個性『不義遊戯』でいく! 僕の曇らせアカデミア!   作:波間こうど

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忙しいですね‥‥最近特に。テスト前だからなんですけども。
少なくとも週一では更新しますね。
皆さんの感想全部チェックしています! 全部全部返信返しているつもりですがなんらかの手違いで返せていない場合もあるかもしれませんがその場合はごめんなさい!
あと今回は文字数が短いことについても謝罪しておきますね‥‥ごめんよぉ‥‥


エンデヴァー事務所職業体験

 

 

「‥‥結局あいつのとこにしたのか」

「うん。No.2のところで学べるってこと自体が有意義なものになるだろうし‥‥それに、焦凍一人を行かせるのは少し不安だしね」

「‥‥そうか」

 

職場体験の当日、同じ電車に乗る轟くんに声をかけられる。まぁ、僕がエンデヴァー事務所にしたのはそのためだけじゃないけどね。これ上手くいけばみんなプラス弔くんも曇らせられるかもしれない神場面だからさ、やっぱり東京の事務所にするしかないと思ってさ。

 

「それじゃあ張り切っていこうか!」

「‥‥‥」

「焦凍元気ない?」

「‥‥いや、問題ねぇ」

 

なんだか轟くんが元気ないみたいだ。う〜ん‥‥まぁ、友達とまで言ってくれる相手が自分の大嫌いで過去まで話した父親と関係を持つのは嫌な気持ちはわかるかなぁ‥‥といってもプロット上では関係を持たないといけないから早いか遅いかくらいの違いしかないんだけどね。僕としてはエンデヴァーの曇らせ顔は見たいし。

 

「なぁに、僕と焦凍が組めば誰にも負けないって、エンデヴァーさえ相手じゃないよ! もしなんか言われたらDVパパけちょんけちょんにしてやろーぜ?」

「‥‥あぁ、ありがとう」

「なんのお礼だよ、別にいいって!」

 

轟くんの背中を叩いて励ましてみる。へいへ〜い、そんな顔してたら困るんですけど〜? 僕としては高いところから落としたいので笑顔の方が嬉しいんだよなぁ〜‥‥

 

ジェットコースター然りホラー映画然り、落差が楽しいんじゃないか! むしろ落差がないのはつまんないでしょ? 落差がない曇らせなんてそれ実質落ち続けるジェットコースター、ずっと叫び声のするスプラッタじゃん。怖いじゃなくて拷問。

 

何事も天国と地獄を行き来するようなスリルが楽しいんだよ。

 

「ゆずくん、それじゃあまたね」

「あ、出久くん! 体壊さないでよ?」

「んぐ‥‥が、頑張る」

「いや、本当に‥‥いつでも助けられるわけじゃないんだからさ」

 

ホームでクラスメイトと別れを告げる。出久くんは僕のいないところで大怪我しないでほしい。僕に移して曇らせるって方法が使えなくなっちゃうからね。コレも今は封印してるんだけどさ。

 

僕と出久くんが話していると肩を叩かれた。後ろを振り返ると耳郎ちゃんと葉隠ちゃんが重そうな荷物を持ちながら手を振っている。

 

「ユズはエンデヴァー事務所だっけ、頑張ってね」

「舞妓くんならバリバリ活躍するんだろうなぁ〜! フフフ、職業体験が終わった後の私は一味違うだろうから楽しみにしてなよ!」

「響香ちゃんも透ちゃんもありがとね。そっちこそ危険な目とか嫌なことあったらメールして? 電話でもいいよ! すぐ助けに行くからさ!」

 

他のみんなもだよ〜! とクラスメイトに声をかけると相澤先生に出席簿で頭を叩かれた。「静かにしろ」とのことらしい。いや、マジでごめん。でも僕に頼るくらいにヤバいってことはそれ僕が曇らせ顔が見られるってことだし、見たいじゃん。今回の職業体験で大変な思いするのは東京組くらいだけどさ。

 

あぁ、そうそう。出発前に一人だけ、ちゃんと挨拶しておかないといけない子がいるんだった。

 

「天哉!」

「‥‥なんだ?」

 

