個性『不義遊戯』でいく! 僕の曇らせアカデミア! 作:波間こうど
ストックが無くなってしまった。
僕がヴィラン連合に仲間入りしてから、約10ヶ月の時が過ぎた。この10ヶ月で僕は数々の犯罪に手を染め‥‥たりはしなかった。理由としては雄英のスパイになるためである。そのために勉強と個性の訓練に時間を使っていいと、ラスボス先生からお許しをいただいたからだ。なんか優しいね? まぁ、定期的にアジトに顔を出して弔くんと仲良くなれとは言われたんだけど。
とはいえ、二年生の時点でA判定が出ていたこともあって、のんびり自由気ままに過ごしていた。ヘドロ事件の後はかっちゃんが出久くんのことを襲わなくなったこともあって昨今稀に見る平和な状態での学校生活である。原作軸に沿って動くことを考えたら恐らくこれが最後の平穏な学校生活になるんだろうなぁ‥‥としみじみとしながら残りの中学校生活を過ごしていた。いや、その合間合間で敵連合のアジトで弔くんとボードゲームしたりして遊んでたんだけどね。
弔くんとボードゲームすると勝つまでやろうとするからひたすら同じボードゲームで遊ぶことを繰り返すことになってしまうのだ。将棋12時間耐久した日とかもしかして今僕は竜王戦してる? って思ったんもんね。負けず嫌いさんだからやる度やる度に強くなってはいるけど、僕が今世での暇つぶしでコンピューターに勝てるまで鍛え上げているせいで中々勝てず、いつも辛酸を舐めている。曇るってより悔しそうな顔だから普通に微笑ましいんだよね。
この10ヶ月、事件らしい事件は起きていない。
原作では飛ばされてたし、正直何も起こらないだろうな、と思っていたが見事に何も起こらずに時間が過ぎていき、雄英の実技試験当日になった。
ぶっちゃけ、筆記試験の方は僕以外が主席なわけないとまで思えるくらいには自信がある。やることなかった分勉強に注ぎ込んだリソースが今報われたみたいだ。前世では中の上くらいの学力だったけど、今の頭は前世の頭よりも出来が良く、暗記の内容もスラスラと入ってくれるので勉強が楽しかったというのを踏まえても多分上の上だろうね。まぁ、努力はしたから才能マンじゃないので許してほしい。他の人よりも勉強時間2倍くらい長いだろうけど。
「出久くん、眠そうだけど大丈夫?」
「へ!? う、うん! そういうゆずくんは元気そうだね!」
「まぁね」
眠そうに目を擦る出久くんに声をかける。
まぁ、彼が眠そうなのも無理はない。彼はおそらく今朝、オールマイトと一緒に海岸線を復活させてきたところだろうから。いや、流石に海岸に近づいたらバレるの確定してたし近づけなかったんだよね〜‥‥だからおそらくとつけざるを得ないのだ。
あ、そうそう。この10ヶ月といえば出久くんがずっと曇ってくれてたおかげで本当に楽しい10ヶ月だったんだよね。「個性があったらなぁ」とかには昔から反応してくれたけど「あ〜あ! 個性とかくれるヒーローいないかなぁ!」とか遠回しに、でも後ろめたいことを指摘するように言うとすっごい顔を曇らせてくれるんだよね。たぶん、僕にオールマイトとの秘密を言おうとしたのだって一度や二度じゃない。彼は未来で自身の個性を迷わずに通形ミリオに譲渡しようとした経歴を持つ男だ、自分よりも僕の方が相応しいとかなんとか言ってオールマイトを紹介しようとしたことだって恐らく何度もあるだろう。
ま、その雰囲気を感じたら遠回しに「そんな夢物語ないだろうけどね」とか言ってあげたり、もう完全に言うでしょコレ、みたいな状態になってたら距離(物理)を取ったりすることで話せなくして来たんだけど、出久くんは真面目だから「心のどこかで僕はゆずくんを蹴落としてでもヒーローになりたかった?」とか考えてくれているだろう。僕の手のひらの上である。これも布石だ。約一年後に控えた曇らせの瞬間がより素晴らしいものになるためのものである。
