ネフィリム・ホロウ〜無類の機械好き、ロボゲーに挑まんとす〜   作:煌天

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すごく遅くなりました…懐の怪物と戯れてました…これからはここまで開かないように頑張りたいと思っています…あっ、アメ足りない…

一応、今回は某ライオンに羽生えた生き物と竪琴を弾く女の子のお話風味です。(前半ぐらいで諦めた)

3/21 ネフィリムの差し色をそれぞれ緑→黄色、青→赤に変更しました。


第八話 友のカタチ

ひゅうと風が三人の耳のそばを正面から抜けていく。それは新しいものを歓迎するようで、外様のものを嫌うような、暖かさと冷たさという相反する意志を内包していた。このようなちょっとした、奇妙な感覚が得られるところがこのゲームをプレイしたくなる、見えない理由なのかもしれない。

 

「それじゃあ、向かいましょうか」

 

「はい‼」「よっしゃ!」

 

スカーたちは、意気込んでスタジアムへ歩き出した。ファルコンは腕まくりまでするほど、興奮している始末だった。スカーはつかのま目をつぶり、心に湧き上がる静かな喜びをじっくりと味わっていた。

 

 

 

よく見知った形のスタジアムの中にところどころに感じる近未来が、この世界が現実の世界とは異なった摂理の上で廻っていることを、スカーに強く自覚させた。

 

一歩一歩近づくに連れて、人を圧倒するようなスタジアムが近づき、異様な威圧感をもって迫っていく。スタジアム自体にはなんの変化もないのに、その圧力は見る人に畏怖の念を抱かせるには十分だった。

 

 

 

屋根の下の入口があるであろうところに近づき、ドアをスカーが開けようとその手をその手を近づけたとき、問題が起こった。

 

透明な不思議な物質で形作られた壁が、まるでそこになかったかのようにふっと()()して、そして扉とも取れる入口の門を開いたのだ。

 

(……消えたっ!)

 

2人は、同時にはっと目を見開いた。しかし異なることは、ファルコンは現代では見たことのない装置があるという点ひ、スカーは”物質の消失”という本来ならありえない現象が起こっていることに驚いている点だ。

驚く二人の横ではなぜか自慢げな表情をしたニアが立っていた。

 

「ふふん♪」

 

「これ…すごいですね。こんな機械見たことない、というか原理がさっぱりわからない…」

 

スカーは顔に悔しさを滲ませながら答えた。

 

 

 

 

無類の機械好き(機械オタク)である匠の知識は、一般の大人にも引けを取らないほどに豊富だ。それは、よほどの謎構造でない限りは少し観察することで見当がつくという芸当ができることが証明している。

しかし、匠ですらも過去には何度か敗北も経験している。そのうちの一回は、ミニッツリピーターという時計に組み込まれることがある機械の仕組みを見たときだ。その時には、

 

「なにこれ…トゥールビヨンよりも意味がわからないなんてあるの…?」

 

とあまりの複雑さに驚愕し、その後1週間ぐらいは他のことをやっていても身が入らず、暇さえあればミニッツリピーターの構造について勉強していた。

ちなみに最後には、

 

「これは人が理解する事ができるものではないってことがわかった。」

 

と理解を諦めていた。

 

 

 

 

 

だからこそ、一見簡単そうに見えるこの扉を見てわからないというのは、相当に悔しいことであった。

 

そしてそれは、ファルコンにとって驚きを禁じ得ないものだった。

 

「お前でもわからないって相当ヤバくね?」

 

「いや、これはわからないというよりは、この世にはこんなものは存在しないといったほうが正確かも…」

 

「ん?内部構造は少しもねぇぞ?ターゲットマーカーでさえ内部構造あるぞ?」

 

「だからこそだよ。」

 

扉自体に内部構造がないということは、そのなかに機械が仕込まれていないという事になる。それは壁が消失するという化学的にあり得ない事をなす上で圧倒的に不可解な点である。

 

 

 

スカーが頭を悩ませていると、今までニコニコしていたニアが口を開いた。

 

「ファルコンさんから、スカーさんはかなりの機械オタクだと聞いてはいましたが、これに気づくなんてすごいですね。」

 

そして、悪戯な笑顔を浮かべながらこう続けた。

 

「このワールドで、この違和感に気づいた人はあなたで2人目です。」

 

それを聞いてスカーは肉食獣のような笑みを浮かべ、

 

「へぇ、いつかあってみたいね。」

 

と、一言答えた。

 

 

そして、ファルコンが待ちきれないという風なそぶりで口を開いた。

 

「何はともあれ登録しに行こうぜ。」

 

そう言って、摩訶不思議な扉を備える建造物の中へ足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

「………意外と普通だ、ね?」

 

スタジアムの内部は、外見通りとは少し異なり大小二つの円形の空間が繋がるように広がっていた。小さな円の方は中央に吹き抜けの空間があり、その周りを何回層かのフロアが囲んでいるという珍しい構造をしていた。大きな円はもちろんスタジアム部分だ。ファルコンは小さい円の方の中央に立ち上部の方を見上げながら、

 

「あぁ、これじゃまるでどこかのショピングセンターみたいだ。」

 