ただいま絶賛僕への曇らせを提供してくれている飯田天哉くんだ。いや〜、なんだろう、もどかしい刺激なんだよね‥‥痒いところに手が届かないみたいな‥‥欲しいところに届かないみたいな‥‥もっと僕が興奮する種類の曇り顔が出来る素質があるから頑張ってほしいなぁ‥‥君には期待してるんだぜ? 委員長。

 

だから曇るための種を、落差のための高さを、くれてあげないとね。

 

「ヒーローはいつだって笑顔だぜ?」

「‥‥‥あぁ」

 

はぁ〜??? なにその君にはわからないだろうなみたいな曇った顔〜!! いいけど良くないんだけど〜!! 八つ当たりの君はみっともないって! まぁ、その八つ当たりも後で悔いてくれて後悔から来る曇り顔見せてくれるのならそれでいいけどさ!! 僕は優しいからその顔を見せてくれるのなら許してあげる!!

 

「‥‥復讐するのはいいことだ」

「‥‥‥!」

「ただ、自分を見失った復讐はダメ。引き返せるなら引き返した方がいい」

「‥‥‥‥」

 

このときはまだわかんないだろうね。でも、これは僕が裏切った後で効いてくるよね? 自分はまだ引き返せるのに怒りだけで動いてたんだってさ。僕の深い絶望や苦しみや怒りや拒絶から来た(ということにする)復讐とは全然違う。僕の言葉の意味がわかったら君はそのとき絶望するんだよね♡

 

「だから復讐のタイミングで僕に連絡くれよ、助けてやるからさ」

「‥‥‥」

 

ありゃ、飯田くんはくるりと振り返ってそのまま電車に向かっていってしまった。僕の言葉を噛み締める余裕も今はないんだろうね。まぁ、後で‥‥具体的にはステイン先輩と出会ってから見せてくれるでしょ。そのときまで期待して待ってよ〜っと。

 

「んじゃ焦凍行こっか。そういやトランプとかしたことある?」

「少しだけなら‥‥なんでだ?」

「二人でできるゲームって少ないけどさ、行きの新幹線の間暇してるのもあれだし遊ぼーぜ。持ってきたからさ」

 

とりあえずはエンデヴァー事務所に着くまで轟くんとの関係値をしっかりと構築していくとしよう。なんか懐いてくれてはいるけどもうちょっと仲良くなれたらいいよね。具体的にいうと轟くんから家に寄って行かねぇかって言われるくらい。

 

そのくらい仲良くなれるとあれじゃん。轟家全員を曇らせのスパイラルに巻き込むことができるからね。全員巻き込んで曇らせてやるから覚悟しとけよ‥‥遺伝子的に曇らせが映えるような顔して生まれてきたことを呪うんだな!

 

 

  × × ×

 

 

電車を乗り継ぐこと数時間。東京に拠点を構えるエンデヴァー事務所に僕たちはやってきていた。すっかり夕方である。いやぁ‥‥いいね、こんなに大きいヒーロー事務所構えられてさぁ‥‥流石はNo.2ヒーロー。

 

「こんにちはー! 今日からお世話になります! 雄英高校1年! 舞妓譲葉と轟焦凍です! よろしくお願いします!」

「自己紹介くらいできるぞ」

「一人が挨拶した方が時間短縮だろ?」

 

フロントで元気よく挨拶する。ヒーローは笑顔と元気が大事だからね。わかりやすく元気だよ! ってことを見せつけるのは事務所の皆さんにとっても好印象を持たれやすいだろう。ただでさえ雄英ヒーロー科の2位と3位が来ていて片方は社長の息子と来たもんだから邪険に扱われるわけないと思ってるんだけどね。

 

「お! 来たな〜! 社長から話は聞いてるぞ!」

「はい! お世話になります!」

「眩しいねぇ‥‥! それじゃあまず‥‥社長から訓練室に来いってさ」

 

訓練室? と僕が首を傾げているとサイドキックのお姉さんが僕たちに訓練室の存在について詳しく教えてくれる。いわば職場にジムがあるみたいなもので、個性を自由に使える訓練専用のルームがあるのだとか。No.2ヒーローの事務所だけあって施設のレベルが高いなぁ‥‥なんで地下室があんだよ。地下鉄か?

