ダンポケ   作:れいが

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ルノアと春姫の残りの手持ちポケモンが登場します。


30話 VS黒いレックウザ

 「レックウザ!落ち着いてっ!傷を治してあげるから!」 

 

 「ギャオォオオオオオオオオオオーーッ!!」

 

 ベルは右手を翳して黒いレックウザに呼び掛けるも、咆哮を上げて動きを止める気配を見せない。

 出血して垂れてきた紫色の血が目に入っているのもあり、こんらん状態となっているのだろうと察知した。

 

 「ダメです...あんなにも暴れていては聞く耳を持ってくださりません...!」

 「なら、やっぱりポケバトしてある程度は弱らせるしかないか」

 「うん...倒れたらすぐに行くよ」

 

 ベルはポケットからポケウォーカー並に縮小しているモンスターボールを6つ取り出す。

 ルノアも同様にポケットから指の間に挟んで取り出し、春姫は着物の袖から1つずつ取り出した。

 

 3人は十分な間隔を空けるために少し離れて...いざ、とそれぞれモンスターボールを構える。

 

 最初に2個ずつボタンを押してから、ベルが頭上に向かってモンスターボールを投げた。

 一斉に開くモンスターボールから赤い光が溢れ出し、地面に形を成していく。

 

 「皆!レックウザを止めよう!」

 「サナッ!」

 「スピッ!」

 「ミミーッ!」

 「バースーッ!」

 「バーンギラララァッ!」

 「リオーッ!」

 

 幼い頃から深い絆を育んできた6匹のポケモン達はすぐに聞き入れて、戦闘態勢に入る。

 

 次にルノアが慣れた手付きでモンスターボールを同時に指の関節で押し、ベルと同じく頭上へボールを投げる。

 尚、先に出ていたマーシャドーは常時影がある広間のため、どこからともなくヌッと現れた。

 

 「頼んだわよ、皆!」

 「カーイリキー!」

 「コジョーッ!」

 「クチ...!」

 「グーレイ...」

 「バシャーッ!」

 「マシャ...」

 

 ルノアらしい、かくとうタイプ主体のポケモン達は気合を入れてやる気満々だった。

 一応、クチートとグレイシアもかくとうタイプの技を使えるため主体と言うのは間違いないはずである。

 

 最後に春姫は1つずつ足元にボールを丁寧に置いていき、パンッと手を鳴らした。すると、呼応するかのように赤い蓋が開く。

 

 「皆さん、お力添えをどうかお願いします!」

 「ロアー...」

 「コォーンッ!」

 「テナー!」

 「ルナーン」

 「メノ...」

 「テッカ」

 

 春姫のポケモン達も出揃い、黒いレックウザを止める準備は整った。

 

 ベルは片角のミノタウロスとの戦闘が始まる前、こうげきとすばやさをりゅうのまいで上げているのを思い出す。

 ルノアと春姫、そして自分と2人のポケモン達にも聞こえるよう伝えた。

 

 「りゅうのまいを使っていたから、まずは種族値を下げよう!」

 「オッケー!それじゃ、バシャーモ!クチート!グレイシア!なきごえ!」

 「バシャァアアーーッ!」

 「クチィイイーーッ!」

 「グレーーーイッ!」

 「私はどんそくだまを使います!クレセリアさん、ユキメノコさんはこごえるかぜ!」

 

 ルノアの指示で3匹は広間全体に広がる声量のなきごえでレックウザの気を引かせ、クレセリアとユキメノコが球体状に収縮させた凍てつく冷気となるこごえるかぜを吹き掛ける。

 

 「サーナイト!マジカルフレイム!スピアー!エレキネット!」

 「サナッ!」

 

 弱点となるこおりタイプのこうげきはこうかばつぐんで大ダメージを受け、続け様に浮遊する2つの火球をサーナイトが交互に回転させてその中心から特別熱い炎を放ち、マジカルフレイムが直撃する。

 とくこうを下げる効果があるため、伝説級のポケモンが放つ桁違いのはかいこうせんなど非常に危険なこうげきを弱めさせたのだ。

 

 「スピッ!」

 「えいっ...!」

 

 上空からは、スピアーが編み込んだエレキネットを投げ飛ばして頭部に覆いかぶせた。

 加えて春姫が翳したどんそくだまから放たれる光を浴びた黒いレックウザのすばやさはガクンと下がった。 

 

