転移したら王鎧武装出来る様になった件   作:仮面大佐

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第16話 英雄王の来訪

 俺たちは、お盆の話に起こった奇跡の後も、日常を過ごしていて、月日が経過した。

 その間、豚頭族から進化した猪人族達は、カイジン達の指導の下、あっという間に技術を覚え、頼れる労力になっていた。

 ゲルドやボルド達の頑張りのおかげで、街の発展が進んでいく。

 徐々に発展していく村を、俺たちは丘の上から見ていた。

 家や服とかも出来て、上下水道や道路とかも出来てきた。

 これは、リムルの前世のゼネコン時代の知識を使ったそうだ。

 

「それにしても、お前、色んな物を作るように頼んだんだってな?」

「まあな」

 

 そう。

 色々な施設を作る様に頼んだのだ。

 ゾイドコアの解析だったり、シュゴッドソウルの研究の為に。

 まあ、まだ未稼働状態だが。

 色々と必要かなと思って。

 こうして、安住の地、俺たちの町が出来た。

 ………のだが、そうは問屋が卸さないのだった。

 俺たちの所に、蒼影がやって来る。

 

「リムル様、直也様、緊急事態です」

「え?」

「どうした?」

 

 蒼影の報告に、俺たちは首を傾げた。

 それは、ペガサスに乗った騎士団が、この町にやって来たとの事だった。

 どうして、そうなったのか。

 それは、少し前、武装国家ドワルゴンでは、暗部からの報告を、ガゼル・ドワルゴ国王が聞いていた。

 そして、その報告書を、蝋燭の炎で燃やす。

 

「王よ、暗部は何と?」

「…………豚頭帝は討伐され、戦争が終結したそうだ」

 

 ガゼルのその言葉に、ドルフは驚く。

 

「何ですと!?」

「13万の豚頭族は、暴走する事も無く、各地に散ったらしい。しかも、猪人族に進化してな」

「そんな事が………!?」

 

 ガゼルの言葉に、ドルフは再び驚き、ガゼルは考えていた。

 

(複数の上位魔人の参戦により、戦争は終結。魔人達は、例のスライムの配下であると思われる………か。魔人を従え、魔物に進化を齎す者たち。此度の件、対応を誤れば、国が滅ぶやもしれぬ。)

 

 ガゼルは、複数の上位魔人………鬼人勢………を従えているのが、スライム………リムル………である事を見抜き、口を開く。

 

「あのスライムの正体、余自らが見極めてやろうではないか」

 

 そうして、ガゼル王とペガサス・ナイツは、俺たちの町に向かって来ていたのだ。

 そんな事を知る由もない俺たちは、すぐに着陸するであろう場所へと向かう。

 向かっているのは、俺、リムル、シズさん、紅丸、蒼影、紫苑、紅蓮、蜘蛛丸、リグル、リグルド、嵐牙、カイジンだ。

 俺たちは、上空を見上げると、そこにはガタイの良い男の姿が。

 

「まさか………!」

「ドワーフの英雄王………ガゼル・ドワルゴ………!」

「あれが……………」

 

 カイジン、リムル、俺はそう言う。

 何であの人が。

 ちなみに、ドワルゴンという場所での出来事は、リムルから聞いていた。

 すると、紅丸が質問して来る。

 

「リムル様、いかが致しますか?」

「出来れば、争うのは避けたいんだが………」

「相手の出方によるか」

「そうだろうね」

「問題ありません!蹴散らせば良いのです!」

「蹴散らしたら、面倒臭い事になりそうなんだけど……………」

「まあ、いざ戦闘になったら、住民たちを避難させる」

「その間、俺たちで時間を稼ぐぞ」

「はっ!」

 

 俺たちがそう話している間、旋回していたペガサス達は、一斉に地面に降り立つ。

 カイジンは、ガゼル王の下に向かい、跪く。

 

「お久しぶりでございます」

「…………久しいな、カイジン」

「はっ!」

 

 カイジンとガゼル王は、そんな風に話す。

 リムルは、前に出る。

 ガゼル王は、リムルを睥睨する。

 

