『シュガーラッシュ』   作:空っぽのティーポット

27 / 54
※本作品はスマホ画面(縦)(執筆環境SE3)で
 読む方法を前提として書いています。
※これは後にシュガー・ラッシュ3を
 描くための基盤作りの物語です。


『二つの戦局』

 

鳴り響く歓声も

 腹に響く筈の他のエンジン音はなく

  孤独に走り続けます

 

その差はエリア二つ分

 ヴァネロペの身体にノイズが走ります

「!?」

 

青いノイズによりハンドルが取られ

 直線で加速をとりたいにも関わらず

  車体が横を向きます

「何で!?」

 

ヴァネロペが慌ててハンドルを戻そうとした時

 車体の側面に白い塊が迫っています

 

「…ッ」

ヴァネロペは急ブレーキをかけ

 目をつぶります

 

 

「今からでも追いかけます?」

フェリックスはヴァネロペを送り出したことに

 少し後悔をしています

 

「いや、存外

 作戦がないわけじゃなさそうだぞ?」

カルホーンは逆にヴァネロペに

 興味が湧いているようです

 

 

「何をしてるのリケティ・スプリット!!

 みんなに追いつかない…と?」

ヴァネロペは急に取られたハンドルにより

  少し酔ってしまいました

 

ですが

 リケティ・スプリットのハンドルにある

  三つのボタンが明滅を繰り返しているのに

   気がつくと

    酔いもどこかに行ってしまいます

 

【さくらんぼ】

【わたあめ】

【シゲキックス】と

 それぞれボタンに表示されています

 

「え?何これ」

ラルフとの練習中にはなかった挙動に

 戸惑いつつボタンに指が伸びます

 

 

「な?」

「パワーアップアイテムを

 手に入れるためだったのか」

フェリックスの眺めるモニターには

 先程まで目の前でスリップしていたカート

 

ヴァネロペが次のステージ

 ガム渓谷に突入している姿が

  映し出されています

 

 

【シゲキックス】の

 自動運転が切れ、ハンドルが

  優柔不断に揺れ始めます

 

「うわわ!?」

座席に押し付けられていたヴァネロペが

 解放され、慌ててハンドルを握ります

 

「勝手に動くし…説明もない…」

ヴァネロペは渓谷を進みます

 途中には走行を妨害する固有の仕掛け

  巨大チューイングガムが

   縦横無尽に駆け回り

    油断は禁物です

 

ヴァネロペはガムを避けながら

 リケティ・スプリットに物申します

 

「でも、あんた最高!スリル満点!!」

ですが不満ばかり

 というわけではないようです

 

「行くよ相棒!

 先頭に追いつかないと!」

ヴァネロペがガム渓谷の中部に

 白い塊こと【シュガーキューブ】を見つけ

  残りのアイテム二つを贅沢に使います

 

「ここで!!」

加速にのった起こりをそのままに

 サイドブレーキをかけ

  直線の道で華麗なドリフト

   フラットドリフトを決め

    一度に【シュガーキューブ】を

     複数個獲得してみせます

 

【シゲキックス】

【アイスキャノン】

【男うめぇ〜】

「3個が限界なのね」

 

 

ヴァネロペが快進撃を続ける中

 スタート地点は酷い有様です

「消えろ!サイ・バグめ」

先程まで遠距離で戦っていたカルホーンですが

 銃身の冷却モードになった為

  コンバットナイフによる近接で

   サイ・バグを応戦していますが

    銃と比べ、射程が短く

 

カルホーン自身は無傷ですが

 モニターを含む、観客席はボロボロです

「フェリックス…お前は逃げろ!」

「いいえ、僕は逃げません!」

 

フェリックスはサイ・バグが

 食べた箇所を魔法のハンマーで相殺しつつ

  サイ・バグの注意を引いています

 

【直る音】【直る音】【直る音】

「小粒のくせにやるな!」

フェリックスは飛んで跳ねて

 交わして叩き、サイ・バグを

  翻弄しています

 

カルホーンも負けじと

 サイ・バグを殲滅していきます

 

 

ガム渓谷を抜けた先

 ムースロードに入ります

 

