ネフィリム・ホロウ〜無類の機械好き、ロボゲーに挑まんとす〜   作:煌天

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第五話、サーバー名を修正しました。ご確認ください。

すみません、また不備が見つかったので再投稿です…。

現在書き方模索中。私の納得がいく方法が見つかるまで表現揺れが起こりますがお付き合いください。


第六話 創造主と僕らの挑戦

『それでは、この世界を楽しみ尽くしてください。』

 

そんなアナウンスが流れ、匠の周りの空間が変化を始める。チュートリアルのための空間が、文字通り歪んだのだ。空間を構成していたものが幾多もの光の筋となり、崩れていく。そして集中線のように一点に収束したかと思うと、急速に視界が一気に後ろへと流れていき、視界が白で埋め尽くされていった。

 

その中で、匠は1人静かに佇んでいた。その時彼がどんな気持ちでだったかは誰にも分からない。しかし、彼の顔には笑みが浮かんでいた。まるで、さまざまな感情が混ざり合ったかのような控えめな笑顔であった。

 

 

…………

 

♦︎

あまりに、あまりに長かった…。操作が難しすぎて、時間がかかりまくった。けれど、ロボットに「乗り込む」じゃなくて『一体化する』という、稀有な体験ができたせいで、単純にキレられないのがもどかしい。そこに、新しいゲームへの期待が重なることで、自分の顔が変な形になってた気がする。

 

 

……おっ、スポーンが完了した。したけど、ここはどこだろう…。どこかの路地裏かな?まぁ、とりあえず明るい方へ行ってみよう。

 

すごく久しぶりの感覚だ。自分の心臓がワクワクで心拍数を上げているのが分かる。これは、新しくゲームを始めるときや、工作キットを開けて作り始める時ぐらいしか感じられない特別な気分だ。

 

「…っ!」

 

裏路地から抜けると、吹き抜ける深い青色の空のあまりの眩しさに目を細めてしまう。それでも目を開け周りを見ると、噴水のある公園の広間に立っていた。

 

「…………‼︎」

 

噴水から目を逸らし視線を上げると、そこには近未来というべき世界が広がっていた。どこを向いても地球にはない技術や科学、そして巨人が目に入る。工事現場では、ショベルカーやクレーンにとって変わり、ネフィリムとそれの腕に取り付けられたドリルを使って作業している。空を見上げると宅配便かのように、ネフィリムがエンジンを吹かして荷物を持って空の上を運んでいた。

 

 

 

 

 

 

人が当たり前のように機械仕掛けの巨人に乗り、当たり前のように生活を営んでいるという、地球ならありえない景色がそこにはあった。

彼にとって、他のどこよりも輝いている世界であった。

 

 

 

 

 

 

「…うん?」

 

感動のあまり公園の広場から動けぬままに辺りを見回していたら、男女二人のプレイヤーらしき人が近づいてくるのが見えた。男の頭上には「ファルコン」、女の頭上には「ニア」というプレイヤーネームが浮かんでいた。

 

(ファルコン…、多分信哉だな。あいつネーム統一派だっだ気がする。)

 

 

ファルコンは僕の正面まで歩いてくると、腕を組んで険しい顔で立った。あっ、やばい。ご立腹かも。

…とりあえず話を聞いてみよう。もしかしたら赤の他人かもしれないし…。えぇい、いざ鎌倉!

 

「あのーもしかして、あなたは誰かと待ち合わせをされていませんか?」

 

「ああそうだ。おそらく、お前と約束していると思う。」

 

 

ですよねー。この人、信哉で確定ですね。対戦ありがとうございました。

 

 

「あー…、遅くなってごめんね?」

 

「遅ーい!今もう10時半だぜ。ったく。……まぁ、予想はつくけどな。チュートリアルに手間取ったんだろ」

 

「ご名答。あまりに操作が難解すぎて、ね。」

 

僕は事実をそのまま答える。嘘ではないからね。

けれど信哉は、疑いの目でこっちを見ながら

 

「…本当にそれだけか?」

 

と、聞いてきた。うっ、その目やめてくれ…刺さる。

確かに、嘘じゃないけど正解の全てでもない。どうやら誤魔化せなさそうだし、ここは正直に言おう。

 

「…あと、ロボットとの融合っていうのに興奮してしまいました。」

 

