個性『不義遊戯』でいく! 僕の曇らせアカデミア! 作:波間こうど
楽しんでね!
あ、メリクリ!
【出久side】
僕たちは少しの休息を挟んで雄英に戻ってきていた。
這う這うの体で、重い体を誰もが引きずるみたいにしてここまで歩いてきた。僕たちのA組のみんなからすれば僕の次はゆずくんと連戦だったのだから疲れが溜まってしまっているのは仕方がないことだろう。身体中が軋むように痛くて、それは廃ビルで少し休息を挟んだところで治るものでもなかった。それでも、みんなは僕のことを雄英にまで連れて帰ってきてくれたのだ。
どんな状況になっているのかなんて想像がつくのに。
「……今現在、ほとんどの民間人は各避難所に移動してくれてる。まだ外に残ってるのは脱ヒーロー派の自警団と、ダツゴクに乗じて暴徒と化した過激派だ」
わざわざ雄英の敷地から出迎えに来てくれた13号先生が説明をしてくれるが、その顔は暗い。当たり前だ。ゆずくんが敵側であることが知れて、さらにかっちゃんがそれを引き戻すために飛び出した。状況は僕が帰ってきたからと言って、元通りになんてならないと最悪で、もしかすると僕が単独行動していた今日の昼までの方がよほどマシだったかも知れないくらいだ。
みんなの顔も暗い、かつてないほど、クラスの雰囲気が悪かった。それでもなお、雄英に戻る必要はあるのか? 僕が戻る権利があるのか?
裏切り者の僕が、ここに戻ってくる権利は。
「……戻るのはダメだ」
誰に言われるまでもない、でもきっと、賛成票を取れば、過半数どころか満場一致でそうなるに決まっていた。
半日前の僕は「平和の象徴に後を託された、ヒーロー側の最高戦力の一角」であった。今も、その心持ちは変わらない。
でも今の僕は「幼馴染を裏切り続けて現在日本が揺れている原因となるヴィランにまで堕としたクズ」だ。そんな奴は守られる資格なんてない。
ほら、今も聞こえてくる。非難の声が。
「その少年を雄英に入れるなー!!」
「噂されてる死柄木が狙ってる少年ってそいつだろ!」
「ここは避難所だぞ! 俺たちの安全を先に確保しろ!!」
「雄英じゃなくてもいいだろ!」
「匿うなら他でやれ!!」
雄英に帰った僕たちを出迎えたのは、非難の嵐だった。でも、彼らの言うことは間違っていない。僕みたいな危険な人間、敵の狙いを、置いておくメリットはない。そんなこと火を見るよりも明らかだろう。誰が考えるまでもなくわかることなのだ。
しかもそれがさらに裏切り者だなんていうのだから目も当てられない。手助けする必要なんて本当にない。
僕は雄英から背を向けた。もう、帰ってくることはない。AFOと、死柄木弔を……この手で。この手で仕留めるまでは……。
…………あれ? ゆずくんは死んでなくて、死んでると思ったからあの二人を殺そうと思って……でも、生きていて、ゆずくんは敵で、でも、ゆずくんを敵にしたのは僕で……じゃあ。
僕が死ぬべきなんじゃないのか?