 「グググゥゥウウウウ~~...!」  

 

 すばやさが下がった事により、暴れ回っていた黒いレックウザの動きが鈍くなっていた。

 エレキネットが覆い被さっている間は、はかいこうせんなどを繰り出せないはずだ。

 

 「ちょっと可哀想だけど、これでこうげきとすばやさが下がったね!」

 「こおりタイプだとダメージが通り過ぎるから...グレイシアやばくなった時だけこうげきして」

 「グーレイ」

 「ユキメノコさんもそうしていただきますね」

 「メノ...」

 

 グレイシアとユキメノコは頷き...戦闘態勢は解かないでルノアと春姫の背後へ移動する。

 

 次は頭部へ近付くために、胴体の上半身を地面に倒す必要があった。 

 黒いレックウザのこうげきとすばやさを下げられたとはいえ、その巨体へ下手に近付けばすぐに薙ぎ払われて吹き飛ばされるだろう。

 尤も...エレキネットが外れて、はかいこうせんが放たれた際は即座に退避しなければならないが。

 

 「口が塞がってる間にちまちまダメージを与えるわよ!カイリキー!コジョンド!マーシャドー!きあいパンチ!」

 「カァイ!リキィイイーーッ!」

 「コジョォーーッ!」

 「マ~~~シャドォーーッ!」

 

 精神を高めて集中し、カイリキーは4つの拳を光らせながらコジョンドとマーシャドーと同時にきあいパンチを繰り出す。

 黒いレックウザの胸部にきあいパンチは直撃し、衝撃波が広間の空気を激しく揺らした。

 こうかはいまひとつなため、黒いレックウザは蹌踉めく程度で倒れる気配もない。死角となる位置にゾロアーク、キュウコン、テールナーが着いた。

 

 「ゾロアークさん、あくのはどう!キュウコンさんとテールナーさんはだいもんじ!」

 「ロォァアーーッ!」

 「コォオーーーンッ!」

 「テナァ~~~ッ!」

 

 ゾロアークは身体から悪意に満ちた波導を手に集めながら真っ黒な球体にして、あくのはどうを放つ。

 キュウコンは口から、テールナーはきのえだに着火している火の塊を投げ飛ばし、燃え広がるようにだいのじとなって、あくのはどうと同時に直撃する。

 

 「あっ...!バンギラス!エースバーン!ストップ!」

 「ギラ?」

 「レックウザが見えなくなったからこうげきしないで!」

 「バース...!」

 

 ところが、ダメージを与えられたものの爆炎と一緒に巻き起こった黒煙に上半身が飲み込まれ...黒いレックウザの姿が見えなくなってしまった。

 

 ベルはハイドロポンプとエレキボールを繰り出そうとしていたバンギラスとエースバーンに中断を伝える。

 

 その直後、黒煙の中で紫色に光り輝く光球が見え始めた。

 

 3人は りゅうのはどうと察知して即座にそれぞれのポケモン達に退避するよう指示を出す。

 

 「ギャオォォォオオオオオオオオオーーーッ!!」

 

 黒煙を吹き飛ばす威力で放たれた りゅうのはどうは、稲妻のようにジグザクと軌道を描いて周囲の地面を砕いていく。

 

 「リオッ!」

 「ギラァ~~!?」

 

 重い体のせいで退避が遅れたバンギラスに直撃するかと思われたが、 リオルが尻尾を掴んで体格差を物ともせず引っ張ったおかげで難を逃れる。

 

 

 

 リリルカに連れられてロキ・ファミリアは崖の上からポケモンバトルの激闘を見守っており...ガネーシャ・ファミリアが調教したモンスターを労働力として使役している光景とは、異次元の違いを見せつけられているのに誰もが息を呑んだ。

 

 火を吐き、毒を撒き散らすモンスターは見た事があれど...雷や水、更には雪や魔法と似たような攻撃をポケモンという生物は自在に操っている。

 ポケモンの事を全く知らないフィン達にとっては非現実的な光景であり、何より下層や深層のモンスターでさえ比ではない程の強さと恐ろしさを感じていた。

 

 特にフィンが目を見張ったのは...3人の統率力だ。

 レックウザと呼ばれるポケモンの動きを読み、お互いをフォローしながら上手く翻弄しながら的確に指示を出している。

 それにポケモンは時折、鳴き声を上げたり頷いたりなど...彼らと絶対的な信頼関係を築いているのが垣間見えた。

 

