個性『不義遊戯』でいく! 僕の曇らせアカデミア!   作:波間こうど

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八月ラストの更新です。お楽しみください!


★試験後独白、泥花へ

 

 

【出久side】

 

「クソが! クソ! クソがァ!!」

 

かっちゃんが暴れるように机を強く何度も叩いた。その目には涙とも見える液体が滲んでいるが、それよりも獰猛な獣を思わせるようなそのギラついた瞳が、熱意を持って訴えかけてくる。その敗北を。紛れもない、純然たる事実として、トロフィーとしてもたらされた圧倒的なまでの敗北を。

 

僕たちは負けた。それも、完膚なきまでに。

 

勝つとか、負けるとか、そういう次元の話ですらなかった。相手にされていなかった。個性を一つ制限するなんてデメリットを負ってなお、彼は僕たちを蹂躙し、まるで子どもを相手にする父親のように吹き飛ばした。

 

作戦は立てた、全員で勝つために動いた。全力を尽くして、搦め手も使って、虚もついた。その全てが、彼にとっては児戯に等しかった。

 

『その力、本当に君のもの?』

 

頭の中で彼の言葉がリフレインする。

 

『薄々思ってたんだ。考えてたんだ。同じタイミングで二人に運良く個性が発現するのかってさ』

 

僕は彼に隠していることがあるのだ。

 

『考えたんだ、考えてたんだよ……』

 

ずっと、浅はかにも彼が気づいていないと思っていた。その事実を、彼は知らないはずだ。

 

『君のその力、本当に君のもの?』

 

彼は何も知らない。このことについて知っているのは、あの場にいる人物なら僕と、オールマイト、かっちゃんだけだ。そのはずだった。そのはずだったのに。

 

『おい、答えろよ緑谷ァ!』

 

彼が僕の胸ぐらを掴んで吠える顔が、あの時の鬼気迫る顔が浮かんでは、僕の心を突き刺した。彼にまだ伝えていない、僕の秘密。僕が抱えた、大きな業。

 

何度も言おうとした、それでも、その度に彼が席を離れたり話を打ち切って、僕の言葉は口から彼の耳までの、たった数メートルの距離を移動することができなかった。……これも言い訳かもしれない。彼に、伝え損ねた言葉が、重しのように僕の心を沈ませる。

 

今日、予感がした。ワン・フォー・オールは、僕が受け継いだ圧倒的な個性は、その事実は、彼の心を砕いてしまうのではないかと、僕がオールマイトに認められたというその事実は、彼を傷つけてしまうのではないかと、そう思ってしまった。

 

告げたら嫌われるんじゃないかと思ってしまった。

 

明らかに高すぎる壁、それよりも手前にある大きな溝。僕は踏みとどまってしまった。壁に飛び出す前に、踏みとどまってしまった。足を止めて、その溝の深さを理解してしまった。

 

個性の暴走のこともあって僕はもう少し大事をとって保健室で休んでいていいとのことになった。みんなよりも遅く寮に帰ることになるのは少し残念だけど、それも悪くないと思えた。ゆずくんに合わせる顔が思いつかなかったから。

 

かっちゃんが保健室から苛立ちと共に出ていくのを見ながら目を閉じる。すぐに意識は闇に誘われた。

 

その日、僕は、いや、僕の個性は大きな転換点を迎えることになる。

 

「頑張れよ! 頑張れば、大抵何とかなるさー!!」

 

歴代のワン・フォー・オール継承者との邂逅によって。

 

物語は動き出す。真っ直ぐ、巨悪へ向かって。

 

 

  × × ×

 

 

【爆豪side】

 

怒りがあった。

 

それは、怒りだった。どうしようもない、怒りだったのだ。

 

自分の至らなさ、未熟さは理解しているつもりだ。だからこそ、俺がNo.1だと言わずに、No.1になると言ってきた。今の俺がNo.1になるにはまだ足りないものが多すぎる。だから、これからそれを埋めて、他の誰でもないこの俺が、No.1になる。憧れたトップに、完膚なきまでの一位になるのだと、そう思っていた。

 

『どーも、No.8ヒーローのユズでーす』

 

そんな俺を、常にあいつは置いていった。

 

道端の石ころだった。ちょっと綺麗だが、それでも、俺には届かない存在だった。俺の道の邪魔になんてならねぇはずだった。ライバルだとは思っていたが、それでも俺の前を行くような奴だとは思ってなかった。

 