しかし、その曇り顔も今日までだと思うと名残惜しいものがあるよね。どうせ今日はこの後僕が雄英入試一位をとりに行くし、そこで初めて個性を発動させる。初めての個性発動なのに発動条件をしっかりと把握し、受験生を助けた、天賦の才として、雄英の先生方にアピールするのだ。そのために僕は個性の登録を未だにしていない。だからどこの記録を見ても僕は今“無個性”ということになっている。ここから僕の伝説が始まるのだ。そのため、個性を使えるようになったら無個性で出久くんを曇らせることはできなくなる。残念だ。
「どけデク! 女男!」
僕がこの先の未来にうむうむと頷いていると後ろから聞き慣れた、しかし久しく聞いていなかった罵声が飛んできた。永遠の思春期、爆豪勝己くん(15)である。まぁ、雄英の門の前で会うのも原作通り、あまり驚きはないね。
「俺の前に立つな、殺すぞ!」
「お、おはようかっちゃん! お、おたが、お互いがんば、頑張ろ」
「なんで出久くんは爆豪と未だにコミュニケーション取ろうとするわけ? あれは多分もう治らん病気だよ?」
「黙れや殺すぞ女男ォ!」
かっちゃんと出久くんが会話している(会話にはなっていない)にツッコミを入れると振り返ることすらなく僕に向かってかっちゃんから罵倒が飛んできた。ウケる、相変わらず聞き耳立ててみみっちいですね。
「ま、前を向いて行こうよ。これからヒーローになるんだから」
「え、あっ、うん! そうだね!」
ガチガチに緊張している出久くんに向かってそう言うと、返事をしてから何やら考え込み、覚悟を決めたような顔つきをした出久くんが、目標への第一歩を踏み出そうとして‥‥‥
盛大に躓いた。
「出久くん!?」
ま、こうなることは知っていたが、転けそうになっている親友を見て何も言わないというのも薄情なので一応声は出しておく。すると、転けそうになった出久くんの鞄を駆け寄ってきた女の子がタッチした。
「‥‥‥?」
「大丈夫?」
「わっ、えっ!?」
転けそうになったと思ったら宙に浮いた事実に動揺を隠しきれていない出久くんのことを助けてくれた、彼女がお茶子ちゃんだろう。彼女は謂わば僕の天敵である。
曇らせ顔をあんまり見せてくれないからね!
自身がもうどうしようもないクズなのは自覚しているが‥‥彼女のように出久くんの光になる存在は正直困るところもある。運用に困る強カードって感じなんだよね。ずっと曇っててもそれはただの卑屈なやつだからつまらなくなるけど、曇ったのがすぐに前向きになったらそれはそれでなんだかなって感じだし‥‥だから僕としては彼女が出久くんと仲良くなるのも恋仲になるのも正直止めるつもりは一切ないが、それはそれとして、僕の曇らせの邪魔だけはしないでほしいな、と切に願わずにはいられない天敵なのである。
「私の“個性”ごめんね勝手に、でも転んじゃったら縁起悪いもんね」
助けてくれた少女に対して(いや、というかクソ童貞の出久くんは童貞である上にクラスのいじめられっ子的な立ち位置にいたこともあってか女子と話す機会がなかったから)声を出せなくなっているところを見て僕がちょっと笑いを堪えているとお茶子ちゃんは颯爽と去っていってしまった。
「ゆ、ゆずくん! 僕女の子と喋っちゃった!」
「喋れてなかったよ」
「え!?」
どうやら僕が大きく動いても原作の大筋は変わっていないみたいだな。僕はその事実を確認してから、未だにお茶子ちゃんと喋った(喋ってない)ことに対して照れているめんどくさい童貞くんの背中を押して、雄英高校の試験会場へと向かった。
× × ×
「さてと、頑張るぞ〜」
あの後、大学の講義室のような場所でプレゼントマイクから実技試験の説明を聞き、受験ということでピリピリしている飯田くんに出久くんが注意されるところを見て、原作のやり取りにしみじみしているといつの間にか僕とかっちゃんと出久くんは離れ離れの場所で試験を受けることになっていた。
最近気が抜けすぎな気がするんだけどどう?
