『シュガーラッシュ』   作:空っぽのティーポット

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※本作品はスマホ画面(縦)(執筆環境SE3)で
 読む方法を前提として書いています。
※これは後にシュガー・ラッシュ3を
 描くための基盤作りの物語です。


『ゲーム・セントラル・ステーション』

ゲーム筐体から伸びるコードの中には

 モノレールが通っている。

 

筐体側から乗り込んだそれは

 青い稲妻と火花を出しながらコンセントの

  向こう側へと

【ゲーム・セントラル・ステーション】へと

 移動する、それほど速くない乗り物

 

 

 

「抜き打ちのセキュリティチェックです

 名前は?」

「ザンギエフ…」

「では、ザンギエフさん

 貴方はタッパーのお店で…」

「ラルフだよ!」

「結構」

ラルフはセントラルステーションの延長コード

 アダプター部位のセキュリティに止められていた

 

あらぬ罪を科せられそうになり慌てて訂正する

「どこからいらっしゃいましたか?」

「〈パックマン〉から…」

「果物はお持ちですか?」

「いや、持ってない」

「どちらへ向かわれますか?」

「〈フィックス・イット・フェリックス〉」

「他に申告するものは?」

「あんた嫌い」

「よく言われます」

 

 

『ゲーム・セントラル・ステーションへようこそ』

そんなアナウンスが流れている最中

 不貞腐れたラルフが

  隠し持っていたチェリーを片手に

〈フィックス・イット・フェリックス〉に

 向かっている

 

ラルフは道ゆくキャラクターに恐怖とも嫌悪とも

 取れる視線を向けられ、避けられる

  その理由は二つある。

 

一つはリトワクさんのゲームセンター

 その中でもかなりの長寿である

〈フィックス・イット・フェリックス〉

その中でも問題を起こす

 所謂悪役キャラクターである為…

 

もう一つの理由は

 現在:臓物やら、リングがラルフに

  絡まって業々しい様である為

 

「わ!ラルフだ…」

「壊し屋だ!」

「他のゲームに乗り込んで

 アイテムを盗むんだって」

「壊し屋じゃなくて盗み屋じゃないか」

道行くキャラクターが口々にラルフへの

 悪評や印象、噂をつぶやく

 

ラルフは怒った表情を変えることなく

 チェリーを齧りながら

〈フィックス・イット・フェリックス〉に

 向かって歩きつづける

 

【自分のゲームの外で死ぬと、復活ができない

 そこでゲームオーバー…】

セントラルステーションの所々にある液晶には

〈ソニック・ザ・ヘッジホッグ〉のソニックが

 他ゲームでの注意点を話している

 

活気の満ちている道(=プラットフォーム)

 そんな端っこでうずくまっているキャラクター

〈Qバート〉の面々、故障中のため筐体から

 追い出された面々だ

 

喧騒に混じった暗い所

 ヒーローであろうともそれは筐体の中での話

  今やそこかしこにお払い箱のキャラクター

 

『仕事を無くしました。助けて下さい』

 助けたいのも山々だが〈ターボ〉のこともあり

  助けるに助けられないのが現状です

 

「何だ…これでも食えよ。みんな頑張れよ…」

齧っていた方とは対のチェリーを手渡す

 Qバートはそれを受け取る

  ラルフはバツが悪そうに微笑みながら

〈フィックス・イット・フェリックス〉へ

 

「お名前は?」

「またかよ」

忘れた頃に抜き打ちのセキュリティチェック

 検査係のサージは淡々と質問を続けた

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