個性がなかったから、いくら頭脳明晰で俺よりも模試の点数が高かろうが、俺よりも学年成績が上だろうが、俺には敵わないはずだった。見下していたのだ。なのに、なのにも関わらず。

 

USJで、体育祭で、アイツの救出で、期末試験で、日々の訓練で、テストで、仮免試験で、この戦いで。

 

俺はアイツに一度も勝てていない。手も足も出ていない。アイツの冷ややかな目が俺を見つめる。馬鹿にしたように、俺を見たその目線がお前じゃここには立てないと伝えてくるようだった。あの瞳が俺をイラつかせる。

 

この前まで、つい、この間まで……

 

『かっちゃん!』

 

「道端の石ころだったろォがァ……! 譲葉ァ……!」

 

アイツのライバルは俺のはずだった。でも、デクがライバルで俺なんか眼中にねぇとそう言うその瞳に、映ってやろうと思った。

 

俺はこの日、初めて明確に、彼我の距離を理解した。そして、俺は初めて、怒ったのだ。

 

愚かで矮小で弱い、自分に。

 

「こっからだ……なぁ、デク」

 

拳を柱に叩きつけて。前を睨む。口から出たのは何故か腐れ幼馴染のアイツの名前だった。

 

 

  × × ×

 

 

【耳郎side】

 

弱い。知っていた。そんなことは、理解していた。彼との差なんてわかりきっていた。その差がどのくらいあるのかもわかっていた。……わかっているつもりだった。それでも、負けた。

 

訓練が終わって、講評も済むとウチらはそのまま控え室へと戻った。着替えて晩ごはんまでは自室で過ごすことにする。この顔を見られるわけにはいかなかった。誰にも。

 

ウチたちの全力だった……と思う。もう少しやりようはあったし、ペースを乱されたことも否定はしないけど、それでも全力だった。ウチら五人が出せる全力で彼というヒーローに立ち向かった。

 

その上であえなく惨敗した。

 

全員もれなく気絶させられて、意識を吹き飛ばされて負けた。ウチの気絶の要因はチョークスリーパーだった。背後から思いっきり抱きつかれるみたいに首を絞められて、意識を刈り取られた。

 

反撃はできた。まだ暴れる余地はあったし、彼の脇腹にでもハートビートファズをぶち込んでおけばそれなりに効いてくれたと思う。でも、そんなこともできなかった。というより、しなかった。

 

それは、もう、どうしようもない理由。本当に、あの場で一番ウチが本気じゃなかった。あの場で一番ウチが、駄目だった。だって──

 

………………………………………………正直、あのときのユズに興奮した。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

枕に顔を埋めながら叫ぶ。一応壁はそこそこに厚いからよっぽどのことがなければ大丈夫だと思う……それでも聞こえるんじゃないかってくらいの声で叫んだ。

 

もう、泣きたかった。本当に消えてしまいたかった。

 

「……ウチ、ヒーローになんかなれないよユズ……」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

首を絞められて、落とされたのに。それでもなおまだあの時の景色が輝いて見えてしまう。もう、重症どころか末期だった。あの中で、心操を含めても確実に一番役に立ってなかったのに、それでも、それですらいいと思えた。

 

「ユズ……」

 

もう、どうしようもなかった。溢れ出る気持ちみたいなものが止まらなかった。ウチじゃ彼に勝てないってわかってしまった。彼のヒーローにはなれない。だけど、彼のことを支えられる存在にはなりたいって、思ってたのに。それすらも怪しい。

 

今のウチはヒロインの座を求めてしまっている。

 

「あぁぁぁぁぁぁ……」

 

本当に、殺して欲しかった。この恥ずかしいバカを何とかして欲しかった。こんな緩んだ顔誰にも見せられないから。

 

 

  × × ×

 

 

僕がみんなを蹂躙した日の、その次の日のことだった。寮の自室でのんびりとかっちゃんの曇った顔のビデオを閲覧していると急に電話がかかってくる。その電話の番号は……非通知? あ、この時期なんだ? と思いながら通話に出る画面をタップする。

 

「もしもし」

『譲葉じゃな!』

「……なんだ、ドクターか。非通知でかけてくるから誰かと思ったよ。で? 何の用?」

『お前さんはワシに辛辣じゃな!』

「別にそんなつもりはないよ。でも……まぁ、どうせろくでもない案件を持ってくるんだろうなって思ってるだけ」

『ホッホッホ! 違いない!』

 

