ダンポケ   作:れいが

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31話 VS黒いメガレックウザ ①

 「アーディ!柱の陰とかくまなく探したけど、もう誰も居ないわ!」

 「ありがとう、アリーゼ!仕事が早くて助かるよ!」

 

 その頃、バベルの入口ではアストレア・ファミリアとガネーシャ・ファミリアによる緊急処置が行われていた。

 9階層の広間にて新種の巨大なモンスターが出現したため、既に潜った冒険者を除いて誰1人として中へ入れてはいけないという情報が伝達されてきたのだ。

 

 迅速な対応で両ファミリアは地下1階に屯している冒険者をバベルの外へ誘導し、それが完了すると入口を簡易的なバリケードで封鎖していく。

 冒険者達も以前の怪物祭での騒動が記憶に新しいため、訝ったりなどせず素直に従ってくれたおかげで手早く封鎖も出来た。

 

 尚、その情報はギルドからではなく...リューからのものであり、当人はその場に居なかった。

 

 「はぁ...まったく、リオンったら手伝いもせずに1人だけ入って行くなんて」

 「まぁ、ポケモンがダンジョンに現れって切羽詰まってた様子だったし...仕方ないわよ」

 「にしても、なんでいきなり現れたりしたんだ?デオキシスみたくテレポートってやつで紛れ込んだとかか?」

 「さぁ、それは奴が戻ってきてから聞くとして...私共はこっそりと忍び込もうとしているあの輩を止めるとしましょうかねぇ」

 

 輝夜の言葉にいち早くアーディが止めに入って、シャクティを含めた他の団員達も面白半分且つ好奇心でダンジョンに入り込もうとしている冒険者を検挙した。

 ギルドからの依頼ではないにしても公務執行妨害を犯したとして、その冒険者達は1日の牢屋生活となってしまったという。

 

 

 

 場所は移り変わってダンジョン地下9階層の正規ルートE-16の広間。

 

 「グギャオォオオオオオオオオオオオーーーーッ!!」

 

 長大な胴体をくねらせ、黒いメガレックウザはけたたましい咆哮を上げる。

 その衝撃はミノタウロスの比ではなく...地響きを起こして、天井から石の破片が落ちてきたり足元が割れたりした。

 

 しかし、それをベルは気に留めずメガシンカした原因を考察する。

  

 「追い詰められて本能的にメガレックウザにメガシンカしたのかも...」

 「尚更やばいわね...切り傷は自然回復して治ったけど、まだ正気に戻ってないみたいだし」

 「メガシンカが出来ないゾロアークさん達では歯が立ちません...!」

 

 最終進化形態を迎えれば経験値を得たり、タウリンやブロムヘキシンなど育成アイテムを使用したとしても種族値は上がらず固定となる。

 しかし、メガシンカするとポケモンによって能力の上昇度は異なるが種族値の基礎値は大幅に底上げされる。

 

 言うまでもなく...伝説ポケモンである黒いレックウザは元から桁違いの強さを誇っている。

 ベル達の手持ちのポケモン達を、同じ土俵に上げるためにメガシンカさせないと太刀打ちできないのは明白だ。

 伝説ポケモンや幻のポケモンなどは自力でメガシンカをするのだが...本来はパートナーと強い絆を結び、キーストーンとメガストーンを共鳴させるが必要となる。

 

 オラリオへ旅立つ前、村の各地を探し回ったものの結局見つからず終いとなりメガシンカとなるのは諦めてしまったのだった。

 

 「あの時、もう少しちゃんと探していれば...」

 「今更後悔したってどうしようにもないでしょ!こうなったらZ技で何とか抑え込むしか...!」

 「で、ですが、一度きりなので...もしも戦闘不能にさせられなかった場合は...」

 

 春姫の言葉に提案したルノアはもちろんの事...ベルも危険な賭けだとわかっていた。

  

 メガシンカは諦めたものの、Z技だけは使えるようにと全種類のZクリスタルだけは3人分入手している。

 

 だが、春姫の言ったようにZ技とは、そのバトル中にのみ一時的に絶大な力を得られる、すべてのポケモン達が繰り出せる技。

 体力がどれだけまだ残っているのかわからないにしろ、メガシンカした黒いメガレックウザのぼうぎょは当然上がっているので無暗にZ技を使っても倒せる確率は低いはずである。

 

 「グギャオォオオオオオオオオオオオーーーーッ!!」

 

 そうこうしているうちに、黒いメガレックウザは下顎の刃の先端に巨大な火球を膨らませるようにして威力を増大させていく。

 

 「っ!かえんほうしゃが来ます!ユキメノコさん、みずの...こんっ!?」

 「みずのはどうなんて蒸発するに決まってるでしょ!とにかく逃げるわよ!