「おいコラ。」

 

 

軽くお叱りを受けながら、ふと気になった事を聞いてみた。

 

「ていうか、なんで僕だってわかったの?プレイヤーネームはゲームごとで変えてるし…」

 

今回のプレイヤーネームは、歯車から少しトンチを聞かせて取った。するとファルコンは大して引張もせず種明かしをした。

 

「顔に見覚えがあったからな。」

 

「…あぁ、そういうことか。そういえば顔はほとんどいじってないね。」

 

バランスがいい顔を作るのは時間がかかるから、今回はリアルの顔の目や髪の色とかをいじるだけで済ませて、パーツ自体はそのまま使ったんだっけ。

 

 

この時女はふと思った。

 

(あの顔リアルまんまなんだ…)

 

 

その顔を見て、少し奇妙な感覚を覚えたが何が引っかかったのか分からず、沈黙を保っていた。

 

 

♦︎

僕とファルコンが漫才を繰り広げていたその時、それまで黙っていた女性プレイヤー「ニア」がファルコンに対して口を開いた。

 

「あのー、すみません。この方がさっき仰っていたお知り合いの方ですか?」

 

「あー、そうっす。こいつが、俺と待ち合わせてた奴です。」

 

 

その言葉を聞くと、「ニア」は僕の方を向いて

 

「はじめまして、スカーさん。私はこのサーバーの管理者、ニアです。」

 

「あっ、鯖主さんですか。はじめまして。これからお世話になります。」

 

明るくて、ハキハキ喋る人だ。これからお世話になる人だし、しっかりと覚えておこう。

 

「いえいえ、こちらこそこのワールドを選んでくれてありがとうございます。このワールドについては何か知っていますか?」

 

「いえ、恥ずかしながらワールド名以外は何も…。」

 

「なるほど。じゃあこのワールドの説明からさせてもらいますね…。」

 

 

 

「ここは、世界観を追求するために私が新しく作ったワールドです。

 

「もともと私が一人でやっていたのですが攻略が大変で、こうして皆さんを招くことにしました。

 

「なので、シナリオ攻略済みの人は参加を断っています。

 

「あぁ、ファルコンさんからどちらも初心者だと聞いているので大丈夫ですよ。

 

「逆に、シナリオ未攻略の対人勢の方なども一定数います。

 

「このワールドでは大体100人ぐらいで開拓しています。同接は、土日で平均3・40人ぐらいですかね。

 

「何をしても特に構いませんが、基本的には協力プレイをして欲しいです。ですので、オンリーワンなどでなければ情報の共有をお願いします。

 

 

 

「だいたい、こんな感じですかね。何か質問とかありますか?」

 

「いや、大丈夫です。わざわざありがとうございます。」

 

「いえいえ。」

 

めちゃめちゃわかりやすい説明だった。

鯖主さんがこの人柄だと、たいそう平和なワールドなんだろうなぁ。

 

バーン‼︎ガラガラガラ…(遠くのビルが爆発して崩れる音)

 

「「………」」

 

「あ、なんか向こうでネフィリムが暴れてますね〜。」

 

ニアさんは、さして動揺はしておらず、なんならケラケラと笑っていた。それを見たファルコンが恐る恐る聞いた。

 

「いいんすか?向かわなくて、」

 

「大丈夫ですよー。対人勢の人たち(戦闘狂たち)が退治に行ってくれてると思うんでー。」

 

 

((本当に大丈夫なの?この人呑気すぎる…))

 

この時僕らは、全く同じ気持ちを抱いていた。

能天気な鯖主に対する不安と新しいゲームへの期待感の入り混じった、言い表せない不思議な気持ちだった。

 

 

こうして僕らは、少し能天気な創造主(鯖主)の元、ロボゲー、ネフィリム・ホロウに挑むことになったのだった。




PN由来一覧
スカー:
歯車→歯+車→teeth+car→ティース+カー→略してスカー
本人コメント:歯車って歯がたくさんあるから複数形だよね?

ファルコン:
小惑星探査機はやぶさ・はやぶさ2より
本人コメント:推しは、初代はやぶさです。よく帰ってきた!

ニア:
世界の「開拓」が目的→pioneer(開拓者)→パイオニア→略してニア
本人コメント:世界を楽しみ尽くしたい!

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