愉快そうな声が耳元で騒ぐ。耳を押さえたくなるくらいの音量で叫ぶ声に目を顰めながら、僕は電話の向こうの相手に用件を急かすことにした。この時期の用件なんて決まってるからね。泥花でしょ。

 

『お主の仲間がピンチじゃ!』

「わかった。そっちから呼んで。少し準備するからちょっとだけ待って欲しいけど」

『話が早くて助かるわい。ところでそっちはどうするつもりじゃ? 学校じゃろ?』

「トゥワイスさんにお願いして僕のクローン送りつけて貰ってよ。僕のクローンなら何も言わなくてもわかってくれると思うし」

 

体を少し動かしてから服を着替える。ジャージ一式をベッドに放り投げておくことでクローンの僕がきたら事情を理解してこの服に着替えてくれるでしょ。ま、その辺りは僕のことだし、僕が一番わかってる。

 

「じゃ、呼んで」

『お主は本当に理解が早いのぅ』

「そんなこと僕が一番わかってるよ、さっさと呼んでよ」

 

少しイラついた声を滲ませてそう言うとすぐに喉を泥が逆流するような感覚に襲われる。まぁ、言うまでもなくジョンちゃん……ドクターの作った脳無の一体によるテレポートだろう。この感覚他で味わったことないし。黒霧さんいないと不便だなぁ……

 

さて、何で僕がここまでイライラした様子を出していたのか。理由は弔くんたちが危機的状況にあるって聞いたから? ハハハ、そこまで優しいと思う?

 

絶好の曇らせの日だからだよ!!

 

うっひょ〜!! たまんねぇ〜!! 最高だよね!! 最高の曇らせ日和だ!! 空も晴れ晴れ! 僕の心も晴れ晴れさ!! よ〜し! お兄さん全力でみんなのこと曇らせちゃおうカナ!? って、ついおじさん構文が出ちゃうくらいには興奮してるぜ〜!!

 

「……譲葉」

「やっほ、弔くん。みんな無事?」

 

頭の中でどんな曇らせ方をしようかとパラダイスを展開していると、すぐに呼ばれた場所にまで転移した。弔くんたちと合流するとすぐにトガちゃんが抱きついてくる。うわぁ……フワモコだぁ……そのダッフルコート原作でも買ってたやつ? 可愛いね。めっちゃ似合うじゃん。

 

「や、ヒミコちゃん。そのコート可愛いね。どこの?」

「ゆずく〜ん!」

「……ピンチなんじゃないの?」

「あぁ、その馬鹿はわかってないけどな」

「失礼な! わかってますよ!」

 

トガちゃんは可愛らしくプンプンと怒ったところを見せつけてからムスッと弔くんを睨みつけた。

 

「でも問題ないです! ゆずくんが来たから!」

「…………悪い、譲葉。馬鹿は俺だ」

「弔くんがヒミコちゃんに言いくるめられてる……男を尻にしける女はいい嫁になるらしいからヒミコちゃん。君、いいお嫁さんになるよ」

「プロポーズ?」

「違うけど……???」

 

可愛らしく頬擦りしてくるトガちゃんを抱きしめたい衝動に駆られるも、抱きしめることができない。そんなことしたらこの場で押し倒されるのわかってるからね。うん。いつもの傾向的に、これを世間では傾向と対策と言います。受験かな?

 

「で、何? 何でピンチなの?」

「あぁ、実はな……」

 

かくかくしかじか、とコンプレスさんが話始めてくれる。つまるところデトネラット社の社長含めた奇天烈連合こと“異能解放軍”が僕たちの気前のいいブローカー、義燗さんを誘拐して指を切り取りばら撒いた挙句、僕たちの位置情報を握った上でかかってこいと喧嘩を売られたとか何とか。

 

「へ〜……で、どうするの? 弔くん」

「マキアをぶつけて消耗させる。上手くいきゃ共倒れだ」

「あぁ、なるほど……いい案じゃない? それはそうと……」

 

トガちゃんの頭を撫でながらドクターにビシッと指を、というか釘を刺す。

 

「邪魔、しないでよ? ドクター」

「ホッホッホ、せんわい」

「ならよかった。じゃあ、僕たちに喧嘩を売ったお間抜けさんたちをぶち殺すかぁ〜……」

「気楽に言うな? 十一万人いるって言ってたぜ?」

「十一万人は骨が折れるだろ」

「おいおいコンプレスさん、スピナーくん。考えてもみてよ」

 

多いだろといった顔をする二人に向けて微笑んであげる。彼らは、特にスピナーくんなんかは僕に死ぬほど、というか死ぬギリギリまでボコボコにされて鍛え上げられてるからね。彼が鍛えろって言ったんだけど。

 

彼を領域以外の全ての手段を使ってボコボコにしてきた。その度に無理矢理にでも立ち上がって僕に向かってきた彼は雄英のみんなに比べたら弱個性かもしれないけど、それでもことスピードと、テクニックにおいては敵連合でも随一の実力者だ。弔くんよりは遅いけど。それでも隠密系で近接肉弾戦をそこまで得意としていないトガちゃんよりは強いくらいには鍛え上げている。

 

そんな君たちならこっちの方が怖いでしょ?

