魔力無し / 転生そして転移
【魔力無し】
ありふれたお話。
何気なく続いてた日常。それが突然、正体不明の怪物により崩れ去り、まるで免疫反応のように現れる対抗勢力の存在。
この世界もまた、ありふれたお話の一つ。
某日の深夜。
夜の帳が下り、人々が明日の日常に迎えようと寝静まるなか『ソレ』は日常を侵食して喰らおうとしていた。
『鄂ョ縺?※縺?°縺ェ縺?〒?溘◆縺?縺願ゥア繧定◇縺九○縺ヲ谺イ縺励>縺ョ』
「━━っ来ないで!来ないでよぉ!!」
少女にとってはなんてことない、ちょっとした親子喧嘩だったはずだ。母親の厳しい教育にうんざりして反抗して言い合いになり、喧嘩して家出。少し気持ちが落ち着いたら、また家に戻ろうと思ったら
『螳カ蜃コ?溘♀豈阪&繧薙??』
「やだぁっ、やだああ!!」
明らかにこの星に属さない異形な『ソレ』は、不快な臭いを放つ肉片を地面に擦り付けながら赤子のように這いずって少女を執念深く追いかけている。少女もかれこれ数十分は隠れたり走ったりしているのに、景色が変わらない。
無限ループのように続く景色や追いかけてくる異形に少女の精神はとうに限界を迎えていた。
「あうっ!?」
深夜の心許ない街灯なのも相まって何かにつまずいてしまい勢いのまま硬い地面に体を打ちつけてしまう。まともに受け身も取れずに痛みに涙を流しながら振り返る。
『縺ゅ▲縲∝暑驕』
「…ひっ!?」
地面に横たわっていたのは、少女と同じくらいの年頃と思しき肉塊。もはや性別も判別できないほど酷く腐っていた。さらには異形がその肉塊を大事そうに抱えたかと思うと、体に貼り付けた。
比喩表現ではなく文字通り体に貼り付けたのだ。体に貼り付けた肉塊は蠢き、少女に手を向けながら異形に取り込まれた。
少女はその光景を見て、己の末路を悟った。
『蠢??縺励↑縺?〒縲∝菅繧ょ暑驕斐↓縺ェ繧後k?』
「………さん」
異形は少女に手を伸ばす。
『縺ソ繧薙↑蜆ェ縺励>縲∵・ス縺励¥縺ェ繧九h』
「……あさんっ」
口を大きく開けて黄ばんだ小さな歯が見える。
「お母さんっ!助けt」
『蜷帙b莉頑律縺九i』
哀れ、少女の言葉が最後まで紡がれることは無かった
はずだった。
ブチュン!!!
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「また?」
「またキュ」
とある学校の放課後の屋上に3人の少女とこれまたこの星には属さないファンシーな見た目の生物が一匹。
「最近多いですね、何者かが一切魔力の痕跡を残さずに『魔物』を討伐している現象」
「別にいいことじゃないの?」
「駄目です。例え善意であっても政府の許可なく『魔法少女』の力を使うのは法に触れかねません」
上から順に、薄く緑がかったポニーテールのおっとりとした雰囲気の3人の中ではやや背も胸も大きい少女「
「キュー、めんどくさいシステムキュね」
あと、ウサ耳が生えてる少女の顔ぐらいの大きさの可愛らしい「妖精」と呼ばれている一匹がいる。
「私たち魔法少女を守る大切な決まり事です。もし一般人や建物に被害が出ても訴えられないのはそのためです」
「はえ〜、だから色々と吹っ飛ばしても大丈夫だったんだ」
「あの勝子ちゃん?1番最初に説明されてるはずですけど…」
「ありゃ、そうだっけ。えへへ……で、本当に魔力の痕跡が無いの?レーちゃん」
「レーちゃんではなく玲美です。はい、妖精と共に現場に何度か向かいましたが魔物の残骸以外は発見されませんでした。通常であれば、魔法を行使した際に残る残留魔力があるはずなのですが」
「それが一切なかったキュ。魔物は僕たち妖精の技術の結晶、君たちに分かりやすく言えば《変身アイテム》が無ければ倒せないキュ。現代兵器はせいぜい目眩しや足止めにしかならないはずキュ」