  カイリキーやゾロアーク達は自己判断で防いで!」

 「サーナイト!ひかりのかべでリリちゃん達を守るんだ!」

 

 ユキメノコに指示を出そうとしていた春姫をルノアは担ぎつつポケモン達に指示を出し、ベルもサーナイトにリリルカ達を守るよう指示してから退避していく。

 

 「バァーンギラァ!

 「カーイリキーッ!」

 「ロアーク...!」

 

 ルノアの指示を受け、ポケモン達はそれぞれ まもるを繰り出して かえんほうしゃからのこうげきに備える。

 尚、マーシャドーは影に潜り込んで、飛行できるスピアーとテッカニンは天井ギリギリまで上昇し、距離を取った。

 

 「サナ...!」

 

 大きく両腕を開き、掌を翳すとサーナイトの目の前に透明で見えない巨大な ひかりのかべを形成する。

 更にまた同じような ひかりのかべを形成していき、合計で5枚も目の前に張っていた。

 飽くまでもとくこうのダメージを弱める技なので、念には念を入れたのだろう。

 

 「グギャオォオオオオオオオオオオオーーーーッ!!」

 

 やがて、火球が破裂寸前になると黒いメガレックウザは 真っ赤に燃え上がる かえんほうしゃを放った。

 ベル達を狙って繰り出してはいないものの...地面へ着弾した瞬間に爆発が起き、凄まじい衝撃で広間は地震が起きているように激しく揺れ動く。

 吹き荒れる爆風が地を這って背後からベル達に襲いかかり、3人は体が浮かびあるように吹き飛ばされる。 

 

 「うわぁ!?」

 「熱っつい!」

 「きゃあっ...!?」

 

 

 

 首を振りながら かえんほうしゃを放つため、ロキ・ファミリアにも灼熱の炎がうねりながら襲い掛かる。

 その場にいる全員が身構えるも...ひかりのかべの5枚重ねが功を奏し、4枚がバリンバリンッと粉々に吹き飛ぶも1枚を残して何とか難を逃れるのだった。

  

 しばらくすると火球が縮んでいきながら最後にボフンッと煙を立てて消滅し、かえんほうしゃが止まる。

 ひかりのかべによって崖の上は広間と分断されているような状態となり、黒煙を遮断して広間の様子を見る事ができた。

 

 「ありがとうございます、フィン様」

 「いや、サーナイトのおかげだよ。まさかあの炎を防ぐとはね...」

 

 庇ってくれたフィンにお礼を言ってすぐにリリルカはサーナイトの隣へ立つ。

 

 サーナイトの視線の先は...真っ黒に焦げた地面や壁に所々で火炎が残っており、焼けた臭いが充満して悲惨な状態となっていた。

 もしも ひかりのかべで守られていなければリリルカ達も丸焦げだったであろう。

 だが、それよりもベル達の安否を確認しなかればと、リリルカは必死に目を凝らして探す。

 

 まもる によってポケモン達は無傷であったが、上級冒険者のベル達と言えば致命傷を負っている可能性は決して捨てきれないからだ。

 

 「ぶはぁっ!ぺっぺっ!ったく!口の中がジャリジャリになったじゃない!」

 「春姫お姉ちゃん、怪我はない?」

 「は、はい。何ともありません...ベル君の方こそ、頬に傷が...」

 「これくらいどうってことないよ」

 

 そんなリリルカの心配を跳ね除けるが如く、自身に乗っかっていた岩を蹴飛ばしてルノアとその後ろからベルと春姫の姿が。

 ご立腹の様子のルノアとお互いに怪我の有無を確認し合っていた。

 リリルカは安堵しているのも束の間、黒いメガレックウザが咆哮を上げて再び動き始めようとしているのが見えた。

 

 「くそっ!このままじゃダンジョンを壊すまで止まらねぇ...だったら、横槍入れてでもぶっ殺して」

 「サナ...」

 「いい加減に黙ってください【凶、いいえバカアホ無神経狼!」

 「んだとぉテメェ!?」

 「貴方如きが勝てると思ってるんですか!?ベル様達でも対処に苦戦してるのに...ちょっとは自分を雑魚だと考えて発言しなさい!」

 

