「「「「.....」」」」
「えっとそのぉ...」
「神の使いじゃ...」
ん?髪の使い?今はなきガキ使の亜種か?
目の前のおじいちゃんがポツリとぼやいた瞬間、伝播するが如くあたりがざわめいた、
「神の使いだってよ」「本物だぁ...」「どうかお救いくださいませ」「この方が?」
よく分からない状況だがとりあえず気まずいことはわかる、そして多分俺は神の使いではない、ただの気づいたら空中に居ただけの一般人だ。
何をいえばいいか分からずオロオロしていると最初に俺を神の使いじゃとか言ってたおじいちゃんが近づいてくる。
今気づいたがすげえ耳が長い、福禄寿とかじゃなくてピンと伸びたエルフ的な長さだ、老いのせいか屋敷妖精の方が似ているが。
「感謝してもしきれません、神よありがとうございます、矮小な我々の言葉に耳を貸していただき幸甚の至り...」
「いやあの」
ちょっと待って欲しいいきなりそんな感謝から入られると否定しづらい、俺が一般落下一般人である事を考慮しとけよ!感謝しても何も出ねえよ!神の使いじゃないもん!
「お前ら!御使い様はお疲れじゃ!最大のもてなしを用意しろ!」
「「「「おう!!」」」」
あかん、もう俺の胆力じゃ人違いですすみませんとか言えないよ!一般落下一般人なのバレちゃったらどうなっちゃうの!?処される?フルボッコ!?!
「あの、」
「いかがなさいましたか御使い様。」
俺の声を聞くためか周りの奴らが一気に静かになて俺を見ている、やめろぉー見るなぁ!て言うか圧やば、やっぱ弁明とか無理だって。
「えっと、はい、何でもないですけど、もてなしとかは大丈夫です?」
「一族に沽券に関わります、どうかもてなさせてくださいませ、」
長老っぽいおじいさんがそういうと再び周りのエルフっぽい人たちは各々の仕事をしにいったのかここに残ったのは長老っぽいのとエルフっぽい美人の女の子だけになった、
状況の収集が付かなくなったぞと思っていると長老っぽい人が耳打ちで話しかけてきた。
「自らが何お力をお持ちでないとこを卑下することはありません、あなたは居るだけで我々に希望をもたらす神の御使いなのですから。」
ん?バレてる系か?んじゃあ何で俺なんかを神の御使いだとか言ったんだ?
困惑した顔で長老みたいなおじいちゃんの方を見るとにっこり笑ってた、邪気はないけどなんか怖いんだが。
「あの、御使いさま、私はウルシエットと言います、みんなからはルーシーって呼ばれています、お好きに呼んでください。」
「オーケーウルシちゃん、「ウルシちゃん!?」君はその、みんなみたいにどっか行かなくてもいいのかい?」
この美少女もすっごく気になるが今は出来ればこの長老(暫定)と話がしたい、そして出来れば一対一で。
「私の使命は御使いさまをお守りすることなのでここにいることが私の仕事です、あと、」
そういうとウルシちゃんはいまだに腰が痛くて立ててない俺のそばに屈んで囁いた。
「御使いさまが本当は弱いのは私と長老だけが分かってますから、心配しなくても大丈夫ですよ、もてなしが終わったあとお話しさせていただきますので、それまでは一族のもてなしをお楽しみください、御使いさま。」
リアル美少女asmrである、危ない、抜けた腰が砕けるところだった。
にしても本当にどういう事だろうか、正直走って逃げ出したいがこのエルフっぽい子から逃げおおせる自信がない、
腰痛いし普通に最近走ってなかったから一歩走ったらどっかしらバキバキ言うと思う。
ふと音が聴こえて耳を澄ます、軽快なリズムの打楽器に笛の音。
いつのまにか日は暮れ始め、巨大樹に巻き付いた灯りがぼうっと付く、
現実を疑うほどの幻想的景観、世界に圧巻される、
気がつけば笑い声が聞こえ、美味しそうな匂いが漂い、人が増える、
笑い声は喧騒に変わり、匂いは入り混じる。
祭りの匂いだ。