・ロリ神の興味
愛依→花嫁だけど似たようなものいっぱいあるから特に拘らないが、有象無象に奪われるのもタダ働きもソレはソレでムカつくから回収する
夜宵→俺に啖呵切ったおもしれー女
ファントム→強い!面白い!一撃入れた!だから欲しい!
後ろ回し蹴りを受けた太歳星君は思いっきり吹っ飛んだ。
自身が座っていた祭壇に叩きつけられ、その衝撃で祭壇は崩壊。
生き埋めとなり、辺り一帯に土煙が舞った。
ソレを見た夜宵と愛依は螢多朗の勝利を確信した…。
「素晴らしい!素晴らしいぞファントム…いや幻燈河螢多朗!この僕に技術戦で勝つだけでなく、土に付けるとは!」
土煙が止むと現れたのは、無傷の太歳星君だった。
足元には変身が解除され、倒れ伏している螢多朗。
ピクリとも動かない当り、気絶しているのが分かる。
「そ、そんな………!?」
「せ…先生が………負けた!?」
愕然と、倒れ気絶している螢多朗を見る夜宵と愛依。
特に夜宵はショックが大きかった。
今まで様々な悪霊を倒してきたファントム。
卒業生クラスやSランク心霊スポットの悪霊をも打ち倒してきた。
彼の強さと戦績を知っている夜宵にとって、ソレはあまりにもショックだった。
そんな二人に構わず太歳星君は何やら一人で考え出す。
「まさかたった一回の技で視肉を使わされるとはな。もし視肉がなくては僕が負けていただろう」
「(……視肉?あの肉塊の事か)」
式神を強化する際に使用した肉塊―――視肉。
まさか強化だけでなく回復手段としても使えるとは。
「しかしどうしようか。このまま持って帰りたいが…「未完成なのに満足なの?」………何?」
太歳星君の独り言に夜宵が割り込んだ。
「先生は…ファントムはアイコンの質と量に大きく依存し、複数のアイコンを使いこなす事で真価を発揮する。だから、アイコンが不十分な今では全力とは言えない」
「ふーん。ではその“あいこん”とやらは全部で何個ある?」
「十五個。先生は十個しか集めてない。十五個全て集めることで真の力を発揮する」
「集める?つまりあいこんは手に入れる手段があるという事か?」
「そう。悪霊を封じる事で集める。けど悪霊を封じてアイコンに出来るのは先生だけ」
「ふむふむなるほどなるほど…」
太歳星君は少し考える素振りをした後、気絶している螢多朗の懐からアイコンを取り出した。
ナンバー00。ファントムと同じものだが、ファントムの方が強いので全く使わないものだ。
「コレがあいこんか。確かに悪霊の魂が封じられているな。少しデカいが、コイツの魂ほどでは無いか…」
太歳星君はアイコンを握り締め神力を注ぎ込む。
白く発光する神気が赤黒く変色しながらアイコンに侵食し、新しいゴーストアイコンと化した。
ソレを太歳星君は夜宵目掛けて投げる。
「僕の力を注いでやった。コイツが目を覚ましたら渡してやれ」
「………」
どういうつもりだ。夜宵の眼はそう言っていた。
「ソレを使いこなせるよう精進しろ。そしてまた僕と戦え。その時はちゃんとあいこんを十五個揃えてな。…あ、逃げても無駄だ。既にこの男には僕の証を刻んだ」
「待っているぞ英雄よ。お前が僕の敵となり再び対峙する瞬間をな」
霞のように消えていく太歳星君。
同時、太歳星君が作り出していた空間も消え始め、夜宵の家に戻った。
「ッ!? せ、先生!先生!!!」
フリーズした機械が動き出すかのように、愛依は倒れている螢多朗に寄って抱き上げた。
「とりあえず…一難は去った」
「………最っ悪だ」
目覚めると、俺は夜宵ちゃんのベッドで寝ていた。
窓はカーテンが敷かれ日の光が届いてない。というか日が沈んでいる。
愛依ちゃんに夜宵を紹介したのが真昼だからかなり時間が経っている。
ということは…。
「俺、負けたのか………」
思い出した。
頭がクリアになってどういった経緯でこうなったか、記憶がどんどん湧いてくる。
負けた。
俺は負けたのだ。
完膚なきまで叩きのめされた。
あの神は一切本気を出していない。
最初から最後までお遊び。一発ぶち当てたのだって相手が油断していたからだ。
しかも舐めてもいい状況。現に何かしらの方法でダメージを無効化、或いは瞬時に回復された。
久々の敗北。
しかもボロ負けときている…。
「クソ………!」
悔しい。
久々に感じる敗北感。
勝者の慈悲に縋って見逃してもらったという屈辱感。
どれも最悪の気分だが、収穫はあった。
夜宵ちゃんと愛依ちゃんを見逃してもらえた。
あの状況なら俺は殺され、二人とも巻き込まれてもおかしくなかった。
けどあの神は、太歳星君は見逃した。見逃してくれた。
悔しいが仕方ない。
俺は格下だ。
強くなったと思ったが、まだまだ俺は弱い。
次こそ勝つために、このチャンスを活かす為に強くならないと………!