「‥‥見たところ、チラホラ原作合格者がいるね」
あれは常闇くんかな? あっちは小大さん。チラホラと見たことのある顔が見える。みんなしっかり合格して僕の曇らせの養分になってほしいので、是非とも合格してね。と心の中でエールを送っておこう。
ぐっ、ぱっ、と手のひらを握ったり開いたりしてから、準備運動を入念に行う。とりあえず、最初の方は素手でポイント稼がないといけないからね。個性を使うのはとっておきの場面だ。それまでに30ポイントでも稼げたら良いんだけど、そう首尾よくは行かないだろうな。ま、なるようになるだろう。
「よし、いけるね」
「ねぇ‥‥ちょっと」
いつでもいける、というように体を動かしていると、不意に呼びかける声がかかった。後ろを振り返ってみてびっくり、耳郎響香ちゃんじゃないですか、その特徴的なイヤホンジャックを見れば一発でわかりますね。
「はい?」
「いや、他の受験生がすっごい緊張してんのに、一人だけ全く緊張してない心音だったからさ。心を落ち着ける秘訣を知りたくて‥‥ウチもすごい緊張しててさ」
ふむ、個性の都合上、僕の心音が聞こえてたってことなのだろう。それで、緊張しない秘訣を聞きにきたと。飯田くんがいたらブチ切れてそうな内容だなぁ。あの子、受験前にお礼を伝えようと出久くんがお茶子ちゃんに話しかけようとしたらキレてたレベルだし。でも受かるためになんでもするっていうハングリー精神は素晴らしいものがあるよね。
まぁ、実際僕は緊張していない。敵ポイントだけで合否を決める、とでもいうように受験会場では説明されていたが、実際はそれだけではなく、救助ポイントでも得点が入ることがわかっているからだ。そうなってくると、僕のこの『不義遊戯』は便利個性すぎるし、素手でも敵ロボットを壊せる程度には鍛えてきた。武器があると尚良いけど、瓦礫でもあれば事足りるし、試験の仕組みも知ってて、実力もあり、隠し球まであるのにどうやって落ちられるのだろうかってレベルだ。これで落ちたら末代までの恥だね。
でもそんなことまで話しちゃったら普通にここのみんなも受かっちゃうし、実力がある人だけが受かればいい‥‥というか、有象無象が受かるのは困る身としては、適当なことを言って切り抜けておく必要があるよね。まぁ、せっかく原作キャラと関わったんだし? 少しぐらい曇らせの芽を埋めてもいいかな。
「僕たちはヒーローになるんだよ? 緊張したヒーローとか、来なくていいでしょ。いつだって冷静に対応できる人がヒーローになれるんだ」
「‥‥‥そうだよね、うん。ありがと、ウチも試験としてじゃなくて、ヒーローとして頑張る。ウチは耳郎響香、お互い頑張ろうね」
「どういたしまして、お互い様頑張ろ」
僕の言葉は、多くの人に届いたようだ。気を引き締める人、深呼吸する人、また、入念にアップを始める人。それぞれがまた準備を始め出す。
まぁ、それは無駄に終わるんだけど。
「僕の名前は舞妓 譲葉。縁があったらまた会おうね。響香ちゃん!」
「へ?」
『ハイ、スタート!!』
耳郎ちゃんに名前を教えてから駆け出す、そろそろだと思ってたんだよね。実戦でカウントダウンなんてないぞ、というのは当たり前の話だ。実に合理的な判断である。これは相澤先生のアイデアかな? まぁ、知らなかったら駆け出せなかったと思うけど。
それに、個性を最初縛っているから、無個性状態のスタートダッシュで10ポイントは稼いでおきたい。個性縛ってたってある程度のヴィランを倒せるのは実証済みだ。
「77ポイントだっけ? かっちゃんは、じゃあとりあえず80を目指そっかな!」
一人だけ飛び抜けてスタートラインを切れた。これは僥倖だ。このまま敵ロボットのいくつかを潰しておくとしよう。
「お!」
