読む方法を前提として書いています。
※これは後にシュガー・ラッシュ3を
描くための基盤作りの物語です。
ゲーム筐体から伸びるコードの中には
モノレールが通っている。
筐体側から乗り込んだそれは
青い稲妻と火花を出しながらコンセントの
向こう側へと
【ゲーム・セントラル・ステーション】へと
移動する、それほど速くない乗り物
「抜き打ちのセキュリティチェックです
名前は?」
「ザンギエフ…」
「では、ザンギエフさん
貴方はタッパーのお店で…」
「ラルフだよ!」
「結構」
ラルフはセントラルステーションの延長コード
アダプター部位のセキュリティに止められていた
あらぬ罪を科せられそうになり慌てて訂正する
「どこからいらっしゃいましたか?」
「〈パックマン〉から…」
「果物はお持ちですか?」
「いや、持ってない」
「どちらへ向かわれますか?」
「〈フィックス・イット・フェリックス〉」
「他に申告するものは?」
「あんた嫌い」
「よく言われます」
◇
『ゲーム・セントラル・ステーションへようこそ』
そんなアナウンスが流れている最中
不貞腐れたラルフが
隠し持っていたチェリーを片手に
〈フィックス・イット・フェリックス〉に
向かっている
ラルフは道ゆくキャラクターに恐怖とも嫌悪とも
取れる視線を向けられ、避けられる
その理由は二つある。
一つはリトワクさんのゲームセンター
その中でもかなりの長寿である
〈フィックス・イット・フェリックス〉
その中でも問題を起こす
所謂悪役キャラクターである為…
もう一つの理由は
現在:臓物やら、リングがラルフに
絡まって業々しい様である為
「わ!ラルフだ…」
「壊し屋だ!」
「他のゲームに乗り込んで
アイテムを盗むんだって」
「壊し屋じゃなくて盗み屋じゃないか」
道行くキャラクターが口々にラルフへの
悪評や印象、噂をつぶやく
ラルフは怒った表情を変えることなく
チェリーを齧りながら
〈フィックス・イット・フェリックス〉に
向かって歩きつづける
【自分のゲームの外で死ぬと、復活ができない
そこでゲームオーバー…】
セントラルステーションの所々にある液晶には
〈ソニック・ザ・ヘッジホッグ〉のソニックが
他ゲームでの注意点を話している
活気の満ちている道(=プラットフォーム)
そんな端っこでうずくまっているキャラクター
〈Qバート〉の面々、故障中のため筐体から
追い出された面々だ
喧騒に混じった暗い所
ヒーローであろうともそれは筐体の中での話
今やそこかしこにお払い箱のキャラクター
『仕事を無くしました。助けて下さい』
助けたいのも山々だが〈ターボ〉のこともあり
助けるに助けられないのが現状です
「何だ…これでも食えよ。みんな頑張れよ…」
齧っていた方とは対のチェリーを手渡す
Qバートはそれを受け取る
ラルフはバツが悪そうに微笑みながら
〈フィックス・イット・フェリックス〉へ
「お名前は?」
「またかよ」
忘れた頃に抜き打ちのセキュリティチェック
検査係のサージは淡々と質問を続けた