 

「俺と十一万人。どっちの方が怖い?」

「…………お前」

「舞妓と喧嘩するくらいなら十一万人に突貫するね、俺なら。まだ逃げ道ありそうだし」

 

二人が確かにって顔で頷くのを見てご理解いただけたのなら何よりだって言葉を溢しておく。それから弔くんに視線を横移動させた。

 

「じゃ、行こっか」

「マキアが起きるまであと一時間と五十分」

「それだけあれば十分でしょ。お釣りが出るな?」

「あぁ、じゃあ」

「蹂躙だね」

「蹂躙だな」

 

二人で拳をぶつけ合わせる。ニヤリと笑みを浮かべると僕の胸元に抱きついたトガちゃんが僕の体をぐわんぐわんと揺らした。ちょ、何? 目線ブレるんだけど!? やめてくれない???

 

「弔くんとばっかり仲良さそうで嫌!」

「おいおいトガ、俺が一番譲葉と仲がいい事実は変わんねぇよ」

「そうだとしてもそうじゃないです!!」

「トガちゃん哲学みたいな話してる?」

「このイカれ女に哲学が理解できると思うか?」

 

みんながワイワイと楽しそうに話す中でトゥワイスさんだけがハラハラしているように見えた。というか今の現状に少しイラついてるようにも見える。

 

「おい! 義燗が殺されちまうぜ! 早く助けに行こう! 遅いぜノロマ!」

「ん。まぁ、そうだね。義燗さんが殺されたら流石に僕でも治せないし……」

 

ぱんぱんとみんなの前で手を打った。するとみんながゾロゾロと僕から離れて各々の準備を整え始める。武器を装備し、貴重品を置いて、体をほぐす。

 

「大丈夫だよ、トゥワイスさん。義燗さんは死なないし、指は治る。何なら切ったやつの指と入れ替えよう。喫煙者じゃなかったらついでに肺も替えてやろうぜ。そしたら彼も両手をあげて喜んでくれるさ」

 

足をヴィラン用の足にする。ついでに衣装もヴィラン用のものにしておこうか。あ、目は入れ替えられないんだよな……流石にサーチなしで行ったら怪我しそうだし……ん〜……あ、仮面つければいいじゃん。そのための仮面だしね。目線は透過させればいいし。

 

仮面もつけて敵連合の舞としての準備も万全に整える。どうせだし赤目も持って行きたいんだけど……と思ってドクターに聞いてみると培養液を入れたアンプルがあってそれに入れていけば良いとのことだった。気がきくねぇ〜。

 

「じゃ、ドクター。飛ばして」

「ホイホイ。お前たちの戦いを楽しみにしておるぞ」

「わかってるよ。帰ってきたら弔くんたちに全面的支援よろしくね」

 

ジョンちゃんに送られるようにして泥下の街に着く。無駄に背が高いビルが見えるその街に入ると目を見開いてそのビルを“視た”。

 

「あ〜……義燗さん含めてあの中っぽいな? お、デトネラット社の社長じゃね……?」

「お前……その個性そんなこともできるのかよ」

「え? 鍛えれば?」

「普通個性って鍛えたからって元の視力も底上げしてくれるもんなの?」

「さぁ? やれば伸びるもんじゃないの? 個性も解釈のうちじゃん。解釈次第じゃない?」

「そんなわけないだろ」

 

荼毘くんにつっこまれながらそうなの? と首を傾げる。鍛えようと思えば個性なんて伸びるものだと思うけど。だから君は皮膚がそんな風に焼け爛れたんじゃないの? 荼毘くん。何事も許容量ってもんがあるんだぜ?

