ルノアお姉ちゃんは女主人公ポジ。どちらかといえばショウ。でも拳で語るからサイトウちゃんもあり。
幼馴染の子はライバルポジ。マリィちゃんポジに決まっとろうもん。
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その日の夜、ルノアの自宅に招かれたベルは夕食をご馳走してもらっていた。
尚、夕食を作ったのは家の主ではなく、一緒に住んでいる春姫だ。
ルノア本人も家事全般は出来るものの、料理の腕に関しては春姫が上だからとの事。
「どうぞ、ベル君。おかわりはありますから、沢山食べてください」
「何て言ったってアンタの好きなヤドンのしっぽカレーだからね」
「わぁ...!いただきます!」
ベルはルノアと春姫が見守る中、しっぽをスプーンで切り取ってカレーライスと一緒に一口食べる。
カモネギのネギの出汁で煮込んだヤドンのしっぽはトロトロになるまで柔らかくなっており、口の中に広がるバターや香辛料の効いた味に舌鼓を打つ。
アンタの為に愛情込めて春姫が作ったんだよ?、とルノアが茶化して言うと春姫は照れながらポフィンも持ってきますね、とそそくさキッチンへ向かった。
それを不思議そうに見送りつつ、再び目の前の好物に向き直って食べ進めるベル。
ヤドンのしっぽカレー以外にも新鮮な瑞々しい野菜やきのみで作られたサラダ、ケチャップを添えてあるボイルされたヴルスト、カモネギのネギの出汁で作られた汁物など、これでもかという程春姫の手作り料理がテーブル一杯に並べられていた。
そのどれもが美味しいため、ベルは満面の笑みを浮かべながら夕食を楽しむのだった。
ちなみに、3人のポケモン達も春姫が用意してくれたポフィンをそれぞれが好みとする味を選んで満足していた。
エースバーンとバンギラスは一気に5個と10個と食べていたので当然ながら喉に詰まらせ、
「ふぅ...ごちそうさまでした。とっても美味しかったよ、春姫お姉ちゃん」
「お粗末様でした。喜んでいただけて嬉しいです」
お腹いっぱいになるまで夕食を食べ終えたベルは手を合わせて満足そうに呟く。
その感想に春姫も嬉しそうに微笑みながら食器を運んで行くのだった。
そして、夕食を食べ終えて少しのんびりとした時間が流れる中、ルノアはベルにある事を話し始めた。
「そういえばアイツ、オラリオに行ったみたいだけど?」
「アイツ...あ、うん。昨日、手紙が届いて...」
迷宮都市オラリオ。
世界の中心と称されておりダンジョンと呼称する地下迷宮を保有し、世界中からあらゆる種族が集まる都市だ。
その理由の大半は神々から恩恵を授かり、冒険者となって自身が抱く願望を叶えるためとされている。
ベルとルノアがいうアイツとはベルの幼馴染の事であり、彼女がそこへ行っているという事だった。
その話を聞いたベルは驚きと同時に、ポケモンマスターとなる事以外にもう1つ目標を立てる事の要因にもなっていた。
「おっと...じゃあ、ベルもオラリオに行くって事?」
「え...?そ、そうなのですか...?」
洗い物を済ませ、ベル達の所へ戻ってきた際にルノアから発せられた言葉を聞いて春姫は耳をピンと立てる。
頷いてから、真剣な表情でルノア達に自分の思っている事を語り出すベル。
「うん。ここで村の皆が認めるポケモンマスターになっても、それは...