 サーナイトが止めようとする前に、敬語こそ残ったままリリルカが啖呵を切りながら食って掛かる。

 ポケモンがどのような存在か、自分とフィン達が信頼を持ったのを目の当たりにしたのにも関わらず...未だに敵意を剥き出しにしているベートについぞキレようだ。

 

 リリルカの言う通り、あの かえんほうしゃの威力なら上級冒険者であっても掠れば最悪の場合その体の一部が消し炭となるだろうとフィン達も思っていた。

 しかし、それに対してベートはズカズカとリリルカに近付いていき、ティオナとティオネに羽交い締めにされた所で言い返す。

 

 「だったらどうしろってんだ!?あのクソ龍がオラリオに出たらどうなるかわかってんのか!?」

 「わかってるからこそ貴方よりベル様達も必死なんですよ!レックウザは何も悪くないのに...傷付けてまで止めようとしているんですからっ」

 

 身長差があるため、顔を上げてリリルカはベートに反論する。 

 自身よりかなり年の離れた少女が言い淀むとも歯切れを悪くしたりもせず、その姿は全く怯えを感じさせず...寧ろ勇敢さをフィンは覚えた。

 それはリヴェリアも同じであり、フィンと顔を自然に見合わせて頷く。

 

 「ざけんな!どうしようにも出来ねぇ雑魚を頼ったところで」

 「ベート、いい加減に黙れ。彼女の言っている事に間違いがあると言うのか?」

 「あぁ!?クソババア...フィンまでモンスターと仲良しこよしになったからって、そいつに従うってのか!?」

 「従うだって?それはちょっと見当違いかな...僕は彼女もサーナイトも、そしてベルという少年達を信じる事にしたんだよ」

 

 フィンの真剣な眼差しにベートはたじろいで押し黙った。普段の悠々とした雰囲気はなく、団長としての威圧感を醸し出しているからだ。

 更にリヴェリアもリリルカを擁護する姿勢を見せているため、ベートはバツが悪そうに舌打ちをして大人しくなる。

 

 ティオナとティオネが放してもその場に留まったので、少しは頭が冷えたのだろうとリヴェリアは呆れた様子でため息をつく。

   

 「...フィン様、庇ってくださりありがとうございます。その...少し漏らしそうでした」

 「え?あぁ...ははは。いや、気にしなくても...それはそれで女の子に失礼か。

  だけど、ベートにあそこまで啖呵を切れるなんて...リリルカ、君の勇気は称賛すべきだよ」

 「いえ、そんな畏れ多いですよ...そ、それよりもベル様達は...」 

 

 頬を染めていたリリルカだが、顔を振ってそっぽをむく。それに微笑みながら隣に立るとフィンも状況を把握すべく広間を見渡した。

 

 

 

 「リオ!オルオル!」

 「大丈夫だよ、ありがとうリオル」

 「コジョ~!」

 「はいはい...コジョンド、心配ないから」

 「テッカ」

 「テッカニンさん、ご心配おかけして申し訳ありません」

 

 ポケモン達はそれぞれのパートナーに近寄って安否を気遣っていた。リオルは心配そうにベルに抱き着き、コジョンドはルノアの頬をひたすらにペロペロと舐め、テッカニンは春姫の周囲を飛び回っている。

 パートナーの無事を確認してポケモン達が安堵するや否や...黒いメガレックウザの咆哮を聞き、即座に戦闘態勢に入る。

 

 「まだ我に返っていないみたいだね...よっぽど痛かったんだ...」

 「そのようですね...それも人に傷付けられたのですから、精神的ショックも大きいでしょう」

 「あの金髪金眼、後で絶ぇ~~っ対にボコってやるんだから」

 

 ルノアが歯軋りをしながら拳をメキメキと鳴らし、アイズに対して憤慨していると...ベルは背後から感じる波導に気付いて後ろを振り返る。

 そこには誰も居ない、と思われたがその場所で一瞬ブレが生じたように見えたかと思えば3つの影が現れたのだった。

 

 「ベル!ルノア!春姫さん!よかった、ご無事で何よりです...!」

 「リューお姉ちゃん!それに...!」

 

 1人はリューだった。彼女がベル達の方へ走って来る、その隣には...