魔物
この世ならざる不可解な異形の総称。世界中で行方不明者の数が急増したある日に出現したモノ。総じて人に積極的に襲い掛かり命を奪い去るため各国は早々に軍を動かしたものの人類の敗北を歴史に刻むだけで終わった。
そのまま人類滅亡かと思われたが、それに対抗するように現れた妖精の助力により人類は反撃の手段を手に入れた。
魔法少女
妖精がもたらした変身アイテムを使うことにより人は未知の力《魔力》を自在に操作できるようになり、瞬く間に魔物を殲滅していき人類滅亡を回避することができた。
だが現在もなお戦いは続いており、魔物の出現パターンやある程度の習性や種類は判明したものの根本的な解決には未だ至ってないのが現状である。
「ですが、目撃者は居ました」
「まあ!」
「ほんと!?どんな子?リコリコみたいな胸が大きい子?それともレーちゃんみたいにぺったんkぶえっ!?」
失礼な物言いをする勝子のおでこに強めのデコピンをして黙らせる玲美。眼鏡をくいっと動かして気持ちを落ち着かせる。
「目撃者は家出した少女。魔物が作り出した結界に迷い込んだところ件の人物に助けられた、と」
「結界……少なくともBランクはある魔物ですね」
「厄介だよね。自分ルール押し付けてきてやんなっちゃう」
「家出少女が危うく魔物に捕まるところを件の人物が上から踏み潰したそうです」
「ふみ、え?巨人か何か?」
「いえ、私たちと同じ少女のようです。ただ痩せ細って全身が真白の赤色の目をした少女だそうです」
「やっぱり魔法少女じゃん!」
「ん〜〜〜キュ」
「何か気になることが?」
梨花が何か悩んでいる様子の妖精に聞くと、少し言うか迷った様子で口を開く。
「みんなは結界に入るときどうするキュ?」
妖精が質問すると3人は顔を見合わせる。
「叩いて開ける」拳を鳴らす
「結界に結界をぶつけます」自慢げに大きな胸を張る
「高密度の魔力で粉砕します」眼鏡クイッ
「脳筋キュ……」
妖精は激怒した。
必ずこの脳筋少女どもに高度な魔法操作を叩き込むことを決意する。
「みんな魔法を使ってるキュね?なのに現場周辺の何処にも残留魔力が無いキュ」
「あっ!そういえばそうじゃん!何で?」
「………まさか」
何か思い当たった梨花はスマホを操作して全員に見せる。
「これ、最近噂になってる《人工魔法少女》の記事なんですが」
「それは都市伝説では?」
「なんだっけ……魔物の死体を使って人体実験うんたらかんたら」
「はい、私も都市伝説の部類かと思ったのですが、リーク情報があちこちから出回り始めてそれも何の警告も無しに消去されたりときな臭くなって少し調べたのですが。これ、消去される前に撮ったのですが」
スマホをスクロールして一枚の写真が画面に映る。
「これは…」
「なに、これ」
「……………キュ」
リークされた写真。
暗い不衛生な檻の中に少女たちは居た。しかし、少女たちの体は管に繋がっており力無くベッドに拘束されており、中には体の一部が魔物の死体を使ったのか異形になっている。
少女たちはそのショッキングな写真に絶句し、妖精は悲しげに口を紡ぐ。
「もちろん、この写真はよく出来たフェイクかもしれませんが、気になるのは写真の奥に映っているこちらを睨む少女です。先ほどの件の少女の特徴に似てませんか?」
「確かに当てはまりますが、なるほど魔物の身体能力ならばあるいは…」
「なんか……凄く嫌な感じだね…」
「キュー、その件は僕の方でも調べてみるキュ。君たちも調べるのはいいけど気をつけるキュね」
陰鬱な空気になったところで3人の携帯が一斉に鳴り響く。それを意味するのは政府から魔物の出現を知らせる避難命令だ。
3人の少女の顔が引き締まる。
「場所は?」
