個性『不義遊戯』でいく! 僕の曇らせアカデミア!   作:波間こうど

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この辺り書くの難しいんだよね。


★舞とホークスとフクシュウノホノオ

 

 

はぁ〜〜♡ ほんといい顔してくれるね! 轟くんはやっぱり曇らせヒロインエンデヴァーの息子なだけあるよね〜!! そんなに虐待してきた父親が好きなの? そこまでかっこいい顔歪ませながら言う言葉が「親父、見てるぞ!!!」なの明らかにパパのこと大好きじゃん! そこまでパパ好きなの? いや〜! たまらないねぇ! そこまでいい父親じゃないのに!! 憎んでるまで言ってたのに絆されちゃって可愛いねぇ!! 今の君の目の前で父親を殺したらどんな顔をしてくれるのかなぁ!? どんな顔をして、僕に殺されてくれるのかなぁ!! 他のみんなもNo.1ヒーローがここまで必死こいて戦ってるところ見てハラハラしてさぁ!! 相澤先生まで苦しそうな顔して!! そこまでしなくちゃいけない相手か? たかが脳無だろ? すぐに倒せるくらいじゃないとヒーローとしてビルボードチャートになんて名前載せちゃダメでしょ。フードちゃんはそりゃ高性能な方かもだけど、僕と弔くんならすぐ殺せるぜ? この程度なら僕たちなら五秒だ。なのにヒーローたちはNo.1、No.2が揃って漸くだなんてたまったもんじゃないよね! このままだとみんなのこと僕たちが殺しちゃうんだけど……どうしようかな……

 

あ、こんにちは、僕は舞妓譲葉です。只今寮の共有スペースでフードちゃん対エンデヴァーの戦いを見ています。っていってももう結構終盤だけどね。もうちょっとで原作範囲が終わるってところ。

 

「おい! エンデヴァーやべぇって!」

「つえぇ! かっけぇ!」

「あんなの普通かないっこないよ!」

 

みんなが轟くんに群がりながら声をかける。というか相澤先生スリッパ片方しか履けてないじゃん。いい先生だよね、やっぱ。わざわざ走ってきたんでしょ? すごい人だよ、本当にさ。生徒思いだよね〜、先生ってば。

 

でも、ヒーローとしてはそれでいいのかな?

 

「まだだ、何かいる」

 

ボソリと呟く。それと同時にカメラが現れた荼毘くんのことを映してくれた。

 

「敵連合、荼毘……!」

「アイツか、わざわざどういうつもりだ」

 

まぁ、フードちゃんの回収が主な目的だろう。うん、まぁ、そりゃあ彼が来るよね。僕がそうなるように口添えしたわけだし。今日連れてこられるのは多分エンデヴァーだってさ。彼が強さって面では今のビルボードのヒーローで1位だしね。今の出久くんでも余裕で敵わないだろうし。

 

……あ、強さって面ではビルボードで2位か。僕ヒーローだってこと忘れちゃうなぁ……1位は僕だね。

 

「ミルコ!?」

「おい! どこから来たんだよ!!」

 

お、ミルコも来たらしい。そろそろこの辺りも終わりだろう。ミルコが荼毘くんを撃退して帰し、相澤先生が轟くんを連れて出ていく。まぁ、お父さんが大怪我したんだ、一旦家に帰って入院やらのお見舞いとかメンタルケアやらはしないといけないよね。僕としてはそのタイミングを待ってたんだけど。

 

「ごめん、僕もちょっと体調悪くて……部屋で休んでるね?」

「え、大丈夫なの?」

「うん。だから今日はご飯もいいや。近々大きな演習もあるらしいし、コンディションは整えておきたいからさ」

 

出久くんたちが心配そうにしてくるのを宥めてから部屋に戻る。みんなはまだ下でわいわいしているのだろう。なんだか想像つくなぁ……

 

「さて、行くか」

 