 

 「皆!助けに来たよ!」

 「遅れてしまい、申し訳ありません」

 「ケルディオ!ミュウツーも!」

 

 ふわふわとしたオレンジ色の鬣を靡かせながら駆け寄るケルディオと手にスプーン状の物体を持っている いでんしポケモン ミュウツーの姿があった。その背には葉っぱで包まれた何かを背負っている。

 ベルだけでなくルノアと春姫も予想だにしていなかった助っ人の登場に驚いていた。

 

 「ミュウツー、なんでアンタがここに...リューはともかくケルディオまで」

 「アルセウス様から直々に貴女達と共にレックウザを助け出すよう、ご命令を受けました。

  由々しき罪を犯した人間への処罰は遅かれ早かれ下される事でしょう」

  

 ミュウツーの淡々とした物言いに、ベルは彼女が秘かな怒りを抱いていると内心感じ取っており...彼自身が犯人でないのにも関わらず、俯いて哀しんだ。

 一方、それを見たケルディオは気遣うようにベルの腕を鼻先で擦って、背負っている葉っぱの包みを地面に転がした。

 

 ベルはケルディオに何が入っているのか問いかけようとするも、彼から先に開けてみるよう言われて戸惑いつつバサッと広げた。

 その中には...キーストーンが埋め込まれたメガリング、メガグローブ、メガチャーム。

 更にミュウツーも背負っていた葉っぱの包みを広げると、その中には様々な装飾が施されている螺旋状の模様が浮かんで七色に光る全種類のメガストーンがあった。

 

 3人は驚きの余り、言葉を失っていたがそれにミュウツーは微笑みながら答えた。

 

 「アルセウス様からの贈り物です。デバイスはベルの祖父が以前から作っていた物を預かり、持ってきました」

 「おじいちゃんが...そっか。とっくに作ってくれてたんだ...」

 「私にも作ってくださっていたようです。ダークライ達はメガシンカできませんが...せっかくなので貰い受けました」

 「私も...皆さんがメガシンカできませんので、持っていても意味が...」

 

 指先をモジモジと合わせて残念そうに呟く春姫。すると、先程まで微笑んでいたミュウツーは真剣な表情となりながら目の前に立った。

 

 驚く彼女を他所に...ミュウツーはどこからともなく取り出したモンスターボールを差し出す。

 春姫はミュウツーとモンスターボールを交互に見て戸惑いながらも、それを受け取る。 

 

 「事態が切迫しているためとはいえ...春姫、貴女には助けられた恩義があります。

  だから、貴女をパートナーとして共に戦いましょう」

 「ミュ、ミュウツーさんを私が指示するなんて、そんな畏れ多い事...!」

 「いえ、人間の素晴らしさを知る事が出来たのは他ならぬ貴女のおかげです。

  ポケモンと心を通わせ、慈しみ、愛情を育む貴女は信頼に値します」

 

 ミュウツーの言葉一つ一つに、最初こそ申し訳なさそうだった春姫は胸の内が熱くなるのを感じた。

 自分を低く見ていたが、目の前に立っているポケモンから認められ...それ以上に信頼されているとわかったからだ。

 

 「春姫。どうか、私のパートナーになってください」

 「...はい。謹んでお受け致します」

 

 春姫が持っている先程差し出したモンスターボールにミュウツーは手を置くと蓋が開き、赤い光に包まれながら中へと入っていく。

 数回程ボールは掌の上で揺れ、カチリという音が鳴ってゲットした事を告げた。

 

 感慨無量といった表情で春姫はミュウツーが入っているモンスターボールを親指でそっと撫でるのだった。

 

 ミュウツーと春姫の会話を聞いていて、パートナーとなった事を祝していると...ケルディオが自信満々に笑顔となって嬉しそうに言った。

 

 「そうだ!ベル。僕、聖剣士に認められてずっと強くなったんだよ!それで...リューをパートナーにしたんだ」

 「え!そうだったの!?おめでとう!...って、でも、それだと皆を守る聖剣士の使命が...」

 「大丈夫だよ。父さん達に外の世界を巡るのも修行の内だって言われて...

