ピンポーン
「いらっしゃい、いろは。そしてあけましておめでとう」
「今日はウーバーござるをご利用いただきありがとうございます~」
今日は年を越した後初めてござることいろはを家に招き入れた。今僕が住んでいる所は実家からかなり遠く離れていて今年は規制せずに1人で年を越すことになっていた。ぼっちで歳を越し、三が日さえもぼっちは惨めなので、いろはを招くことになったのだ。久しぶりに手料理が食べたいな〜とお願いしたところ、快くお許しをもらうことができた。
「あれ、料理は作ってくるって言ってたけど、こっちでも作ってくれるの?」
「うん。君に大好きな唐揚げは揚げたてを食べて貰いたいから材料買ってきたんだ」
「でも、僕の家あんまり材料揃ってないかも」
「大丈夫!君のことだからあんまり自炊してないだろうな~って思ってほぼ全部ござるの方で揃えて来てるから!」
このウーバーござるはサービス機能も付いてるんだなぁ。貶されていることは置いておいて、やっぱりしっかりしてるなと思った。ずぼらな彼氏のことをよくおわかりで。冷蔵庫の中にあるまともな食材はもやししかなかった。
「こらー!こんなに食材ないとは思ってなかったんだけど」
「やっぱり自炊はめんどくさいからつい.」
「カップ麺だけの生活はやめること!じゃないと毎日ござるが作りにくるよ」
「え?毎日来てくれる?」
「でも、それだとウーバーござるの特別感が無くなっちゃうからなしかな~」
毎日来てくれると言う言葉に少しドキッとした僕だが、それはいろはなりのジョークだったらしい。毎日来てくれたら可愛い彼女をずっと眺めることができるし、僕の不摂生問題も解決される。この上ないチャンスだったのに...
「じゃあ早速料理するからキッチン借りるね。君はリビングでゆっくりしてて」
「いやでも流石に任せっきりは」
「いいのいいの!ウーバーござるなんだから」
これは何を言っても引き下がらない気がしたのでお言葉に甘えて唐揚げができるのを待つことにした。読書をしているうちに台所の方から肉を揚げる音と香ばしい匂いが僕の所まで届いてきた。まだ食べてもいないのにヨダレがこぼれ落ちそうだった。
「はい!揚げたて。少し味見してみてよ、ござるさんの唐揚げ」
「うわあ!まじで美味しそう!」
「はい、あーん」
いろは僕に向かって唐揚げを差し出してきた。あーんは流石に恥ずかしい。でもいろはは僕が食べるのを今か今かと待ってくれている。
「...うん!めっちゃ美味しい!何個でも食べれそう」
「ほんと!良かった~。じゃあ最後まで作ってくるから」
あーんされたことには触れないで置いた。ここで触れてしまうとまた弄られてしまうと察知したからだ。でもした側のいろはは微かに耳が赤色に染まっていた。
「それじゃあ」
「「いただきます」」
ウーバーござるの料理が全て揃った。先程まで作ってくれていた唐揚げに、家で作ってきてくれたおせち、そしてござるの手作りクッキー。クッキーは風真いろはを語る上でかかせない。もちろん僕はござるクッキーのリピーターだ。
「このだし巻き玉子もうま煮も唐揚げも全部美味しい!正月から幸せ者だわ~」
「ござるも腕によりをかけた甲斐があったよ」
いろはが作ってくてくれたものはもれなく全て美味しかった。ハズレがひとつもない。料理ができる彼女でほんとに良かった、美味しすぎるぞこれ。
「哺乳瓶にお酒入れたの用意してるんだけど、飲む?」
「なんで哺乳瓶なの!別に哺乳瓶常時使ってるわけじゃないんだけど!?」
「いや〜やっぱり哺乳瓶でお酒飲ませてあげたかったからさ~このために買っちゃった」
やっぱり哺乳瓶でお酒を飲みたいだろうと思い、哺乳瓶を2本買ってきておいた。少し買いに行くのに抵抗はあったが見たい欲の方が勝ってしまった。
「まあまあ細かいことは気にせずに」
そう言って僕はいろはに哺乳瓶を差し出した。
「ねえ君~お年玉は~??」
「お年玉?」
「そうそう、ござるへのお年玉! 、おっとしーだまっ、おっとしーだまっ」
「お年玉っていう間柄じゃないでしょ.」
見事に酔ってしまった。僕はお酒に強い方なのでまだ酔ってはいないが、いろははもうふにゃふにゃになっていた。でもふにゃふにゃないろはを見ているととても母性が溢れだしそうだった。ずっと愛でていたい保護者みたいな気持ちになってきた。
「水持ってくるからちょっと待ってて」
「ねえ!なんで離れちゃうの、まだ行かないでよ、頼むよ~」
「そんなこと言ったって、もうふにゃふにゃじゃん。二日酔いになっちゃうよ」
「やだ〜。離れないでよ~」
そんないろはを振り切って行こうとしたら
「こら!言っちゃだめって言ったでしょ~バカタレ~」
毎回毎回拒否されてしまう。さっきからずっとこの調子だ。でも正直可愛いしずっとくっついてくれるのは、理性が崩れかけているがとても愛くるしかった。
「わかった。けど明日二日酔いになっても知らないからね」
「は~~~~い」
ふにゃふにゃござるをこの目に焼き付けておくことにした。
「ねえ~~君からもござるのこと抱きしめてよ」
「う、うん。いいよ」
「ぎゅー」
抱きしめる音がいろはの口から吐き出されていた。なんだろう、可愛いって言葉でしか表現できない。
「いろは、今日泊まってく?」
「うん~~。ていうか元々そのつもりで色々用意してきてるんだ〜。ござる用意周到だから~」
「そ、そうなんだ。でも配信は?」
「もー。用意周到なござるさんはそれも見越してオフにしてるのですよ~~」
「あ、はい」
これも全部いろはの策略ってわけか...
「いろはもしかして結構眠い?」
「うーーん...」
見るからに眠そうだ。早いうちにお風呂に入らせておけばよかったと後悔している。
「ウーバーござるめっちゃ美味しかったよ。ありがとう」
「うい~~」
「ござる殿明日のご予定は?」
「明日は~~まず君と朝ごはんを食べて~。それから初詣にも行きたいし~、初売りも行きたいな~...後は~...」
「いろは〜?ござる殿~?」
どうやら眠りに落ちてしまったらしい。赤ちゃんのように心地よい眠りについている。だがここで一つ問題がある。それは抱きついたまま眠ってしまった、ということだ。即ち僕も眠りに落ちるしかないということだ。幸いにも僕も酔いが少し回ってきており、目をつぶっていれば寝れそうである。
「ウーバーござる、毎日来て欲しいな。いろはがずっと料理作ってくれたら嬉しいな」
「...ござるは毎日いくよ~~」
「え!?起きてたの?」
「...」
寝言だろうか、起きてたのだろうか。そんな寝言に少しドキッとしつつも僕は将来、いろはが僕に毎日料理を作ってくれている姿を想像しながら瞼を閉じた。
次話、何期生で書けばいいでしょうか?
-
0期生or1期生or2期生
-
ゲーマーズor3期生or4期生
-
5期生orホロックスorリグロス