「近場の廃校」
「すぐに向かいましょう!」
3人は懐や鞄から、あるいは身につけている物を構える。
「「「
勝子はベルトを、梨花は手鏡を、玲美は腕時計を身につけて体が光に包まれ一瞬で姿が変わった。
その姿は魔法少女と呼ばれるのに相応しい華やかで愛らしい姿である。勝子は拳や格闘をメインにしているため全体的に赤色の戦士のような格好。魔法少女名「ブラッドサンシャイン」
梨花は結界と回復、その他の支援系魔法を得意とし緑色のドルイドのような格好。魔法少女名「クロスロザリオ」
玲美は精密な魔力操作により強力な魔法を行使できる、青色を基調としたとんがり帽子と3人の中では1番魔法少女みたいな格好だ。魔法少女名「シルバーグラス」
「よし、行くよ!」
「ここからなら転移で行けますね」
「なら、2人とも手を出して。飛ぶよ」
「キュ!3人とも気をつけてキュ!」
3人はお互いに手を重ねて、魔力を集めてシルバーグラスが転移をしようとすると。
「あっ、ごめん。魔力送りすぎた」
「あら、じゃあまた…」
「あなた何度言えば!」
シルバーグラスが怒鳴る最中に3人の姿は消えた。
過去の魔物襲撃により廃校になった、その遥か上空が発光と同時に魔法少女たちが現れ、重力に従い落ちた。
「あなたは落下死の願望でもあるのですか!?」
「いやー、そう言うわけじゃ無いんだけども〜」
「それよりも、2人とも着地の体勢を取ってください!大地よ、樹木よ!私たちを受け止めてください《
クロスロザリオが落下の風圧に耐えながら杖を地面に向けて魔法を放つ。杖から放たれた魔法は地面に着弾し、植物が急成長していきやがて廃校をも超える樹木になり先端の枝が傘のように広がり魔法少女たちを受け止めるべく葉が生い茂る。
「
「
「
三者三様のやり方で身を守り樹木に着地した。
役目を終えた樹木は地面に吸われるように縮んでいき消滅した。
「2人ともお怪我は?」
「大丈夫!」
「問題ありません。早く行きましょう」
3人が足早に廃校に入って行き魔物を探すが、言いしれぬ違和感があった。
「ねえ、なんか綺麗すぎない?」
「まるで誰かが生活していたかのようですね」
「ホームレスでしょうか?」
「魔物の脅威もあるためそれは無いかと思いますが、油断せずに…ブラッド?」
「━━━━━ッ」
教室の中を覗いたブラッドサンシャインが口を手で押さえて顔を青白くして震えている。
「ブラッド?どうしたのです、か…」
「……2人とも、何が」
続いて2人が覗いて絶句。
教室の中は、かつての子どもたちが勉学に励んでいた面影がなく、机や椅子は原形が分からないほど壊されて教室の隅に押しやられている。その中央に彼女は居た。
「……ジュル…ンク、あぐっ、チュウウウ……ゴクン」
恐らく廃校に出場した魔物なのだろう。
見るも無惨に全身の皮膚を引き裂かれて教室に黒紫色の液体を撒き散らしている。まだ息があるのか時折手足を痙攣させている。
そして、魔法少女たちに背を向けて魔物にナニカしている《真白の少女》。
「……ぁ、ここでぼーっとしてる暇はありません。彼女に話しかけましょう」
「え?ああ、うん。そ、そうだね。どんなぱいぱいなのか気になるし」
「冗談を言っている場合ではありません!」
いち早く気を取り直したシルバーグラスが小声で話して、慎重に教室の扉を開ける。真白の少女はナニカの作業に夢中になっているのかこちらに気付く様子はない。
そのまま驚かさないようにゆっくりと近づき肩に手を置く。
「ねえ、あなた」ジュ
「んぎゃぴ!!?」
真白の少女の突然の奇声に驚いたシルバーグラスが肩に置いた手を離す。謝罪を口にしようとする前に視界が大きくぶれた。
「シルバー!?」
「ブラッド!前を!」
(………?なに、が?)