 

「君たちを主導者の許へ案内しよう!」

 

ヒーローが一人現れて僕たちのことを案内すると口を開く。……スライディン・ゴーって名前だっけ。ヒーローだけど中堅くらいの強さだろうか? 弱くも強くもないって感じのヒーローだ。まさにいてもいなくても変わらないヒーローって感じだね。

 

……泥花。この街でこれから起こる戦いを想像する。……僕たちの王が、器へと昇華される。その瞬間を目に焼き付けるのだ。

 

弔くん。頑張ってよ、君は僕の光だ。

 

期待してるんだぜ? この物語の、ヒーローの一人としてね。僕の台本通りに踊ってくれ。

 

愛してるよ、僕のヒーロー。全部壊してくれ。

 

この物語の終幕を彩るのは、君だ。

 

「人がいねぇ……」

「なんか視線感じるなぁ、って思ってたんだよね」

「あぁ、この街全体が……」

 

コンプレスさんの言葉を聞いてからそこに言葉を重ねる。すると弔くんが僕の言葉を受け取って欲しい言葉を呟いてくれた。

 

「その通り! ここは泥花市。ヒーロー含め人口の九割が潜伏解放戦士の“解放区”なのであります! 遠路はるばるようこそお越しくださいました! 本日は記念すべき日! あなた方は主賓! さァ、始めてまいります!」

 

スッと目の前にいる男が手を上げる。

 

「異能解放軍“再臨祭”!」

 

前チョロ色眼鏡が手を下ろす。それに合わせて街の至る所から人が飛び出し、僕たちに個性を浴びせた。

 

「おぉ〜……心求党の花畑じゃん」

「偉い人!?」

「これ十一万ガチであるぞ!」

「まぁ、元からそのつもりだったけど……」

「あぁ……舞」

「オッケー。じゃ、手筈通りに」

 

個性をみんなで避けながら手を広げる。僕のことを知らないにしてもまぁ、この前この手の訓練で僕はトップヒーローたちに“この形式では強すぎる”ってお墨付きもらったばっかりなんだけどな。情報網が浅いぜ。

 

「さぁさぁ皆さんお立ち合い! これより始まりますは異能解放軍vs敵連合! 間抜けな革命サークル愚連隊の! 乱戦だよバーカ!!」

 

手を叩く。範囲は視野の範囲内、捕捉人数は全員、例外なし、効果は識別無視!!

 

四方八方ごちゃまぜ(シャッフル・スクランブル)!!」

 

敵味方関係なく入れ替える。みんながバラバラになったタイミングで声を大きく上げた。

 

「テメェら!! ボスからの指示だ!! よく聞け!!」

 

僕の声が喧騒に巻き込まれる。それでもよく通る声を使って、思いっきり叫んでやった。

 

「乱戦だ!! 塔へ向かえ!! 殺しを許可する!! 好きにしろ!! テメェらの全力でェ……暴れろォ!!」

 

僕の言葉を契機にボッ!! と青い炎が上がったのが見えた。おーおー、幸先いいね。荼毘くん燃えちゃったかな?

 

それじゃあ、派手に始めようか。僕たちも本気でやらないとね。

 

ここが、敵連合がみんな揃う最後の戦いの場面かもしれないから。全員の面倒は見切れないし、生き残って欲しいけど……ま、そのために鍛えたしいけるか。

 

「よ〜し、俺も頑張ろうかな!」

 

突っ込んできた男を飛び越えるように上向きに飛んで、ついでに口に手を入れて上顎を掴む。そのまま地面に着地する要領で投げ飛ばせば男がさらに後ろから突っ込んできてる雑魚にぶち当たった。落としたナイフを拾って男の首を裂いて、倒れた女の脳天に突き刺す。

 

「おいおい、この程度かァ〜? 殺される覚悟あるならもっと頑張れるよなぁ? 頼むぜ〜?」

 

目の前に大群を成している雑魚敵を見ながらせせら笑う。おーおー、有象無象がイキがるじゃないか。描写もされてないモブ共が。

 

「テメェら風情が偉そうにすんじゃねぇ〜よ。このモブ共が!!」

 

弔くんたちの戦いが見れないだろうが! と憤りながら、僕は目の前の大群に突っ込んだ。

 

 

 





いつもありがとうございます、皆々様の感想や、評価によってやる気や元気を貰っています。本当にいつもありがとう。
たくさんの評価もあり、累計作品の中でも高い評価をいただいております。ありがとうございます! これからも頑張りますので、変わらない応援をよろしくお願いします!!

ところで、今回のんこにゃさんの絵えっちじゃないですか?

映画編を入れるかどうかのアンケートをさせてください!

  • 入れたのが見たい!
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