仮面ライダーファントム   作:大枝豆もやし

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ファントムの力は悪霊の力です。
だから人間に無害なお札や結界はファントムには反応します。
まあ、ダメージ与えられるかどうかは別ですが。
あと、念動力も使えます。雑魚や何の力もない人間には効きますが、卒業生クラスだと無効化されます。それに殴った方が強いし。なので念動力を悪霊に使うことはありません。せいぜい武器を回収したり、夜宵たちを救助したりする程度です。


この子すごい

「集合霊、ゲットだぜ」

 

 夜中のキャンプ場、夜宵ちゃんは即席米袋人形で霊を封じ、拷問していた。

 実に鮮やかな手口だった。

 作戦の立案も、ソレを実行する手筈も、そして悪霊を脅すのも。全て完璧だった。

 結果、彼女はフ 俺の力―――ファントムを使うことなく悪霊を全て捕らえた。

 

 夜宵ちゃんとは何度か心霊探索を行った。

 その際、俺は一度も変身するどころか 手伝いすらしてない。

 夜宵ちゃんは自分の実力を示す為に手出し無用と言われてたからだ。

 勿論、ピンチになったら無理やりにでも割って入るつもりだったが、ソレは杞憂に終わった。

 

 この子マジですごい。

 運動能力は小学生の域を超えており、特に力は大人を殴り倒せる程まである。

 戦闘中の頭の回転も速い。観察力、分析力、作戦立案能力。予想外のトラブルへの対応力も高い。

 そして何より度胸がある。一見ピンチに見えて手を出そうとしたが、彼女の目がソレを拒否。戸惑っているとマジで逆境を打破しやがった。

 

 マジですごい。この子本当に小学生か?もしかして俺と同じ転生者、しかも前世はエージェントか何かじゃないだろうな?

 ということで夜宵ちゃんは合格。この子なら悪霊との戦いも生き残れる。

 何なら、彼女を司令塔にしてもいいかもしれない。

 

 対する俺は力で解決しようとしていた。

 複数での戦闘は何度も経験している。

 だから、簡単にケリを付けられる。そう思っていた。

 けど、彼女は少しの小細工と小道具でやってみせた。

 何の力もない、ただ見えるだけのこの子が。

 

 力頼りの俺なんかとは、全然違う。

 

 

 俺は決して無敵ではない。

 対する俺は力で解決しようとしていた。

 複数での戦闘は何度も経験した。

 今回のようなケースもいくらか経験している。

 だから、簡単にケリを付けられた。

 ファントムの性能は凄まじい。呪いや幻術を無効化できる鎧に、霊体に触れられる掌、そして倒した悪霊を封印して自身の力にも出来る。

 大抵のことはファントムに変身するだけで解決する。けど、だからといって弱点がないというわけではない。

 

 呪いや幻が効かないのは、呪力のリソースを防御に回したから。

 だから変身後は呪術の類いが使えず、防御力以上の呪いも普通に効く。

 

 霊に触れられるのは霊的エネルギーによって構成されているから。

 だから変身後はお札や結界は効くし、防御力以上の攻撃も普通に効く。

 

 俺にダメージを与える方法は存在する。

 ファントムの霊的防御を突破する程の呪術を掛けるか、防御力を破れるぐらいの力でぶん殴るか。要するに力技だ。

 だから力負けしない限り……格上に会わない限り俺は負けることはない。そう想っていた時期が俺にもあった。

 詠子に知恵貸してもらって何とか切り抜け、もう二度と同じ轍を踏まないよう気を付けている。けど、だからといって万全とは限らない。

 

 俺と共に戦うなら相応の力がいる。

 俺みたいなチート頼りじゃなくて、己自身の力で戦う仲間が。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり、先生だけでも詠子を助けられた?」

 

 キャンプの帰り道、夜宵は助手席から詠子に質問した。

 この場に螢多朗はいない。キャンプ用品が後ろの席を占領しているので、彼は一人バイクを走らせている。

 詠子の車のミラーに、ファントムーディーが写っていた。

 

「う~ん、出来ると思うよ」

 

 少し気まずそうに詠子が答える。

 折角夜宵の作戦によって助かったというのに、水を差すような気がして申し訳なく感じていた。

 