息が詰まる。彼の言葉が脳裏に染み付いて離れない。
脳裏にこびりついた泥のように、彼の言葉が滲む。染み込む。狂う。
『お前がヒーローになれるって言って貰った日に、それを見た日に、お前がそのことを俺に言わなかった、その日に、その夢は、捨てた』
あぁ、そうだ。僕なんて、生きてる価値も……。
その瞬間、僕の手を、誰かが掴んだ。
それは、柔らかで、暖かで、
「大丈夫だよ」
麗日さんは、そう言って僕に笑いかけた。
彼女は、そうして強い意志の籠った瞳を群衆へと向ける。その瞳は、その心は、強く。
折れない。
「その少年をここに入れるな!!」
「死柄木が来る!!」
「雄英は安心と安全を保証するんじゃなかったのか!」
多くの非難の声。
「また隠蔽してやり過ごそうってか!?」
「あんたらの失敗のせいだ!!」
「お前らのせいで俺たちは今こんなことになってるんだ!!」
「日本をおかしくしたのはそこのガキだ!!」
「そうだ! そんな奴を俺たちの雄英に入れるな!!」
「俺たちの身の安全はどうなる!!」
「ふざけるなー!!」
非難の声、敵意の声、殺意の声、害意の声。
声。声。声。声。声。声。声。声。声。
多くの、声。
「みなさん──」
ベストジーニストが声をかけようとした、その時だった。
ドンッ!! と大きな衝撃波が、この場を揺らした。
「……うるさいな。高校生の子ども一人捕まえて、そいつのせいでそいつのせいでって……あんたら守ってもらってる側でしょ」
それは、耳郎さんの言葉だった。音を全て掻き消して、返答すらできなくなった群衆に、一歩ずつ、近づく。
「一人一人言ってみなよ。個人的にさぁ……群れてしか発言もできないの? ウチ、そういうの本当に嫌いなんだよね。ロックじゃないから」
彼女の目は、何か、強い焔を宿して、燃える。
「これ以上は、ウチから言わないよ。でも、まずは耳を傾けることから始めたら? 大事なことは、聞こえないんだよ。叫んでたら、大事なことを聞き逃すんだよ。いつも」
強く、訴えかけるように。
その瞳に涙を蓄えて。
大勢の敵でも、どんな相手でも構わない。自分の想いをぶつける。自分の仲間が傷つけられることがたまらなく嫌。そんな姿は。まるで。
まるで──。
「だよ、ねぇ、ウラビティ」
「……うん」
その言葉を耳郎さんから受け取るようにして麗日さんが、飛び出した。個性を使って浮き上がった彼女は、そのまま雄英の校舎の屋上へと浮き上がっていく。そして、屋上へと到着すると、息を大きく吸って、吐いた。
メガフォンに口を当てる。
「緑谷出久は、特別な力を持っています」
「だからここに戻ってくんなって話だ! 狙われてんだろ!」
「迷惑をかけないように! 彼は出ていきました! 連れ戻したのは私たちなんです!!」
麗日さんは、強く叫ぶ。その姿を見て、僕は。
幻視する。彼の姿を。
僕の、ヒーローを。
「彼の力は! あの……特別で! AFOに打ち勝つための力です! だから狙われる! だから行かなきゃいけない!」
その声が、人々の体を叩くたびに、雨粒が、落ちる。
「そうやって、出て行った彼が今どんな姿が見えていますか!?」
あぁ、そうだ。僕は、確かに裏切り者で。
自己中心的な、どうしようもない人間で。
でも、それでも。
「この現状を一番どうにかしたいと願って、いつ襲われるかもわからない道を進む人間の姿を見ていてくれませんか!?」
「特別な力はあっても、特別な人なんていません!!」
「泥に塗れるのはヒーローだけです!! 泥を払う暇をください!!」
彼女にこう言ってもらえる。
「緑谷くん。麗日さんは今戦っている。前を向いている。僕たちは……前を、向かなければならないからだ」