『標的発見、ぶち殺す!』
いち早く駆け出した僕の前に、建物を崩しながら現れたのは1ポイント敵ロボットだ。とりあえずはこいつから倒すとしよう。ロボットがぶち壊してくれた建物のコンクリート片を一つ鈍器として握りしめる。大体レンガくらいのサイズだ。しばらくはこいつを相棒として使おう。
「早くて脆いんだっけ! 武器作ってくれてありがとう!」
彼が潰した瓦礫の一つを手に取り、一直線に走って接近する、どう見ても近接型、その大きなアームを振り回すタイプだろう。
そんな盾みたいな腕してたら守りたい弱点があるように見えるのは必然。
大きく振りかぶったアームを落ちていた瓦礫を踏んづけて飛び上がるようにして回避し、さらに続いてのアームを踏みつけてロボット上へと回避する。思ったよりも飛んじゃったけど、問題はない。
「まずは1ポイント!」
僕はそのまま自由落下に身を任せて片手に持っていたコンクリート片を敵ロボットの首に叩きつけた。すると簡単にバチバチと音を立て、ロボットが機能を停止する。
「‥‥この程度でいけるならチョロそうだね」
後ろから遅れて走ってくる受験生の足音を聞きながら、僕は次の敵ロボットを探すために駆け出した。
× × ×
「思ってたより稼げたんじゃない?」
30ポイントも稼げたら御の字、というつもりだったのだけど、無個性状態で40ポイント近く稼いでしまった。多分前代未聞なんだろうな。人助けも見つけ次第していったから救助ポイントもそれなりにあるはず、この時点でも合格がほとんど確定している。あとはゆっくりと避難誘導でもしながらポイントを稼いで、試験中なのに隠居生活でもしようかしら。なんて考えも脳をよぎる。
が、そうは問屋が卸さない。
「そろそろだと思ってたよ」
受験生みんなが逃げてくるから逃げてくる方へと足を向ける。するとそこにはビルほどの大きさがある馬鹿みたいなサイズの敵ロボットが暴れていた。ふふ、ウケないね。あんなの無個性じゃどうしようもないわ。
ただ、僕は無個性じゃないので、どうとでもなるけど。
さて、ここからはAFO先生すら騙し切った演技力の出番だ。一応届出では僕は無個性ということになっている。でも、個性が急に発現する、というのはない話じゃないらしい。まぁ、基本的に4歳までには発現するので、本当に稀な例らしいが、調べてみたところ、有事に個性を覚醒させた例というのは数十件程度だが、存在した。
「う、うわぁ!!」
敢えて、声を上げろ、逃げないが、足をすくませろ。そうすればビビっているところがよくわかるだろう。見てくれている教師陣は、理解してくれているだろう、無個性だと、この状況を切り抜ける方法なんてないと。
おあつらえ向きに何人か怪我して倒れているのが見えた。こうなったらもうやることなんて一つだけだ、神に祈るしかない。助けてあげてください、と祈るしかない。そう、考えたように見せる。嘘をついているようには見えない、完璧な演技、そして‥‥
拍手。
たった一回の拍手で、怪我をしていた受験生と僕の近くに転がっていた敵ロボットの残骸が入れ替わった。誰も、何が起こったのか、理解できていないだろう。誰も、彼も。
ただ、この場で僕だけが、今、発現した個性と向き合っているのだ。
「‥‥‥ハハ」
鳴らす、鳴らす、鳴らす。
幾度となく音を響かせて拍手を響かせろ、そして避難できていない受験生と瓦礫、敵ロボットの残骸の位置を入れ替えろ。そして、カッコよく決めてやれ。ぶん殴れなくてもいい、そこまでのインパクトは出久くんにくれてやる。
ただ、今この瞬間、一番目立て!
「ハハハハハハ!!」
もし、僕が入った状態の改訂版ヒロアカを読んでいる読者がいるのなら、その読者に鮮烈なまでに刻み込むのだ。
僕という存在を!