 「...長年、団長としてやってきていたけれど...彼らには足元にも及ばない気がしてきたよ」

 「だ、団長?何を言ってるんですか...!?」

 「いや、お前の言っている事は理解出来るぞ。

  あれ程までに見事な指示と連携...そして、あのポケモン達との絆の深さも我々以上に違いない」

 

 リヴェリアもベル達の動きを1つたりとも見逃さず、副団長として彼らがどれだけ努力し、切磋琢磨してきたのかと感服する。

 

 「...ねぇ、名前は?」

 「リリルカ・アーデと申します。断っておきますが、リリは同じ所属ではないので...ポケモンについてはほんの少しだけしか知りません」

 「それでもいいよ。あの、ベルって子達はどうやってポケモンと仲良くなれたの?」

 「...ベル様達は地図にも載っていない村に住んでいました。その村の言い伝えによると...」

 

 ティオナがそう問いかけると、アイズを含めてフィン達の視線がリリルカに集まる。

 こうなるとは覚悟していたリリルカは春姫から教えてもらった範疇で答える事にした。

 

 ポケモンとはどんな存在なのか、そしてポケモンと村人達との友好関係を包み隠さず話した。

 

 フィンと出会うまで色んな地を巡って旅をしていたリヴェリアでさえも知らなかった人間とポケモンが共に生きているという事実。

 ベル達のポケモンバトルから一度視線を逸らし、その場にいる全員が聞き入っていると...その話を鼻で笑ったのはベートだった。

  

 「くっだらねぇ...何が絆だ。モンスターは狩られるだけの雑魚だろうが。

  それにだ...あれの友好的だとほざいてやがるんだ?知性の欠片もねぇそこらのモンスターと変わりないじゃねぇか」

 

 容赦ない言葉で詰るベートを叱責しようとするリヴェリアだが、背後から聞こえてくる爆発音に言葉を詰まらせる。

 謎の力で地面から浮かび上がらせた岩の破片を投擲し、口からは先程よりも強力な雷や眩い緑色の光柱を放つレックウザの姿は、ベートの言う通りモンスターと大差はなかった。

 

 反論したいが、その余地もなくリヴェリアは杖を強く握りしめていると...リリルカが呆れた様子でため息をついた。

 

 「お言葉ですが、誰のせいでこうなったかご理解してますか?」

 「あ...?」

 「ですから...レックウザを傷付けたがために、ベル様達が懸命に止めようとしているこの事態をつくったのは...どこのファミリアに所属している誰のせいなのかと聞いてるんですよ」

 

 激昂の様子こそ混じっていないもののトゲトゲしい言葉をベートに言い返した。

 自分の仲間が犯した過ちを棚に上げて、ポケモンに知性がないと嘲笑うベートの態度はリリルカからすればベル達の努力を蔑ろにする行いも同然。

 

 何より...数日前、自身がサーナイトに言った言葉と似たようなものだったからだ。

 

 「まだ信頼できないと言ってしまったリリが言えた身ではありませんが...

 【凶狼】様も【剣姫】様も後でちゃんと謝罪をする事ですね。極東式のドゲザという方法がオススメになりますか」

 「この、ガキ...!雑魚が嘗めた口をきいてんじゃ」

 「ちょっとバカ狼っ!あれが見えてないの!?」

 

 ティオネの言葉に反応して、横を向くと無数の巨大な破片が向かって来るのに気付く。

 先んじてフィンが槍を、リヴェリアが杖を構えて直撃を防ごうと動いた。

 

 だが、一瞬にして破片は砕け散り、フィンとリヴェリアは槍と杖を構えたまま目を見開く。

 ガラガラと足元には小さくなった破片が転がり...ロキ・ファミリアの前にサーナイト、クレセリアが目の前にいた。

 どうやら巨大な破片がロキ・ファミリアの方へ飛んでいくのに気付き、テレポートをして被害が出ないように てだすけしたのだろう。

 

 2匹がフィンとリヴェリアに近付いて来ると...最初に動いたのはアイズ、遅れてベートとティオネだ。

 アイズとティオネは仲間を傷付けた報いを受けさせようとしていると前に出たようだが、一方のベートは別の思惑で立ち塞がっていた。

 