 

「‥‥訓練室までまず呼び出されてすることってなんだろーね?」

「さぁな、あのクソ親父のことだしろくなことじゃねぇだろ」

 

どうでもいいというかそうなるのが当たり前だという背景を知っててなお辛辣で笑っちゃうぜ‥‥大嫌いじゃん。ちなみに僕は曇ってくれるからエンデヴァー好きだよ。

 

「ま、職場体験させてもらう側だし? 挨拶くらいは真面目にしておかないとね〜‥‥」

「‥‥‥」

 

なんか轟くんずっと顰めっ面してるんだけど‥‥大丈夫? いける? このまま喧嘩とかにならない? この2人の親子喧嘩とかになったら僕の周り全部壊れそうで勘弁して欲しいんだけど‥‥

 

サイドキックのお姉さんに連れられてズンズンと進んでいく。エンデヴァー事務所広すぎない? ちょっと引くんだけど‥‥一人が当たり前のように個人経営するビルか? 有名ヒーローには夢があるなぁ。

 

「ここだよ! 中で社長が待ってる!」

「ありがとうございます! わざわざ連れてきてくれて!」

「いいよ! それじゃあ頑張ってね!」

 

お姉さんはそう言って優しく手をあげて去っていった。いい人だな‥‥原作で見た覚えがないから多分普通にモブ従業員的な人なんだろうけど‥‥僕的にも曇らせたい笑顔の人だ。もう会うことないかな‥‥会ったなら友好関係築いておきたいな。

 

「それじゃあ、焦凍。入ろっか」

「‥‥あぁ」

「眉間に皺寄ってるぜ? ほらほらリラックスリラックス」

「おぉ‥‥」

 

轟くんの頬をムニムニしながら笑いかけてあげると彼は「おぉ‥‥」という気の抜けた声と共に少し顔を緩めた。まぁ、初期ロキくんから体育祭後ロキくんになったくらいのものだけどね。大分大きい変化だな‥‥

 

「よーし、頑張るぞ!」

 

ノックをしてからドアを開ける。元気に挨拶をするとそこはもの一つない四角い部屋だった。広々とした空間にエンデヴァーだけが立っている。暴れても問題ないようにしてあるんだろうけど‥‥流石に広すぎない? 地下だからってなんでもしていいってわけじゃないと思うんですけど‥‥

 

僕たちの方に目を向けたエンデヴァーは手首を回し、拳を開いたり握ったりしながら口を開いた。

 

「焦凍‥‥それから、舞妓だな」

「これ僕歓迎されてない感じです?」

「舞妓を歓迎しねぇなら帰るぞ」

「む‥‥そういうつもりはない」

 

‥‥‥なぁんか轟くんに懐かれすぎな気もするけど、まぁ‥‥いいか。懐かれたり仲良くなる分にはいいことしかないわけだし‥‥あとで裏切った時にいい顔してくれるのならそれでいいかな。

 

「2人にはまずエンデヴァー事務所での活動の前に一つ、確認しておきたいことがある」

 

仰々しくそう言ったエンデヴァーは大きく手を広げた。そしてその手を振る。すると

 

目前に、焔ー。

 

「焦凍ッ!!」

「‥‥ッ!!」

 

咄嗟に声を上げると轟くんが氷を出してエンデヴァーからの炎を相殺する。いや、咄嗟の氷で相殺できる程度の炎しか出さなかったのか? それとも轟くんの出力が上がってた? そんな描写は原作でなかったよね‥‥ならエンデヴァーが力を抑えたと考えるのが妥当かな。 理由は? 目的は? ‥‥いや、理由なんて考えるまでもない。すぐさまエンデヴァーが口を開いてくれた。

 

「お前たちがヴィラン相手にどれだけ動けるのか、見てやる。俺がヴィラン役だ」

「はは‥‥いいじゃん! 焦凍、いきなりぶん殴るチャンスが来たぜ?」

「‥‥あぁ」

「僕らが組んだらエンデヴァーにも勝てるさ、証明してやろーぜ。僕らは強いって!!」

「御託はいい、さっさと来い」

 

いきなり原作にない展開だ!! まぁ、原作ではここ出久くんのフルカウルの修行パートに当てられてたもんね‥‥次の僕たちの出番は恐らくヒーロー殺しとの対決だろう。それまでに回想で使える修行パートってところかな!

 

エンデヴァー‥‥No.2にして次代のNo.1ヒーロー。その強さを身をもって体験しておくのは僕にとって有意義なものになる。胸を全力で借りさせてもらおうかな! BL的な意味ではなく!