飯田くんが背中を支えてくれる。
「……ウチ、アンタがユズ裏切ったこと、許してないけど……そんなの、ユズと、アンタの問題だから。爆豪が、連れて帰ってきたら、連れて帰って来れなくても。文句、言ってやるんだ」
耳郎さんがそう言ってくれる。
あぁ、なんだ。また、ついさっきわかったばっかりじゃないか。何を忘れようとしているんだ。
ここだ。ここなんだ。
ここが、僕の。
「ここを! 彼のヒーローアカデミアで! いさせてください!!」
涙が溢れて止まらなかった。いつの間にか地面にへたり込んでしまって、大きく、大きく、泣き虫の僕が、出せる最大限の声で。号哭する。
僕は勘違いをしてた。僕の世界の中心は、ヒーローで、それを支えてくれるゆずくんで、そんな風に思ってた。たった一人の、心の底からの友達だったから。
もう、違うんだ。
他にもたくさん友達ができたんだ。僕のことを支えてくれる。支えてあげたい友達ができたんだ。そうだった。
ここが、僕の──。
× × ×
ヒーローアカデミアだ。ってね。このシーン好きなんだよね〜。すっごく綺麗でさぁ。まぁ、上手くいくのかどうか微妙だったけど、未成年の主張もうまくいったようで何よりだ。このシーンあまりにも綺麗すぎるぜ。あ、一般ドチャ癖刺さりケモ耳ガールと洸汰くんだ。ふふ、何だかいいねぇ、声こそあんまり拾えてないけどこうやって心に残るシーンを描けるホリー先生はやっぱり天才だぜ。それはそれとして一般女性えっちすぎないか? 流石に。心のちんちんがビン、
「ゆずくん何考えてるの?」
「え、何怖いんだけど……」
何で当然のように心読んでるんだよ怖いよ。何なんだよ。
さて、現状について説明をしようか。
僕は今、テレビをつけて、その画面の中に雄英高校に先生が潜り込ませたネズミから送られてくる映像を見ながら手を叩いていた。出久くんが糾弾されてるところたまんねぇ〜! 何回見てもおもしろーい! こいつら一人一人殺したらどうなるかな? 最高に興奮するだろうなぁ! いや、この場合はヒーローをいたぶってあげたほうがいいかな? 君たちは何もできない、ヒーローは君たちのためにボコられていく……って状況に罪悪感なんて芽生えないか。カスは等しくカスだし。
原作では洞穴の中を一時的なかくれんぼの逃げ場所にしていたが、僕はそんな場所嫌だったので適当な山荘を押さえました。電気も完備、山の麓まで歩くと遠いのが難点だけど、まぁ、僕は手を叩くだけで行って帰って来れるしね。
それにしてもなんか原作と変わって耳郎ちゃんが頑張ってるな? まぁ、そういうこともあるか。彼女は(曇り顔が)可愛かったからいじめすぎちゃったし……想定以上に僕に懐いてると思ったら惚れてたみたいだから、僕のエミュしたりし始めるかと思ったけど、似てはないけど僕が……あー、ヒーロー“ユズ”がしそうなことはしてるからグレーってところかな? もーっと面白くなりそうだ。
「ひゅ〜! はっはっは! こいつはいい! 雄英は緑谷が帰ってきてパニックだぜ! テンション上がるなぁ! えぇ? おい! 間抜けな顔してラァ〜!
「ゆずくん、頭の上でうるさいです。あと、手が止まってます」
「ん? あぁ、ごめんごめん! 俺としてはこの状況も楽しみの一つだからねぇ……」
「趣味悪いです」
「へへ……許してくれ……ゴルフなんて退屈な趣味の男は嫌だろ?」
僕はそんなことを言いながら膝の上で不満そうな顔をするヒミコちゃんの髪の毛を撫でた。撫でた途端「わかればいいんですよ」みたいな反応するのかわいいね。猫みたい。あ、今荼毘くん「お前接待ゴルフなんて無理だろ」って言った? はぁ〜? できるがぁ〜? なんかいい感じに調整するがぁ〜? というかなんか構ってモード満載じゃん。そこまで可愛い顔されたらチューしちまうぞ。