服を着替えてから手を叩く、さっきまで僕がいた部屋から景色が塗り替わる。ガラリと変わったのは見慣れた部屋から見知らぬ倉庫。

 

ちなみに服を着替えたのは最悪見られてもこっち用の衣装だって言い張るためだったりします。

 

「よし、あとは……」

 

近くのコンテナの一つに隠していた脳無から目を貰い受けて、タトゥーを右目の下に植え付ける。拍手だけでこういうことができるの本当に便利だよね、この個性。ついでだから足も雄英のヒーロー“舞妓譲葉”がつけてた義足じゃなくて、ドクターが作った義足に変えておく。うん。まぁ、発目ちゃんの方がいいの作るね。……というかドクターより、ある一点でいいもの作るとか化け物では? あの子やっぱりおかしいでしょ。

 

「これでOKだね。あとは……お、いるじゃん。早くない? ……まぁ、ホークスだしあり得るのかな? まぁ、一応時間は数時間だけど経ってるしね」

 

コンテナに腰を据えて座り込む。二人も丁度今邂逅したばかりのようで不満気なホークスとヘラヘラした調子の荼毘くんという二人が向かい合っていた。一本の羽を首筋に当てながら荼毘くんを威嚇するように鋭く睨むホークスを見ながら少し笑ってしまう。つい先日、僕に笑いかけてくれていた人とは思えない圧だね。荼毘くんはそれを飄々と流してるけど。

 

「色々話が違ってた」

「そうだっけ?」

「もっと仲良くできないかな、荼毘」

「ザコ羽しか残ってなかったんじゃねぇのか?」

「嘘つきと丸腰で会うわけにはいかなかったからな」

 

二人の会話は原作通り……まぁ、乖離してても問題ないけどね。僕がいるからある程度乖離しても修正してあげられる。……というか、伏線として、収穫の一端として僕が出てあげるつもりだしね。

 

「予定じゃ明日街中じゃなく海沿いの工場だったはずだ。それにあの脳無、これまでのとは明らかに次元が違ってた。そういうのは予め言っておいて欲しいな」

「気が変わったんだ。脳無の性能テストって予め言わなかったっけか」

 

おぉ〜、バチバチしてるねぇ〜……目の前の彼が君の大好きなエンデヴァーさんとこの長男だってことをネタバラシしてあげたいんだけど……そんなことしたらホークスを殺さなくちゃいけなくなるしなぁ……まぁ、一応ネタバラシとかは後で取っておいた方が美味しいからまだ置いておくんだけどね。まだまだ味わい深いし。こんな爆弾という名の荼毘ダンスがあると思うとウキウキになれるからね。それに荼毘くん本人がホークスに言うって感じで明かされた筈だし。

 

「連合の為を思うからこそだよ荼毘」

「まァ……とりあえずボスにはまだ会わせられねぇな」

 

ホークスに荼毘くんが言葉を投げかけるのを見ながら少し笑ってしまう。荼毘くんが弔くんをボスだってさ! ふふ、ウケるね。だって弔くんのことをボスって認めないってキレてたこともある彼がそんなこと言うなんて成長したよね、どっちもさ。

 

その声が漏れてしまったのかホークスがバッと此方を向いた。耳もいいの? 顔と声だけにしてよ、いいのはさぁ〜。

 

「荼毘くん優しくないなぁ……」

「……なんで来たんだよお前」

「決まってるだろ? 俺の仕事をしにさ」

 

荼毘くんがどこかジト目で僕を見ているのを感じながら拍手をしてあげる。ここは是非ともホリー先生に漫画で描いて貰いたいね。

 

「やぁやぁやぁ、いい仕事ご苦労だね。ホークス。先日はオリジナルが世話になったのかな? ビルボードチャート8位とは我ながら恐れ入るぜ」

「ッ!? お前!」

「おっと、ここで事を荒らげるつもりはない。……って言うか俺らは仲間になるんだろ? そんなに敵意向けんなよ。うっかり殺したらど〜する?」

 

ぴょんっとコンテナから飛び降りて荼毘くんとホークスの間に降り立つ。うん、動揺した目をしてるねぇ……そんな顔されたらついつい曇らせたくなるだろう?

