夏油スグリは疲弊していた。
もうすでに1時間は戦っているからだろう。
相手の土俵に自ら乗ったとはいえ、夏油スグリはキヴォトスでも屈指の実力者である。
だが、それ以前に一人の
「夏油スグリ。君はこの世界の因果に本来存在しないだよね。」
「・・・それはそうだろう。私は転生者なのだから。」
夏油スグリという存在は転生者がいなくともいたかもしれない。
だが、今この場にいる夏油スグリは転生者が憑依した存在だ。
「確かに"俺"はこの世界の住人じゃない。だけど、私は存在している。それは今この場にいることで証明されている。」
「・・・何がいいたいの?」
「いいたいも何もこの世界は元々因果から外れているんだよ。呪力という存在は本来この世界にはない。」
「・・・。」
「ずっと、気になっていた。転生者なら物語の空想とかでいろいろ見てきた。"俺"が転生者である以上他にいることも考えた。真っ先に転生者と疑ったのはお前だったが・・・私がそれをきいたときあなたは転生者ではないと答えた。」
「私も夏油スグリと同じと言いたいのかい?」
「同じ・・・君がこの世界を因果というのならそうかもしれない。」
夏油スグリは今まで関わってきた人物たちを思い浮かべる。
先生、空崎ヒナ、小鳥遊ホシノ。
他にも何人もいた。
だが、呪力という存在を第三者の目線で捉えているのはこの目の前にいる存在と自分だけだと。
「私も君も因果から逸脱した存在。悲しいかな・・・呪力から脱した存在と同じ存在になっているということに。」
それは呪術廻戦のファンと思えば、嬉しくもあるのだが。
「君もこの世界には存在しないなら今ここで君を倒し、この世界を分離させる。」
「・・・そんなことができると思うのかい?"色彩"でさえ、因果からは逃れられないのに?」
「色彩・・・それが何かはしらないけど私は・・・呪いの可能性を信じる。」
くしくもそれはあの羂索と同じ考え方になったのかもしれない。
だが、それは夏油スグリにとってどうでもよかった。
「私がいなければ、この世界で誰も悲しむことはなかった。」
「・・・感傷に浸っているところ悪いけど、夏油スグリ。君は因果からどう抜け出すというの?」
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呪力とはなにか。
呪いとはないか。
何度も考えた。
人の負の感情で呪霊は生まれる。
だが、呪霊も呪力もこの世界には本来存在しないのだ。
では本来この世界にはないこの力で何ができるのか。
何度も試した。
まずは機械。
動力として使うことはできなかった。
では次に呪力を何かしらのエネルギーに変換する。
そうして作ったエネルギーをもとに機械を動かす。
そうすれば機械は動きだした。
だが、これは可能性ではない。予想ができたことだ。
私が探しているものではない。
今度は呪い。
呪霊どうしを合成し、それの限界を試す。
だが、呪霊にはリミッターがあるようで一定以上合成させると呪霊は消滅してしまった。
祓われたあとではなく、消滅だ。
あとも一切残ることなく消えたのだ。
私はこの消滅反応に興味をもった。
そして何度も試す。
何度も何度も何度も何度も何度でも
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度でも
そのたびに失敗。いや規則性が見つかることはなかった。
だが、とあるときだった。
手に纏っていた呪力が消滅したのだ。
呪霊とともに。
呪力が消えただけで手が消えることはなかったのだが。
それでも私にとっての手がかりだった。
「・・・私は何のためにこの研究をしているのだろうか?」
それは友人のため?それとも多くの人を殺した罪の意識だろうか?
もし罪だと感じているのならそれは偽善だろう。
「いや、私はただ普通に生きたかっただけなのかもしれない。」
元々はロールプレイのつもりだった。
ゲームのような感覚で始めた。
だが、曇りが見え人を殺した。
その時からずっと。ずっと気づいていたんだ。
「こんなことするんじゃなかったって。」
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「何をする気だい?」
夏油スグリは深呼吸を繰り返す。
これは夏油スグリが研究をした結果。
呪力というものを消す。
そんな技。
そして普通の存在になれるように作った祈り。
その技の名前を私はこの因果をもとに戻すということを含めて"回帰"と呼んだ。
手に呪力を込める。
そこに呪霊を限界まで凝縮させたものをだし、そこに極の番うずまきを発生させる。
確かに、この世界の因果は崩すことはできないだろう。
だが、呪力という因果は消滅する。
この技はこのキヴォトス全域に広がる。
「回帰しろキヴォトス」
私の周りが光を帯びる。
その光は天へと舞った。
負の感情で生まれる力はくしくも神のような神々しさだった。
時代が時代なら神が君臨したと考えるものもいるだろう。
呪力というものが存在しないということは術式を使って人の体を乗っ取る羂索のそっくりさんも消滅することだろう。
「これでいいんだ。これで。」
光は数分の間続いたものの。その途中ですでに夏油スグリは意識を失っていた。
はい。元々自己満で書いていたのですがここまでかけてよかったと思います。
次回はエピローグになります。
この次回が本当の最終回になります。