『シュガーラッシュ』   作:空っぽのティーポット

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※本作品はスマホ画面(縦)(執筆環境SE3)で
 読む方法を前提として書いています。
※これは後にシュガー・ラッシュ3を
 描くための基盤作りの物語です。


『情なさけは人ひとの為ためならず』

 

グミ高原を走り続ける人影があります

 

そんな動くものに

 容赦なく全てを食べてしまう虫は集ります

 

その度に人影は拳を叩きつけ

 握りつぶし、引き裂き

  走り続けます

 

 

「何でここにはバイクタイプがないんだ?」

ラルフは愚痴を

 こぼしながら走り続けています

 

徐々に火山の火口が近づいてくると同時に

 大きな違和感を受けます

 

【団体行動】

サイ・バグが火山の火口に集まっています

 それは群れを成している様に見えるのです

 

 

不思議に思いながらも

 ラルフは火口に近づいていきます

 

大きな違和感はやがて確信になり

 その中心にはキャンディ大王がいました

「おや?ラルフ…奇遇だな、ふふふ」

「キャンディ大王?

 こんなところで何をしてるんだ?」

 

 

【ゲームセンター開店5分前です】

「ラルフ…」

「開店5分前だ

 お前はゲームで待機していろ」

 

カルホーンはフェリックスに帰るよう促します

「でもそんなこと」

「もし、ゲームの根幹である

 直すこともできなくなれば

 困るのはお前だぞ?」

 

カルホーンはゲームを睨みつけています

 ですが〈ヒーローズ・デューティ〉の

  先導役であるカルホーンもまた

   自分のゲームに

    いなくてはいけない存在です

「でも…軍曹は?」

「2度と羽音を聞かずに済むのなら

 願ってもないことだ」

 

カルホーンがフェリックスを嗜め

 帰るように再び促します

 

 

ナイスランドに列車が入ってきます

「フェリックス!」

ナイスランダーがそれを出迎えにいきます

 

「やぁ、皆んな」

フェリックスはナイスランドに帰ってきました

 

「ラルフったら帰ってきたのに…」

「帰ってきたらまた何処かに」

「ジーンとラルフが仲直りしたの!!」

ナイスランダーが口々に

 フェリックスに話し掛けますが

  反応は生返事です

 

「どうしたんですかフェリックス?」

「顔色が悪いわよ?」

「ラルフは?」

フェリックスは俯いたまま

 話そうとしません

 

「さぁ、皆んな配置について

 プログラム通りに…」

ですが

 

 

「さて、様子を見るかな」

ゲームセンターではリトワクさんが

『故障中』のゲーム筐体を

 確認していました

 

 

フェリックスはハンマを握りしめて

「覚悟はいい?ジーン」

「あぁ、いつでも」

フェリックスは空っぽになった

 ナイスランドに一人

 

いえ、ジーンと二人で

 プログラムを実行します

 

【コイン警報】

ブルドーザーが切り株をどかし

 クレーン車とコンクリート車が

  瞬く間にアパートを仕上げます

 

一連のゲームの導入が挟まり

 ジーンが1人アパートの中に

  入っていきます

 

ジーンは静まり返った廊下を歩き

 所定の位置で窓から顔を出します

「助けて、フェリックス」

ジーンが叫びます

 

フェリックスは深呼吸をします

 恐らくは最後の仕事になるからです

 

『OK!僕が直すよ!』

「OK!僕が直すよ!」

吹き出しに合わせて叫びます

 

『壊してやる!』

〈フィックス・イット・フェリックス〉では

吹き出しは出るものの

 ラルフは出てきませんでした

 

「ラルフ…すまない」

ジーンが項垂れる中

 

アパートが少し揺れます

 

【レンガが落ちる音】

するとコツンと短い音が聞こえました

「何だ?」

 

「壊してやる」

 

 

その頃、ゲーム・セントラル・ステーションでは

 ナイスランダーが

 『フィックス・イット・フェリックス』の

 プラグとコンセントの前で悲しんでいました

 

電源が抜かれることに逃げたこと

 フェリックスを裏切ってしまった

  後ろめたさから避難するのを

   躊躇った結果です

 

それでもゲームに残る選択は取れずに

 プラグとコンセントの前で

  立ちすくんでいました

 

ですが待てど暮らせど

 一向に抜かれる様子はありません

  その上【コイン警報】

   再びアナウンスが流れました

 

 

ゲームセンターでは

「何これ?難しい…」

 子供達がゲームに集まっています

 

最新ゲームと言えば

〈ヒーローズ・デューティ〉でしょうか?

〈バーチャル歌姫〉の音楽ゲームでしょうか?

〈コンサート〉の演奏ゲームでしょうか?

 

いずれのゲームでもありません

「フェリックス頑張れ!」

〈フィックス・イット・フェリックス〉です

 

「ボーナスステージ?」

「見たことない!」

画面の中では、フェリックスが

 ハンマーを振り続けています

 

ですが直ったそばから窓ガラスが割れ

 レンガが降り注いでいます

 

「これ…Qバートのキャラクターに見えない?」

「言われてみれば…」

「こんな隠しステージがあるなんて」

アパートの足元では

 オレンジ色のボールに

  足が生えた一頭身のキャラクター

   Qバートが応援しています

 

アパートではQバートの悪役

 謎の存在ニョロ、モアイ像のモーちゃんが

  窓ガラスを次々割っています

 

そんな屋上では

「壊してやる」

棒読みの巨漢が飛び跳ねています

 

ラルフでしょうか?

 いえ、ヒーローズ・デューティの

  マルコフスキーです

 

お世辞にも演技が上手いとは言えません

 

 

「フェリックス被弾!」

「Qバート1UPアイテムを!」

「垂れ幕用意!!」

 

画面が垂れ幕で隠され

 不恰好な『GAME OVER』が

  プレイヤーに表示されます

 

その間にフェリックスは休憩をしています

「皆さん、ありがとうございます」

「し、プレイヤーに気づかれてはいけない」

 

変わるがわる挨拶を済ませる中

 フェリックスはQバートにお礼を言います

 

「助けてくれてありがとう」

「@//_&」

「"チェリー"のお返し…?」

 

Qバートが画面を指し

 ゲームが再び始まります

 

 

〈フィックス・イット・フェリックス〉は

 全盛期の盛り上がりを見せています

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