昔の友達がイケボでアトミックしてる俺はどうすりゃ良いですか? 作:富竹14号
陰実を読んで思うこと、戦闘描写が凄く上手い、憧れる。
またまた数年経って、俺も十歳になった。
まぁ、数年経ったということもあって色々とあった、具体的には言えば魔力の使い方やら何やらが分かってきたとかそんなのばっかだったんだが。
あれからも俺は盗賊狩りを続けた、時に殺して時に生かし、そんなこんなで暴れ回ってたら何時の間にか盗賊が居なくなっていたのだからびっくりモノである。
魔力の扱いも、まぁ上手くなったと思う…魔力を練り上げたり圧縮したりとまぁ色々と試行錯誤しまくってたらそうなったとも言うのだが。
後はあれだ、姉が俺に対して何かを教えようとすることがなくなって気が楽になった……って言いたいところなんだけど、それだけじゃ終わってくれなかった。
最初はあーだこーだと言っていたのだが、ある日を境に何も言ってこなくなった、その代わりに冷たい目で見られることが多くなったけど。
それが姉だけとかだったら普通に気が楽になったで終わるんだが、どうにも姉だけで終わってくれなかったのである。
父の部下やら父自身もまた、俺のことを何処か冷たい目で見てくることが多くなったのだ、というか父に至っては何故そんな風に育ってしまったのかって感じの目で見てくる。
そんな目で見られてたら流石に気になるわけで、俺は屋敷を歩いていた適当な父の部下を捕まえて、事情を聞いてみることにした。
最初は如何にも見下してますと言った風な口ぶりで答えようとしなかったのだが、纏った魔力ごと足を踏み潰してみたら一転して化物でも見るかのような目で俺の質問に早口で答えてきた。
そうして分かったのは、どうにも俺は周りの連中から怠け者と思われているらしいと言うことだった。
将来有望な姉の言うことや助言にまるで耳を貸さず、やることと言えば本を読み漁るだの昼寝するだのと言った魔剣士にあるまじき態度、奴こそリント家の恥晒しである。
みたいな感じで、俺はこの家の恥晒し的な存在となっていたらしい…いやまぁ、だから何だって話なんだけど。
話してる内に感情が昂ぶったのか罵詈雑言を俺へと叩きつけてくる父の部下の腹を蹴飛ばしながら、俺はなんとなしにそう思った。
姉の話に耳を傾けない? いや、傾けるわけがないだろう、だって俺より弱けりゃ技術も未熟なんだもの。
俺の脳内に過る光景、魔剣士がどんな戦い方すんのかなぁって楽しみに見てた俺の視界に映る5mくらい離れた所で睨み合う父と姉。
踏み込み近づいて剣を振るい、鍔迫り合ったと思ったらまた6mくらいバッと飛び退いてまた睨み合う単調な光景、それを何度も繰り返す。
それを見た時、俺は思った…ふざけてんのかな? と。
いや、そんなことやってないで近づけよ、剣の間合いに入ってインファイトなりなんなりしろよ、打ち合えや。
最初はヒット&アウェイ的な戦法なのかなとか思ってた俺のワクワクを返してほしい、ヒット&アウェイのアの字もないただ大雑把に近づいて大雑把に離れるその模擬戦にイライラしたのは記憶に新しい。
何故攻撃がまともに当たらない距離から踏み込むのか、何故ほんの1mm単位の間合いを気にしようとしないのか、何故どいつこいつもフェイントとかそういうのしないのか、真っ直ぐ行ってぶっ飛ばすことしかしないのか。
そんなことをひたすら思い出していたせいなのか、気づいた時には時既に遅しというかなんというか、俺は家の連中全員に喧嘩を売り、そしてどうしようもなくアッサリと勝ってしまっていた。
部下も姉も父も皆諸共同じとでも言わんばかりに全員纏めて叩き潰していた、地面に這いつくばっている父を見下ろしたその光景はやはり記憶に新しい。
というかなんなく分かってはいたが、どうにも俺という奴は母とそのメイド以外の人間を家族と思っていなかったらしい、だって最後の最後まで母以外に愛情を抱けなかったもの。
前世が影響しているとかそんなんじゃなくて、本当に母とそのメイド以外に愛情を向けられなかった、そうじゃなきゃ姉のことを呼び捨てになんてしないし、父に対してもハゲなんて呼び方しないだろ。