 

「俺は敵連合No.2。舞だ。噂には聞いてるんだろ? No.2ヒーロー?」

「……ユズのクローンだってな。聞いてるよ」

「お〜、有名人じゃん俺」

「有名なのはユズだけどな」

 

ホークス的には……あぁ、間違えた。ヒーロー的には僕の存在が結構タブーらしく、睨まれちゃった。おいおい、取り入ろうとしてる時にそんな顔するなよ。うちのワンちゃん(二匹目、犬種はフクシュウノホノオ)がワンワン吠え出したらどうするんだよ。ちなみに一匹目は弔くん(一匹目、犬種はスベテコワス)です。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「おい、燃やされたいのか? ホークス」

「落ち着きなよ荼毘くん。はいはいどぉーどぉー。あんまりうちのワンちゃん刺激しないでよね。わかりやすいんだから」

「……そりゃ悪かった。お前が有名になったら敵連合も困るんだろ?」

「まぁね。俺が世に出たら困る人は多いぜ?」

 

ヘラヘラと笑いながらそう言えばグシャリと顔を歪めて泣いた時の顔を演出してあげる。僕レベルになるとこれくらいなら余裕でできちゃうわ。なんたってこういうの得意だからね。演技派なのよ、僕。

 

「僕がヒーローなんてあり得ませんでしたぁ! ごめんなさぁい! ……ってオリジナルに泣きながら言わせてやろうか? 俺が殺した人間の数を知ればアイツもそう言うぜ。それだけでNo.8ヒーロー大好きな世間はどうなるかな?」

「……狂ってる」

「アハハ! 生まれが生まれだからなぁ! そんなこと言われても困るぜ。褒めるなよ!」

 

またクスクスと笑うと心底嫌そうな顔をしたホークスと目が合う。そんな顔しないで欲しいなぁ。もっと積極的にぐちゃぐちゃにしてあげたくなるじゃん。君割とすぐ曇る良心的な存在だからどうやって曇らせようか迷うよねぇ〜……やっぱりあれかな?

 

エンデヴァー殺せばいい顔してくれるかな?

 

「まぁ、また連絡はするよ。とりあえずの試験は合格! 二次試験については追って連絡って感じで! エンデヴァーに大怪我は良いスタート切ったよ。だってそれ未満の雑魚なら瞬殺だってことだろ?」

「……確かにな」

「エンデヴァーに大怪我は大金星さ! 良い仕事したね、ホークス!! No.1を重症にまで追い込んだ功労者はお前さ!」

 

ホークスの顔が暗い倉庫内で曇ったのが見えた。荼毘くんは何やら考え込んでて見てないみたいだけど……本当にいい顔だよね!!

 

え? 良すぎる。君にとって大事なヒーローだった、憧れのNo.1ヒーローを大怪我させたのは潜入調査中の君だもんね!! 本当に最高だよ!! ブラボー!! 少しだけ自己嫌悪して顔を歪ませてくれたらそれだけでいいと思ってたんだけどまさかそこまで顔を歪めて曇ってくれるとは!! やっぱり君にとってはエンデヴァーが大事なんだね!! そんなだからたくさんBL作られるんだぜ? 全く! 嫌になるよな!? お互いにBL作られるのたまらないよな? まぁ、お前は次元隔てた先だけど、僕はこっちの世界で作られてるんだぜ? タイムラインに僕とかっちゃんのBL流れてきて笑ったわ。体育祭くらいしか絡み世間の人知らないだろ。どうやって書いてんだよ。まぁ、僕の絵とかはたくさん見るけどね! やっぱりNo.8ヒーローってすごいわ! 人気者は辛いなぁ!!

