帰ってきたトリコ!! 地球のグルメ探求再び!! 作:ケンタ〜
良ければ、一話目からも読んでみてください!!
よろしくおねがいします!!
「――にしても、マッハヘリでまる三日かよ。遠いなーーー」
大きな駆動音を発し、音速を超える速度で空を駆けるヘリコプター――――マッハヘリの中、青髪の大男が、その椅子に、大きくもたれかかっていた。
その大きな片手には、それよりさらに大きな、バスケットボール大の『肉の塊』が乗っていた。
がぶり、と大男はそれをひとくちかじる。
「――――~~~うーーーんめぇーーーーー! やっぱり
さきほどまでの不満顔はどこへやら、男は一転、バンバンと膝を叩きながら、その『肉塊』の味に舌鼓をうった。
そしてその隣の、男と比べれば、ひとまわりもふたまわりも小さい、小松と呼ばれた男は、大男のそんな様子を、不安げに見つめていた。
「んもー、トリコさん、これから人に会うんですから、そんなに食べない方が……」
小松は、男をトリコと呼んだ。
そう、トリコ。
美食屋トリコ。
この地球上では知らないものなどいない、食のカリスマ。そして、美食屋四天王のひとり。
彼の名前は、文字通り、サルでも知っているだろう。
それほどまでに、この世界では有名な存在。
その横で、気軽に彼に話しかけられる小松も、その例には漏れなかった。
彼は、美食屋トリコのコンビ――美食屋とは切り離せない、料理人としてのパートナー――であった。
常に彼の横につき、彼の捕獲する食材をおいしく調理し、そしてともに食する、食のパートナー。
そんな彼も、料理人の中では、カリスマ的存在であった。
世界中の何千何万といる料理人の中で、彼は、ニ十本の指にも入る。
そんな彼、料理人小松が、美食屋トリコに聞いた。
「それにしても、トリコさん。ボクたちが向かう先って――――」
「ん? ああ。第
肉の塊をむしゃむしゃ食べながら、彼は答えた。
「でもトリコさん、ビオトープって、確か、第8までしかありませんよね?」
「ああ。俺も詳しくは知らんが、どうも、あたらしくできたって話だ」
ビオトープ――――正式名称『ビオトープガーデン』、通称『IGOの庭』は、
公式には、それは第1から第8まであるとされており、それぞれが独自の独立した内部の生態系を有すほどの、広大な敷地を持っていた。そしてそれは、IGOによって、グルメ研究を行うために運営されている。
海、砂漠、山岳、地下、その他、あらゆる環境を再現するビオトープたち。なかには、広大な島まるごと一つがそのままそっくりビオトープとなっている場所もある。
そして、二つだけ――小松が認識しているにのには、ひとつだけ――非公式の、ビオトープがあった。
それが、第0ビオトープと、第9ビオトープ。
そのうち第0ビオトープは、グルメ界に設置されている、かつての人類唯一のグルメ界の食材研究機関。
そしてもうひとつが、第9ビオトープ。
トリコはくちを開いた。
「突貫工事でつくられた、まだ日も浅いビオトープらしい。それでも、最新鋭のグルメ研究設備と人員を備えている。グルメ界食材と人間界食材の研究を同時に行うために設立された、あたらしい試験的なビオトープガーデン。それが第9ビオトープらしい。所長……じゃなくて会長が言うにはな」
そして再び肉の塊にかぶりついた。
それを聞いて、小松が喉をうならせる。
「へぇ~、いつのまにそんなのができていたんですか……」
「俺たちが人間界から離れている間に、いろいろとやってたらしいな。まったく、一年も経ってないうちによくやるもんだ」
そういって、トリコは再び肉を口にする。そのひとくちで、バスケットボールほどの大きさがあった肉は、キレイさっぱりなくなってしまった。
「小松、まだあるか?」
切れて、小松は眉根を寄せた。
「あれが最後ですよ、トリコさん。もうありません。ていうか、食べすぎですよ、トリコさん」
