ダンポケ   作:れいが

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24話 千の妖精は助けられる

 痛い...苦しい...何が...起きたの...?どうして、体が動かないの...?

 掠れる視界に映っている、モンスターが目の前まで迫ってきて来るのが見えた。

 いけない...立ち上がらないと...!

 

 「あぐっ!あぁ、ぁああっ...!」

 

 痛い!痛い痛い痛い痛い!

 動けない...痛過ぎて、吐きそう...モンスターが口を開けて、私を...食べようとしてる...

 ...嫌だ...嫌だ...もう...守られてばかりは...

 

 「あっ...あぁあッ!あぁぁあぁッ!あぁああッ!!」 

 

 嫌だ...もう嫌だ!!

 

 「エェェェエエエスッ!!ッバァァアアアンッ!!」

 

 ...何...?モンスターが一瞬で消えた...

 アイズさんじゃ、ない...?

 白と赤と青の...兎...?

 

 「エースバーン!バンギラス!そのまま抑え込んで!」

 

 「バァァアアスッ!!」

 「バァァアアアアンギルァアアアアッ!!」

 

 こ、今度は緑色の...リザードマン...!?

 それに...あの白髪の冒険者が指示を出してる...もしかして調教されたモンスター...?

 

 「サナ」

 「っ、ひ...!?」

 

 ひ、人じゃない...人型のモンスターが目の前に...白い手を私に伸ばして来てる...!

 何をするつもりなの...?怖い...やめて...!

 ...。...?...あれ...?

 痛みが消えて、苦しくなくなっていく...?

 それに...この温かい光...まさか、回復して...くれているの...?

 その光が消えた頃には、動けるようになっていた。

 

 「サナ、サナ」

 「あ...ありがとう、ございます...」

 

 私の手を取って立ち上がらせてくれた...

 モンスターに助けられるなんて、信じられないけど...これは夢じゃない...本当に私を助けてくれたんだ。

 ...っ!?モンスターの触手が!?

 

 「危な...!」

 「サナッ」

 

 ...え...?

 どうして、私はさっきまであそこに居たはずなのに...

 この緑の髪をしたモンスターが、何かしたの...? 

 

 「スピアー!ダブルニードル!リオル!きあいだま!」

 

 「スピッ!」

 「ヴォッ!」

 

 また増えた...

 蜂と青い子犬のモンスターが私と隣に立つモンスターに襲い掛かってきた花のモンスターに両腕の針を飛ばしたり、光球を投げ付けてる...

 あの2匹もあそこに居る白髪の冒険者が調教したモンスター...?

 

 「ミミッ!」

 「きゃっ...!?」

 「サナ」

 

 茶色い両手が綿に包まれてる兎のモンスターが着地してきた...!

 緑の髪をしたモンスターと何か話してる...?

 頷き合って話し終えると、私の方を向いてここに居るようにと言っているような仕草を見せた。

 

 「サナッ!」

 「ミミッ!」

 

 「あっ...!」

 

 どちらのモンスターもすごい脚力で跳び上がって、花のモンスターに向かって行った。

 緑の髪をしたモンスターの右手、茶色い兎のモンスターの左手が炎に包まれてる。

 何であんな事が...!ヘルハウンドみたいな特殊能力を持っているの...?

 

 「サーナイト!ミミロップ!ほのおのパンチ!」

 

 「サァァァアアアアアッ!ナッ!!」

 「ミッミィィイイイイイイイイ!!」

 

 炎に包まれた手で拳をつくり、花のモンスターの頭部に叩き込んだ。

 衝撃の余波がここまで届いて顔が熱く感じる。

 しかも、一度だけに留まらず、連続で拳を叩き込み続けて徹底的に花のモンスターを殴り続けていた。

 

 「サナサナサナサナサナサナサナサナサナサナサナッ!!」

 「ミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミッ!!」

 「サナァッ!!」

 「ミミィッ!!」

 

 最後の一撃で花のモンスターは消し炭となって粉々に砕け散った。

 ...すごい...あっという間に倒した...

 他にもいた花のモンスターも倒されてる...

 

 「皆!よくやったね!ありがとう!」

 

 「ヴォッ!ヴォッ!」

 「バ~スッ!」     

 「ミミ~!」

 「バーンギラララララッ!」

 「スピッ!」

 「サナ...」

 

 白髪の冒険者に向かってモンスター達は一斉に集まり、彼に飛び掛かって甘え始めた。

 緑の髪をしたモンスターだけは離れて微笑んでいるけれど...

 すごく仲が良さそうに見える...

 ...助けてもらったお礼は、言っておかないといけないよね...?

  

 「あ、あの...?」

 「はい?あっ、大丈夫ですか!?

  さっきサーナイトに回復させてましたけど...?」 

 「サーナイト、っていうんですか?そのモンスターは...」

 「サナ」

 「はい。ここでなくても、珍しいかもしれないですけど...

  皆、人間と仲良しなんです」

 

 ...確かに珍しいと言われたら、珍しいとは思うし...

 何よりその回復させた方法は魔法なのかも気になった。

 でも...その前にちゃんとお礼を言わないと。

 

 「え、えっと...助けてくださって、ありがとうございました。

  サーナイト、さん...」

 「サナ...」

 

 思わずさん付けになったけど、いつもそうしているんだから気にする事はないかな...?

 サーナイトさんもお辞儀をして返事をしてくれているみたいだし... 

 

 「じゃあ、他の人達が来る前に皆をボールに戻しますね」

 「え?は、はぁ、どうぞ...?」

 「サナ」

 「あ、は、はい」

 

 何となく、失礼しますね、って声が聞こえたような...

 ってサーナイトさんや他のモンスターが赤く光って...!?ボールの中に吸い込まれたぁああああ!?

 

 「よし。じゃあ、僕はこれで」

 「ま、待ってください!お願いですから待ってください!」

 「は、はい?」

 「い、今のは一体何ですか!?

  モンスターが赤く光って、そのボールに入っていきましたよね!?

  一体何ですか!?」

 「えっと、これはモンスターボールという魔道具みたいな物で...

  僕の故郷の村だけに住んでるポケモンを入れる事が出来るんです」

 「ポ、ポケモン...?」

 

 聞いた事のない種類のモンスターの名前...どういう意味なんだろう?

 

 「このボールは...こうして小さくしてポケットに入ります。

  なので、ポケットモンスターの略称なんですよ」

 「あ...な、なるほど。そういう意味なんですね...」

 「そうです...あっ、じゃあ、失礼します。お大事に!」

 「は、はい...あ!お、お名前を...!」

 

 も、もう居ない...聞きそびれちゃった...でも、特徴的な外見だったからギルドに聞けば、わかるよね?

 

 「レフィーヤ」

 「ひゃいっ!?ア、アイズさん!」

 「その、大丈夫...?あと...さっきの人は...」

 「あ、あの方は...よくわからないんですけど...」

 

 何て言うか...優しそうな人だったな...

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