突然自分が現れた、今まで何をしていたのかの脈絡が一切思い出せないがそんな事よりもこの奇妙な浮遊感が気になった。
一方から凄まじい風が俺を吹き付ける、踏ん張ろうにもどうにも地面を踏んでいる感触がないのだ。
開こうとすると謎の風圧で痛む目を腕で庇いながらうっすらと眼を開く。
視界の最果てでは空と地平線が混じりおかしな角度から自分がまるで空の上にいるかのように錯覚させた。
後ろを見れば誰かが俺を見ているような気がした、よく来たねと言っているようにも感じた。
そして俺はようやく俺の現状を理解して、
叫んだ。
「うおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああああああ!」
多分今までで1番叫んだ、そりゃそうだ!今にも消えゆく命を見て叫ばずになんかいられるか、ましてはそれが自分だなんて最悪もいいところだ!
さっきまで見えてた地平線がだんだん遠く見えなくなっていく、いやでも自分が落ち続けていることを実感する。
これが走馬灯と言うのだろうか、やけに頭が回って自分がゆっくり落ちて行ってる気がする、そういえばスカイダイビングなどで事故があった時は木の上に落ちたり藁束の中に落ちる事で生還した人たちが居たと聞く。
どうにかこうにか姿勢を変えようと腹に力を入れて全身を捩る。
初めてでも案外なんとかなるものでいわゆるスカイダイビングの姿勢になってちょっとでも速度を緩める、
顔は見ないでくれ、風圧で今バラエティでよく見るブルドックみたいになってるから。
幸い下は森のようでどこを見ても木で溢れている、これならよほど運が悪くてもどっかしらの木に引っかかりそうだ、
そしてどうせなら大きい木の方が良いのだろうか、下の方の枝は太いだろうがそれまでに細い枝が沢山あるだろう、多分それが良いそうしよう。
地上を見た瞬間目に入った木があるのだ、とんでもなくでかい木、もし死んだとしてもあの木のそばで死ねたならまぁ良いかなって感じのが。
くるっと回って両手を後頭部に添えて、
いざ、南無三!
べき!ばき!べべき!ばきょ!
「いででででででででで!」
ずばん!
「がっふぁ!?」
極力枝にあたるように体を伸ばしていたため、ケツと背中と両手と頭に鈍い衝撃、
肺の空気が飛んで全身が軽く痺れる、生きてる気はしない、...しないがこれは?
手を目の前に出す、ぐっぱー、ぐっぱー。
おお、生きてる、生きてるぞ!
「生き残ったァァァァァ!!」
「「「「............」」」」
「ん?」
奇跡すぎる生還、アドレナリンのせいか本当に怪我がないのか恐ろしいが動かない骨はない、が、
「「「「..........」」」」
めっちゃ大勢に見られてるーーーー!?