 

 

  × × ×

 

 

しばらく本気でやり合う。といってもお互いに大した怪我はしてない。僕たちが多少火傷していてエンデヴァーに関していうならダメージらしいダメージもない。なんなんだコイツ。硬すぎない?

 

もう何度目かわからない炎を避ける。僕も轟くんも息絶え絶えなのに対してエンデヴァーはろくに息も切らしてない。炎を使いすぎたらオーバーヒートするらしいけど‥‥熱が溜まっているようには見えないしこのまま持久戦なんてしても勝ち目はないだろうな。強すぎるぜNo.2‥‥

 

「‥‥ッ!」

「これがNo.2か‥‥ッ」

 

ほんとつえぇ〜!! 奥の手は出してないものの僕と轟くん2人がかりで挑んでも勝てないどころかまともな有効打も与えられないの? 僕も轟くんも身体中火傷でいっぱいなんだけど‥‥? まぁ、流石に手加減してくれてるんだろうけどさ‥‥

 

「どうした? 2人でなら俺にも勝てるんじゃないのか?」

「言ってくれるぜ野郎‥‥焦凍、平気?」

「個性柄炎には慣れてる」

「そりゃそっか‥‥!」

 

エンデヴァーが飛ばしてくる炎を個性を使って避ける。さっきから轟くんがたくさん氷出してくれてるから僕としては何度も何度も個性を使えてとても助かります。さっきエンデヴァーと僕の位置を入れ替えて炎浴びせたんだけど自分の炎はダメージにならないらしくケロッとしてたんだよね‥‥なんだこいつ、化け物か? 効いとけよ、人として。

 

「フッ! ラッ!」

「格闘技は体育祭で見た通り、完成されつつある、ただ、威力不足だ」

「簡単に言ってくれますね‥‥!」

「焦凍は左がまだ荒い、右ばかりを使っていた証拠だな」

 

おいおい、僕の攻撃を簡単にいなしながら轟くんの炎での拘束も避けちゃうのかよ、化け物か? 割と本気でやってるぜ? 奥の手見せてないからってこんなに遊ばれるもの??? まぁ、この体格ゴリラ相手に僕の黒閃を使わない状態でのパンチ力なんてたかが知れてるか‥‥! 東堂葵くらいムキムキだったらよかったんだけど‥‥生憎なことにそういう型の体じゃなかったんだよね。かといっても黒閃はこんな場面で出したくないんだよね‥‥

 

そんなことを考えながら打ち付けた僕の拳はエンデヴァーの手で簡単に握りしめられて捻られる。力差で振り解けねぇ‥‥!

 

そして視界が回転する。

 

「だからこうなる」

「ぐっ‥‥!」

 

地面に押し付けるように投げされて首に手を当てられてしまった。格闘技まで出来んのかよ。

 

おいおい、おっさんの顔がこんなに目の前にあるの嫌なんだけど? あ、この構図あれだな。ステイン先輩に弔くんがぶっ倒されたときの構図と同じじゃん。これ見開きで使ってくれないかなぁ‥‥無理か、でもいい対比になると思うんだよね。

 

「‥‥おい、離せよクソ親父」

「焦凍、今俺は人質をとっているんだぞ? 俺はお前の個性が届くより先に舞妓を殺せる」

 

チリチリとした痛みが喉を焼く。おい、この距離で個性使うなよ? 僕今拍手できないから無個性同然なんだぜ? 庇護の対象じゃないの〜?

 

「人質を取られた時の対処法は? 雄英で学んでいるだろう」

「離せよ‥‥」

「お前がヒーロー情報学やヒーロー行動原理論を真面目に受けていないとは思わない。人質を取られた時の対処はどうする?」

「離せって言ってんだろ‥‥」

 

空気がチリつく。それはまるで感情の変化に合わせた激情の焔。

 

え!? なに!? そんな顔見せてくれるの!? なんでそんな顔見せてくれるわけ!? 僕が人質に! しかも訓練の一環で取られただけでそこまで僕に執着してくれるとかどんだけ僕のこと好きなんだよびっくりしちゃうじゃんか! やめてよね! 僕これ以上曇らせ摂取したら楽しくなっちゃってついつい奥の手使っちゃうかもしれないじゃんか! これは最後の最後まで取っておきたいんだよ!

