読む方法を前提として書いています。
※これは後にシュガー・ラッシュ3を
描くための基盤作りの物語です。
◇
「全く、嘆かわしい」
キャンディ大王は城の通路を歩き回ります
先程戻ってきた警察からの報告で
眉間にシワを寄せています
工場を破壊したヴァネロペ及び大男の
両名は依然として逃亡を続けています
現在工場は消火活動が行われており
復旧の目処は立っていません
「ヴァネロペが現れたからというもの
ふふふ、上手くいかないな」
「ヴァネロペが
レースに参加できたのは何故だ?
何故今更ベーカリーに…」
キャンディ大王は
起こった不可解なことに動揺を隠せず
起こっている問題に頭を悩ませています
「参加にはメダルが…」
ふと閃き
急いで地下への階段を降りていきます
◇
長く続く階段を降り続け
薄暗い場所へと入り込みます
尚も続く階段は
その降りた段差に比例して
明るさが損なわれていきます
「ここに来るのは久しぶりだな」
真っ暗な空間の中
キャンディ大王は階段を降り続けます
◇
「!?」
気がつけば青いノイズと共に
キャンディ大王は
周囲に背景はなく床もない空間にいました
「この感覚には慣れんな」
キャンディ大王は歩くのをやめると
両手を前に出し
掻き分けるような仕草
平泳ぎの動作を取ります
何もない空間の中を
ひたすらに泳ぎ続けます
◇
永遠に思える無の空間がひたすらに続きますが
キャンディ大王の
世界の暗転が繰り返し起こったとき
それは突如として現れました
◇
「待て待て待て」
ひたすら泳ぎ続けていたキャンディ大王は
突如現れたその空間に舵を取ります
◇
その空間には無数の箱が宙に浮かんでいます
その箱達からは
皆
箱にはひとつひとつラベルが貼ってあります
『キャラクターデータ』
『NPCデータ』
『カート情報:破損中』など
様々な箱が浮かんでいます
「こっちだな…」
キャンディ大王はその中でも他と比べ
太い紐を頼りに泳ぎ続けていきます
箱から伸びた太い紐は
空間の中心点『シュガー・ラッシュ』と書かれた
最も大きな箱に続いていました
◇
「見つけたぞ、命の源よ…」
『シュガー・ラッシュ』にキャンディ大王は
近づいていきます
「参加者のデータはどこにあったかな?
あぁそうだ。ふふふ、スタジアムだったな
それからそれから」
キャンディ大王が箱に触れます
触れた箱からはいくつかの一回り小さな箱が
出てきます
それらにもまたラベルが貼ってあります
「巨大スクリーン、戦績…ほらあった」
キャンディ大王は箱の中身を確認しながら
目当てである『戦績』を見つけます
箱の中身は
箱ではなく紐のダマが入っていました
ですがそれにもラベルが貼ってあるのには
変わりありませんでした
『プレイヤーメダル』の
紐ダマが続いていましたが
キャンディ大王の目に
他とは違う『アイテム』が映ります
「これだ!」
紐ダマの一つを掴み取り
スクロールを止めます
キャンディ大王が見つけたそれは
他のメダルとは違い
『勲章』というラベルがされていました
キャンディ大王は箱から取り出します
紐に繋がれていた『勲章』ですが
切り離されると
それはキャンディ大王の手の中で
ひとつの板へと姿を変えます
「よしよし」
◇
『勲章』を片手にキャンディ大王は
太い紐を再び辿っていきます
「どこだ?どこだ?」
浮かぶ箱まで戻ってきたキャンディ大王は
とある箱を探しています
「あった!『キャラクターデータ』」
目的の箱に近づき中身を確認します
◇
『キャラクターデータ』
→『プレイメモリー』・『インフォメーション』
『愛車』・『プリセットデータ』
キャンディ大王はプレイメモリーから
『キャンディ・キング』を開くと
板をその中に近づけます
箱から伸びてきた紐が板に触れると
板はキャンディ大王の手から離れ
箱の中で紐ダマに変わります
すると青いノイズが
キャンディ大王の首元で発生します
青いノイズは首を大雑把に包んでいます
ですが長くない間首を隠した後
いつの間にか首にメダルが出現していました
「これはここのプログラムじゃないな…
他のゲームから持ってきたのか?
小賢しい真似を…」
キャンディ大王は箱を丁寧になおして行きます
『勲章』・『いくつかのメダル』
→『戦績』『ロイヤル・キャンディ・カート』
『プレイデータ』
→『『キャンディ大王』』
◇
「だが、奴はこのゲームを出られないはずだ」
キャンディ大王は泳ぎながら考えます
ヴァネロペの体質を考えた上で
不可能であることを確信します
『あの後ろに居た大男…どこかで』
真っ暗な空間を泳ぐキャンディ大王は
空間の上部で流れる
『ヴァネロペ・フォン・シュウィーツ』を
一瞥します
浮かんでいる箱には何も接続されていません
他の箱もなく、他の紐もありません
空間を回りながら只々浮かんでいます
「何故邪魔をする…」
ヴァネロペの箱を眺めながら
キャンディ大王は上を目指します
◇
次に目を開けたキャンディ大王は
ロイヤル・キャンディ・カートのある
玉座の間にいました
【ロイヤル・キャンディ・カート】
カスタムプロトタイプ型
シュガーコーティングが美しく施された
白を基調としたカート
【レーサー性能】
特化したマシーン性能には劣るものの
全てにおいて高水準
万能型と評することができます
【チェイサー性能】
・一部特殊アイテムを除く全アイテム
・特殊アイテム『わたあめボディ』
一定時間、自分の当たり判定を無効化
地形効果を無視する
【プリセット】
◇
「キャンディ大王?」
側近のサワー・ビルが
気怠げにキャンディ大王に声を掛けます
「出かけてくる
私が戻るまで城を頼むぞ」
そんな心配をよそにキャンディ大王は
どこかへとカートを走らせるのでした