まぁ、そんなこともあったから、俺は早足に家を出て行って、今に至ってしまうわけである。
「まぁ…そんなわけだから金だけ置いて死んでくれ」
「ふざけ───」
言葉を吐き出し切る前に拳で顔面を粉砕する、拳から伝わる感触から頭蓋骨が砕け散ったことを確認しながら、ニタリとらしくもない笑みを浮かべる。
ついでだ、実験に付き合ってもらおうと、そんなことを考えながら。
この世界には魔力がある、これは最早大前提で当たり前のことだ。
そして、当然ながら魔剣士達はその名の通り剣を使う、剣に魔力を流し込んで武器を強化して戦うわけだ、当然肉体にも流し込む。
その上で言うが、魔力を使おうとすると嫌でもロスが出る。
肉体の方はまだしも道具となればそれはもう確定要素だ、100伝えても10しか伝わないのが普通、調べた限りだと最大伝達で50そこら、減らしようがない。
だから考えた、どうすればロスを無くせるか、どうすれば一切の不足無く魔力を扱えるか、それはもう盗賊狩りをしながら何度も何度も考えて…ふとその結論に至った。
盗賊達から流れ出るソレを見る、俺が首を跳ね飛ばしたり身体に風穴を開けたりしたから流れ落ちるモノ、生物全てに於いて決して欠かしてはいけないもの、全ての命の源流。
それ即ち、血液である。
無造作に腕を振る、その手には何も無く言ってしまえばただの無手だ、振るった所で何もありゃしない。
それを見た盗賊達は何やってんだとゲラゲラと俺のことを笑おうとして、それを見ていた全員が斜めにズリ落ちた。
何が起きたのか分からない、そう言いたそうな顔でドチャリドチャリと地面に落ちていく盗賊達の身体を見ながら、俺はクククッと抑え込むように声を漏らし、振るった腕からこれ見よがしに血液で作り出した刃を出現させる。
二の腕から生えた血の刃、気分はさながらカー◯様だ、本当に良いアイディアをくれたと思う今日この頃。
何をしたか? なんてことない、血の刃を伸ばして斬って戻しただけだ、ただし向こうさんが視認できないレベルで。
「知ってるか? 血液って魔力伝導率100%なんだって」
まぁ、肉体に魔力流すんだからそうじゃなきゃ困るんだけど…あぁでもそこはまぁ後でも良いしお前達に話すことでもなくて───
「てめぇ何言って───」
「判断が遅い」
二の腕から生やしたカー◯カッター(仮)を振るって盗賊の首を落とし、その近場にいた奴の首を刃を伸ばして斬り落とす、更にその近くにいた奴の首も諸共に斬り飛ばす。
向かってきた盗賊の身体を袈裟斬りに、逃げようとした盗賊三人を身体強化で一気に距離を潰して一刀両断、それを隙と見たらしい盗賊と呼ぶにはちと身綺麗だった誰かさんに足から生やした刃をサマーソルトの要領で振るって真っ二つにする。
弱い、弱い、どいつもこいつも弱い。
俺が強いとかそんなのじゃない、どう考えてもコイツラが弱い、昔は実戦自体をしたことがなかったってのもあって良い経験になったかもしれないけど、今じゃまるで物足りない。
逃げる盗賊達を、そこらで拾ったナイフやら石やらを投げつけて殺しながらそんなことを考えて…ふとした時に背後からやってきた一撃を防ぐ。
黒衣の男…背丈の小ささ的に少年だな、フード被ってるせいで年齢までは分からないけど、多分俺と同い年くらいだろうと予想する。
それに加えて動きが全体的に手慣れてる、さっきの背後からの奇襲も嫌に手慣れてたところから見るに多分もう何度も同じことやってるんだろう。
それとアレだ、今まで出会ってきた誰よりも刃が鋭い、気づいてなかったら間違いなく上半身と下半身が泣き別れしてたんじゃないかってくらい鋭い一撃だった、間違いなく強い。
それと佇まい、足の位置取りからしてもう別格、そんじゃそこらの奴等ならまず勝てないし、そんじゃそこらの奴等じゃなくても負けるくらいには強い…と思う。
まぁ…結局何が言いたいって───
「お前はどうなのかなぁ!!」
「ハハハッ!!」
戦ったら絶対に楽しいってこと。
カー◯のカッター好きな人いない? 作者は好き。