青の彼方へ   作:微塵切られ

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二話です
時間がかかってしまいました


遭遇

スニーカーが砂を踏みしめ、その度にそれが砂埃で汚れる。

それ程遠くなく見えた校舎に向けて歩いている内に、視界の脇に市街が見えてきた。

 

「少し遠回りするけど、食べ物を探すためなら問題ないな」

 

ビル群に入るとそこは人の気配を感じさせず、生活感というのも薄れているように見えた。

 

「砂漠の中の街......随分栄えてたんだな」

 

建物は大きく、砂が積もっていることを除けば道も広い。

ついでに食べ物でも探そう、と思い、建物も探索することにした。

 

「まずは、あのコンビニみたいな所からだな」

 

背の低い建物の中は寂れてしまっていたが、確かにコンビニエンスストアのような内装をしている。

 

「............食べ物はなさそうか」

 

冷蔵庫や棚を隅々まで漁っても、食べられそうなものは無かったか腐ってしまっていた。

箱型の冷凍庫の中には封をされたアイスクリームのカップがあったが、手に取って側面を読んでみても今日が何日か分からないので、どれぐらい賞味期限を過ぎているのか分からない。

 

「いくら俺でも、いつのか分からないアイスクリームを食べたくはない......」

 

とその時、カウンターの奥から人の気配を感じた。

頭に鈴の音のような音が響くそれは、何回も経験がある。

 

「この感覚......身体は変わっても、ニュータイプの能力はそのままか...」

 

アイスクリームを手に持ったままそちらを向く。

すると、職員のための出入口から四人ほど人が現れた。

 

「何か物音がしたような......」

 

その人達は顔を覆うヘルメットを被っていたが、声や体つきから女性であると判断した。

そして、頭の上に不可解なものを浮かべている。

 

「アタシ達のアジトに誰かいるってのか?」

 

「まさか、このコンビニをちょうどで見つけるやつなんて......」

 

会話が途切れ、全員の目線が俺に向いた。

 

「「............」」

 

両者の間に静寂が生まれる。

「あー、お前、アビドスって所の生徒か?」

 

先頭に立っていた一人が、ヘルメットの下に手を潜らせて後頭部を掻きながら問いかけてきた。

 

「アビドス、というのは初耳です」

 

「オーケー、だったらヴァルキューレかSRTの回し者か?」

 

「それも聞いたことがありません」

 

「だったらアタシ達カタカタヘルメット団を潰しに来たんじゃなさそうだ...今はお前に銃は向けないことにしとく。分かったなお前ら?」

 

「「はい!」」

 

リーダー格らしい、先頭の人と会話を終える。

こちらも敵対しても得は無いと思い、とりあえず平和に行くことにした。

 

「俺はバナージ。バナージ・リンクスです」

 

「変な名前だな。アタシは...ま、今はネエとでも呼んでくれ」

 

「私はウシ、こっちがトラとウーちゃん。」

 

「ってなんでちゃん付けなんだよっ」

 

双方自己紹介を終えたが、バナージは相手の名前に対する不信感を拭え切れなかった。

 

「アタシ達は今から用事があるんだが...お前も来るか?」

 

「用事って、何をするんです?」

 

ネエと名乗った女の子が近づき、耳元で囁いてきた。

 

「襲撃、だよ」

 

─────────────────

 

ネエ達と一緒に外に出て、彼女から説明を聞くことになった。

吹きすさぶ風は、砂の匂いを纏っていた。

 

「アタシ達は今からあそこにある、アビドスっちゅー学校を襲撃しに行く」

 

「が、学校を襲撃って...子供はいるんですか?」

 

「いるだろうさ。なんせアタシ達もお前も子供だろ?そういやお前ってどこの生徒なんだ?」

平和主義で一般的な倫理観を持つバナージに、学校を襲撃するなんてことは非道な行為に感じられた。

 

「ま、あんまり掘り下げるのはやめておくか。弾はあるか?」

 

「あります。まだマガジンに入ってます」

 

背中に背負っている得物...ビーム・マグナムもどきを右手で担ぐ。

重量はそれなりにあるはずだが、今の俺は軽々と持てている。

 

「へー、かっこいいじゃん」

 

「重そう......」

 

銃を覗き込んで思い思いの感想を上げる彼女達。

そして、彼女達を見て一つ違和感を覚えた。

 

(なんだ?あの、頭の上の輪っかは)

 

青だったり赤だったり、装飾は違っていたりするが、彼女達の頭上には見慣れない光輪(ヘイロー)が浮かんでいた。

でも、誰もそれに触れていないということはこの世界の常識なんだろうということで、触れるのはやめておいた。

 

「ま、戦えるなら問題ない。上にお前も報酬が貰えないか聞いてみるよ」

 

「上?」

 

「そ、アタシ達の雇い主ってところかな」

 

ということは、彼女達は一種の傭兵であるとバナージは判断した。

 

「この新しい銃も上から貰ったからね」

 

そういうと、ネエは腰に掛けている銃を取り出した。

ネエは形状からしてサブマシンガンで、他のみんなは普通のアサルトライフルのようだ。

 

「作戦はこう。まずアタシ達が陽動して戦力を分散。その隙に本隊が一気に叩く!.......ということらしい」

 

「作戦も上から言われたから、私達は従うしかないってこと......こんなふざけたことでもね」

 

ふざけたこと。それは学校を襲うテロ行為、またはこの作戦のことなのか、バナージは分からなかった。

 

「お前も運が悪いな。あと70mぐらい歩いてたら本隊に会えたってのに」

 

「それは......」

 

ぐぅ。

 

思い出したかのように、腹の虫が鳴いた。

 

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