「スライムか」

「最初に名乗っておく。俺の名はリムルだ。これでも一応、俺たちはジュラの森大同盟の盟主なんでね。」

 

 リムルはそう言って、人間としての姿になる。

 

「こっちの方が、何かと話しやすいだろう?………で、何の用だ?」

 

 リムルの質問に対して、ガゼル王氏が答える。

 

「…………単刀直入に言おう。リムル。貴様らを見極めに来たのだ」

「………見極め?」

「俺の剣で、貴様の本性を見抜いてくれるわ」

「なるほど………」

「この森の盟主になったなどとホラを吹く貴様には、分という物を教えてやらねばなるまい。その剣が飾りでないというのなら、俺の申し出を受けるが良い」

 

 ガゼル王はそう言って、剣を抜刀しようとする。

 部下達も、驚いたのか、声をかける。

 

「王よ、まさか………!?」

「ふん。本気で戦ってみるのが、手っ取り早いであろう?」

「よし、その申し出を受けよう。ホラ吹き呼ばわりした事、後悔させてやるよ」

 

 そうして、まずはリムルとガゼル王との一騎打ちとなった。

 ガゼル王が口を開く。

 

「俺の一連の攻撃を防ぎ切ったら、貴様の勝ちで良い。ただし、この俺、剣聖ガゼル・ドワルゴの剣を甘く見ない事だ。」

「分かった」

 

 すると、風が吹いて来て、トレイニーさんが現れる。

 

「トレイニーさん」

「それでは、立ち会いは私が行いましょう」

「ん?」

「まさか、樹妖精(ドライアド)?」

 

 トレイニーさんの姿を見たガゼルは、突然鼻で笑った。

 

「貴様をホラ吹き呼ばわりした事は、謝罪するぞ。それに、事情も朧げながら読めたわ」

「じゃあ………!」

「だが、貴様らの人となりを知るのは、別の話だ」

「だろうな」

「立会人も決まったならば、あとは剣を交えるのみ」

「ああ、そうだな。軽く勝利して、今回の件をきっちりと説明してもらうとするわ!」

「フフ………!俺に勝てたなら、答えてやるさ」

 

 そうして、トレイニーさんの開始の合図と共に、リムルが駆け出す。

 最初の攻撃は防がれるが、すぐに走って、別の方向から仕掛ける。

 ガゼルは、リムルを突き飛ばすが、すぐに着地する。

 

「貴様の力は、そんなものか、リムルよ!」

「うるさい!まだ本気を出していないだけだし!慌てんな」

 

 ガゼルの挑発に、そう答えるリムル。

 ガゼルの攻撃で、リムルは大きく下がる。

 あの動き……………見覚えがあるな。

 すると、ガゼルはある構えをする。

 

(あの構えは………そういう事か)

「行くぞ、リムル!朧・地天轟雷!」

 

 俺は、それを見て納得した。

 そんな中、ガゼルがそう叫ぶと、ガゼルが消え、リムルは、下からくる攻撃を躱し、上から来る攻撃を、刀で受け止める。

 

「ふん。フフフ………ハハハ!俺の剣を受け止めおったわ!」

「え?」

「それまで!勝者、リムル=テンペスト!」

 

 トレイニーの宣言と共に、ガゼル王は、剣をリムルから退かす。

 ガゼル王は、リムルを見ながら言う。

 

「剣を交えて、よく分かった。お前達は邪悪な存在ではない」

「うんうん」

 

 ガゼル王の言葉に、紅丸達は後ろで頷く。

 

「何でだよ………」

「それにしても、よくぞ俺の朧・地天轟雷を見切ったものよ。見事だったぞ、リムル」

「偶然だ。何せ、その技をよく使う師匠が居てな。俺も、訓練でよく打ちのめされたんだよ」

「なんだと?まさか、その師匠というのは………」

 

 ガゼル王がそんな風に驚いていると、白老が前にやって来る。

 

「ああっ………!」

「お?」

「白老」

「ほっほっほ。お見事でしたな、リムル様」

「おおっ………!剣鬼殿!」

 

 えっ?