 

……なんか途中から曇らせへの食レポじゃなくてBLを描かれる辛さを叫んでた気がする……僕は女の子が好きだからね……やっぱりね……

 

「んじゃ、またね? ホークス」

 

また会えることを期待してるよ、と口にしてからパンっと手を打った。まぁ、普通に個性を発動させたわけじゃなくてお開きにしただけなんだけどね。

 

ホークスが帰っていくのを見ながら手を振ってあげる。すると横からまるで馬鹿にするようなため息が聞こえてきた。

 

「お前、本気で何しに来たんだよ」

「え〜? なんのこと?」

「本来ここには俺だけ、そういう話だったろ」

「あぁ……その話?」

 

荼毘くんに向き合ってあげてから笑っていた顔を少し収めてあげる。まぁ、微笑みくらいは残してあげよう。心臓に悪くて荼毘くんが死んだら元も子もないし。

 

「なぁ、荼毘くん。作戦を破ったのはそっちの方だろ? 元は姿を出すって予定はなかった。違うか?」

「…………あぁ」

「それなのにエンデヴァーが弱るところ見てテンション高くなってお話ついでにちょっと口走りそうになったよね? 彼の名前叫んだの聞こえてたぜ?」

「…………」

「別にお父さん相手に感動の再会だからさぁ、とやかく言いたくはないんだけど……作戦舐めてんの?」

「………………悪かった」

「えぇ〜? 何? 謝罪が欲しいわけじゃないよ? この前弔くんと喧嘩した時も言ったよね? 僕なんて言った?」

「………………次からは気をつけるって言え」

「そうだね? 次から気をつけてよ? あそこで君がミルコに捕まったら踊れないぜ?」

 

クドクドと説教を垂れてみると荼毘くんが段々と沈んでいった。いや、沈んでいったというか怒られた子どもみたいに落ちていったってだけなんだけどね。子犬かな? スベテコワスはもうちょっと態度に出さないぜ? 後で黒霧さんにお酒もらって酔っ払いながら反省してるところが見れるけど。子どもみたいで可愛いよね。

 

「ったく……怒らせないでよね?」

「あぁ……悪かった」

 

荼毘くんがしゅんとした辺りでポンポンと肩を叩いてあげる。そしたらまぁ、許した感じ出るでしょ。

 

「君が朽ちるのはここじゃない」

「………………」

「君は冷静な炎だ。だから、咲き誇るタイミングはしっかり見計らいなよ?」

 

やれやれとため息をついて見せてから手を叩く。義足を交換して、タトゥーを切除、それから目を交換するので三度手を打てば荼毘くんに目を向ける。

 

「脳無、持って帰ってよね」

「あぁ……つーか、ここって言ってねぇのにいつ用意したんだよ」

「バカ言わないでよ。誰だと思ってるわけ? 敵連合の作戦参謀は僕だぜ? バレないと思ったのかよ」

「一応バレないような場所をセレクトしたつもりなんだけどな」

「そういう発言は弔くんに一度でも将棋で勝ってからいいな。まだ策がわかりやすいぜ?」

「……角落ちまでは勝てる」

「駒落ちじゃんか!」

 

見栄を張る荼毘くんにニヤニヤした目線を向けると気まずそうに目を逸らされてしまった。そこまで恥ずかしいなら角落ちなんて恥ずかしい条件つけなきゃいいのに……

 

「また今度ね。そっちも大変そ〜だし?」

「あぁ、休憩を挟みながら上手いことやってるよ。お前のおかげでな」

「弔くんの助けになるなら良かったよ。こっちとしても保険が役に立ってよかった」

 

保険というのは本来ならギガントマキアとやり合ってる彼にラスボス先生の声が入ったテープを渡して休憩を挟めるようにしたことだ。

 

まぁ、そりゃね、ビルボードチャートに乗る放送は見て欲しかったし? 一応それなりに僕としても思い入れがあるんだ。それと懸念もあった。

 

