俺はAZKi(以降あずき)と付き合っている。大人しくて清楚なあずきと乱暴な俺とでは全くと言っていいほど性格が噛み合っていないが、互いにそういうところに惹かれたのだろう。
「で、最近あずきさんとはどうなの?」
「どうも何も、何もねーよ」
「またまた〜。あ!未来のお嫁さんが来たよ!」
「バカ!、うるせーよ」
「じゃあね〜夫婦水入らずで楽しんでください〜」
そんなでこぼこな俺たちはクラスでも一躍注目の的だった。とは言ってもいじられるのはあずきではなくて全部俺で。あずきは清楚なのもあっていじられるというのは女子の間でもないことだった。
「どうしたの?もしかしてまたいじられてたの?」
クスッと笑いながらあずきは俺の隣の席に座った。
「笑いごとじゃねーよ...。そうだよ、またいじられてた」
「そっかー。大変だね」
「でも、嫌な気は...しねーかもな...」
「...そっか」
ヒューヒュー
「うるせーぞお前ら!」
俺らは至って普通の会話をしてるだけなのに毎回いじられるし視線をかなり感じる。周りから見てると結構甘い雰囲気らしいが等の俺らにはそれがわからない。でも今は心做しかあずきの顔が赤いような。
「とりあえず場所変えるか。いつもの屋上に行こうぜ」
「そうだね」
そうして俺たちは足早に教室を飛び出し、屋上まで一直線に向かった。
人っ子一人いない屋上、そこがいつも俺らの溜まり場だ。フェンスによっかかり隣に腰を下ろす。2人きりで静かに過ごせる場所はここしかないのだ。
「あずきはよ、俺と一緒にいていじられるの嫌だったりしねーのか」
「うーん?恥ずかしい気持ちはあるけど全然嫌じゃないよ!私、いじられることないし新鮮だな〜」
「そうかよ、でもそのうち嫌になってくるぞ。もう俺は嫌ってほどいじられてきてるからな」
「そんなことないよ、だっていじられてる瞬間は、あ、私は君のものなんだな〜って思うもん。他の女の子に見せつけたいなって思うよ」
あずきはこう見えて独占欲が強めな人だ。付き合った当初はそんな感じは微塵もしなかったが、関係を深めていくうちに嫉妬深いことがわかった。だから俺は極力異性とは話さないようにしている。
「そうは言ってもな〜...」
ピコン
どうやらLIMEが届いたようだった。宛先は...
「ねえこれ、どういうこと?」
目のハイライトが消え鬼の形相をしたあずきが俺のスマホを指さしていた。なんでよりによってときのさんから連絡がくるんだよ...。
「いや!これは...。そう!委員会!文化祭の実行委員会が一緒で部署も被ってるだ!資料作り終わったら確認して欲しいからって連絡先を交換したんだ、ほんとに悪かった!」
俺は頭を深々と下げて精一杯謝った。
「そっか〜それなら仕方ないね。でもそれ以外の連絡だったらいくらそらちゃんでも許さないから」
とりあえず一時的にはなんとかなったがかなりお怒りのご様子だった。やっぱりあずきは怒ると怖い。しかも女子が絡むといきなりメンヘラかしてしまう。こんな一面を知ってるのは多分俺しかいないだろう。
「別にそれ以外の話はするつもりないし気にしないでくれ、でも不安にさせて悪かった」
「でもあずきに秘密で女の子と、しかもそらちゃんと連絡先を交換してたんだからおしおきが必要かな?」
「な、何をするんだ?」
「それはねー」
ゴロン
「1回やってみたかったんだよね〜!これ」
「...膝枕でいいのか?」
「うん!憧れだったんだ。本とかでは女子が男子にやってあげるような感じだけど、される側になってみたかったんだ〜」
思ったよりおしおきっぽくなくて安心した。なんならこの勢いだとビンタされてもおかしくなかったが、命拾いしたようだ。
「俺の足、硬くないか?寝心地悪いと思うんだけど」
「全くそんなことないよ。むしろ男の子なんだな〜って思うし、すごく安心する」
今度は顔をうずくめ始めた
「何してるんだ?」
「何って、君の匂いをいっぱい嗅いでるの。もしかして柔軟剤変えた?前と匂い違う気がするんだけど」
「変えた。前使ってたヤツが無くなったからな。どっちが好みだ?」
「どっちも好きだけど、今のやつの方が好きかな、なんだかすごい心地いい匂いがする」
「そーかよ」
「頭撫でてよ」
「仰せのままに」
あずきは頭を撫でられるのが好きらしい。家でデートしている時も頭を撫でて欲しいと懇願されることがよくある。その度にいい匂いがする、とか髪がサラサラと思うが、今日もいつも通り髪の手入れを怠っていなかった。
「やっぱ髪の毛綺麗だな。手入れとか時間かかるのか?」
「ありがと。そうだね、結構時間かかってると思うよ。私に髪結構長いし念入りにやってるかな」
髪を梳く。1本1本に艶があり、いつまでも触っていたくなるような感じがする。
「次の時間小テストだね」
「げ、まじかよ。何にもやってねーよ」
「もう、補習だったら許さないんだからね」
「助けてくれよあずき先生」
「私は昨日の夜からちゃんと勉強しなよって言ってたもん。悪い子は知りません〜」
「マジで最悪だわ」
「またおしおきだね」
「それは勘弁してくれよ」
「そしたらまた頭撫でてもらって〜それから〜..」
そう言って無邪気に微笑むあずきに俺もつられて笑った。
次話、何期生で書けばいいでしょうか?
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