シルバーグラスの視界はいつの間にか天井を映している。仲間の焦った声が気になり体を動かそうとするが、腹部に今まで感じたことのない痛みと取り返しのつかないことが起きているのか体が動かない。
「シルバーちゃん!大丈夫ですか!?」
「━━━ッァ、……くぅぅ」
「無理に喋らないでください…!お腹失礼します!」
駆け寄ったクロスロザリオがシルバーグラスの服をまくり直接触れないように手をかざして魔力を通して容態を確認する。
「そんなっ!あの一撃だけで内臓破裂っ!?大丈夫です、すぐに治します!!」
(内蔵…破裂…!?魔力は、感じなかった、はず……)
今までにない深刻な状態と自身があの少女に殴られただけで重傷になった事実に混乱する。クロスロザリオの治癒魔法により痛みが和らいでいき、ふとブラッドサンシャインが居ないのに気付く。
「クロス……ブラッド、はっ?」
「ブラッドは今、中庭で睨み合っています。あの子…魔力が無いはずなのにブラッドを素手で殴り飛ばし、私も咄嗟に無力化しようと攻撃しましたが効果はありませんでした」
「だったら、私も、すぐに…!」
「まだ傷がっ!」
「あなた、噂の魔法少女でしょ!」
「「えっ?」」
教室の外からブラッドサンシャインの大声が鳴り響いた。
「は?」
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【転生そして転移】
時は遡り、ある日、ある夜、ある都市部に、1人の人間、いや1匹の『吸血鬼』が異世界から帰還(強制)した。
高層ビルの屋上から地上を見下ろしている彼女は今。
(ふっっっっっざけんっっなあああぁぁあぁあああ!!!!??!?!!)
過去最高にぶちぎれていた。
(いやいやいやいや、なんで?なんで?俺はさっきまで自宅の周りをぶらぶらと散歩してたはずなのにぃぃ!!?それが何でまばまききした瞬間に現代の!日本に!しかも都会のど真ん中に!飛ばされるんだよちくしょおおおおおおお!!!俺の至福のニート生活を返せええええええええええ!!!!)
ふう、吸血鬼生n回目の発狂して落ち着いたわ。
ん?なに?俺はただの一般吸血鬼だが?名前?知らん、忘れた。1000年も無駄にしぶとく生きてたら前世は男だった以外はほとんど忘れるよ。
いやしかし困ったなぁ。今更現代の日本帰ったところでなぁー。戸籍もねえ、金もねえ、記憶もないから家族も分からねえ、詰みだわ。さらにダメ押しで今の俺は少女体型+吸血鬼だから気軽に声をかけることも出来ねえ。
しかも自宅にあった物を失ったのも痛い。せっかくいい感じに作った血袋やまだ読んでない魔導書っぽい本とか、何より血風呂に入れないのがなぁ〜〜〜。体調管理に気をつけてなきゃいけないし、現代じゃ再現できないのが、いや倫理観を無視すれば行けるけど流石にネット社会でバレたら吸血鬼狩り待った無しになるし。
まだ渇いてないからいいけど、それもいつまで持つか……ん?
現代の日本で感じるはずのないモノを感じ、地上を見る。
普通の人間なら粒にしか見えないが吸血鬼の視力なら問題なく1人1人はっきり見える。
あの子ども、コスプレ……にしては完成度が高すぎる。質感も本物の鎧に見えて、しかも魔力がある。
ありえん、ほとんど忘れた俺でもかつて生きてきた日本はあんな子どもは居なかったはず、しかも1人2人じゃない、周りを見渡しただけでも複数人いる。
気になるな、ちょっと覗いてみよう。
吸血鬼は魔力を持つ不思議な子どもに興味を持ち、より詳しく見ようと魔法を発動させた瞬間。
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
街中から警報のような音が大音量で鳴り響く。
(は?なにこれ警報?なぜっ━━いやまずい、まずいまずいまずい!!!なんかすごい魔力が真っ直ぐ来る!?)