 

僕がニヤつく頬をどうにか頑張って抑えようと格闘していると轟くんの体の両側から個性が発動されるのが見えた。両方、一気に広がるように部屋を覆う。これもしかして‥‥やばい?

 

「いいから‥‥俺のダチから手を離せって言ってんだよ‥‥!」

「あ、まずい」

 

轟くんの個性が僕たち、正確にはエンデヴァーに向かって届く。エンデヴァーはそれを簡単に炎で対処してから轟くんを自身の炎で簡単に制圧した。そして腕で首を締め付けるようにして壁際に拘束する。いや、暴走した轟くんを軽々と制圧するなよバケモンか。

 

「緻密なコントロールが足りん。感情任せな攻撃は隙を与えるだけだ」

「ぐっ‥‥!」

「そこらのチンピラには通用するかもしれんが、強いヴィランには通用せん‥‥少なくとも俺には通用しないし、そこで転がっている舞妓にも通用しないだろうな」

 

ジロリとエンデヴァーの瞳が僕を睨みつけた。なに? 僕が何かしましたか? 僕何もしてないと思うんですけど? というか出来てないよ、あんたが強すぎるから!

 

「お前、体育祭のときの黒い稲妻だけじゃなく、何か隠しているだろう」

「え‥‥」

「隠していてもわかる。奥の手があるな?」

 

キッショ、なんでわかるんだよ。

 

え? 本当になんでわかんの? 僕はできるだけバレないように隠してるつもりなんだけど? バレないようにしてたし、そんな素振り見せてもないよね? もしかして勘だけで感じ取ったってこと? 獣だろコイツ。察知的な嗅覚がおかしいって。

 

「それを使えば勝てずとも俺相手にいい勝負ができる‥‥と言ったところか、ハッ、焦凍に勝つだけはある、タイミングを見計らっているところも聡い」

 

タイミングは見計らってないけど奥の手があることは否定しない。それを使えばエンデヴァーにも勝てると思う。ただこれは使うと流石に強くなりすぎてしまうから裏切った後に使いたいんだよね。そっちの方がみんな絶望してくれるでしょ?

 

「使ったら勝っちゃいますから」

「面白い‥‥! 使ってみろ‥‥!」

 

この野郎本気でやってやろうか‥‥ん? 待てよ? ここでオールマイト以外の雄英の子供に負けるなんて彼からしたら屈辱以外の何者でもないよね? なら見せてあげようかな‥‥僕の極致。

 

「死んでも知りませんよ‥‥?」

 

そういって手印を結ぼうと手を開いて‥‥

 

「社長! すっごい揺れてるんですけどガチ戦闘して二人とも死んでませんか!?」

 

ドアを開いたサイドキックのお姉さんによって止められてしまった。‥‥お姉さん巻き込むわけにはいかないもんね。ということでスッと手を下ろす。

 

「‥‥許可が出るまで開けるなと言ったはずだぞ?」

「そういうレベルじゃないですって! 死ぬほどビル揺れてるんですよ! 殺す気ですか!?」

「殺しはしない‥‥まぁ、実力はわかったし、ここまでにしておくか」

 

エンデヴァーが轟くんから手を離す。それと同時に咳き込んだ轟くんが地面に落ちた。苦しそうで可愛いね。咳き込むところが芸術的だぜ‥‥コレが梶さんボイス‥‥

 

「今日はここまでにしておく。明日からはパトロール、書類作成など諸々の経験を通してヒーローとはなんたるかを学んでもらう。今日は風呂に入って飯を食い、仮眠室に泊まれ」

 

そうとだけ告げるとサイドキックを連れて訓練室からエンデヴァーが出ていく。おぉ、轟くんの目が初期ロキくんになってる。完全にぶち殺してやる‥‥って殺意が見えるんだけど‥‥

 

「ほら、焦凍立つ立つ。さっさと風呂入ってご飯にしよ」

「‥‥‥」

 

睨み続けるなよ怖いから。僕はメンタルがひ弱だからその怖い顔で泣けちゃうぞ? お前らに似合うのは曇り顔だってば。怒り顔はあんまり可愛くない。

 