「ふふ、あ゛ぁ〜。顔が見たいなぁ……この人もう少し近づいてくれないかなぁ……」
「その距離で撮影しているだけでもギリギリだろう。無茶を言っちゃいけないよ、譲葉」
「そうは言うけど先生だって見たいだろ? ヒーローたちの間抜け面」
「僕は映像が見えないからねぇ」
今、大画面に映し出されている映像を、ラスボス先生は見ることができない。まぁ、目がないしね、仕方ないね。目がないと大変だなぁ。僕はあぁはならないようにしないとね。なる予定もないけど。
「あ〜あ。もう少し痛めつけとけばよかったかなぁ……」
「お前、領域まで使ったんじゃねぇのか」
「え? 使ったけど」
「それ以上どう痛めつけるって言うんだよ。奥の手まで使ったんだろ?」
「やり方なんていくらでもあるでしょ。戦闘中に拷問していくやり方なんて今思いつくだけでも五百通りはあるよ? 荼毘くんは強火で加熱しかしないからいたぶり方を知らないんだなぁ」
「……危ねぇ奴」
今更でしょ、と返事をしてから画面に目をやる。ありゃ? かっちゃんがなんかいないなぁ……どこ行ったんだろ……
となると……かっちゃんの取りそうな行動は二択だ。
一つは僕の奪還。これはありそうだね。僕のことを一人で奪還すると息巻いてるのは目に見える。それは僕がまだ心の奥底に自分を残しているなんていうおセンチな考えから来るものだろうからこの場合は一対一で叩きのめせばいい。こっちに関してはどうでもいい。来たら曇らせればいいから。
二つ目、こっちは由々しき事態だ。A組のみんなが僕のことをいじめた張本人として彼のことを追い出した場合。これは良くない。何より、僕がその場にいなかったことによって彼の顔を見ることができなかったことが本当に良くない。これだけは許せない。まぁ、確率は低いけど……耳郎ちゃん辺りが癇癪を起こして一触即発! とか、みんながかっちゃんが悪いって方向に話が進んだ時に彼が出て行った、なんてことはあり得るね。
……ま、ないか。彼の心は脆いけど、強いから。一つ目だろうなぁ。やれやれ、僕が言うのもなんだけど本当に。
「めんどくせぇ奴だ」
「舞妓、嬉しそうだな。なんかあったか?」
「ん? んにゃ、何にもないよ。スピナーくんってば、俺のこと見過ぎじゃない?」
「は!? 見てねぇし!」
「スピナーくん。その反応はキモいです」
「はぁ!?」
僕の膝の上にいたヒミコちゃんとスピナーくんがやいやい言い争いを始める。それに荼毘くんが少し目を向けてから、つまらなそうに画面へと視線を戻した。いくら探してもエンデヴァーはいないんじゃないかな。今四国だし。僕が飛ばしたからね。
「さて……」
「譲葉、お出かけかい?」
「小腹が空いたからね。コンビニにでも行ってくるよ」
「コンビニなんてやってねぇだろ」
「商品は据え置き、なんでも残ってるよ。アイスはダメになってるし、おにぎりやパンなんかは腐ってるかもだけど、お菓子の類は生きてるさ」
「盗みかよ。悪い奴だな」
「どの口が言うのさ」
僕はヒミコちゃんの頭を退けて、ゆっくりと立ち上がった。外へ出ていく僕のことを捕まえてみんなが口々に言葉を投げかけてくる。いや、そもそも間違えないで欲しいんだけど。
「俺たちはヴィランだろ」
馬鹿だなぁ。盗みも殺しも、何もかもした後だ。もう、遅い。手遅れでしかないのだ。
僕たちは、汚れ過ぎた。
出久くんが泥を払う暇を欲しがっているのは間違えていない。彼の疲れと汚れを取り除くのは急務だ。
さてさて、問題です。僕たちの汚れは取り払えますか?
