仮面ライダーファントム   作:大枝豆もやし

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ファントムドライバーの音声を変えました。
ラップ口調の名乗り考えるの難しすぎる…。
それにネクロムみたいな電子音も好みだし。


ファントム

 

 

 

 俺には、秘密が3つある。

 

 

 俺の名は幻燈河螢多朗。

 三つの秘密を除けば、何処にでもいる普通の人間だ。

 

 人には言えない秘密。

 普通なら抱えないような、面倒な秘密。

 言えば頭が可笑しい人扱いされ、バレたら気味悪がられるような秘密だ。

 

 一つ目。

 俺は霊媒体質だ。

 曰く付きの場所に行くと心霊現象に遭い、写真を撮れば心霊写真になる。

 おかげで日常生活も儘らならない。何度この体質のせいで面倒ごとに巻き込まれたか。

 

 二つ目。

 俺は転生者だ。

 前世の記憶を持っているが、自己の同一性はほぼ無い。前世と俺は別人だ。

 勉強とかの知識面では便利だったが、社会経験が邪魔して幼稚園や学校は苦痛だった。

 

 三つ目。

 俺には力がある。

 幽霊と戦うための力が……。

 

 

 

 

「変身」

 

『Wake up! Phantom! Fight for evil!』

 

 

 俺は、仮面ライダーみたいな力を持っている。

 

 

 

 

 

 

 

「家庭教師?」

 

 大学入学して数日、俺は幼馴染(ストーカー)からバイトのアドバイスを受けた。

 学費や生活費は親が出してくれるし、前世から金使いはそんなに悪くない。だからバイトなんて必要ない。むしろ悪霊狩りの時間が無くなってしまう。だから断ろうとしたんだが……。

 

「(クソ、口車に乗せられた!)」

 

 気が付けば、俺は家庭教師になっていた。

 あのコミュ力お化け……! 俺だけじゃなく愚妹共にまで話つけやがって!何で俺をバイトにさせる為だけに外堀埋めるんだよ!?

 クソ、断れない性格なのは前世でも今世でも一緒か。早くノーと言える日本人になりたいぜ。

 とまあ、最初は家庭教師になって後悔したんだが、ここでヤバい子に会った。

 

 寶月夜宵。

 俺と同じ霊媒体質。

 霊視能力に特化しており、ぬいぐるみに悪霊を封じていた。

 

 それなりに強い悪霊だった。

 俺の持ってるアイコンの悪霊と比べたら大分目劣りするが、一般人にとっては危険な霊だ。

 普通ならこの子だけじゃなく同居している詠子も巻き込まれかねない。

 あと、この家に入るまで気づかなかった事が輪をかけて妙だった。

 だが、そんなものは次の言葉で全部吹っ飛んだ。

 

“心霊スポット行こうぜ”

 

 その言葉を聞いた途端、俺はニヤッと笑った。

 

 向かった心霊スポットは公衆電話。

 昔、そこで殺されたホステスの霊が他者を引きずり込もうと襲って来るらしい。

 心霊スポットとしてそれなりに有名で、イタズラ半分で幽霊を呼ぼうとするが結局何も起きないそうだ。

 けど、俺がやると……。

 

キテ……カワッテ……!

 

 ほら来た。俺がやると百発百中。必ずと言ってもいい程、曰く付きの事をやると出てくる。

 

 この侵ならざる者の気配。

 背筋に冷たいものが走る。

 身体が危険信号を発する。

 原始的な恐怖が俺を襲う。

 

 けど大丈夫。

 俺には力があるのだから。

 

 ポケットの中から、俺は目玉のような物体―――眼魂(アイコン)を取り出し、スイッチを押して起動させた。

 同時、俺の腰に炎を纏って目玉を模したベルト―――ゴーストムドライバーが姿を現す。

 

『Stand by!』

 

 ドライバーが現れると同時、電子音が鳴る。

 俺は気にせずカバーを外して中にアイコンをセットした。

 

『Yes sir! Loading!』

 

 カバーを閉じるとベルトがしゃべりだす。

 同時にベルトからエネルギーが供給され、全身をエーテルが覆い、血管のような模様が施された霊的防御の鎧―――トランジェント体を形成。

 

 機械的な待機音が流れる。

 ファントムドライバーからパーカーゴーストが現れ、悪霊の呪いを防いだ後、音楽に合わせて踊り出す。

 これから悪霊と戦うとは思えないような曲とダンスだ。

 けど、だからこそ気分が上がる。

 

「変身」

 

『Wake up! Phantom! Fight for evil!』

 

 パーカーゴーストを纏って変身。

 変身を完了させながら、俺は電話ボックス内に向かって走り出した。

 

 ガッシャアアアン!

 

 悪霊の顔面を掴み、電話に叩きつける。

 電話が壊れて部品が飛び散り、悪霊も鼻血か何か分からない血を流す。

 俺は構うことなく悪霊の髪をグイッと掴み、どんな顔をしているか覗き込んだ。

 

「男を何人も破滅させたって聞いてたから美人を想像したが……やれやれ、思った程でもないな。けど関係ない」

 

 

「もう男を誑かせるような顔じゃなくなるんだからな」

 

 

 殴る。

 女悪霊の顔面を。

 もうどんな顔か分からなくなるまで。

 水風船のように破れて血が飛び出る。

 骨を砕き、肉を打ち、歯を粉砕する。

 これでもう見られない顔になったな。

 

「ご…バァ”!!」

 

 悪霊が無駄な抵抗をするが不発に終わる。

 俺の全身を覆う透明なプロテクターと体表を覆う防護スーツ―――アーマーインビジブルとインビジブルスーツ。

 物理的な攻撃は勿論、霊的防御も施されているこの鎧は、あらゆる霊的攻撃を無効化する。生半可な呪いではビクともしない。

 パーカーファントムでも一撃で祓えるような呪いしか使えない悪霊など、敵ではない。

 

「らあ!」

 

 最後の一発を叩き込む。

 グローブから霊的エネルギーが展開され、敵にソレを叩き込む。

 エネルギーはパンチの威力を挙げるだけでなく、内部から破壊した。

 吹っ飛ぶ悪霊。

 余波で公衆電話が破壊され、電話ボックスのアクリル板が粉々に砕ける。

 

 トドメ。

 印を結んでアイコンに封印しようとした途端、夜宵が悪霊にぬいぐるみを押し付け、耳元で何かつぶやいた。

 何のつもりだ?一瞬疑問に思うが、ソレはすぐに解決することになる。

 

「な!?」

 

 ぬいぐるみは悪霊を吸収……いや、悪霊がぬいぐるみに取り憑いたといったところか。

 

「H市の電話ボックスの霊…ゲットだぜ」

 

 これは……一人目からヤバい生徒に出会ったな。

 

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