読む方法を前提として書いています。
※これは後にシュガー・ラッシュ3を
描くための基盤作りの物語です。
※王=黙字です
ヴァネロペ王と表示されますが
コレ読み易さの差別化です
◇
「まったく」
タフィタと競っていたヴァネロペ王は
速度を落としていきます
「何で…」
【赤いノイズ】
ヴァネロペ王に走ったノイズ
それは感情の起伏によるものだけでなく
ヴァネロペがズルしたことを
知らせるものでした
「余計なことをして!」
【赤いノイズ】
ヴァネロペ王の我慢は限界を超えました
ルールに従わないこと
タフィタの好意を無碍にしたこと
プレイヤーを無視していること
【赤いノイズ】
ヴァネロペ王に赤いノイズが走ります
◇
【赤いノイズ】
「!!?」
ムースロードに
差し掛かったリケティ・スプリット
ヴァネロペはハンドルの制御を失います
リケティ・スプリットは
一人でに動き、ハンドルが切ります
アクセル、ブレーキも
効かなくなっています
◇
「接触不良?」
「このゲームってば古いからね」
ゲームセンターでは
ゲーム機が動作不良を起こしたことに
スワティが驚いていました
ナフィサは動作不良は仕方ないことだと
苦笑いをしていました
「どうしようまた…」
「ちょっとリトワクさんを呼んでくる」
ゲームの動作について愚痴を話していた折
再び制御を失った為ナフィサは
リトワクさんの元へと急ぎます
◇
【青いノイズ】
「やってくれるじゃない!」
ヴァネロペはプレイヤーに委託された操作を
自分に戻し、レースを再開しようとします
【赤いノイズ】
「世界の中心にでもなったつもり?」
ヴァネロペ王が赤いノイズにより
ヴァネロペに移っていた操作権限を
プレイヤーへと戻します
【青いノイズ】
「面白くないのよ!あんたも分かるでしょ?」
ヴァネロペはプレイヤーの操作を奪い
追いつく勢いでヴァネロペ王との
その差を縮めていきます
【赤いノイズ】
「プログラムが無茶苦茶になっちゃうでしょ!?」
青いノイズを上書きする様に
赤いノイズが生じます
【青いノイズ】
「何負けるのが怖いの?」
ヴァネロペ赤いノイズを抑え込み
ヴァネロペ王に並び立とうとします
【赤いノイズ】
「それ本気で言ってるの?」
「…ッ」
ヴァネロペ王の身体に赤いノイズが走ります
【青いノイズ】
「何よ、どうしたの?」
ヴァネロペの身体に
動揺の青いノイズが走ります
【赤いノイズ】
「勝てるってんなら…」
青いノイズより早く
赤いノイズがキャンディ王国を
塗りつぶしていきます
◇
それはアイス山脈の中で起こった
【赤いノイズ】
【青いノイズ】
【赤いノイズ】
「真正面から勝ってみなさいよ!!!」
ハンドルの権限がどっちつかずの状態で
アイス山脈へと入り
ドリフトの連続地帯に差し掛かった時
突如ハンドルの抵抗がなくなり
ヴァネロペのハンドルはスリップした後
アイス山脈の谷へと落ちていきました
エンジン音がアイス山脈にこだまします
◇
ゲームセンターでは訪れていた子どもたちが
〈ジャガー・ラッシュ〉を取り囲む形で
立ち尽くしていました
リトワクさんがナフィサに連れられ
シュガー・ラッシュに到着した時
シュガー・ラッシュのゲーム筐体
そのハンドルが空中に接続され
スワティの手に握られていました
「リトワクさん、ごめんなさい」
「ナフィサちゃんに聞いてるよ」
「ごめんなさい
突然、ヴァネロペが操作できなくなって
私にはどうすることもできなかったの」
スワティがパニックを起こしそうになり
涙目になりながら何とかリトワクさんに
説明を続け、謝ります
リトワクさんは
取れたハンドルを受け取り
それを注意深く観察します
「スワティちゃん
心配しなくていいよ、すぐに元どおり
何せ、はめればいいだけだからね」
筐体の回転に
対抗する形でスワティがハンドルを回した結果
ハンドルの接続部の部品が
小さくも確実に変形していました
鯖も目立っています
「でも今日のところは
シュガー・ラッシュはお休みかな」
リトワクさんはスワティの頭を優しく撫でると
プラグとコンセントへと近づいていきます
〈シュガー・ラッシュ〉には
『GAME OVER』画面が表示されており
その背景ではタフィタやヴァネロペの
レーサーが見下ろす形で
プレイヤーを見ていましたが画面から
はけていきました
◇
キャンディ王国をレーサー達が道も気にせず
出口へと向かっていきます
キャンディ王国の住民を避難を完了させるべく
ヴァネロペは観客席の方向へと
ハンドルをきります
「ヴァネロペ!?」
「大丈夫タフィタ、ちゃんと追いつくから」
◇
「大変だ!リトワクさんは
〈シュガー・ラッシュ〉の
プラグを抜くつもりだ!」
「みんな、早くここから出るんだ!」
リトワクさんの行動から
プラグを抜こうとしているのは明らかです
モニターの映像を見た
キャンディ王国の住民は泣き崩れていました
電源が抜かれてしまえば
ゲームの中に閉じ込められかねません
「国民達よ、落ち着いて」
そこに響いた少女の声
ヴァネロペ王が塔の上で
いつもは始まりの挨拶をする
マイクスタンドを片手に
避難を促しています
「あんた達急ぎな!」
「タフィタ!?」
優しいヴァネロペ王の声を掻き消す程の声
しかし、混乱の最中でも
その声キャンディ王国の民を落ち着けるのに
より適していました
「押すんじゃないそこ、誰も見捨てるな」
タフィタはヴァネロペに目配せをすると
ゲーム・セントラル・ステーションへと
向かいます
◇
「シュガースノウって綺麗で素敵」
ヴァネロペはアイス山脈の谷を抜けると
普段通らない道を見つけ
ウキウキ気分でコースへと復帰します
◇
「私が一番乗り!!」
ガランとしたゴール地点を通過したヴァネロペは
嬉しさのあまりリケティ・スプリットから
飛び出し、飛んで跳ねて大喜びです
「ヴァネロペ・フォン・シュウィーツ!
見たか!!あたしのはし…り?」
最初こそ初勝利による演出かと
殺風景な観客席、静まり返ったゴール地点を
気にしていなかったヴァネロペですが
違和感に気づき戸惑…
◇◇◇◇◇
リトワクさんが『故障中』の張り紙を
真っ暗になった
〈シュガー・ラッシュ〉に貼ってしまいました