読む方法を前提として書いています。
※これは後にシュガー・ラッシュ3を
描くための基盤作りの物語です。
※王=黙字です
ヴァネロペ王と表示されますが
コレ読み易さの差別化です
◇
その日、シュガー・ラッシュの回収が決定した
◇
「ヴァネロペ王」
〈フィックス・イット・フェリックス〉の
最上階にノックの音が響きます
「ごめんラルフ…今は一人にして」
扉の先にいるキャラクターに
ヴァネロペ王は答えます
「あぁ、何だ…クッキーを焼いたんだ
このゲームセンターに来てもう
15年になったって聞いたからさ」
「ラルフ…」
ラルフがクッキーを乗せたトレイを見つめる最中
扉がゆっくりと開きます
「ヴァネロペ王、ハッピーバースデー」
「綴りが…」
「え?あ…クッソ、焼き直してくる」
ハッピーの単語に間違いがあり
ヴァネロペ王は苦笑いを浮かべます
ラルフは格好がつかないとトレーを
持って台所へと向かいます
「いや、ありがとうラルフ…
美味しいよ」
【赤いノイズ】
台所に向かうラルフの前にヴァネロペ王は
赤いノイズで割り込むとクッキーを一つ
掴み取り食べて見せました
「そりゃよかった」
◇
「ヴァネロペのことは
諦めたわけじゃないんだろ?」
「もちろん…だって消えたわけじゃない」
「そうだな」
【赤いノイズ】
【黒いテクスチャー】
ターボ事件、キャラクターが
ゲームを乗っ取ってしまう事件で
ヴァネロペを含む
ラルフ、ヴァネロペ王の3人は
ゲームオーバーと電源が落ちることの違いについて
知っており、ヴァネロペが
消えていないことが分かっていました
ですが電源がない以上
なす術がないのも事実です
「でも、外れただけだろ?」
「それだけならいいんだけど…」
◇
青服が帽子を取り
リトワクさんに一礼をすると
ゲームセンターに背を向けます
リトワクさんは手渡された請求書の額に
ため息を漏らします
「やれやれ、冗談と思いたい
一年間に〈シュガー・ラッシュ〉が
稼ぎだす金額より高いぞ」
現在のシュガーラッシュの状態は
金属部品のみと思っていたハンドル内部が融解
その実ハンドル内部の接続も
受け付けなくなっていました
特殊な部品であるが故に
他のレースゲーム機との部品を使用した
『キメラ』することは
プログラム的に不可能でした
請求書を眺めていたリトワクさんは
ため息をつき
考え込んだ後一つの決断をします
「なら、いっそ売って
部品高騰は何も買うだけではありません
売る側ではそれをメリットとして受けられます
請求書を片手に
リトワクさんは事務所へと向かいます
◇
スワティは自宅でシュガーラッシュの
ハンドルを検索し、その予測変換に
『倒産』という文字を見て驚いた
シュガーラッシュの権利を他企業に売却
買収先は現在、オンラインゲームで
一山当てているとのことでした
スワティの背中に汗が滲みます
ゲームの衰退、発展を見ていた彼女は
『プレミア』という言葉を幾度となく
聞いてきました
検索欄に『シュガーラッシュ』『ハンドル』
と打ち込み検索のボタンを押します
検索結果は22件
その内のほとんどが
オンラインゲームの開発インタビュー
シュガーラッシュ誕生と倒産までの
まとめなどであり、スワティは
焦り始めます
最後のページが読み込まれ
焦りは冷や汗へと変わりました
『ebay』にて検索結果に
該当する商品がありました
『$200』
簡易表示で見えた金額は
子供が払える額ではなかったのです
「どうしよう…」