仮面ライダーファントム   作:大枝豆もやし

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螢くんブラッディアイ魂に慣れて大分使いこなせるようになりました。
連戦でもそんなに消耗し無くなったし。
食事代が掛かるのは相変わらずですが。


清明神社

 

「これはまたすんごい強い戦士がいたものだ」

 

 とある神社。

 神主らしき男が片目を瞑って感歎の声をあげた。

 

 

「ファントム、か。確か英国語で意味は亡霊。しかし気配や力は悪霊に近い上に、戦い方や戦闘力は鬼神に匹敵…いや、鬼神そのもの。………規格外だな」

 

「あの神の力を貰っているっていうことは相当気に入られているな。分かりにくいけど印もつけられている。今代の花嫁は見逃してもらえそうだけど、その時はあの戦士が持っていかれるな」

 

「力の源は悪霊を封じているあの目玉。高位の悪霊を調伏し、憑依させることで力を発揮。様々な形態に変わり、様々な武器や能力を使いこなす。つまり目玉が多ければ多い程強くなれると」

 

「よし、なら手助けは十分出来る。先ずはあの子に僕が今まで封じてきた厄介な悪霊を押し付けよう。僕も彼も助かり、あの神を倒せる可能性が上がる。一石二鳥ならぬ三鳥だ」

 

「後は式神も渡そう…いや、僕のを渡すより自分で調伏させた方がいいな。あの強さならあの鬼も調伏出来そうだ。………だったら封印を解くのもいいかも!」

 

 

 神主はテンションを上げて大きな独り言を言う。

 周りには観光客や神社の神職者など、人がそれなりにいるというのに、神主を気にする者はいなかった。

 まるでそこに神主などいないかのように。

 

 

 

 

 

 宿を出た先に向かったのは神社。

 安倍晴明を祀っており、夜宵ちゃん曰く同じ霊能者としていかずにはいられなかったそうだ。

 俺も神社は好きだから断る理由無かったので同行。神社の気を楽しみ、十分堪能させてもらった。

 

「で、これは何?」

「知らない。神主さんから貰った」

 

 詠子の車の中で俺と夜宵ちゃんは話し合っていた。

 夜宵ちゃんが神主さんから貰ったとされる古い本。

 そのページの間に紙人形らしき物が挟まっていた。

 悪霊が封印された依代だ。しかも卒業生クラスの。

 

「封印は完璧。むしろ私がやっているものより断然優れている」

「だろうね。むしろ俺のアイコンに近い」

 

 紙の依代の封印はかなり堅い。

 ぺらぺらで本に挟めるサイズにも関わらず。

 夜宵ちゃんが滅茶苦茶厳重に卒業生を保管しているというのに、この封印は少し糸を巻いたり、刻印を付けることで夜宵以上に完璧な封印が施されている。

 おそらくこの紙に封印されている悪霊が俺達に牙を向けることはないだろう。

 一体何者だ、コレを渡した奴は?

 

「この本を渡した人は先生と一緒に読んでって言ってた。この付録は先生用にしてとも」

「俺用…つまりアイコンに使えって事か」

 

 ソレ以外考えられない。

 俺が悪霊を使うって事はアイコンにするってことだから。

 けど、封印された霊や他者が所有している霊はアイコンに出来ない筈なんだが…。

 

「(なんか、出来そうな気がする)」

 

 何故かは分からない。

 普通は出来ないと分かってるからそんなこと思うはずないのだが、何故かデッキるという確信があった。

 とりあえずアイコンを作る為の印を結ぶ。やるだけならタダだ。アイコンが出来なくても何の損失もない。

 

「………出来た?」

 

 アイコンが作れてしまった。

 数は5つ。ナンバーは13~15までと、とんで18と21。

 というかアイコンナンバーって15までじゃなかったんだ。

 

「………アイコン、揃っちゃったね」

「そうだな」

 

 謎の展開でアイコンは揃ってしまった。

 いや、棚ぼた的な感じで得っちゃ得だけど、これでホントにいいのか?

 

「で、先生。アイコン十五個揃ったけど何かありそう?」

「待って、ちょっと色々やろうと思う」

 

 とりあえずドライバーを出す。

 瞬間、早速異変が起きた。

 ドライバーが一瞬光り出したのだ。

 今までこんなことはなかった。

 もしかしたら、呪いが解かれて新しい形態を…。

 

 ポロッと、ドライバーが取れた。

 

「………え?これだけ?」

 

 車内に微妙な空気が漂った。

 

 

 

 

 

 結局、ドライバーが取れた以外は何もなかった。

 今まで着脱不可能だったドライバーが取れたという事は呪いが解けたという事なんだろう。

 今まで感じていた代償を支払わなければいけない義務感も消えたし、何かつっかえた物が取れたような気もした。

 コレが気のせいじゃない事を祈るばかりだ。

 

 ドライバーは特に変化なし。

 着脱可能になっただけで普通に使えるし、今までみたいに仕舞う事も出来る。

 俺以外に使えるかどうかは不明だけど、どんなリスクがあるか分かったもんじゃないから実験するわけにもいかない。

 まあ、俺が使えるなら問題ないか。

 

「Tトンネルの霊、ゲットだぜ」

 

 ということでTトンネルの霊相手にファントムの動作実験を行った。

 普通に変身出来たし、アイコンチェンジも出来たし、オメガドライブも使えた。

 予めブラッドアイ魂に変身し、ファントムーディ―に乗って道路を走り、背後に現れたところで銃殺魔魂にアイコンチェンジ。銃撃で牽制しつつダメージを与え、最後はオメガドライブでヘッドショットをキメてやった。

 伸縮する舌が厄介だったけど、来る方向とタイミングが分かれば十分避けられるし、撃ってきたとこをカウンタ―スナイプで十分対処出来た。

 で、倒した後はアイコンに封印。ダブったので夜宵ちゃんに渡した。

 

「この調子だと問題なさそうだな」

「そうみたいね。いつも通り螢くん強かったし」

 

 何かあると思ったが杞憂のようだ。

 いや、どっちかっていうと何か期待してたんだが。

 アイコンドライバーGを手にするみたいな、超強化形態を手にする展開を。

 けどまあ、アレだって単にアイコン全部揃えるだけで入手したものじゃないからな。

 

 手に入らないなら仕方ない。

 気を取り直して次行こう次。

 そもそも弑逆桔梗作戦にアイコンドライバーGは無いし。

 アレも主人公のタケルの覚悟に英雄たちが応えて出来たものだ。

 この悪霊共が俺に協力する筈ないし、俺自身もそんな覚悟はない。ただ生徒を助けたいだけだ。

 

「大分余裕あるし次行こうか」

 

 ということで俺達は卒業生開放装置を設置し、次の心霊スポットに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 遂にアイコンが揃った。

 

 

 後は機会と闘志、そして至る為の力。真に力を必要とする機会と、巨悪と対峙する闘志、ソレを可能にする力があれば完成する。

 

 

 これは試練。より上位の存在へと進化する為の試練だ。

 

 

 苦難を乗り越え、克服した瞬間、進化は完了する。

 

 

 酒呑童子や悪路王をも超る最強の鬼へと。

 

 

 

 





ドライバーが取れても螢多朗くん以外使えません。
無理に使って変身すると、魂が抜けて最悪死にます。
ドライバーは魂が2つある螢くん専用ですから。
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