吸血鬼は全力で逃走するために自身に三重の魔法をかけた。『魔力隠蔽』『姿隠し』『音殺』1000年生きるのに大いに役に立った魔法、吸血鬼自慢の全力逃走コンボだ。
吸血鬼は目の前まで迫ってくる魔力から逃げるため躊躇なく屋上から飛び降りた。普通の人間ならそのまま地面のシミになるが、仮にも1000年も生きている吸血鬼だ。
ビルの壁を思いっきり蹴って付近の建物の屋上に無音で着地してそのまま飛び移りながら逃げきった。
(………ここまで来れば流石に大丈夫か。周囲にそれらしき魔力も無い)
路地裏の空のゴミ箱に身を隠し、数百年振りの緊張を解く。今ならずっと前に止まったはずの心音も聞こえてきそうだ。
あの警報、私が魔法を発動させた瞬間に鳴った。それ即ち私の魔力を探知する何かがあるはずだ。思い返せば1つ心当たりがあるな。
ビルの屋上に置いてあった棒状の先端に丸く平たい物。しかも逃げる途中に同じような機械が建物1つ残らず残らず設置していた。
考えたくないが、あれがある限り下手に事を起こせばまたあの大きい魔力に見つかりかねない。面倒な!!
『魔力隠蔽』その言葉通り私の持つ魔力を他者に探知できないようにする魔法。精度は完璧、異世界に居た吸血鬼狩りキチ集団から逃げきれたから見つかることはない。
ただ欠点として攻撃魔法や魔力を多く使う魔法は使えない。常時隠蔽し続けると魔力が乱れて見つかる可能性が上がる。
吸血鬼はゴミ箱から出てきて人の気配が無い場所を探す。
『姿隠し』『音殺』もあくまで一時凌ぎだから早いところ身を隠す場所を探さねば。今は……あの廃校でいいか。
廃校を仮拠点にして数日経って分かったことがある。
・なんか異世界でも見たことある魔物がちらほらと日本を跋扈している。
・そして、それを討伐するために少女たちが不思議な道具を使って変身して戦っている。
・初日に気になったあの機械、やはり魔力を、それも魔物がだす魔力を探知して警報を鳴らしているみたいだ。
うーん、もしやと思うが異世界の魔物が日本に流れ込んでいるのか?私もそれに巻き込まれた、いやでも600年もほぼ引きこもってたから魔物側の事情も分かんねえしな〜。
まあこの辺りは考えてもしょうがない。今はこの渇きをどうするか考えなきゃ。
吸血鬼の特性上、人間みたいな食料は要らないけど、血は欲しい。特に人間の血。あまり渇きを我慢しすぎると前世持ちの俺でも見境なくなってやらかす。我慢は良くないね!(n敗目)
「……ガァッ!!」
「チュッ━━━」
あらら言ってるそばからネズミを引き裂いちゃった。吸わなきゃ。
こりゃやばいな、すぐに対策を考えなければまたゲリラ血祭りを開催してしまう。
今思いつく候補としては4つ。
・病院に忍び込んで献血を盗んで吸う。
・野生動物をちまちま吸う。
・魔物をぶち殺して吸う。
・倫理観なんて知らん、適当に居なくなっても問題ない人間さらって血袋にする。
うん、最後はよっぽどの事がない限りやめておこう。病院の献血は時間経ってるし冷凍食みたいにあんまり美味しくなさそう。野生動物もあまり期待できない、現にネズミの血美味しくない。おえっ!
やっぱ魔物ぶっころ一択かぁー。
まあね、異世界でも人間の集落が見つからなかった時に非常食にしたことあるししゃあない。ついでに魔力も吸えるから一石二鳥よ。
ただ中にはクソマズもいてマーライオンしたこともあるからやっぱ人間が1番なんだけどね。
というわけで
『オ、オマエ!オ、オデト同ジ魔族!?』
「恨みはないが食料になってくれ」
『フ、フザケ━━━━』
豚顔のゴリラの首が落ちる。
よし!(現場猫)
さっさと血を吸い取ってあの魔法少女っぽい子たちが来る前に逃げるぞ!
