『シュガーラッシュ』   作:空っぽのティーポット

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※本作品はスマホ画面(縦)(執筆環境SE3)で
 読む方法を前提として書いています。
※これは後にシュガー・ラッシュ3を
 描くための基盤作りの物語です。


『勲章の役割』

 

【ゲーム・セントラル・ステーション】

 アラートによりゲームのキャラクターが

  何事かと集まってきます

 

そんな様子にラルフは血相を変え

 走り出します

「お前達は出てくるな!」

「ラルフ!?どうした?」

 

ザンギエフの心配を他所に

 ラルフは

 〈ヒーローズ・デューティ〉の

  コンセントとプラグ前まで移動を始めます

 

その前には人だかりができています

 拳を構えるラルフですが

  検査係のサージが

   何やら話をしている様子です

 

 

「困ります!こんなことをされては」

「すまない民間人、こうする他ないんだ」

「ですがここは公共の場です

 キャンプ地とするなら理由を」

「会話内容の記録は?」

「致します、仕事ですから」

「なら話せない」

 

ヒーローズ・デューティの兵隊達が

 ゲーム前のスペースで大規模な駐屯地の

  設営を始めているようです

「おい!あんたらここで何やってんだ?」

 

ラルフが怪訝そうに話しかけます

 そんなラルフを見とめた兵隊が一人

  慌ただしい〈ヒーローズ・デューティ〉前で

   ラルフを静止します

「ここは立ち入り禁止となる

 用があるならコフート副隊長へ…」

「お前達ここで何やってるんだ?」

 

ラルフが面倒だとばかりに

 話を始めます

「前哨基地を放棄し

 前線を後退させています…?」

「あ?もう少し分かりやすく言ってくれ」

 

「サイ・バグが基地を突破し始めたので

 入り口からセントラル・ステーションまで

 撤退しました…?」

「おい…さっきから大丈夫か?」

 

兵隊の様子を心配します

「大丈夫であります」

「…ならいいんだ」

 

何処か落ち着かない様子の兵隊をあしらいつつ

〈ヒーローズ・デューティ〉の

 ケーブルを覗きます

 

 

不快な羽音が不意に聞こえ始めます

「サイ・バグだ!」

 

兵隊達が一斉にケーブルに向け銃を構えます

 ラルフの頭上を超え現れたサイ・バグは

  兵隊に向かって威嚇しますが

 

その後方から振り下ろされた拳により

 即死させられます

 

呆気に取られる兵隊を他所に

 ラルフはサイ・バグを雑に道脇へと寄せます

「オタクらも内輪揉めってわけか?」

 

「いや、我々の任務はサイ・バグと…」

「戦うことだろ?知ってるよ

 あんたらのゲームにいる悪役だろ?」

「違う」

 

ラルフが聞き飽きたとばかりに

 話を切ろうとしますがコフートが

  割って入ります

   ラルフはその気迫に押されます

「あいつらは本能に従うだけの虫だ」

 

コフートは首を振ると

 ケーブルの先を指さし続けます

「ビーコンの音と光、熱によって

 一匹残らず殲滅しなければ

 この世界はバグ(・・)まみれになってしまう」

「さっさと倒せばいいだろ?

 まさか、逃げ出すなんて」

 

「貴様!我々がただ手を

 こまねいてただけに見えたってのか!?」

「マルコ…落ち着け」

コフートとラルフの話合いに

 マルコフスキーが入ってきます

 

「我々には奥の手ビーコンがあったんだが

 その起動キーである

 勲章(・・)を誰かが持ち出したんだ!!」

「…ッ」

ラルフは手の平を覗き込みます

 金色に輝く『ヒーロー』と刻まれた

  勲章があります

 

「!?民間人よ、それをどこで?」

「あ〜怒らずに聞いてくれるかな?」

 

 

「いやいや、待て待て

 謝るってこの通り!!」

ラルフを取り囲む形で兵隊達が銃を向けます

 

ラルフはそれに両腕を挙げる形で

 赦しを懇願します

「マルコ…もしやこいつが?」

「ああ、多分」

「悪かったよマルコフスキーさん

 俺は悪気があってやったわけじゃないんだ」

「悪気がない?それだけで済むと思うか?」

 

兵隊達の怒りをそのままに

 コフートがラルフに話しかけます

「サイ・バグはウイルスと同じだ

 ひたすら食い、殺し、繁殖する」

「それは…ゲーム内設定だろ?」

「いいや、あいつらのプログラムだ

 設定じゃない」

 

「知っていようが知っていまいが

 いずれ、あいつらはこちら側に来る」

 やつらは〈ヒーローズ・デューティ〉を

 食いつくしつつあるからな」

「何だって!?」

 

ケーブルの奥から

 通電音が聞こえ始めます

「ラルフ…ことが済んだら

 お前を軍法会議にかける」

「…」

「それまで大人しく自分のゲームで待っていろ

 我々はこの手のプロフェッショナルだ」

 

一触即発な雰囲気から

 兵隊全員が仕事モードになります

 

武装を確認し

 神に祈りを捧げます

「我々は人類最後の希望」

 

怪しい緑色の光が無数にケーブルから

 迫ってきています

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