神野事変の時に見た『伝播する崩壊』。恐らく弔くんは僕という存在の影響を受けて覚醒に近づいている。あれがいつでも出せるものなのかは定かじゃないけど、あの個性技はバグみたいな強さの技だからマキアも殺せちゃうだろう。あの調子でギガントマキアをすぐに調教されてしまうと……というか、殺されてしまうと、ヒーローたちに宣戦布告する作戦を練って、ヒーローを根絶やしにするってことが起こり得てしまうからね。だって攻めない理由がないし……だから、休憩する時間を作るためのテープだ。

 

本来ならそんなことドクターが許さないんだけど“限定的未来予知”が使えることになっている僕はドクターとはもう協力体制にある。あの人のことを、身柄も存在も知ってるからね。貴方のことをバラされたくないならこちらの言い分も聞いてよって言ったのだ。一応僕はラスボス先生と同盟関係にあるからね、彼はラスボス先生の腹心ってことで立場的には僕の下だから言うことを聞いてくれてるって感じ。……まぁ、隙あらば『不義遊戯』や“黒閃”について聞いてきて研究しようとはしてるみたいだけどね。

 

「そっちはそっちでボスから仕事任されてるんだ。頼むよ?」

「あぁ、わかってるよ。君たちも、困ったら、呼んでね?」

 

さて、これでまぁ、泥花でのイザコザに僕も噛めるかな? 僕って存在を噛ませないとダメだもんね、あそこ。だってNo.2だぜ? あんなでかい作戦にいないとかあり得ないじゃん! それに、このままだと多分だけど弔くんが全員殺して終わっちゃうし! 原作くらいに適度に! だけど原作より少し楽くらいで切り抜けるための調整枠として僕が出張らないとだよね!

 

こっからが大変だ。頑張りどきだぜ? 舞妓譲葉。

 

「それじゃあ、荼毘くん。またね!」

「あぁ、またな」

 

全ては最高の曇らせのために!

 

 

  × × ×

 

 

その日はよく晴れた日だった。うん、演習日和のいい天気だ。僕たちはグラウンドにヒーロースーツで集まって話をしていた。雑談ですね。授業前の雑談する感じ、結構僕好きなんだよな。

 

まぁ、実習内容なんて分かりきってるので触れないけど、まぁ、みんなの服装や風景的に、まぁ、そういう日だろう。なんか漫画版の一コマを飾ったアメリカンな荒野に出てくるカサカサが転がってるし。ほら、お茶子ちゃんが自分のことを殴りながら去れって言ってるしね。……出久くんは業が深い子にばっかり惚れられるなぁ……お茶子ちゃん然り、原作トガちゃん然り、意味合いは違うけど僕然りさ。

 

「おいおい、まー随分とたるんだ空気じゃないか。僕らをなめているのかい」

「お! 来たなぁ! なめてねーよ! ワクワクしてんだ!」

「フフ……そうかい、でも残念。波は今確実に僕らに来てるんだよ……さぁ! A組今日こそシロクロつけようかぁ!?」

 

ふと聞こえてきた言葉を聞いてみんなが振り返る。そこにはなんと B組の姿が! ……いやまぁ、知ってたんだけどね。ビルボード終わったし、弔くんたちはワチャワチャしてるし、そろそろだと思ったよ。

 

「そちらにNo.8ヒーローがいようと関係ないね!! 僕たちの方が優秀さ! これを見たまえ! A組ライブと B組の超ハイクオリティ演劇! どちらの方が良かったか!! 二票差で僕らの勝利だったんだよねぇ!! 入学時から続く君たちの悪目立ちの状況が変わりつつあるのさ!!」

 

元気いいなぁ〜……今日も今日とて僕にボコボコにされるとも知らずに……なんでこいつこんなに元気なんだ……? アホなのか……?

 

「はぁ〜……この前散々悪目立ちじゃないって言ってやったのに……まだわかんねぇの?」

「はん! 悪目立ちを悪目立ちと言って何が悪い!」

「あ、なるほど。喧嘩売ってたのか。ならもっとわかりやすく売れよ」

 

地面を踏み締めてA組のみんなよりも前に出る。そうすればB組のみんなの顔がよく見える。先生たちの到着も見えているがヒートアップに止められなくなってるな? いいじゃん。いい感じじゃん。

 

A組のみんなも不安そうな顔しないでよ! カメラ使ってないんだから! 録画できてないのは咀嚼できなくてまず味です!!