内部は外見とは裏腹にそこまでサイバーな感じはしなかった。それでも、ホログラムや透明なエレベーターなど、近未来的ものは散見された。しかし先ほどの扉のような、オーバーテクノロジーはほとんど存在しておらず、現実にある物の最終進化形態のようなものばかりだった。これは、扉の一件で期待値が上がっていた、スカーやファルコンにはひどく拍子抜けだった。

 

「でも、スタジアムが併設されたショッピングセンターはないと思いますよ?」

 

そんなふうにニアが答えた。大きな円の方には、よくあるようなサッカースタジアムのような場所があり、どの階からでも見えるようになっていた。

 

 

「よっと…。うん?」

 

「どうしたの?……うおぉ!マジかこれ!」

 

スカーとファルコンが二つの円が繋がっているところから覗くと、そこでは試合でも行っているのか、2機のネフィリムがしのぎを削って戦っていた。

 

そこでは、赤の差し色を持つ遠距離特化の武器を持ったネフィリムと黄色の差し色を持つ近距離特化の武器を持ったネフィリムが戦っていた。遠距離特化ネフィリムから、黄色の玉が牽制のために飛んだり、赤のネフィリムが急にブースターで近づき、赤色に輝く剣で斬りかかって火花を散らしたりと、白熱する戦いを繰り広げていた。

 

「おおぉぉ、かっけー!!」「ヤベェ、めっちゃ楽しそうなんだが…」

 

そんなふうにスカーとファルコンが歓声を上げている中、ニアだけは戦っている2機を見ながら、呆れた顔で何かをぶつぶつと呟いた。

 

「まぁーたやってるよあの人ら…。いい加減飽きないのかなぁ…」

 

スカーは、激しく動く煌びやかな機械に釘付けになり、時折謎の言葉を叫んでいた。ファルコンはふと我に帰り、うるさくない方の隣に目をやると、ニアのとても複雑で深刻そうな顔が目に入った。そして、何か感じるものがあったのか、ニアに思い切って質問をした。

 

「あのー、これってどういう状況ですか?」

 

質問されたことによりはっと我に帰り、質問の主がファルコンだとわかると、ニアは少し頭を抱えながら答えた。

 

「なんて言ったらいいんですかね…」

 

ニアは途中までなんと表現するか悩んでいたが、最後は割とスパッと答えた。

 

「うーん……まぁいいや。言葉を選ばすに言うと、あの人たちは対人から乗り換えてこの鯖に来た戦闘狂の人たちです。」

 

「……だいぶ暴れてますね」

 

「この鯖が始まってから3日に1回ぐらいの頻度でああやって戦ってるんですよね。」

 

「不仲…とか?」

 

「いやいや、逆です。あの人たち自他共に認める親友ですよ。仲がいいからあんなふうに、実践形式で性能検証してるらしいです。」

 

ニアはとても複雑そうな目で今現在も戦っているネフィリムを見ながら答えた。

 

「性能チェックだけならその辺のネフィリム殴ってくれば済むのに、わざわざここでやってる理由を前に聞いたら、その方がお互いやりたいことがやれるから。らしいですよ。控えめに言ってヤバいですよねー。」

 

本当に仲がいいのかな?とファルコンがつぶやいたところで、「ガンガンガンガンガーン」とけたたましくゴングのような音が鳴った。試合終了の合図である。程なくして、ネフィリムの動きが急速にゆっくりになり、壁にある控えに戻る穴へと戻っていった。

 

 

 

ファルコンとニアが話していると、そこへスカーがノコノコ近づいてきて、

 

「あー楽しかった。」

 

と満足そうな表情で洩らした。ファルコンはスカーに何かを言おうとしたが、そのあまりにも清々しい顔を見たあと、チラッとスタジアムの方を見た。その後に諦めの気持ちを含んだ目をスカーに向けた。

 

「……なんか言ってくれよ。そんな可哀想なものを見る目でこっちを見ないでくれ。」

 

「いや、いい。言ってもお前、どうにもならないだろ。」

 

「そんな〜見捨てないで〜。」

 

「…機械を見ていきなり叫びだすような人を一体どうしろと?」

 

「…君それ人のこと言えるのかい?」

 

「………」

 

 

そんなふうに、2人が漫才を繰り広げているとコツコツとこちらへ歩いてくる足音が二つ聞こえた。

 

ニアはいち早くそれに気づくと、音の方向へと振り返った。そして音の主を捉えると、呆れと怒りを混ぜたかのような顔で、

 

「あんたらね…もうちょいおとなしくできないの?」

 

と呼びかけた。その呼びかけで2人も人の気配に気づき、後ろを振り返った。

 

 

そこには、緑にカラーリングされた服を纏った男と、青にカラーリングされた服を纏った女が、柔らかな笑みを浮かべ並んで立っていた。




本当だったらもっと早く終わる予定だったんですけどね…プロットがこの人たちに回し蹴りされて粉砕したので修正頑張ります。
(この人たちの名前を作者もまだ知らない。)

スタジアムの小さい円のほうの構造は、みなとみらい駅を想像していただいて、大きい方は普通のサッカースタジアムのようなものだと思っていただければ…

どのくらいの長さが一番読みやすいですか?

  • 1000字程度
  • 1000〜1500字程度
  • 1500〜2000字程度
  • 2000字以上
  • 内容によって変わってもいい
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