『シュガーラッシュ』   作:空っぽのティーポット

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※本作品はスマホ画面(縦)(執筆環境SE3)で
 読む方法を前提として書いています。
※これは後にシュガー・ラッシュ3を
 描くための基盤作りの物語です。
※王=黙字です
 ヴァネロペ王と表示されますが
 コレ読み易さの差別化です


『大丈夫とは言葉ばかりで』

 

その日、シュガー・ラッシュの回収が決定した

 

 

「ヴァネロペ王」

〈フィックス・イット・フェリックス〉の

 最上階にノックの音が響きます

 

「ごめんラルフ…今は一人にして」

扉の先にいるキャラクターに

 ヴァネロペ王は答えます

 

「あぁ、何だ…クッキーを焼いたんだ

 このゲームセンターに来てもう

 15年になったって聞いたからさ」

「ラルフ…」

ラルフがクッキーを乗せたトレイを見つめる最中

 扉がゆっくりと開きます

 

「ヴァネロペ王、ハッピーバースデー」

「綴りが…」

「え?あ…クッソ、焼き直してくる」

ハッピーの単語に間違いがあり

 ヴァネロペ王は苦笑いを浮かべます

  ラルフは格好がつかないとトレーを

   持って台所へと向かいます

 

「いや、ありがとうラルフ…

 美味しいよ」

【赤いノイズ】

台所に向かうラルフの前にヴァネロペ王は

 赤いノイズで割り込むとクッキーを一つ

  掴み取り食べて見せました

 

「そりゃよかった」

 

 

「ヴァネロペのことは

 諦めたわけじゃないんだろ?」

「もちろん…だって消えたわけじゃない」

「そうだな」

【赤いノイズ】

【黒いテクスチャー】

ターボ事件、キャラクターが

 ゲームを乗っ取ってしまう事件で

  ヴァネロペを含む

   ラルフ、ヴァネロペ王の3人は

 

ゲームオーバーと電源が落ちることの違いについて

 知っており、ヴァネロペが

  消えていないことが分かっていました

 

ですが電源がない以上

 なす術がないのも事実です

「でも、外れただけだろ?」

「それだけならいいんだけど…」

 

 

青服が帽子を取り

 リトワクさんに一礼をすると

  ゲームセンターに背を向けます

 

リトワクさんは手渡された請求書の額に

 ため息を漏らします

「やれやれ、冗談と思いたい

 一年間に〈シュガー・ラッシュ〉が

 稼ぎだす金額より高いぞ」

 

現在のシュガーラッシュの状態は

 金属部品のみと思っていたハンドル内部が融解

  その実ハンドル内部の接続も

   受け付けなくなっていました

 

特殊な部品であるが故に

 他のレースゲーム機との部品を使用した

 『キメラ』することは

  プログラム的に不可能でした

 

請求書を眺めていたリトワクさんは

 ため息をつき

  考え込んだ後一つの決断をします

 

「なら、いっそ売ってあれ(・・)を買おう」

部品高騰は何も買うだけではありません

 売る側ではそれをメリットとして受けられます

 

請求書を片手に

 リトワクさんは事務所へと向かいます

 

 

スワティは自宅でシュガーラッシュの

 ハンドルを検索し、その予測変換に

 『倒産』という文字を見て驚いた

 

シュガーラッシュの権利を他企業に売却

 買収先は現在、オンラインゲームで

  一山当てているとのことでした

 

スワティの背中に汗が滲みます

 ゲームの衰退、発展を見ていた彼女は

 『プレミア』という言葉を幾度となく

  聞いてきました

 

検索欄に『シュガーラッシュ』『ハンドル』

 と打ち込み検索のボタンを押します

 

検索結果は22件

 その内のほとんどが

  オンラインゲームの開発インタビュー

   シュガーラッシュ誕生と倒産までの

    まとめなどであり、スワティは

     焦り始めます

 

最後のページが読み込まれ

 焦りは冷や汗へと変わりました

 

『ebay』にて検索結果に

 該当する商品がありました

 『$200』

 

簡易表示で見えた金額は

 子供が払える額ではなかったのです

「どうしよう…」

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