こうして渇きの問題はある程度は解決した。
だいたい一月くらいそうやって過ごせば現代の日本も悪くない。何より異世界よりも圧倒的に娯楽がある。ゴミ箱漁れば色々と発掘できて退屈しない。住んでる場所が廃校じゃなければな!!
私は平穏に過ごしたい!自分の部屋に引きこもって好きなだけ血を吸いたい!好きなだけゲームしてえ!何よりやっぱり血風呂に全身浴したいぃぃぃ!!!
はっ!
いかんいかん、心の余裕ができるとすぐ欲が増える増える。そろそろちょっとした血袋でも作って拠点探しをするべきだな。
まあ今は目の前ののこのこと現れた魔物もどきの血を吸ってジュ
「んぎゃぴ!!?」
突然左肩に熱湯をぶっかけられたと錯覚するほど熱と痛みに吸血鬼は驚いて背後の存在を振り向きざまに横殴りする。
(油断した!!!魔法少女だと?いつのまに……!?)
振り返れば赤緑、殴り飛ばした青の3人魔法少女がいた。
(やることは先手必勝!そして、逃げる!)
「シルバー!?」
「ブラッド!前を!」
「ガァアーーー!!!」
赤に突撃して殴り飛ばす。
鳩尾を狙ったが勘がいいのか後ろに飛び、両腕で吸血鬼の拳を防いだ。ただ衝撃は殺しきれずそのまま教室の壁を突き破って中庭まで飛ばされる。
「ブラッド!!くっ、『
(破れかぶれの攻撃なんざ!)
緑が杖で攻撃してくるが、軽々と受け止め
(いやちょ、おんっっっっも!!?てかこれ結界で殴ってきてんのかよ!?使い方違うだろ!教えはどうなってんだ教えは!?クソッタレ!ていうかアカン。まともに防御魔法貼ってないから腕が折れる!今ダメージを貰うのは非常にまずい、クソが!俺も中庭に飛ぶぞぉぉぉ!!!)この間0.6秒
踏ん張らずそのまま杖の攻撃の勢いを利用して中庭に目掛けて飛ぶ。なんとか腕の骨折を回避したが中庭には赤いのがすでに復帰して待ち構えていた。
(ちっ、どうする?逃げるにも相手がどんな力を使ってくるか分からんから迂闊に動けん!おまけに…)
「ゥゥヴ、クァァ……!!」
「………」
(ええい、なんで怯えないどころか表情一つ変えないんだよ!逆に怖いわ!)
赤いのに牙などみせ迫真の表情で威嚇するも効果がない。それに背後の教室から治癒魔法を使っているのに気付いて尚更時間をかけれない状況に吸血鬼はもう魔力隠蔽を解いて潰そうと決意しかけると。
「………ねえ、1ついい?」
(構えを解いた?何が狙いだ……!)
臨戦態勢を解いた赤いのに警戒心を強めると赤いのは深呼吸して
「あなた、噂の魔法少女でしょ!」
廃校に鳴り響くほど大声で、さらに笑顔で指差しでそう聞いてきた。
「は?」
何言ってんだこのガキンチョ?俺はただの吸血kちょおい待てこら!こっちに近寄るな!やめろぉぉぉぉぉぉ!!!!!
名も無き一般吸血鬼
年齢:1001歳
身長:155㎝
体重:非常に軽い
特長:生気を感じさせない白い肌・赤い目・真白の髪・ちっぱい
性格:自己中・引きニート・僅かばかりの倫理観
能力:1000年生きてる割には弱い・.初見殺し特化・負けそうになると全力で逃げる・一応血を使った業が使える
現在判明している弱点:シルバーグラスの手
本人コメント:家に帰して