ダンポケ   作:れいが

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自分が書くダンまちに登場するキャラは基本的にレベルが規格外なんですよね。


20話 3人のステイタス

 その後、夜も遅いのでヘスティアの住居へは行かず、星屑の庭で寝泊まりさせてもらう事になった。

 2つ部屋が空いているため、2人ずつになればベッドに寝られるものの男1女3という割り当てでは、絶対にベルが女性陣の誰かと一緒になる。

 親しき中にも礼儀ありという事を考慮したベルは下の大広間にあったソファで寝ようと考えたのだったが、風邪を引くからダメと強引にリューが部屋へと放り込んだ。

 

 そして、一緒に寝る事になったのは...春姫だった。

 

 「ベル君と一緒に寝るなんて、いつ以来でしょうか...

  さぁ、こちらへ。ギュッと抱き締めてあげますよ」

 「い、いいよ。もう小さくないんだから...

  あと...や、やっぱり僕、ソファで寝るよ」

 

 そう言って部屋から出ようとした時、ぐすんという声が聞こえて思わず振り返る。

 春姫は目元に手を当てたまま俯いていたのを見て、ベルは慌てて謝りつつもオロオロするばかりだった。

 しかし、そんな心配を余所に春姫は顔を上げて目を潤ませながらベルを見つめ返す。

 そんな目で見つめられて観念したベルは諦めてベッドへと潜り込むと、その横に寄り添うように春姫も寝転ぶ。

 ふとベルは春姫の顔を見て、潤っていたはずの目が既に乾いている事に気付いた。

 そして悟った。騙されたんだと...しかし、春姫に抱き締められてはもう逃れられず、その温もりに包まれながら夢の中へと誘われるのだった。

 

 翌日になり、目を覚ました時には横で寝ていたはずの春姫は居なかった。

 着替えてから部屋を出て、食堂に着くと香ばしい香りが鼻腔をくすぐる。春姫が朝食を作っていたのだ。

 

 「おはようございます、ベル君。朝食は出来上がっていますから、食べてくださいね」 

 「うん、ありがとう。春姫お姉ちゃん」

 「ん~~!良い香り!春姫が朝食を作ってくれたのね。ありがとう!」

 「いえ、この度は私達の手助けをしていだたくという事になりましたから...

  これくらいの事は是非させてください」

 

 そうして続々とリューや輝夜、ライラ達も食堂へ集まって春姫の朝食を食べ始める。

 昨日の歓迎会で出された料理と変わらない美味しさに今朝から活気が漲ったように思えたそうだ。

 尚、ヘスティアと一緒に寝ていたルノアは寝坊して少し冷めてしまったようだが、美味しそうに平らげたという。

 昨日は出来なかった皿洗いをヘスティアがしている間にベル達は身支度を済ませると、出入口付近でリュー達に見送ってもらう事になった。

 

 「またね、皆!いつでも来てくれていいから」

 「何かあればすぐに駆け付けます。ご安心ください」

 「うん、ありがとう。アリーゼお姉ちゃん、リューお姉ちゃん」

 「ヘスティア。皆と一緒にファミリアの活動を頑張るのよ」

 「もちろん!ロキの奴に自慢できるくらいすごいファミリアにしてみようね!」

 「ロキって神様のファミリアがどんな所か知らないんだけど...まぁ、やってみるだけやってみよっか」

 「はい。それに...これから本当に冒険が始まると思うとワクワクしてきました」

 

 ベル達はアストレア・ファミリアの全員に手を大きく振りながらヘスティアの住居へと向かうのだった。

 

 ヘスティアの案内によって人通りが多かった街並みから離れ、段々と人気の少ない場所へと辿り着く。

 目の前にはボロボロで今にも崩れそうな木造建築の教会があり、ベル達は思わず唖然として建物を見つめたが...

 まさかこれが本拠な訳ないと願いつつヘスティアを見る。

 3人の視線が突き刺さるヘスティアは苦笑いを浮かべながらも、前に立って両手を大きく広げた。

 

 「ようこそ!ここがボクの住居で...これからは僕達が住む本拠さ!」

 「...よし、早速リューの所に戻って当分に間はあそこで過ごすようお願いして」

 「待って待って!ついさっき意気込みを伝えたんだよ!?確かにボロボロだけど、ボク達が住むには十分な広さだし...」

 「そ、そうだよね。いきなり頼るのも恥ずかしい気もするし...」

 「す、住めば都と言いますから...沢山お金を貯めて改装するまでがまんしませんか?」

 「...はぁ~...わかったよ。材料を集めたら私とカイリキーでなんとか直してみるから」

 

 渋々とルノアはボロボロの教会で住む事を決め、ベルと春姫は顔を見合わせてホッとため息をつく。

 ヘスティアが扉を開けて中へと入る。外見が酷いだけかと思っていたのだが、教会内までボロボロだとは予想だにしていなかったのでルノアはガクリと肩を落とした。

 祭壇まで近付くと右側の壁にある隠し扉を開き、階段を下りて行く。

 