僕が目指してる目標とは違う気がするんだよ。本当のポケモンマスターになるには...」
そこまで言うとルノアと春姫は、ベルが最後に言おうとしていた事を察した。
彼女に認めてもらってこそ、初めて本当のポケモンマスターになるんだ、と。
それならやるべき事は1つ。お互いに顔を見合わせて頷き合うと、ある提案をする。
「じゃあ、私も春姫もついて行こっかな!」
「はい。ベル君をサポートしてあげたいですから、私もお供します」
唐突な申し出にベルは驚きつつ、2人を気遣って村での仕事はどうするのかと聞いた。
ルノアは村で右に出る者は居ない程、木こりとしての腕が立ち、春姫もポケモンブリーダー兼ドクターとしての実力は十分にあってポケモンの接し方に関しては指折りである。
それなのに、どうして付いて行くのか?と不思議がるベルに2人はそれぞれの意思で答える。
「私以外にも人手はあるんだし、大丈夫だよ。
それに...ベルが本当のポケモンマスターになるのを見届けたいからね」
「私も同じくです。ベル君が追い求めていた目標に辿り着く瞬間を逃す訳にはいきません。
ですから...ベル君に付いて行きます」
「春姫お姉ちゃん、ルノアお姉ちゃん...」
2人が自分のためを思ってくれて付いて行くと言ってくれている。
それを知ったベルは嬉しく思いながら、同時にその期待に応えたいという気持ちが湧き上がってきた。
ベルの心に芽生えた新たな目標は確率した。しっかりと向き合うと決めたからに違いない。
すると、ポンッと肩に緑色の手が乗せられたのに気付く。サーナイトだ。
テレパシーで、マスターである貴方の行く所、私達も何処へだって付いて行くのでご安心ください、と告げた。
その後ろに居るエースバーン達も、当然とばかりに笑みを浮かべる。
「ありがとう...ありがとう、皆。本当に...嬉しいよ」
ベルは改めて春姫とルノアに向き直り、2人にも感謝しながら頭を下げた。
その返答を聞いて、2人も喜んで笑みを浮かべるのだった。
「そうか...オラリオに行くのならベルよ。今のままではダメだとわかっておるな?」
「うん。皆と一緒に特訓して強くなるよ!負けたくないから」
「...それでいい。ベルよ、お前が挑む相手も今以上に強くなっているはずだろう。
オラリオに辿り着く前に己を磨くのを怠るんじゃないぞ?」
帰宅して春姫達と話した事を祖父に伝え、優しくも厳格に言いながら念押しされてベルは頷いた。
知らぬ間に逞しくなっているベルに祖父は目を細めると、頭にポンッと手を乗せて軽く撫でてやった。
その後、入浴を済ませて祖父におやすみなさいと言ってからベルは自室へ入り、欠伸をしながらベッドへ潜り込む。
今日は少し冷えるため、絶対に毛布を離すまいと全身を包むように掛けていると、モンスターボールからサーナイトが出て来て驚いた。
「サ、サーナイト...?」
「サナ...」
それに構う事なく、サーナイトはベルの頭を痛くないようゆっくりと撫でながら微笑む。
驚きから戸惑いに変わったベルだが、撫でられた事で戸惑いも薄れていき最終的には心地良さに瞼を段々と閉じていく。
数分もしない内にすぅすぅとベルは寝息を起てて、寝入ってしまうのだった。
それを見て安堵するサーナイトは撫でるのを止めて、ボールへ戻る...かと思いきや、スッとテレポートでベッドの上、それも器用にベルの隣に添い寝をする。
そして、ベルの頭を撫でながら自身もゆっくりと瞼を閉じていくのだった。
「バスバース!」
「ミミッ!ミミミミッ!」
その途端に2つのモンスターボールがサーナイトの時と同様に勝手に開く。
出て来たのはエースバーンとミミロップで、サーナイトだけズルイ!と言わんばかりに2匹も毛布の中へと潜り込んでいく。
図で表せば、ベルの右側にサーナイト、左側にエースバーン、そしてベルに乗りかかるようにミミロップが寝そべっている。
ベッドから誰もはみ出してはいないものの窮屈には見えるが、3方向からの温もりがベルを包みこみ、一瞬だけ醒めそうになっていた意識は今度こそ深い眠りへと落ちて行くのだった。
尚、翌朝になって寝ぼけたエースバーンがミミロップを引っ張ってそのまま床で寝ていたのは別の話。
毛布が無くなったベルはサーナイトに抱き着いて風邪は引かなかったそうだ。
ちなみに...バンギラスとスピアーは3匹の行動を知る事もなく爆睡していたという。