「―――ッグ!」
立ち上がろうとした瞬間、痛みが走った。
身体が痛い。主に全身が痛い。滅茶滅茶ダルくて立ち上がれない。
どうやら先ず身体を回復させる事が先のようだ。
「………完敗だな。なんとか五体満足で生き残ったけど」
俺は強くなった。
自力で霊的エネルギーを練れるようになり、アイコンチェンジが使えるようになり、ガンガンセイバーも使いこなせるようになった。
最初はもう酷いものだった。
その辺の野良悪霊にも苦戦するぐらいで、専用アイコンの悪霊相手だとボコボコにされてきた。
けど今は違う。経験を積んで、技術を磨き、心身を鍛えて。そうやって強くなってきた。
気が付けばアイコンを十個も集め、ぶっちゃけゴーストと遜色ないぐらいには強くなったつもりだ。その筈だったが………。
「どうやら、まだまだだったようだな」
「そんなことはない」
また戸が開いて入って来た。
入って来たのは夜宵ちゃん。
彼女は入ると同時に俺の方へ向かって来る。
「先生は良く戦ってくれた。おかげでどういう作戦を立てればいいか分かった」
「夜宵ちゃん、やる気か?あの神と」
「無論。あの神は先生もターゲットにしている。啖呵を切った私も逃げられない」
ん?啖呵?もしかしてあの神に喧嘩売ったの?
「正気?あの神の強さ見ただろ?その辺の祟り神なんかと比べものにならないよ」
「覚悟の上。目的を果たす為なら何だってやる」
・・・ほんとに最初から覚悟ガンギマリだな。この子の方が俺よりも主人公らしい。
「それで先生、起きて早々で悪いけど渡すものがある」
夜宵ちゃんはそう言って俺にアイコンを見せて来た。
見たことないアイコンだ。
俺しか作れない筈なのにどこで手に入れたんだ?
「これは神様………太歳星君が作ったアイコン。先生が持っていたダブったアイコンに神力を注いで作ったと思われる」
「えッ!?」
アイツそんなこと出来るの!? アイコンを奪われることはあっても新しく作ったり強化する奴なんて今までいなかったぞ!?
「おそらく先生をより強化するために渡したと思う。もっと戦いを楽しむために」
「………なるほど、趣旨は理解した」
要は俺が弱いからもっと強くなれって事か。
で、弱い敵に塩どころか武器まで送ってくれたと。
滅茶苦茶舐められているな俺。
「………絶対後悔させてやるあの神」
「その意気。あの神様をぶっ潰そう」
「あと、その手にある人形は何?新しい卒業生クラスの悪霊?」
「うん、詠子と協力して大人しくさせた」
マジかよ。この子と詠子となら、なんとかなりそうだ。
愛依は夜宵が帰らせました。詠子が車で送っています。
脳幹男も原作通り夜宵が倒して等活地獄システムにしました。