手を叩いて、0ポイント敵ロボットの攻撃を掻い潜る。当たり前のように避け続ける。相手の攻撃を避け続ける洞察力、機動力、その最中に他の人を逃す対応力、戦闘力以外の全てがオールパーフェクトの状態を作り出す。
そして、戦闘力も見せてやるのだ。
正直、この個性を持っていることを自覚した日から。この個性で初めて暴れるのはこの日にすると決めていたのだ。
雄英の先生方が0ポイント敵ロボットを吹っ飛ばすのを久しく見ていないと言っていた記憶があった。吹っ飛ばす、まではいっても壊した人っているのか? って考えたことがあった。
そして、人間では無理だけど、ロボットなら。部品や、パーツで出来ているロボットなら、パーツを置換してぶっ壊すなんてことができるんじゃないかって、ずっと思っていたんだ。
これはこの10年間考えていたメインプラン、その序章を色付けるリズムだ。
「じゃあな、デカブツ」
最後の拍手が響く。0ポイント敵ロボットの頭を僕の奥にあった建物と入れ替わるようにして転移させる。そして建物に押しつぶされるようにして0ポイント敵ロボットが潰れていくのを眺めながら、プレゼントマイクが『終了〜!!!!』と馬鹿みたいに大きい声で叫ぶのが聞いた。どうやら試験は終わったらしい。ドンピシャの時間で終わらせたの主人公感すごくない?
「‥‥‥あ〜、疲れた!」
後ろから他の受験生に見られているのを感じながら。ゆっくりと後ろに倒れた。そして疲れに身を任せるようにして、目を瞑る。建物レベルで大きいものを動かしたことがないからか頭痛がひどい。個性伸ばしは基本的に物と物の間を正確に、的確に移動させることとスピードばっかり伸ばしていたので大きいのを移動させるのは初めての経験だった。というか建物を移動させるような経験誰にだってあるわけじゃないだろ。オールマイトとかラスボス先生ならありそうだけど。
まぁ、こんだけ暴れれば合格するでしょ、よかったよかった。ここからが僕の曇らせアカデミアだ、とひとりごちて数瞬の後。意識が闇に溶けていった。
× × ×
雄英高校ヒーロー科の入試は毎年300倍にもなる倍率を潜り抜けなければならない。筆記試験の難しさもさることながら、実技試験の難しさにこそ、ヒーロー科最難関たる所以が隠されている。
厳粛な審査の元、大人が何人も顔を顰めて話し合う。そんな会議が行われているはずの会議場は、ここ数日、実技試験の採点で大盛り上がりだった。
それは規格外の生徒が出たことに起因する。
「実技総合成績出ました」
「救助ポイント0で2位とはな!」
「1ポイントや2ポイントは標的を捕捉して近寄ってくる。他の受験生が後半になり鈍っていく中、派手な個性を出し続けて目立って迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」
「対照的に敵ポイント0で8位」
「アレに立ち向かったのは過去にもいたけどぶっ飛ばしたのは久しく見てなかったなぁ」
暗い会議室、映像を確認しながら雄英のヒーロー科の先生たちは笑う。まるでとても面白いものを見たかのように。
「それよりもこいつだろ、何者だ?」
「ぶっ飛ばす、まではたまにいたけどぶっ壊すは初めてだなぁ」
「しかも途中までは個性を使わずに42ポイントを敵ポイントで稼いで、救助ポイントも45ポイント。無個性のまま主席を取る勢いじゃん」
「そしてアレに対して途中までビビってたのに、覚醒したかのように個性を使い始めた」
「届出は無個性なんだよな?」
「あそこで発現したってことか?」
「舞妓リスナーはあの後『個性が発現したんですけど‥‥受験資格取消しですか?』って聞きに来たぜ。個性が出て死ぬほど嬉しいって面でな!」
「まぁ、あのビビり具合は演技に見えなかったもんな」
「無個性だったのに個性を自覚してからたったの数秒でモノにしたってことか? 天才じゃん」
「アレをぶっ壊した方に目線が行きがちだけど、救助がやばいだろ、アレの攻撃を避けながら的確に個性を発動してる。その上アレのことを誘導までしてるんだぞ、思考能力、判断能力全部が他の受験生と一線を画してる」
「救助ポイント70、敵ポイント42! 合計112ポイントで歴代2位の成績だ!」
「オールマイト以来の逸材だな」
先生たちの話題の種になっているのは、女子のような中性的な見た目をした少年。無個性の状態で主席レベルの点数を獲得した挙句、個性が発現してから0ポイント敵を文字通り叩き潰した天賦の才。
「それじゃあ、舞妓譲葉を主席として合格させるのさ!」
「異議な〜し」
こうして、舞妓譲葉の雄英高校合格が決定した。
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