星と夢を拾う対価 作:うちでのこづち
体全体が燃えるように熱くて痛くて、でも内側は何かが抜けていくように冷え切っていく
目も見えなくて、手足の感覚もろくにないけれど、心はどこか晴れやかだった
もう何の悔いもない。楽しい日々はもう十分味わった。ここで自分が幕引くのが一番きれいなのだろう
ああ、どこかで自分を呼ぶ声がする。泣き叫ぶような声が耳をつんざくように反響する
どうか泣かないで。君たちには笑っててほしい。本来は見れないはずの心からの笑みを二人には浮かべていてほしい
もう自分は見れないけれど、いつかこの高校に入学してくる新入生に見せつけてほしい
だから泣かないで。泣き止ませるための腕はもう動かないけど、一生懸命自分が笑ってみせるから
自分はただ、二人に幸せになってほしいだけなのだから───────
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「.......ほら、起きて起きて。朝ごはんできてるわよ」
ゆっくりと意識が浮上すれば、鼻孔をくすぐる良いにおいがする
「おはよう、ユメ。今日の朝ごはんは何かな?」
「おはよう、ルノ。今日は卵焼きとみそ汁に焼き鮭だよ。今回は前みたいに火加減間違えてない自信作なんだから!」
「ほんとだ。前は寝室にも焦げ臭いにおいが漂ってきたから驚いたからね」
ベッドからゆっくり体を起こされ、そのままだっこされて椅子に座らされた
「......うん。おいしいね。ちゃんと中まで火が通ってる」
「でしょ?前は面倒くさいからって一気に強火でやったらああなっちゃったから、今回はちゃんと火加減に気を付けてじっくり焼いたの」
「ユメはたまにおおざっぱなところがあるからね。仕事でもそんなかんじのミスしてない?」
「........全然、いやたまにちょっとあるくらいだから大丈夫!......の筈」
そんな話をしながらご飯を食べさせてもらう。熱いものはすこしさましてもらいながら、ゆっくりと
「ごちそうさま。やっぱりユメのご飯はおいしいね」
「おそまつさま。ありがとう.....ってもう仕事の時間じゃない!」
その時、ピンポンとインターフォンが鳴る音がした
「ホシノちゃんも来ちゃった!早く準備しないと!」
ドタバタと騒がしい音がする。自分のためにいつも時間ギリギリまでいてくれるユメには頭が上がらない
準備が終わったのか、自分を椅子から持ち上げて車椅子と思われるものに座らせる
バタンと勢いよくドアを開ける音がした
「ホシノちゃん遅れてごめーん!」
「ユメ先輩も大変だね~こんな早くから仕事だなんて、おじさんだったたら嫌になっちゃうよ~」
「ホシノちゃんも来年こうなるのよ、覚悟しといてね」
「うへ~参ったなぁ、おじさん耐えられる気がしないよぉ~」
「......じゃあルノとホシノちゃん、いってきます!」
「「いってらっしゃい、ユメ(先輩)」」
走っていく音が聞こえなくなった後、ゆっくりと車椅子の車輪が動き出す音がした
「......じゃあおじさんたちも行こっか。私たちの『アビドス』へ」