 2人って知り合いなの!?

 俺がそう驚いていると。

 

「森で迷っていたあの時の小僧が、見違えましたぞ。………いや、失礼、ドワーフ王。わし以上の剣士へと成長したようで、重畳ですじゃ」

「剣鬼殿にそう言っていただけるとは………」

 

 どうやら、白老が師匠って事か。

 世界って、意外と小さいもんだな。

 すると、白老が口を開く。

 

「ですが……………直也様も、中々の剣士となっております。ゆえに手合わせしてみると良いですぞ」

「えっ?」

 

 白老はそんなふうに言うので、俺は白老を見る。

 俺まで!?

 何で!?

 俺が驚く中、ガゼル王は俺のことを見てくる。

 

「ほう。剣鬼殿がそこまで言うとは……………貴様が直也とやらか」

「あ、はい。お初にお目にかかります。私は、矢野直也と申します。リムルと同じく、ジュラの森の盟主をしております」

 

 ガゼル王がそんな風に聞いてくるので、俺は丁重にそう言う。

 リムルはニヤニヤして見ていたが。

 タメ口は失礼だろうからな。

 それを見たガゼル王は。

 

「……………ふむ。面白い。直也よ。お前とも手合わせ願おうか」

「はい。お手柔らかにお願いにします」

 

 ガゼル王はそう言う。

 こうなるだろうと予想はしていたがな。

 それに、今の俺の実力がどこら辺まで通用するのか、気になるしな。

 俺はオージャカリバーZEROを取り出す。

 

「ガゼル王。少しよろしいかな?俺も本気で相手をしたいので」

「良いだろう。何をするのか、見せてもらおうではないか」

 

 俺がそう聞くと、ガゼル王はそう言う。

 オージャカリバーZEROのクワガタトリガーを引く。

 

オオクワガタ(Oh-Qua God)

 

 その音声が流れると、荘厳な待機音が流れてくる。

 そして、姿を変えるあの言葉を言う。

 

「王鎧武装!」

 

 そう言って、俺はオージャカリバーZEROのクワガタトリガーを再び引く。

 

Lord of the, Lord of the, Lord of the Shugod!

オオクワガタオージャー!

 

 その音声と共に、俺は琥珀に似たエネルギーに包まれると、後ろにゴッドクワガタZEROがエネルギー体として現れ、顎で挟み込まれ、琥珀に似たエネルギーが割れると、俺の姿がオオクワガタオージャーに変わる。

 

「姿が変わった!?」

「ほう。面白そうだ」

「それでは、行きましょう。胸をお借りします」

 

 部下の1人が驚いた顔をする中、ガゼル王は興味深そうに俺を見て、俺はそう言う。

 俺とガゼル王は、それぞれの得物を持つ。

 

「始め!」

「っ!」

 

 トレイニーさんがそう言うと同時に、俺はガゼル王に向かって駆け出し、オージャカリバーZEROで攻撃する。

 ガゼル王は、剣でこれを受け止める。

 少しの間、鍔迫り合いとなり、お互いに離れる。

 

「ほう。やるではないか。だが、それが貴様の本気か?」

「ご心配なく。俺は徐々に上げていくタイプなんで」

 

 ガゼル王の挑発に、俺はそう返す。

 今度はガゼル王が仕掛けて来て、俺はオージャカリバーZEROで攻撃をいなしていく。

 そして、俺は少し離れる。

 ガゼル王は、再びあの構えをする。

 

(来たか)

「行くぞ、直也!朧・地天轟雷!」

 

 ガゼルは、一瞬で消え、俺は、下からくる攻撃を躱す。

 俺は躱す中、オージャカリバーZEROのトリガーを長押しする。

 

オージャチャージ!

 

 その音声が流れると、俺はクワガタトリガーを3回倒す。

 すると、待機音が流れ、刀身にクワガタの顎を模したエネルギーを纏わせる。

 

ロードフィニッシュ!