連続ドリフト地帯

 最後には特大ジャンプの仕掛けと

  コースの中でも忙しない区間です

 

「じゃあね〜」

リケティ・スプリットはものともしません

 続々とカートを追い抜き

  連続ドリフトに差し掛かります

 

「ヴァネロペ!?」

「…ヴァネロペ?」

「何?お二人さん

 レース中に逢い引き?」

ランシス・フラッガーバターと

 キャンドルヘッドが3位争いをしている中

  ヴァネロペが追いつきます

 

内を譲る様に外周で

 ドリフトを始めたキャンドルヘッド

 

それに合わせて

 フラッガーバターは

  アイテムでヴァネロペを妨害します

 

フラッガーバターの特殊アイテム

【バター】により、ハンドル操作が

  不安定になるヴァネロペ

 

「勝負だ!ヴァネロペ!」

「そんな場合じゃないのに!」

 

 

フラッガーバターとのドラフト勝負中の

 ヴァネロペを他所に

 

キャンドルヘッドは

 ムースロード固有の

  コースから外れれば即起爆の

   チェリーボムに

    車体の後方を近づけています

 

「ははは」

彼女の愛車アイス・スクリーマーには

 後方に蝋燭花火が備え付けられています

  これはこの車体の固有装備です

 

チェリーボムの導火線に

 アイス・スクリーマーの火花が引火します

 

チェリーボムの固有演出はド派手な為

 これを確実に(・・・)見るためにキャンドルヘッドを

  選ぶプレイヤーは少なくありません

 

「バイバ〜イ♪」

「キャンドルヘッド!?」

「え?まさか!?」

ドリフト勝負の脇を

 するりと抜けたキャンドルヘッドが

  3位に躍り出ます

 

もう直ぐ特大ジャンプゾーンですが

 フラッガーバターもヴァネロペも

  加速が十分ではありません

 

「じゃあねチェリーズ(・・・・・)

「そんなぁ」

「言ったなぁ!」

キャンドルヘッドが加速に入ったタイミングで

 ヴァネロペが仕掛けます

 

【男うめぇ〜】による

 3連砲撃を放ちます

 

飛翔する赤い塊が

 ひとつ、ふたつキャンドルヘッドを抜けます

「あらお上…ず!?」

 三発目をモロに受け

  アイス・スクリーマーが一回転します

 

続くアイテム使用により

 止まったキャンドルヘッドを

【シゲキックス】により

 華麗に避け

 

「これで頭でも冷やしてたら?」

【アイスキャノン】による

 無慈悲な追い討ちが

  キャンドルヘッドを襲います

 

「あ〜やられた…」

「負けたぁ〜」

 アイスキャノンによる妨害により

  特大ジャンプ前が封じられ

   キャンドルヘッドも

    フラッガーバターも

     後続の車が立ち往生し

 

ヴァネロペの放った男梅砲と

 キャンドルヘッドがつけたチェリーボムが

 

 

モニターの映し出す

 ムースロードに上がる特大花火

 

これによりレーサーの表示が

 軒並み赤い罰印でつけられました

 

残ったキャラクターは

【タフィタ・マトンファッジ】

【キャディ・キング】

【ヴァネロペ・フォン・シュウィーツ】

 の三名だけです

 

そんなモニター前は少し押され気味です

 カルホーンの銃はとっくに残弾がなく

  フェリックスも息が上がり始めています

 

「…こんな時」

「フェリックス!!」

物思いに耽っていたフェリックスの

 土手っ腹にサイ・バグの尻尾が直撃します

 

「…ッ、ぐぇ」

フェリックスは吹き飛ばされ

 白い塊を通過します

 

「離れろ!貴様ら」

カルホーンはなんとか助けに行こうとしますが

 サイ・バグの物量になす術がありません

 

「フェリックス!起きろ!

 起きてくれ!!フェリックス!!!」

カルホーンが必死に呼びかけますが

 フェリックスはキャンディロードに

  突っ伏したまま動きません

 

「やめろ!やめてくれ!!」

サイ・バグはフェリックスの近くまで飛び

 大口を開け

  フェリックスを噛み砕こうとします

 

「うわぁあああ」

カルホーンの絶叫が響くなか

 フェリックスの頭が齧られます

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。