「なんだよ、いつものことだろ?」
「そうですけど、これから――――
そのとき、ぐわん、とマッハヘリが揺れた。
「うわわっ、なにが――!?」
「小松っ!」
バランスを崩しそうな小松の襟を、トリコががしっと掴んだ。
その時、パイロットが焦った声で叫ぶ。
「――――トリコ
それを言い終わらないうちに、トリコは窓に張り付いた。
しかし、そこではなにも見当たらない。
ぐらり、と再びヘリが揺れる。
トリコは息をいっぱいに吸い込んだ。
「この臭いは――――違う、猛獣じゃねえぞ、パイロット!!」
「えっ、ええっ!?」
「今すぐ高度を下げるんだ! じゃなきゃ撃ち落されるぞ!!」
「はっ、はいっ!」
パイロットが全力で操縦桿を奥に倒す。
ぐんっ、とマッハヘリが高度を落とす。
「うわぁあああああっ!? トリコさぁああああん!?」
その影響で、固定されていないトリコと小松の体が空中に浮かび上がる。
しかしトリコはそれを気にする様子もない。
小松が、この程度では大したけがはしないことを知っているからだ。
一見弱そうな小松でも、食のカリスマ、トリコの旅についていけるほどの体力は有している。
その時、再びヘリが大きく揺れた。
「とりこさあああああああん!! これなんなんですかぁああああああ!?」
今だ高度を下げる機体の中で、小松は座席に必死につかまっていた。
油断なく窓の外を見ながら、トリコは答える。
「ブレスコンドルだ! グルメ界にブレスドラゴンいただろ! あいつみたいに強力じゃねぇが、遠距離から息を飛ばして獲物を仕留めるんだ! 捕獲レベルはたしか60後半、油断してるとやられるぞ! パイロット! レーダーで探知して迎撃できるか!」
「む、無理です! さっきのでレーダーをやられました……!」
「ちっ、しょうがねぇ!」
その瞬間、トリコは機内の後方に顔を向ける。
「失せろニワトリ!!!」
いっしゅん、トリコの顔が鬼のそれになった。
牙をむき、目を吊り上げ、全身に殺意をみなぎらせる。
その様子に、小松とパイロットは思わずびくりと肩を揺らした。
しかし、それ以降、機体が揺れることは二度となかった。
「よし、もう高度を下げるのをやめていいぞ」
「とっ、トリコ
おそるおそる、パイロットがトリコに聞く。
「威嚇して追い払った。ブレスコンドルは賢い猛獣だ。一度強敵に合ったら、しばらくはその空域に近づかねぇ……できればあんまり、狩場を奪いたくなかったんだがな……」
ため息をついて、トリコは再び座席についた。
何百キロあるその体重に、ギシリと座席が音を立てる。
「はぁ、着く前に余計なカロリー使っちまったな」
「と、トリコさん、すごいですね……どこから来てるかもわからない猛獣を、威嚇して追い払うなんて……」
座席にしがみついたまま、小松は感心して言った。
「いや、位置は臭いでわかってたよ。マッハヘリの後方の三百メートルくらい先だな」
当然のように、トリコは言って見せた。
「ええ……すごいですね、トリコさん」
その誉め言葉もお構いなしに、トリコはだれた声を上げた。
「はあぁ~あ、腹へったなぁ~、イムスランドのやつ、うまい飯たらふく用意してなかったら、容赦しねぇぞ」
「な、なるべくいぞぎます……!」
パイロットはトリコを恐れるように、マッハヘリの出力を上げた。
そのヘリの向かう先は、ホテルグルメから遥か西へ6万5千キロ――――マッハヘリで丸三日。
人間界でも三番目の大きさを誇る北ウール大陸、その中部。
人類とグルメ界を結びつける新たなる研究所、第9ビオトープ!
トリコたちの幸先やいかに――――!?
お久しぶりです!! めちゃくちゃひさしぶりに投稿しました!! よんでくれてありがとうございます!! これからもいい感じにやっていくので、良ければブックマークや感想など、よろしくおねがいします!! もらえればモチベーションが上がって登校頻度が上がるかもしれません!!
では!!!