「どんな風に助けたと思う?」

 

 しかし、そんなことはお構いなしに夜宵は質問した。

 

「う~ん、もし仮に集合霊が全員で一気に向かってきても簡単に殴り飛ばせると思うわ」

 

 ファントムのスペックは並の悪霊を超えている。

 あの程度の霊、たとえ百人来ようとも倒せる。

 

「けど、数でこられたらしんどいと思うけど」

 

 そんな筈はない。

 確かに数の暴力の前では強い個が潰される事はある。

 しかし、卒業生クラスの圧倒的な個なら蹴散らすことは可能。

 花魁を倒したファントムなら、あの集合霊を倒せることなど夜宵は見抜いている。

 しかし聞かずにはいられない。ファントムの実力を知る為には。

 

「ソレはないと思う。螢くん変身しなくてもメチャクチャ強いのよ。少なくとも喧嘩で負けた事は一度もないわ」

「だから集団で一気に襲い掛かられても返り討ちに出来ると?」

「うん、むしろ逆に利用しちゃうわ。ほら、人間って一気にぐわーと全員で襲い掛かってこられないじゃない?むしろ邪魔になっちゃう」

 

 一人の人間を複数で襲い掛かるのは意外と難しい。

 何人いようとも、一度で殴り掛かれる人数はニ三人が限度。

 それ以上行こうものなら互いの行動を邪魔することになる。

 故、人数を逆に利用して相手の動きを制限し、何なら同士討ちを誘う事も出来る。

 

「あと、道具も使ったりすると思うわ。ほら、あの剣にも銃にも杖にもなるあの武器」

 

 ガンガンセイバー。

 剣にも銃にも杖にもなる万能武器。

 ファントムの意思によって炎と共に現れる。

 ただでさえ強いファントムが更にそんな武器を持っているのだ。いくら数を揃えても勝てるわけがない。

 

「それにもし集合霊が逃げたってバイクがあるから追いかける思うわ。ほら、夜宵ちゃんも螢くんのドライブテクは知ってるでしょ?」

「………うん」

 

 最高時速300㎞を超えるモンスターマシンと、ソレを十全に扱えるテクニック。

 成程確かに。この二つが揃っているならどこに逃げても追いかけられるだろう。

 ソレはソレとして、あのバイクには緊急事態にでもならない限り絶対乗らない。

 

「もし隠れても螢くんの霊感で見つかると思うし、探索用のアイコンもあるわ。空飛ぶことだって出来るし、何なら放火魔魂に変身して辺り一帯を燃やしちゃえばいいし」

「アイコンって何個あるの?」

「ファントム魂を省いたら十個。それぞれ違った能力を持っていて、大体同じぐらいのレベルの悪霊を封じているわ」

 

 ファントム魂を除いて10個のアイコンを所有している。

 ソレは、あの花魁を圧倒した炎と同列の力があと九つもあるという事。

 

「(成程、螢多朗先生自体が強くて戦い慣れている。武器や足もあって、ソレを使う技量もある。そしててファントム魂による格闘戦だけじゃなくて他の形態による特殊能力も使える、と)」

 

 冷静にファントムの………螢多朗の戦力を分析する夜宵。 

 彼女の見立てでは、ファントムの実力は神様クラス。

 ボロボロになったとあの時は言ったが、ソレでもこうして生きているということは、逃げ遂せたか、勝利したという事。

 最初は前者だと思っていたが、もしかすると……。

 

「あ、先生の射撃の腕ってどれぐらい?」

「ほぼ百発百中。30㎞離れた敵の攻撃を避けて、撃ち返して当てたわ」

「………ゴルゴ?」

 

 もしかするかもしれない。

 




この螢多朗は自分のこと卑下してますけど、小細工する必要がないだけで、作戦立てたりとかも出来るんですよね。
変身しなくても幽霊に触れられますし、格闘能力もプロで食っていける程あります。

あと、原作の螢多朗の学生生活ってどんなのだろう?出席日数の関係上ずっと引き籠れるわけないしからそれなりに登校してたと思うんですよね。
本当にどうやって暮らしてたんだろう?あんな万能美少女に迫られてた霊媒体質が。
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