読む方法を前提として書いています。
※これは後にシュガー・ラッシュ3を
描くための基盤作りの物語です。
※王=黙字です
ヴァネロペ王と表示されますが
コレ読み易さの差別化です
◇
Wi-Fiが導入されて早数ヶ月
日々はそれほど変わらずに過ぎて行きました
無理もありません
Wi-Fiはサージが
立ち入り禁止にしてしまっており
キャラクターにとっては
あってないようなものです
結局、キャラクター達は
使えもしないシステムより
日常送ることが有意義である以上
忘れられるのは必然でした
◇
【業務連絡。ゲームセンターは閉店した】
そんな中ヴァネロペ王は
とても不快な気分でした
待てど暮らせどヴァネロペが
今から行われるレースに現れないのです
「どこにいるのよ…あたし」
「ヴァネロペ?レースの合図を…」
「もう少しだけ待ってタフィタ」
「いつもそう言ってもう15分よ?
キャンディが溶けて地面にくっつきそうよ」
「はぁ…分かったわ、タフィタ
レースを始めましょう」
出入り口の方向を眺めながら
ヴァネロペ王はスタート地点に向かいます
明日プレイヤーと遊ぶキャラクターを
抽選する必要がある為
参加者が欠けるのは
かなり問題があるのですが
他のレーサーもいるため
待つことはもうできません
◇
「やばいやばい…忘れてた!」
ヴァネロペは青い空間を移動しています
この青い空間はWi-Fiのシステム内の景色です
青い空間から出て来たヴァネロペは
広い空間の中心に立ちます
するとヴァネロペは
地面へと吸い込まれ消えてしまい
消えた直後
広い空間の端にあるカプセルの中で
眠っていたヴァネロペが目を覚まします
◇
ヴァネロペは急いで広い空間を後にします
封鎖処置をいつものようにすり抜けると
サージの目を掻い潜り
〈シュガー・ラッシュ〉へと向かいます
◇
「お待たせ…ってみんなどこ?」
ヴァネロペがスタート地点までやって来ますが
レーサーはおろか、観客すらいません
時間を間違えたのかとヴァネロペは
時計を確認します
本来レースをする時間は当に過ぎています
ただ残っている光といえば
白い城、キャンディキャッスルだけです
ヴァネロペはリケティ・スプリットに乗り込むと
キャンディキャッスルに
向かってアクセルを踏みます
◇
「ヴァネロペ?
ヴァネロペ・フォン・シュウィーツ?」
ヴァネロペはキャンディキャッスルの
大きな扉を開けて、謁見室へと入ります
とても広い空間に赤いカーペットが
玉座まで続いています
玉座には見慣れた
白いレーサースーツを着たヴァネロペ王が
黙って座っていました
「おかえり、どこに行ってたの?」
ヴァネロペ王がそっけなく質問をします
「ちょっとね、ねぇ?今日のレースは?」
「まだ質問は終わってないんですけど?」
「別にいいじゃん」
「もう終わった」
ヴァネロペはそれに興味なしとばかりに答えます
ヴァネロペ王は明らかに苛立ちを見せています
「え?あたしは?」
「だから、どこに行ってたのって聞いてるの?」
ヴァネロペ王は両手でこめかみを押さえ
眉間にシワを寄せ、ため息をついています
ヴァネロペは自分が参加できなかったことに
驚きを隠せていない様子です
◇
「タッパーのところよ!」
「ダウト、タッパーから聞いてる」
「…バイトだよ、いつも通り」
「ヴァネロペ…?」
はぐらかすヴァネロペに
ヴァネロペ王の表情が険しくなっていきます
「あ〜寝坊したのよ、何か悪い?」
「他のレーサーが待ちくたびれてたのよ」
ヴァネロペ王が玉座から立ち上がり
ゆっくりと階段を下っていきます
「ごめんなさい」
「あたしじゃないでしょ…謝るのは」
「そんな…不公平だよ
他のレーサーも遅れることくらいあるじゃない」
「そういうことじゃないんだってば」
ヴァネロペ王は頭を掻き
ヴァネロペを睨みつけます
「これで何回目か覚えてる?」
「えぇっと3回?」
「12回目!しかも連続!」
【赤いノイズ】
「…ッ」
ヴァネロペ王が赤いノイズを立てました
彼女はあまり感情的になりません
これは非常に珍しいことです
「何よ、感情的なっちゃって
律儀に数えちゃってバッカみたい」
「…」
ヴァネロペは反抗的な態度をとります
それは却ってヴァネロペ王の神経を
逆撫ですることになりました
「あのね」
ヴァネロペ王はひと呼吸します
「今後、こういうことが続くなら
何かしらの対策を講じないといけなくなるの」
「それで?」
「明確な時間と場所を決めて、予め予告する
必要が出てくるの」
「王様は大変だね」
「…」
ヴァネロペは自分が省かれたことに腹を立て
話を聞く態度を取ろうとしません
ヴァネロペ王はそれでも
どうにか話を続けようとします
「ヴァネロペ…お願いだから
何をしているのか教えて?」
「あんたには関係ないでしょ?」
「ヴァネロペ…」
似ているのに真反対の二人
片や王、片やレーサー責任や立場が違う
というのもあります
「…ヴァネロペ」
「あなたもキャンディ大王と一緒よ」
「…ッ」
自分を除け者にした行動といつかの事件とが
重なりヴァネロペの口から
思わぬ言葉が溢れました
そのことに気づいたヴァネロペが
ハッとして謝ろうとしますが
「あ、ごめん」
「もういい!!あったま来た!!!」
【赤いノイズ】
ヴァネロペ王がヴァネロペに掴み掛かります