 

「来る!上だ!」

 

 俺はそう叫ぶと、ガゼル王の剣を、オージャカリバーZEROで斬って、ガゼル王の首元に剣先を突きつける。

 

「こんなもんかな」

「…………まさか!俺の剣が斬られるとはな!」「それまで!勝者、矢野直也(ナオヤ・ヤノ)!」

 

 トレイニーさんの声と共に、ガゼル王は、部下に剣を持たせた。

 俺は一息吐いて、変身解除する。

 すると、ガゼル王が話しかける。

 

「お前は確かに強い。だが剣からは邪悪は感じなんだ」

「ガゼル王こそ、素晴らしかったです。自分もまだまだです。流石は兄弟子です」

「ふっ。言いおるな」

 

 ガゼル王の言葉に対して、俺はそう言うと、お互いに握手をする。

 すると、ガゼル王が俺たちに話しかけてくる。

 

「さあ早く案内してくれリムル、直也。上空から見たかぎりじゃ美しい町並みだったぞ?美味い酒くらいあるのだろう?」

「…………まぁ、ありますが」

「裁判の時と比べて軽すぎない?」

「なぁに。こっちが素よ」

 

 そんな風に話しながら、町へと戻る。

 その夜、宴をしながら、俺たちは、ガゼル王の話を聞いていた。

 

「なるほど」

「豚頭帝を倒した、謎の魔物集団の調査だったと」

「それが敵となるか、味方となるか、見極めにな」

 

 まあ、そうするのが、正しい判断だろう。

 すると、ガゼル王が真面目な顔で、俺たちに聞いてくる。

 

「リムルよ。聞きたい事がある。」

「おう」

「俺と盟約を結ぶつもりはあるか?」

「あっ。」

「お前達がもしも、この広大な森を全て掌中に出来たならば、我が国をも上回る富と力を手に入れる事が出来よう。その時に、後ろ盾となる国があれば、便利だぞ?」

 

 確かに。

 後ろ盾があった方が、何かと良いしな。

 

「願ってもない事だが………」

 

 リムルはそう言うと、紅丸達の方をチラリと見て、聞く。

 

「良いのか?それは、俺たち魔物の集団を、国として認めると。そう言っているのと同じだぞ?」

「無論だ。それとこの話、我らにとっても、都合が良い」

「………と、言いますと?」

「お互いに利益があるからな。そちらのシュゴッドやゾイドとやらも、興味がある」

 

 リムルがそう聞くと、ガゼル王はそう言う。

 どうやら、ガゼル王はシュゴッドとゾイドに興味を示したみたいだな。

 俺とリムルは、お互いをチラリと見て、答える。

 

「断る理由はないね。喜んで、受けたいと思う」

「よし。…………で、お前の国の名前は何と言うのだ?」

「………お」

 

 ヤッベェ。

 国の名前とか、一切考えてなかった。

 豚頭帝討伐後、色々と忙しかったからな。

 すると、リムルが口を開く。

 

「ジュラ・テンペスト連邦国だ」

「ジュラ・テンペスト連邦国」

「おおっ!」

「さすが、リムル様です!」

「では、国の名はジュラ・テンペスト連邦国!この町の名前は、リムルと致しましょう!」

「お?良いね!」

「中央都市、リムルです!」

「おいおい!それはちょっと恥ずかし………」

「決まりのようだな」

「………ああ」

 

 こうして、国の名前はジュラ・テンペスト連邦国、首都は中央都市リムルに決まった。

 だが、この時の俺たちは気づいていなかった。

 俺たちに興味を示す者達がいる事を。

 そして、それをきっかけに、テンペストに嵐が巻き起こる事も。




今回はここまでです。
今回は、ガゼル王がやってくる話です。
ガゼル王は、シュゴッドやゾイドなどに興味を示しました。
両方とも、金属生命体ですからね。
そして、いよいよあの魔王がやってくる。
感想、リクエストなどは絶賛受け付けています。
転スラの家庭用ゲームである、テンペストストーリーズが発売されましたね。
PVだと、何故かリムルと敵対する紅丸達の姿がありましたが、何があったのでしょうか。
多分、アンゲルスというオリジナルの国家によって、操られた可能性が高いですね。
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