読む方法を前提として書いています。
※これは後にシュガー・ラッシュ3を
描くための基盤作りの物語です。
※王=黙字です
ヴァネロペ王と表示されますが
コレ読み易さの差別化です
◇
【1・2・】
モニターの表示がカウントアップを始め
スタートの合図をする係マーシャルの
マシュマロキャラクターが
コースの上空でレース旗を掲げます
レーサーは
エンジンをフルに鳴らし
スタート地点に歓声とは違う
腹に響く音が響きますに
【GO!】
システムアナウンスと同時に
マーシャルのマシュマロが
レース旗を振り下ろします
◇
キャンディアスファルトを滑る
各種菓子タイヤが滑らかに
スタートを続々と切ります
何人かのレーサーはスタートダッシュを失敗し
その場に取り残されつつも
スタートを切ります
ヴァネロペもそれに
続くようにスタートを切ります
ですがどうにも不満があるようです
◇
さて、ゲームが好きならば
或いは常連ならゲームが上手である
もしくは熟達しているのでしょうか?
答えは必ずしもそうではありません
例に漏れずプレイヤーのスワティにも
それが当てはまります
彼女はガチ勢
スコアやクリアまでの時間を競う人ではなく
エンジョイ勢
ゲームをいろんな視点で楽しみながら
遊ぶプレイヤーなので
順位を気にすることなく遊ぶのです
「下手くそお〜」
「いいから黙ってて」
スワティのプレイングをナフィサが茶化します
二人は楽しそうに遊んでいますが
画面の向こうはガム渓谷に
差し掛かった時異変が起こりました
「あれ?」
「どうしたの?」
◇
レーサーたちはいっせいにアクセルを踏み
飛びだしていきました
エンジンの掛かっていないリケティス・プリット
プレイヤーはエンジンを掛け損ねています
出足が遅れたヴァネロペをしり目に
ヴァネロペ王とタフィタがトップで
競り合って走ります
「起きてよ、寝坊助さん!!」
【青いノイズ】
ヴァネロペは仕方なく
プレイヤーに変わりエンジンを掛け
ようやくスタートしました
ヴァネロペは前のカートを次々に抜き去り
二人を追いかけるのを見守ります
「ちょっとごめんなさい、抜かせてね!」
さっきまでの不調を感じさせることのない
コース取りで
次から次へと抜き去っていく
リケティ・スプリット
「お先に失礼!」
ガム渓谷に入りました
巨大なチューイングガムが
コース両脇の急な斜面を
転がり落ち進路を妨害しています
意気揚々とアクセルを踏み込んだ
ヴァネロペですが
リケティスプリットが減速を始めたことに
驚きます
「なんで!?」
ヴァネロペは転がってきたガムを
ハンドル捌きにより間一髪で避け続けています
「何でスピード出さないのよ!」
ヴァネロペは転がってくる
ガムを避け続けますが
ハンドルがいうことを聞かなくなりました
「!…このままじゃ負けちゃう」
上位はムースロードに差し掛かっています
バランス型のリケティ・スプリットでは
これ以上差をつけられた場合
タフィタにも勝つことができません
それどころかレーサー達にも負けてしまいます
ヴァネロペはとうとう
我慢できなくなりました
【青いノイズ】
「遅くなってごめんね
私が運転してあげるから」
ヴァネロペは笑顔で
一気にコースを難なくガム渓谷をクリアし
走り去りました
◇
【赤いノイズ】
「これ…は」
ヴァネロペ王に走ったノイズ
それは感情の起伏によるノイズではなく
ヴァネロペがズルしたことを
知らせるものでした
「…ふざけないで」
ヴァネロペ王のハンドルを持つ手が
静かながら確実に力が込められていきます