 「テメェら...余計な真似すんじゃねぇ!あれぐらいどうとでも出来たんだ。借りをつくったなんざ思うんじゃねぇぞ」

 「そんなのどうだっていいでしょ!?ねぇ、アンタ達の仲間をアイズが傷付けたのは」

 「アイズ、ティオネ、ベート。下がるんだ」

 「っ...でも...」

 「二度も言わせるな。今すぐ下がれ」

 

 威圧を掛けながら命令するフィンに3人は渋々と後ろへ下がった。サーナイトとクレセリアは改めてフィンとリヴェリアに近付く。

 先程のベートの発言に憤慨している、といった雰囲気はなく...寧ろ、2人に対して温和な面持ちで視線を合わせていた。

 

 「サナ...」

 「ん...?もしかして...君が言葉を発しているのかい?」

 「ルナーン」

 「まさか、そんな事が...いや、我々が未知の生物と認識しているだけでポケモンなら可能なのだろうな」

 

 安否を気遣うサーナイトと、フィンの問いかけに肯定して頷くクレセリア。

 フィンとリヴェリアは元よりティオナ達もポケモンが人語を理解し、発している事に驚きを隠せない。

 ただ1人、それを知っていたリリルカは2人の隣に立ち...頭を下げてサーナイトに謝罪する。

 

 「ごめんなさい。リリは...貴女には酷い事を言いました。ポケモンもモンスターも同じだと心の奥底で思っていましたから...っ」

 「...サナ」

 「ですから...改めて、サーナイトさんや他のポケモンの皆さんとも仲良くなりたいです」 

 

 リリルカの謝罪に...サーナイトは微笑むと優しく抱き締める。その抱擁は親を早くに失った彼女にとって...初めて体感する母性というべき温もりを与えてくれた。

 

 「サナ...」

 「っ...っん...ひぐっ...」

 「ルナーン」

 

 自然と零れてくる涙にリリルカは戸惑うも、抱き締め返してその温もりを噛み締める。

 クレセリアも噓偽りのない本心からの言葉であると穏やかな笑みを浮かべていた。

 

 人間とポケモンの絆。その情景が目の前で芽生えたのをフィン達は目の当たりにして感銘を受けた。

 あれだけ罵倒していたベートでさえも口を紡いで圧倒されているように見えた。

 

 やがて、サーナイトが頭を撫でてリリルカから名残惜しそうに離れると、今度はフィンとリヴェリアに向かい合った。

 次は自分達がどう答えるべきなのか、それを試しているように...2人はお互いにアイコンタクトを取らずともサーナイトに深々と頭を下げるのだった。

 

 「ロキ・ファミリアの団長として謝罪させてほしい。すまなかった...仲間がレックウザを傷付けてしまって」

 「私は、あの子の...母親代わりとして育ててきた身だ。それなのに、この様な事態に陥れてしまい...本当に申し訳ない」

 「サナ...」 

 「ルナーン」

 

 2人の謝罪を受け入れたサーナイトとクレセリアは顔を上げさせると、手を差し伸べて握手を求めた。

 その寛大さにフィンは驚きつつも...差し出された人間とは違うその手をしっかりと握った。リヴェリアもクレセリアの手を握り、謝罪を受け入れた事への感謝を示す。

 

 ファミリアの団長と副団長がポケモンと握手を交わす。

 

 その光景にティオナとティオネは人間の気持ちを理解できるというポケモンへの認識を改めていた。

 また、別の反応としてアイズは呆然としており、ベートは目を逸らして気に食わない様子で舌打ちをしていた。

 

 「...あれはどういう状況なんじゃ?」

 「サーナイトさんと団長が握手をしています、ね...」

 「レフィーヤ、ガレス...」

 

 フィン達のやり取りに夢中になっていたため、アイズはレフィーヤとガレスが背後に立っているのにハッとなる。

 時間を空けてから後続する第三班に加わっているはずの2人がいるという事は...それだけ黒いレックウザとのバトルが熾烈を極めているのだ。

 

 フィンも目を丸くしている2人に気付き、スッと丁寧にサーナイトの手を離した。

 

 「ガレス、レフィーヤ。他のメンバーは待機させているんだね?」

 「ああ。下の入口から覗き見れば、あの黒い龍に3人の若造と小娘がモンスターと戦っていて新人が腰を抜かしてしもうたわい」

 「まぁ、仕方ないさ。僕も...彼らとポケモン達の絆が織りなす戦いには瞠目しているんだ」

 