  ううん、友達を見捨てるようなポケモンなんて聖剣士として失格だってわかってくれたから」

 「ケルディオ...ありがとう、来てくれて本当に嬉しいよ!」

 

 まだ子供ながらも聖剣士としての使命を帯びているその姿勢は出会った頃から変わりなかった。

 ベルはそんな彼の友達想いに心を打たれ...涙目になりながら思わず抱き締めた。それにケルディオは恥ずかしがったりなどはせず、前足を背中に回して抱き返すのだった。

 

 その様子にリューは静かに泣き、つられて春姫も目尻に涙を浮かべている。

 ルノアも微笑んでいたが...すぐに目付きが変わり、黒いメガレックウザを見据えた。

 

 「さーて、感動のシーンもそれくらいにして...そろそろクライマックスといくわよ」

 「はい。ベル君、対抗手段を得たからには必ずレックウザさんを止めましょう」

 「ミュウツーからモンスターボールをいただきました。最後はゲットする方針で問題ありません」

 「うん、わかった!皆、ここが正念場だよ!」

 

 ベルが鼓舞すると、ポケモン達は鳴き声を上げて自らを奮い立たせた。

 ベルはメガリングとペンダントに埋め込んだサーナイトナイト。ルノアはメガグローブと髪飾りとなっているクチートナイト。春姫はメガチャームとチョーカーに付いているミュウツナイトYを手にする。

 

 「サナ」

 「あ、は、はい!頑張ってくださいね!」

   

 サーナイトはリリルカに一礼をしてテレポートするとベルの隣に立ち、春姫がボタンを押すとミュウツーが出てきた。

 それぞれのパートナーにメガストーンを渡して、準備が整うとパートナーとの絆を力に変えるためのあいことばを唱える。

 

 「僕とサーナイトの絆!POYONG!」

 「サナ...!」

 「私とクチートの絆!INTIMIDATE!」

 「クチ...!」

 「私とミュウツーさんの絆!M2DESCENT!」

 「あいことば、受け取りました」

 

 キーストーンとメガストーンが淡く光り輝き、3人との絆を確かめ合っているようだった。

 そして...キーストーンに指先が触れると更に輝きは増して、ポケモンに渡されたメガストーンが共鳴し始めた。

 

 溢れる光と光りが繋ぎ合わさって、メガシンカするための絆のエネルギーが増大していく。

 3体の頭上に黒いレックウザがメガシンカした時と同じ遺伝子を表す二重螺旋構造の虹色に輝くエネルギー体が浮かび上がっていた。

 

 「サーナイト!メガシンカ!」

 「サナァァアッ!」

 

 虹色に輝くエネルギー体をサーナイトは両手で掴み、胸元へ抱き締める。

 

 全身をエスパータイプを象徴するマゼンタ色の光りが包み込み、両腕に裾の尖った白い手袋が装着された。

 黄緑色だった足も白色となり、腹部から足にかけてのスラっとしていたドレスのような部分はぼわっと丸みを帯びる。

 胸のプレートが2枚に分かれ、後ろ髪がカールするのに合わせて目の横にある左右の耳部分が大きくなった。

 

 サーナイトはベルとの絆により、メガサーナイトにメガシンカした。

 

 「クチート!メガシンカ!」 

 「クチィ~~トォ~!」

 

 虹色に輝くエネルギー体をクチートは大顎で咥え込む。

 

 ハガネタイプを象徴する銀色の光が全身を包み込み、特徴的な後頭部の牙を持った大顎が湾曲した形状となってツインテールのように2つに分かれる。

 頭部から伸びる正方形の房が更に伸長して先端が二又となる。袴のような部分と手の袖のような部分の色が紫色に変色していった。

 

 クチートはルノアとの絆により、メガクチートにメガシンカした。

 

 「ミュウツーさん!メガシンカ!」

 「ハァァァア~~~ッ!」

 

 虹色に輝くエネルギー体をミュウツーは片手で掴み取る。

 

 元の細身な体がよりシャープ且つ小型、軽量化して、細く鋭かった目元が若干大きく丸みを帯びて瞳が大きくなっている。

 首にあった管は無くなっているが頭頂部にアーチ状の管が生じており、球体状となっていた手足の指先が楕円形のように紫色となっていた。

 長い尾も無くなった代わりに、後頭部から尻尾とよく似た器官が後ろ髪の様に靡いていた。

 

 ミュウツーは春姫との絆により、メガミュウツーYにメガシンカした。

 

 「すごい...あれがベルとサーナイト達のメガシンカ...!」

 「いいなぁ~!カッコいい~~!」

 

 メガシンカした3体を見て、リューとケルディオはおぉ~と同じタイミングで目を輝かせるのだった。




この作品でのミュウツーの出自は後々わかりますが、彼女と描写している通りミュウツー覚醒と似たような個体と思ってください。
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