やる気がスロースタータで本当に申し訳ない。
【ゾンビなお客様?】
魔法少女の愛らしい仲間こと妖精。
人類が突如空間に現れた『穴』から出てきた魔物に追い詰められ、いくつかの国が陥落寸前の時にさらに現れたのが妖精である。
人類は当初、新たな魔物が現れたと大パニックなったがそれはすぐに収まった。
なぜ?
人類の希望、魔法少女が爆誕したからだ。
魔法少女の活躍によりほぼ地表から魔物を消し去った。
だがそれでも『穴』の出現を止めることはできず100年以上、戦いは続いている。
そして
なぜ女性しかなれないのか?
それは妖精が♀しかいないからだ。
魔力のマの字も知らない素の肉体にいきなり魔力を突っ込んでもアナフィラキシーショックで死ぬ。
故に妖精が自身の肉体と魔力を削って作った『魔法の種』を用いて、それで少女の強い願いや感情が魔法の種と結べば発芽して専用の変身道具になる。
変身道具により肉体に上書きするように妖精の肉体、魔法少女の体が構成されてそこに意識を移すことにより魔法少女へと変ずる。
この魔法の種は妖精の肉片を元に作られたので妖精と同じ性質を持つ。負の感情を嫌い、同じ性別でないと魔力を譲渡できないのである。
こうして人類は忌々しいほどしぶとく滅びずに済んでいる。何もできず人類滅亡という未曾有の危機を解決しては無いが先延ばしにできただけでも大金星なので妖精は人類に快く迎え入れられた。
魔法少女のサポート
魔物の情報提供
魔法の研究や開発
企業との連携
アイドルデビュー(?)
などなど、他にもあるが割愛。
ともかく人類と妖精は手を取り合ってよろしくやっている。
「………暇」
このだらけている全体的に薄茶色のクマさんのテディベア人形の妖精も療養中の少女と店番をしている。
「ひ〜〜ま〜〜!」
なぜ人形なのか? 一言で密猟対策。
確かに皆が想像する妖精の容姿は某夢の国のテ◯ンカーベルと同じようなものである。
この世界の妖精は見る人によっては【可愛らしい羽のある小人】か【視界にも入れたくない醜い虫】に見えたりと個人差が酷い。
初代女王が掛けた呪いのような魔法の作用であり、良き心を持つ者は前者、悪しき心を持つ者は後者となっている。
ただ判断基準は今は亡き初代女王なのでかなり厳しい。
初対面でほとんどの人間が後者の虫に見えてしまい、これでは協力どころではないと焦った5代目女王が咄嗟に近くの人形に入ったことから始まりである。
「なーんで誰も来ない店で店番なんかしなきゃいけないのよーーー!!もぉーーーー!!!」
全身でジタバタと不満タラタラのおよそ50cmのテディベア。
近くに封印中の虫で埋め尽くされた街があるので仕方ない。みんな引っ越す、作者も引っ越す。
「ねぇ〜え!ナーナーコォ〜!!」
「仕方ないよ。お婆ちゃんがここに居たいって言うから」
またの名を魔法少女『クラッキーラッキー』
現在は母方の祖母の実家で療養中。
祖母の実家はお菓子屋さん。少々古びてるが毎日、菜々子とテディベアが掃除してるので綺麗だ。
「暇なら相方の『パルパンク』に会いに行ったら?」
「あの子、私の扱いが雑すぎるのよ!洗うからってこの私を洗濯機に服と一緒に入れるやついる!?」
「それは私もどうかと思うけど…」
「ベァ〜……」
力無く項垂れるテディベアを横目に椅子に座り直して小説『黒妖精の奔放編』の続きを読む。
「………あし」
「…ん?」
「足、どうなの?」
「……少し、痛い」
「そう。役立たずでごめんなさいね…」
「ううん、いいの」
今だに右足の内側から焼けるような痛みが続いている。原因は2ヶ月前の戦闘で魔物が死に際に放った妙な魔法。すぐに治療や精密検査してもらうが異常は無し。
その後の1週間は何事もなかったが、何度も戦闘を繰り返していくうちに足が異様に腫れて身動き一つ取れなくなるほど高熱と激痛に襲われた。
異変に気づいた菜々子の家族が妖精病院に連絡して治療を施すが腫れと痛みを和らげることしかできなかった。入院の手続きをしようとしたが昨年祖父が亡くなったのを思い出した菜々子の要望で祖母の実家で自宅療養することになった。
「面倒ね、呪いって」
「そうよ。とぉっっっっても!!面倒くさい古い古い埃被った魔法よ」
魔法の原型と噂される『呪法』。
詠唱や知識を必要とせず、ただ強い執念や想いだけで実現する。
魔法と違い非常に不安定なうえ対価として寿命や魂を削る危険な物だったのですぐに廃れた。
だが一部力無き者が藁にもすがる想いで呪法に頼り身を滅ぼしながら他者を呪い続ける。
例え使用者が命を落としても、いや、命を落としてからこそ執念が深まり呪い続ける。
明確な治療法は確立されておらず、今は時間経過による自然治癒を待つしかない。
「パル、元気かな?」