 

「僕対君たちでやってみる? 簡単だよ。数分で十分さ。そこまで喧嘩売ってくるのなら……」

 

手を打つ。物間くんの横にいた拳藤ちゃんと位置を入れ替える。そしてまるで親友のように肩にもたれかかった。

 

「買うよ?」

 

物間くんが僕のことを振り払って飛び下がった。うん、あの一瞬で僕に触れて個性を奪うほどの余裕はなさそうだ。それならそれでいい。上々といったところだろう。まぁ、僕の個性は“溜め込み型”だろうから触られてもスカだろうけどね。

 

払われた手をプラプラと振ってから飛び下がった彼に近づくように一歩踏み込む。

 

「なんだよ……イラつくなぁ……その敵対してくる目、目障りなんだよ。僕が悪いってか? 目障りってか? いいぜ、やろうよ。先生お立ち合いの場所でさぁ……」

 

手を出す、合わせるように重ねて──

 

「……なんですか? 相澤先生」

「なんだはこっちのセリフだ。イラつく気持ちはわからないでもないが、抑えろ、お前らしくもない。今、何しようとしてた」

「…………」

 

領域を開こうとした手を止められる。捕縛布に包まれた腕を引っ張られながら固定されてしまった。まぁ、元からするつもりなかったけど……あぁ、彼的には領域ってもの自体を知ってるから何かやらかしそうな気がしてたのかな? それならいい着眼点だ。

 

「お前は他の奴とは違うってことを理解しろ」

「他の人と違う? それは差別ってやつですか?」

「違う。お前が特別だって話だ。No.8ヒーロー」

「……そんなこと言われても……いくらNo.8だとか言われても実感湧きませんよ。番組でも言いましたがあんなの運ですし……友達を馬鹿にされたらムカつきます」

「それはわかるが……」

「先生だって友達を馬鹿にされたら腹が立つでしょ。プレゼントマイクを馬鹿にしたらボコボコにしてきそうじゃないですか」

「…………」

 

それはそうだが、それとこれとは話が違う、とでもいうような目を向けてくる相澤先生に見られながら両手をあげてみる。まぁ、仕方ないよね。これ以上好戦の姿勢見せたらめっちゃ怒られそうだし……

 

ま! ここでカッコつけてあげればいいだけの話だ!  B組のみんなをけちょんけちょんにして! 僕の強さを示してあげないとね!! あとついでに物間くんを曇らせる! いやね! そっちが目的なんかじゃないよ? 全然! 僕はヒーローだぜ? そんなことあるわけないじゃん!

 

ちなみに今のそんなことあるわけないは僕がヒーローって方に掛かってます。僕がヒーローとかあるわけない。

 

「わかりましたよ……で? 今日は何するんですか?」

「A組と B組のクラス対抗戦だ。合同戦闘訓練」

「なら僕がちゃんと喧嘩買ってあげられますね。どういう形式ですか?」

「ちなみに今日はお前出ないぞ。出番なしだ」

「……………………へ?」

 

多分生まれてから人生で一番間抜けな声がそこに響いた。

 

 





いつもありがとうございます……応援、たくさん届いてます。
先日、ファンアートを通り越してファンドール(?)というか譲葉の人形が届きました。すごくないですか? 譲葉が三次元にいるんですよ……嬉しい……嬉しい……ところで届いた荷物を見て母が「誰?」って言ってた気まずかったです。ペンネーム言ってないので。ホーエルさん、改めてありがとうございました!

さて、ここからどんどんと物語は進んでいきます。早めに泥下の事件までは書き進められたらなぁ……いいんだけどなぁ……

これからも頑張りますね! よろしくお願いします!

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