『シュガーラッシュ』   作:空っぽのティーポット

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※本作品はスマホ画面(縦)(執筆環境SE3)で
 読む方法を前提として書いています。
※これは後にシュガー・ラッシュ3を
 描くための基盤作りの物語です。


『私のヒーロー』

「ここがお城の中…」

【青いノイズ】

「ここ?」

ヴァネロペは青いノイズに連れられ

 回廊に出ます

 

そこは

 薄暗く、足元が見えづらいところでした

  青いノイズはただひたすらに

   先導した後、通路の脇にある

    地下への階段を指さします

 

 

「何ここ?」 

長く続く階段を降り続け

 薄暗い場所へと入り込みます

 

「暗いよ、怖いよ、帰りたい」

尚も続く階段は

 その降りた段差に比例して

  明るさが損なわれていきます

 

「ノイズちゃん?」

真っ暗な空間の中

 ヴァネロペは降り続けます

 

 

「うわぁ!!?」

気がつけば青いノイズと共に

 ヴァネロペは

  周囲に背景はなく床もない空間に

   飛ばされていました

 

「気持ち悪い、吐きそう…」

回り続ける身体のせいで

 胃袋の中身が喉にせり上がります

 

【赤いノイズ】

回る身体を修正され

 ヴァネロペが何とか持ち堪えます

 

「キボチワルイ」

【青いノイズ】

【赤いノイズ】

二人に連れられる形で

 ヴァネロペは両手を前に出し

  掻き分けるような仕草で

   平泳ぎの動作を取ります

 

ヴァネロペは

 何もない空間の中を

  ひたすらに泳ぎ続けます

 

 

永遠に思える無の空間がひたすらに続きます

 

「ねぇ、お二人さん?どこに向かって…」

 ヴァネロペは世界の暗転が

  繰り返し起こったとき

   それは突如として現れました

 

 

「何…ここ?」

その空間には無数の箱が宙に浮かんでいます

 その箱達からは

  皆一様(・・・)に光る紐が繋がっています

 

箱にはひとつひとつラベルが貼ってあります

『キャラクターデータ』

『NPCデータ』

『カート情報:破損中』など

 様々な箱が浮かんでいます

 

「?」

ヴァネロペは何か

 引っ掛かりを覚え

  ノイズ二人を引き留め指を指します

 

ヴァネロペから3本の紐が

 何処かに繋がっています

 

 

「…」

微睡の中、ラルフの意識は霧散しています

 プログラムの中で何にも(・・・)繋がることはなく

  ただひたすらに存在するだけの存在

 

赤い衝撃波による余波で

 落ちてただひたすらに存在するだけの存在

 

ですが、悪役にならなくても済むのなら

 ラルフにとってこれは

  とてもいいことなのかも知れません

 

そのため、ラルフはこの惰眠を貪ります

 それしかやることがない為です

 

「?」

そんな中、身体に何かが纏わりつきます

 蜘蛛の糸が体に触れた時のような

  掴んでも離れない小さく細い何か

 

「… …!!」

誰かが叫んでいます

 誰でしょうか?

 

「ラルフ!!ラルフ!!!」

 

 

「何だよ、人が気持ちよく寝てたってのに」

ラルフは目を覚まします

 高い天井と柔らかい絨毯

  明るいステンドグラスのお城の中

 

背中を地面に任せる形で

 ラルフは寝転がっています

「何だ?知らない天井だな」

夜空とは違う綺麗さを持つ景色に

 ラルフは感想を述べます

 

「ラルフ?」

「はい、ラルフです…よ」

ポカンとした表情のラルフがそこにはいました

 

 

「ラルフ?」

「あ〜俺寝ちゃってた?」

「ラルフだ…ラルフ…」

「おーい聞こえてますか?

 どうしたんだ一体?」

「ラルフ!ラルフ!ラルフ!」

 

ヴァネロペが涙を流しながら

 ラルフに抱きつきます

  家族の再会のように固く、しっかりと

「死んじゃったかと思ったぁ」

「何がどうなってんだ?」

 

ヴァネロペはラルフの目を気にすることなく

 大声で泣きます

ラルフは泣き続けるヴァネロペを慰めるように

 撫でますが

  とあることを思い出してギョッとします

「やばい!キャンディ大王の正体を」

「ターボでしょ?」

 

「あいつの目的」

「ゲームセンターの乗っ取り」

 

「あいつは」

「サイ・バグ」

 

「おい、何で知ってんだよ」

「何でも知ってるわよ私のヒーロー」

グズるヴァネロペはとても幸せそうです

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