『シュガーラッシュ』   作:空っぽのティーポット

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※本作品はスマホ画面(縦)(執筆環境SE3)で
 読む方法を前提として書いています。
※これは後にシュガー・ラッシュ3を
 描くための基盤作りの物語です。


『Fix IT!』

「うわぁあああ」

後悔しかありません

 守るべき存在に縋り

  あまつさえ戦場で帰らぬ姿に

 

カルホーンは必死に目の前で

 咀嚼されるフェリックスを助けようと

  無茶な前進を続けます

 

全身をサイ・バグの

 牙、爪、鎌、尻尾で傷つけられ

  戦闘服はその度にダメージを肩代わりします

 

生身になりつつある体で

 何とか進もうとしますが

  サイ・バグに剥き出しの

   足を引き裂かれてしまいます

 

「ぐっあぁぁぁ」

倒れ込み、武器を手放しても尚

 フェリックスに近づこうと這いつくばります

 

「助け、なければ!!」

届きもしない果ての男に手を伸ばしますが

 その先でさえもサイ・バグが立ち塞がります

 

大きく開けられた口の中

 緑色の閃光がカルホーンの金髪と

  グレイの瞳を染めます

 

そんな光景に目を背けることなく

 カルホーンは言い放ちます

「腹でも下せ」

 カルホーンはフリッカーボムを起動します

 

 

覚悟が決まったカルホーンは

 現実逃避ではなく祈る様に目を閉じます

「人類に栄光を」

 

フリッカーボムの音の間隔が

 いよいよ短くなってきます

 

【???】

「!?」

真っ暗な視界の中

 何かに抱き寄せられる形で

  風の抵抗を受けます

 

「僕が直すよ」

聞こえてきた声に耳を疑います

 確かに聞こえた男の声は

  ほんの数秒前にサイ・バグに

   その頭を噛み砕かれたはずの男のものでした

 

恐る恐る、目を開けると

 虹色の眩しい光が視界をチラチラと照らします

「ごめんなさい、軍曹

 少し寝ちゃってました」

 

再び、今度は聞き慣れた称形で自分を呼ぶ

 男の声、幻聴ではありません

「フェリッ…クス?」

「はい?どうかしましたか?」

【フリッカーボムの爆発音】

 

「いや、どうも何もお前はサイ・バグに」

「あぁ、これは…」

フェリックスは懐から一切れ欠けた

 パイのお皿を取り出します

 

「僕のパワーアップアイテムのおかげです」

「パイが…?え?あ?」

フェリックスの説明を聞いても尚

 納得のいかないカルホーンはポカンとします

 

「そんなことより、傷だらけ…ッ」

「大丈夫だ…そんなことより」

「ハイ…ソノマエニ」

フェリックスはハンマーを戦闘服に振ります

 

「助かる」

「ごめんなさい…」

「?」

フェリックスは顔を真っ赤にしながら

 カルホーンから目を背けます

 

 

〈フィックス・イット・フェリックス〉

 架空の町ナイスランドの一画で

  悪役のラルフが暴れるアパートに

   主人公として颯爽と登場し

    直していきます

 

大変です

 ラルフが暴れる度に

  上階からレンガが降ってきます

 

主人公フェリックスは

 頭にこのレンガが落ちてしまうと

 『GAME OVER』です

 

基本は避けながら直していきます

 ですが進めば進むほど

  レンガはどんどん降ってきます

   とても避け続けることはできないでしょう

 

「フェリックス!」

足踏みをしていると

 ナイスランダーのメアリーが

  パイを用意してくれたではありませんか

 

「ありがとう!」

ブルベリーパイ

 フェリックスの大好物です

 

窓先でフェリックスはパイを食べます

 パイを食べたフェリックス

  気分は最高潮!飛んで跳ねて全身で喜びます

   魔法のハンマーも大喜びです

 

気分の良くなったフェリックスは

 ヘルメットをハンマーでひと叩き

  するとヘルメットが強化され

 

レンガが降ってきてももう安心!

 でも気をつけてそう長くは保ちません

  急いでアパートを修理しましょう

 

 

大好物により、一時的ながら

 魔法のハンマー、フェリックスは

  本来のポテンシャルを超えた

   スペックを引き出しています

 

この効果は好物を食べ高揚した気分が

 おさまるまでの間、束の間のチャンスです

「この場を離れます」

「でも、ヴァネロペはどうする?」

「それなんですが…」

 

フェリックスはサイ・バグの波を

 疾風の如く、交わし

  【ゲーム・セントラル・ステーション】の

   ケーブル近くまで向かいます

 

「何をやっている!!このままでは」

「大丈夫です」

追ってきたサイ・バグが

 ケーブルまで押し寄せてきます

 

「ここは…」

「大丈夫ですよ、だって」

【火花の散る音】

 

 

「ロックバスター!」

「to slow!!」

【魔法の雷を落とす音】

「It's me Mario」

【メタルスラッグ!】…

 

目の前に居た悉くを鏖殺せしめた影が

 煙の中から現れます

 

それぞれが姿形が様々ですが

 皆がこのゲームセンターのヒーロー達です

「フェリックス?」

 

 

フェリックスのヘルメットが元通りになると

 同時にフェリックスの耳に聞き慣れた声が

  入ってきます

「…ッ、遅いよ」

「すまん、俺重くって」

 

フェリックスは涙を溜めながら

 その名を口にします

「ラルフ!」

 

シュガー・ラッシュにヒーロー現着(・・・・・・)

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