正解は、ざんねーん! 取り払えません! 足を洗っても、手を引いても仕方がないさ。魂の奥底まで腐っている。一つの目的のために、何もかも捨てた、ゴミクズだからね。
そう、変わらないよ。今更何の罪を重ねても。
過去は、消えないのだから。
× × ×
「……付いてきたの?」
「えへ、バレました?」
「あぁ、うん。そりゃあ……」
ゆずくんは、いつも私のことを見つけてくれる。
彼は振り返りすぐさま困ったような顔で頬を掻いた。
彼は、困っているとこうして頬を掻く癖がある。彼の癖、愛おしい愛おしい彼の癖。
他にもたくさん癖を知っている。きっと、私以外だと出久くんと、弔くんくらいしか知らない癖。
嬉しくなると、手を叩く。
手を広げるときは鼓舞するとき。
楽しいときは口笛を吹く。
そして、彼自身の仕事をするときは。
「今からどこ行くの?」
「……コンビニだってば」
「嘘です。何かしに行くんでしょ」
「……何だってそんなこと言うわけ?」
「ゆずくんが“さて”って言うときは仕事のときです」
「えぇ、そんな口癖あったっけ?」
彼はおどけてみせる。きっと、わかりきっているのにその反応をするのだから可愛らしい。
別に、彼の全てを支配したいだなんて思わない。彼はそんなことを望まないから。
別に、彼の全てが知りたいなんて思わない。きっと、隠したいこともたくさんあるから。
別に、彼の邪な部分に何とも思わない。
だって、私たちは狂って、終わって、おかしくなった成れの果て。その果ての果てで歪みながらお互いを慰める哀れで、どうしようもないお人形。
私は“好き”になりたくて、彼は復讐を果たしたくて。どこまでだって堕ちていった片翼の鳥。
だから、彼の邪な気持ちも、邪悪な顔も、私は全てを受け止める。それをしっかり受け止める。大事なものだと握りしめる。壊さないように、大切に。
彼は縛ると疲れちゃうから放してあげる。
彼は笑うと壊れちゃうから支えてあげる。
これから先も比翼連理といきたいものです。言葉の意味があってるのかは、わからないけど。こういうとき私に言葉を教えてくれるコンプレスさんはお勤め中だ。助けてあげなくちゃいけないけど、それもこれもヒーロー側を終わらせてしまってから。
「ゆずくんが何をする気なのかわからないけど。私、側にいちゃ迷惑かな?」
「……はぁ、ちょっと散歩するだけだけど、まぁ……君が望むなら」
「うん! デートだね!」
「えぇ? う、うーん……でもクレープ半分こはしないよ?」
「ゆずくんのデートの基準ってそこなの?」
いつだって彼は折れてくれる。仕方ないなぁと笑ってくれる。何もかもを隠した仮面の中で。
きっと、彼の目的は
ゆずくんは何かを抱えている。きっとそれは、弔くんも知らない。出久くんも知らない。多分、
彼が遠慮がちに手を握る。半年前くらいまでは手を繋ぐ時も、腕を組む時もヘラヘラしてたのに、最近はなんだか照れくさそうに口を一文字に結んで、明後日の方向を見る。可愛くて、愛しい私の……。
この関係に名前はない。恋人ではないし、婚約もしてない、結婚なんてもっての外。私たちはきっと一緒になれない。そんな気がする。この戦いが終わって、勝ち残ったらそうなるのかな? それとも、彼が私のことを攫ってくれるのかな? そんなの、白馬に乗った王子様が迎えにきてくれるって話よりも信憑性がない。
でももし、もしも。
もしも、私たちが一緒になったら。そのときは、きっと、幸せな日々が続くと思うのです。
お腹を摩る。外は寒い。雨上がりの地面は独特の匂いを漂わせて、見上げると小鳥が空を飛んだ。飛び立った小鳥のいた場所を見ると、小さな巣が見える。
雛鳥が一羽、ピィピィと鳴いた。
「そういえばどこ行くの?」
「ん〜? あと三日間の食べ物の確保かな。あとは……ちょっと、しておきたいことがあるんだ」
彼はそう言って笑った。手を強く握った彼がそのまま山を降りていく。不義遊戯を使えば山の麓まではすぐなのに、そうしないということは私といる時間を楽しんでくれているということなのだろうか。
そうならいいなと思う。彼の。
心を焼き続ける復讐の炎、愉悦の陽炎。それを一時でも忘れられるような、そんな時間になっているのなら、いい。
空は雲が裂けて青空が見えていた。四月のこと。
私はこの空を忘れない。
冬空を見ている皆さん。クリスマスイブですよ。「クリスマスイブにこんな小説読んでる暇ないだろ!」って? それはごめんね……
今年は色々忙しくてあんまり更新できなくてごめんなさい。この物語も来年には完結しそうです。まぁ、一年で終わると思ってたものが二年続いているので、わからないものですが。
それでは、メリークリスマスです! この物語の行く末も最後まで追いかけてもらえると嬉しいです。
映画編を入れるかどうかのアンケートをさせてください!
-
入れたのが見たい!
-
本編だけ追いかけるのでOK!
-
アンケート結果が多い方で!