『シュガーラッシュ』   作:空っぽのティーポット

26 / 54
※本作品はスマホ画面(縦)(執筆環境SE3)で
 読む方法を前提として書いています。
※これは後にシュガー・ラッシュ3を
 描くための基盤作りの物語です。


『レーサーとして』

「ラルフはしくじったんだな」

モニターの表示に変化はなく

 キャンディ大王は苛立ちを見せます

 

このままではヴァネロペがレーサーとして

 登録されてしまうからです

 

キャンディ大王はヴァネロペに

 どうしてもレースを

  走って欲しくないようです

 

「それだけは何としても避けなければ」

何かしようとキャンディ大王は

 思考を巡らせますが

  実質的な時間切れがきました

 

【ファンファーレの音】

予選レースの開会式の開始です

 

鳴り響く歓声と

 割れんばかりの拍手がサーキットを

  包み込みます

 

 

キャンディ大王は気を取り直します

 

ヘルメットを被り、ゴーグルを整え

 マイクを片手にひときわ高い塔の上で

  スピーチを始めます

 

「スウィートなしもべ(・・・)たちよ!

 わたしは一つまみのためらいもなくいえる

 この宣言をするのは

 わたしの人生の中で最高の喜びである!」

身体を名一杯使ったパフォーマンスを行い

 会場を沸かせます

 

未だ姿を見せないヴァネロペを気にしますが

「では、ただ今より本日の予選を始める」

キャンディ大王は宣言をすると塔の上から

 最前列に置かれた自身の愛車めがけて

  飛び降ります

 

 

皆がエンジンを吹かせ

 車輪から白煙を立ち昇らせます

【1・2・】

 モニターの表示がカウントアップを始め

  スタートの合図をする係マーシャルの

   浮かぶマシュマロのキャラクターが

    コースの上空でレース旗を掲げます

 

レーサーは

 エンジンをフルに鳴らし

  スタート地点に歓声とは違う

   腹に響く音が響きます

 

しかし、一台分少ないことに気がつく者は

 片手で数えれる程です

 

最後方、16人目が

 居なければならない場所には

  エントリーエンプティという

   レーサー不在の

    赤い長方形の中に罰印が書かれた

     マークが点滅をしています

 

プログラムは以前変わりなく実行されます

 宣伝用の映像デモムービーを撮影するべく

  カメラマンのマシュマロも

   使用率3位の

    タフィタ・マトンファッジの

     後方にスタンバイします

    

【GO!】

 システムアナウンスと同時に

  マーシャルのマシュマロが

   レース旗を振り下ろします

 

 

キャンディアスファルトを滑る

 各種菓子タイヤが滑らかに

  スタートを続々と切ります

 

何人かのレーサーはスタートダッシュを失敗し

 その場に取り残されつつも

  スタートを切ります

 

 

同日、ヴァネロペはモニターを眺めるために

 観客席にいました。

 

ヴァネロペはフードを深く被り

 観客のキャンディに紛れる形で

  モニターを眺めています

 

トップを独走しているのは

 タフィタ・マトンファッジです

 

今し方【シュガーキューブ】から

 加速アイテムである【ニトロチェリー】を

  使いトップに躍り出ています

「凄い…」

 

ヴァネロペが魅せられているのは

 カートの性能だけではありませんでした

 

タフィタの使うカートの性能は

 決して万人受けしないでしょう

  その理由は扱いの難しさです

 

ギアは全部で6段階

 最大速度はレーサー上位であるものの

  復帰に難がある上

   カーブ、コース取りにも難があります

 

上位ながら使用率が3位なのも

 これが原因です

 

ですがそれはプレイヤー視点です

 プレイアブルキャラクターのタフィタは

  愛車ピンク・ライトニングを

   完璧に乗りこなしています

 

【あんたがレーサーになれるわけないでしょ】

ヴァネロペは言われた言葉を反芻

 繰り返し言葉にします

 

「…私」

ヴァネロペの手はいつのまにか

 ハンドルを握る仕草をしていました

 

「…!私」

ヴァネロペが観客席から勢いよく立ち上がり

 振り返ります

 

【射撃音】

「ヴァネロペ・フォン・シュウィーツ!!」

ドスの効いた女性の声で自分の名前を叫ばれ

 体が大きく跳ねます

 

「軍曹、レースは始まっています」

「そうか…ならここのキャラクターだけでも」

「…あの」

「「!!?」」

カルホーンとフェリックスが驚きます

 青いノイズと共に現れた少女が居たためです

 

「お前がヴァネロペで間違いないか?」

「えぇ、そうですぇ!?」

「軍曹!!」

ヴァネロペが名乗るや否や

 カルホーンが銃口をヴァネロペに構えます

  驚くヴァネロペに割って入る形で

   フェリックスがカルホーンを嗜めます

 

「どけフェリックス、こいつを軍法会議にかける」

「ぐんぽう?なに?」

「僕が話しますので軍曹は避難誘導を…」

 

 

「ごめんね、悪い人じゃないんだけど」

「別に…気にしてない」

「なら、早速で悪いんだけど勲章っていう

 メダルを知らないかな?」

フェリックスはヘルメットを脱ぐと

 ヴァネロペに中の映像を見せます

 

「そのことなんだけど…」

【不快な羽音】

ヴァネロペが話を切り出そうとしたその時

 

地面から溢れるように

 サイ・バグが飛び出してきました

「大変だ…」

「何がどうなってんの!?」

「サイ・バグが地下で大繁殖してるんだ!」

避難誘導にまわっていたカルホーンが

 明滅を繰り返す、フリッカーボムを投げます

 

明かりに誘われたサイ・バグが

 フリッカーボムに群がります

「数に限りがある!いいか、みんな!

 早くゲーム・セントラル・ステーションへ

 向かうんだ!モタモタするな!急げ!」

 

ボムと銃を使い、カルホーンは

 サイ・バグを足止めします

 

フェリックスとヴァネロペは

 避難誘導を行っていましたが

  ふとヴァネロペは

   モニターに気を取られます

 

「…キャンディ大王達が!」

「ヴァネロペさん?」

観客席の誘導があらかた終わったフェリックス

 周囲を見回しますが

  ヴァネロペの姿はなく

   少し離れたお菓子の家の陰に

    消えていったのが見えました

 

「ヴァネロ…」

【エンジン音】

フェリックスはそれを追いかけようとしますが

 不意に聞こえたエンジン音に警戒し

  その場で立ち止まります

 

「うわぁ!?」

お菓子の家が砕けたかと思うと

 その向こうからヴァネロペと

  リケティ・スプリット2世が

   飛び出してきます

 

「何をやってるんだい!?君も逃げないと」

「レーサーにも知らせないと…任せて」

「危険すぎるよ!」

「大丈夫、速さなら負けないから」

ヴァネロペは他のレーサー(・・・・・・)

 救うべく走ることを決意します

 

フェリックスは止めようとしましたが

 まっすぐな目を向けられ根負けをします

「危なくなったら逃げてね」

「…うん」

 

「フェリックス!」

「軍曹…行かせてあげてください」

「…ヴァネロペ、逃げ場はないからな」

「分かってます軍曹どの」

 

ヴァネロペは

 エントリーエンプティを通過します

【キャラクターセレクトの音】

「こまっしゃくれたガキめ」

 

フェリックスとカルホーンに見送られる形で

 ヴァネロペはスタートを切りました

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。