさにってところなんだ」
『今!?』
『嘘乙、ニュースくらいにはなるでしょ』
『で、協力って?』
『↑協力する気満々の勇者がおる』
私は例の件でそこそこの影響力はあると思っている。普段取り扱っているものがマニアックだからリスナーの母数は少ないけど、たった数十秒で接続数が300強に達するあたり相当衝撃の事実な事がわかる。
「どうやらクマサンは……このチャンネル的に言えばフォイゾルに似た物質を宇宙からばらまこうとしているらしい」
『フォイゾル!?』
『なんだそれ?』
『とにかくやべー物質、詳しくはゼルロイドのプライムストーリーズを追え』
『あんなのばらまかれたらタヒじゃん』
『世界規模でコラプる』
『なんとかできないの?』
「それを実働部隊が止めに行ってるけど優勢とは言えない。だから、コメントでも何でもいい。応援を頼みたい」
『応援を?』
『まあ、俺たちにはそれぐらいしかできんわな』
『俺がクマサンに立ち向かってやる!!!!』
『その前にどこにいんだよその実働部隊』
『クマサンが宇宙だから宇宙じゃない?』
『わけわからん』
『勝算は』
コメントでそう聞かれた私は少し言いよどんだ
「勝算は、か。……多分五分」
『微妙』
『勝てんのかな……?』
『ひっく』
『一撃必殺よりは高いからましじゃない?』
『五十歩百歩だわ』
その通りだ。いや、実際のところ正攻法ならほぼゼロって言った方がいい。
これは世界をかけたほぼ負ける
「ただ、まあ私が言うのもガラじゃないけど……私は想いの力を信じるタイプだよ。それで私はアオリさんを助けられたんだしね」
『は?』
『うそ』
『まて』
『え、都市伝説……』
『こいつまさか、本当に』
『思い出したわ、5年前イカスタでシオカラーズ救出劇やったブキマニアだこいつ、ギア一緒だ』
「……ふふ、そういうことだよ。もしかして当時の映像見てたりしてね」
『ええ!?』
『ってことは、実働部隊って……』
「そういう側面もあって、作戦の成否に関わらずこのライブのアーカイブは残さない。全力で協力して欲しい」
『神 回 確 定』
『ニブニブニブニブニブニブ』
『ちょっと拡散してくる!』
『拡散は時限投稿だぞ。いいな!』
『今北産業』
『世界滅ぼすクマサンに
シオカラーズ達が立ち向かうから
全力で応援する』
『wktk』
「みんな、異論はないね?」
私がそういうと、コメントはサムズアップのマークと少しのサムズダウンで埋め尽くされた。
拡散が多数行われているのか接続数も増えて7の5乗程度になっているし、時間と比例するようにまだ増える。
そのすべてを強引に承認と捉えて、タコツボキングに仕掛けたカメラを起動し、オルタナのドローンも撮影を開始した。
キャラクター紹介
カンナ
New! カラストンビ部隊4号でカエデの妹。 本職はブキ職人で、ソフトウェアにも学がある。
名前 カンナ 20歳
誕生日 7/28
特技
ブキの改造・開発やプログラムの構築
その特技をイカし姉とともにオリジナルブランド『KⅡ』を立ち上げ、一般層に認知されにくいようなマニアックなブキを売り出している。
任務や交渉でいなくなりがちな姉に代わって実質の代表取締役を勤めている。
アングラでは先代3号のような『伝説のライブ』を行い、それをゲリラ的に一夜だけネットワークにライブ配信を流したことから、伝説の再来として都市伝説のような扱いを受けている。