エンデヴァーにボコボコに転がされた後、お情け程度の治療を受けてから、お風呂に来ていた。といってもお風呂があるというよりシャワールームみたいなものだ。仕切りがあって幾つかシャワーが出るところが用意されているという。僕と轟くんはそこに二人で並んで入り、体と髪を洗う。

 

「いや〜‥‥No.2は伊達じゃないな。強いわあの人」

「‥‥あぁ」

「というか何あれ、焦凍の氷がガッツリ溶けるのやばいでしょ‥‥僕はやっぱり攻撃力が課題だし、No.2に簡単に勝てるほど甘くはないね」

「‥‥‥あぁ」

「あ、そっちシャンプーある? 僕一式持ってきてるから貸そうか?」

「‥‥いらねぇ」

「焦凍シャワーでのぼせた?」

「‥‥‥‥かもな」

 

轟くんが横にいるのはわかるんだけど返事がとても淡白だ。なに? 横で僕がお風呂に入ってて緊張してる? まさかだよね、轟くんだよ? 出久くんじゃあるまいし。そんな童貞みたいな‥‥いや、轟くんは童貞か。そういうことに興味なさそうだもんね。告白されても断ってそう。フラれた子たちは可哀想に‥‥!

 

まぁ、実際のところは飯田くんの様子を見て気になっているんだろうけど。自分と重ねて気になった、みたいなセリフが原作でもあったような気がするし。そうだとしたら轟くんの反応におかしいところはないね。それにしては上の空過ぎるけど。

 

「まぁ、今夜はゆっくり休んで、明日に備えよーぜ。明日からもハードになりそうな気がするし」

「‥‥‥あぁ、先に上がるぞ」

「は〜い」

 

轟くんが先に上がるのを見てから髪に纏わせたトリートメントを落とす。あの野郎この髪質を維持するのにどれだけの手間暇がかかってると思ってるんだ‥‥チリチリにしやがって‥‥絶対に仕返ししてやるからな‥‥

 

具体的にいうなら家庭全部曇らせてぐちゃぐちゃにしてやる。それは元からの計画でした。

 

お風呂から出た後(轟くんは律儀に待っていてくれた。髪の毛拭きながら待ってる姿はまるで絵画である。イケメンがよ! 茹でられたみたいに顔真っ赤なのになんでそんなにイケメンなんだ‥‥)、僕たちはお風呂から出てご飯を食べた。ちなみにご飯は出前でした。今日は用意してくれていたけど明日からは各自適当に準備するようにとのこと。轟くんは蕎麦が好きだっけか? 蕎麦を打つには時間が足りないし、天ぷらくらいなら揚げてあげられるかな? まぁ、時短飯くらいなら作る暇あるでしょ。僕は時短飯すら極めてるからね。

 

そして、就寝。ちなみに轟くんは僕と別の部屋だということに心底ホッとしたように胸を撫で下ろしていた。なんだコイツ失礼だな‥‥性癖歪ませてやろうか? あぁ?

 

そんな生活をすること数日。轟くんの顔色は少しずつ良くなり、僕のことにも慣れたようだ。‥‥完全に猫が新しい家の飼い主に慣れるやつなんだよなぁ‥‥捨て猫か?

 

まぁ、今までは幼馴染系家で帰り待ってるワンコ(出久くん)や幼馴染系ツンツン俺様ワンコ(かっちゃん)に執着系DVワンコ(弔くん)というペットサークルだったのでクーデレ系ニャンコは案外アリなのか? いや、ありってなんだ。それなら僕的には曇らせ系不憫ニャンコ(耳郎ちゃん)が一押しだし‥‥本当になんの話?

 

そしてエンデヴァーたちのお仕事をお手伝いし続けて数日後。保須市で事件は起こった。

 

結果として僕は素晴らしい曇らせ顔を見ることになるんだけど、それについては次の機会に語るとしよう。

 





んこにゃ様からイラストをまたまたいただきました! ★をつけているところに貼ってありますので是非是非お確かめください! 可愛いよ‥‥耳郎ちゃん‥‥君が僕の希望だ‥‥そしてんこにゃ様は‥‥俺の神だ‥‥
皆さんの感想、短かろうが長かろうが文字で伝えるのが苦手だろうがなんだろうが全部嬉しいです。貴方の感想で助かる命があります。
コレからも貴方たちに生きがいと呼べるようなものを提供できるように頑張りますね!

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