 

 

 ロキ・ファミリアの団長と副団長、そしてリリルカとの信頼を得たサーナイトは後ろを振り返って崖の縁に立つ。

 

 左右からバンギラスとエースバーンが今度こそ ハイドロポンプと エレキボールを繰り出した。

 正面からはミミロルが みずのはどうを、リオルが青色のエネルギー刃の すいへいぎりを放ち、漸く黒いレックウザの体力を半分にまで削れたのか姿勢を保つのもやっとの様子である。

 

 「もうちょっとだ...!春姫お姉ちゃん!ルノアお姉ちゃん!ぶつりわざで押し倒して...えっ?」

 

 突然ベルが言葉に詰まらせたのに春姫とルノアは首を傾げる。彼が言った通り、もうすぐでひんしの状態にさせられるはずだからだ。

 しかし...ポケモン達も驚きの鳴き声を上げたのに気付き、彼女達は黒いレックウザに視線を送った。

 

 「ウッソでしょ...おいおいおいっ!?」

 「まさか、あれは...!」

 

 サーナイトの背後で話を中断したフィン達も思わず目を奪われる。

 ポケモンについてそれなりに知っているはずのリリルカも何が起きているのかわからず、バックパックの背負い紐を握り締めて怯えていた。

 

 「あの光りは、一体なんだ...?」

 「リ、リリにもわかりません...サーナイトさん、何が起きているんですか?」

 「...サナ」

 

 リリルカの問いかけにサーナイトは指をさして答えた。

 

 黒いレックウザを包み込む淡いエメラルドグリーンの光。

 その頭上には、刺激された遺伝子を表す二重螺旋構造の虹色に輝くエネルギー体が浮かび上がる。 

 

 「ギャオォォォオオオオオオオオオーーーッ!!」

 

 力の限り咆哮を上げた黒いレックウザは虹色に輝くエネルギー体を纏うように上昇していった。

 黒いレックウザの全身が同じように虹色に輝いていたが、すぐにガラス片のように剥がれ落ちていく。

 

 「グギャオォオオオオオオオオオオオーーーーッ!!」

 

 崖の上にいるサーナイトやリリルカ達の目の前を通過し、広間の天井を旋回していくと...やがてその全貌が明らかとなる。

 

 「...ぁ...」

 「ア、アイズさん!?」

 

 握っていたデスペレートを落とし、アイズは力が抜けるようにそのまま膝から崩れ落ちてその場に座り込む。咄嗟にレフィーヤは駆け寄って彼女の体を支えた。

 

 アイズだけでなく目の前の光景が信じられないでいるフィン達もあまりの変貌ぶりに圧倒されて立ち尽くしていた。

  

 額にΔの模様が刻まれた頭部の角はぐんっと伸び、下顎には大きく幅広な刃が突き出していた。

 その下顎の刃と角からは体にあった楕円形の黄色い模様が尾先まで剥がれたような長い髭となって後ろへ流れるように伸びている。

 

 胴体部分も20Mもの長大と化して、尾の先からは黄色い紐状の房が2本伸びていて全身の黒い体色は黒曜石のように鈍い光沢を放っている。

 各部の羽が鋭利に尖った流線形となり、楕円形の模様があった部分には金色に光る球体の器官へと変化していた。

 

 ベルはその姿を見て、興奮と恐れが入り混じった叫びを上げる。

 

 「メガシンカだ...!」

 

 そう...進化を超える進化。

 黒いレックウザはメガシンカして黒いメガレックウザとなったのだ。




よしよし、気持ちいいですか~?ふふふっ...イーブイは良い子ですね~可愛いですね~。

ただ、ニンフィアもリーフィアもブースタも可愛いですから、選べないですね~
 
はい?...あぁ、ダークライとデオキシスは可愛いというよりカッコいいですから...

て、えっ!?ど、どうしてあなた方がここに...?

はい、危うく一度飲み込まれそうになった事が...レックウザがダンジョンでベル達とバトルを!?

しかも、メガシンカをして...わかりました!イーブイ、あなたはお留守番をしててもらいますね。

ダークライとデオキシスを呼んでいますので、少しお待ちを...え?

...そこまで切迫しているのであれば、選択の余地はありませんね。

では、行きましょう!
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