 一番下まで着くと、そこはベッドとソファのみというこざっぱりした部屋があった。

 ここでヘスティアは生活をしているのだそう。 

 

 その部屋の様子を見た瞬間にベルの脳裏に嫌な予感が走った。ベッドに寝られるのは最低でも2人、ソファでは無論1人のみ。

 そうなると...誰かが床で寝てしまう事になる。早急に自分が寝るための布団一式か寝袋を買わなければならない。

 あとで財布の中身を調べようと思った時、ルノアに呼びかけられて顔を上げた途端に視界が暗くなる。

 モガモガと自分の顔に覆い被さっている布のような物を引き剝がし、見てみると...それはルノアの服だった。

 

 「...って自分で畳みなよルノアお姉ちゃん!何で僕に投げるのさ!」 

 「畳まないでいいから持ってるだけでいいっての。ほら、ヘスティア様、ちゃちゃっと恩恵を刻んでよ」 

 「あ、う、うん...あれ?ルノア君、どこかにファミリアに所属してたのかい?既に刻んだ跡があるけど...?」

 「まぁね。4回くらい改宗してるから、これで5回目になるかな」

 「ふんふん、そう、なん...なん...なんだこれぇえええええ!?」

 

 俯せになっているルノアの背中に乗っているヘスティアはありったけの声量で仰天する。

 耳の中でキーンという音が鳴り響くベルと春姫は目を回してフラフラとしていたが、すぐに我に返って何が起きたのか問いかけた。

 ルノアも耳鳴りに苦悶の表情となりながらヘスティアに文句を言っていた。

 

 「...ル、ルノア君。君が最後にステイタスを更新した時のレベルはいくつだったんだい...?」

 「え?確か...4だった気がするけど...それが何?」 

 「何じゃないよ!?ちょっと待って...ほらこれを見てみなよ!」

 

 羊皮紙にルノアのステイタスを書き写して背中から降りると、ヘスティアはそれを見せつけるように差し出す。

 ルノアは起き上がると無防備な姿で受け取ろうとする。慌ててベルと何故か同性の春姫も目を塞いでいた。

 ステイタスが書き写されている羊皮紙を手にしたルノアは自身のステイタスを見る。

 

 神聖文字から共通語へ自動的に変換されるため、読めるのだが...読んでも疑問符で頭がいっぱいになった。

 

 「...これヘスティア様が書き間違えたんじゃないの?」

 「そんな訳ないよ!?間違いなくそのままを書き写したんだから!君は...Lv10なんだよ!」

 「...おー。そんなに上がったんだ、ふーん...」

 「そのレベルが何かすごい事なのでしょうか...?」

 「すごいも何も...ボクも聞いた話では今、オラリオで最高が7でそれよりも上だって事だから...」

 「え!?ルノアお姉ちゃんその人よりも強いって事なの!?」 

 

 思わず塞いでいた手を離してルノアを見てしまったベル。幸いにも羊皮紙で上半身の半分は隠れていたものの、裸同然であるため首から顔を真っ赤にして再び目を塞ぐ。

 一方でヘスティアはそんな状況に目もくれず頭を抱えていた。

 改宗する以前のレベルから一気に上がるはずがまずないからだ。これは以前の主神が何か細工をしたのかとヘスティアは疑う。

 しかし、いくらそうしたとしてもオラリオ以外でそうランクアップする程の環境下があるとは思えない。

 まさか、と思ったヘスティアはベルと春姫も恩恵を刻むよう急かした。

 

 先に春姫が刻む事になったのだが、着物を脱ぐのに手間取り、ベルは2人の前で脱ぐのは恥ずかしいと嫌がったが最終的にはルノアに脱がされ何とか恩恵を刻み終えた。

 その結果、2人もLv5と生まれて初めて恩恵を刻まれたのにも関わらず、既に規格外なステイタスを弾き出したのだった。

 

 「...う~ん」

 「ヘ、ヘスティア様!?」

 「ちょっと大丈夫?ベル、ベッドに寝かせてあげるから降りて」

 「う、うん。ヘスティア様、しっかりして!」

 

 気を失ったヘスティアが目を覚ましたのは昼下がりだった。

 その間にルノアはギルドへ赴き、ファミリア設立の申請と団員の確定。

 そして、3人のステイタスを書き写した羊皮紙を提出してきたらしく...案の定、ステイタスの偽造と判断した担当アドバイザーに至急ギルドへ来るよう言われたそうだ。

 目を覚ましたばかりのヘスティアは今度は頭痛に襲われて、またベッドへため息をつきながら倒れ込むのだった。




ポケモン世界観側で過ごしてきたからLV5なのは当たり前。

ヘスティア様は頭痛、ハーフエルフさんは胃痛必至。
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