「前見たけど臨時の新しいパートナーと四苦八苦してるわね」
「視野狭いからね、パルは」
「新しいパートナーの子もすぐに斬りかかる問題児みたいね」
「似たもの同士ね。頭痛くなるわ…」
「ね、ベァ〜ア!じゃ、散歩に行くわ。貴方はいつも通り本の虫になってればいいわ」
独特な欠伸をしながらテディベアはレジから飛び降りて入口に向かう。
「分かったわ、気を付けてね」
「ふん!今のへっぴり腰のあなたよりこのキューティーな……ふぇ?」
再び小説の続きを読もうとするが、テディベアが動かないことに不思議に思い顔を上げると
「ギャー!!!ゾンビーーー!!!」
「縺ッ縺ゑシ?シ溷、ア遉シ縺ェ?√◆縺?縺ョ蜷ク縺」
「『
「縺、縺阪▲縺ヲ縲√←繧上≠縺ゅ=縺√=??シ?シ」
何故か魔法をぶっ放していた。
「え?あ、あの何してるの!?」
突然の事態に立とうとするが右足が痛み顔を顰める。
「菜々子すぐに魔物対策に連絡して!!ゾンビがふぎゅうー!!?」
「縺翫>繧エ繝ゥ繧。??シ溘>縺阪↑繧雁ョ「莠コ縺カ縺」鬟帙?縺吶→縺九←縺?>縺?コ?ヲ九□??シ?シ」
テディベアの頭を鷲掴みにして顔のほとんどを包帯を巻いた少女が怒鳴っている。
「あ!あの!待って、お願いだからちょっと待ってください!!」
何が起きてるか分からないが、とにかく止めなければならない。近くに置いていた松葉杖を手に取りなんとかテディベアと少女の近くに行く。
「縺ゑシ?シ溘♀蜑阪?縺?窶ヲ窶ヲ譚セ闡画摶」
「むぐぐぐ!!!」
「あの、私の妖精が大変失礼致しました!慰謝料や治療費は払いますので、どうか手を離してください。お願いします!!」
「………」
「むぐぅーー!きゃっ!」
謝罪を受け入れたのか少女は手を離した。
そして、頭を下げていた菜々子の肩を押して頭を上げさせる。
少女の手は服越しでも分かるほど冷えていた。
「驥代?隕√i繧薙h縲ゅ■繧?▲縺ィ繧ォ繝?→縺ェ縺」縺溘□縺代?√◎繧後h繧雁セ後m縺ョ縺願藷蟄舌?雋キ縺医k?」
「………えっと?」
少女の声は非常に掠れてるのに加え、絞り出すようにか細くガラガラ声で喋るので何を言ってるのか全く聞き取れない。そもそも日本語なのかも怪しい。
「…本当にすみません。何を言っているのか聞き取れませんので、よろしければ、えっと、ティア!レジの棚からノートとペン持ってきて!」
「閨槭″蜿悶l縺ェ縺?シ溪?ヲ窶ヲ窶ヲ縺ゅ▲?∝哩繧ゅ?繝ュ繝懊Ο縺ェ縺ョ蠢倥l縺ヲ縺」
「わ、分かったわ!」
テディベアの愛称『ティア』
お願いされたティアが大急ぎでレジの棚からノートとペンを抱えてヨタヨタと歩いて、ただ焦りすぎて転びそうになりながら持ってきてくれた。
「はい!持ってきたわよナナコ!」
「ありがとう、ティア。本当にすみませんがノートに書いて頂けないでしょうか」
「縺?d縲???↓縺斐a繧薙?り◇縺榊叙繧願セ帙¥縺ヲ縺」縺ヲ蛻?°繧峨s縺銀?ヲ窶ヲ」
少女はノート手に取り━━よく見れば左手の小指が欠損している━━ペンで澱みなく書き終えると菜々子に渡した。
内容は…
「金??要らな?。怪我もな????ら気にするな、ただ買????をしたい???」
「……」
困った。
読めるには読めるが一部よく分からない文字が混じっていて判読しづらい。文字が潰れてるように見えるが、もしかして目が悪いのだろうか?
「えっと、金は要らない?」
「…」コク
「怪我も…ないから気にするな?」
「…」コク
「ただ買……スゥ-、エット…買い物をしたい?」
「…」コク
どうやら内容は合っているらしい。
「ええと、お怪我は無いようでよかったです。買い物は……はい、問題なくできます。いらっしゃいませ!」
少女はホッとした様子で店内入りお菓子を見て回る。その間にテディベアと一緒にレジに戻り少女に聞こえないよう問いただす。
「ティア!なんであの怪我人に攻撃なんてするの!?下手したら妖精界に強制送還されるのよ!?永遠に離れ離れなのよ!」
「ご、ごめんなさい!!」
「謝罪は後であの子にしなさい。それよりも、なんで?」
「実は、ほんの一瞬だけ、あの子から猛烈な血の臭いと魔物の気配を感じたの」
「魔物!?」
驚いた菜々子が少女を見ると光のない赤黒い目と合う。
(まさか聞かれた!?)
「ご、ごゆっくりどうぞ〜!」
「…」
咄嗟に笑顔取り繕ったのが功を制したのか少女は気にすることなく視線をお菓子に向けて一つ一つ見て回っている。
「ただ怪我が酷い女の子にしか見えないけど…」
「ベア〜、人型の魔物は何種類かいるけど、どの奴も見た目に魔物の特徴があるわね」
「見た目…」
今度はこっそりと少女を見る。
恐らく10代の少女の見た目は酷い物だ。
まず顔は黄ばんだボロい包帯で右目以外は巻かれており隙間からは爛れた皮膚が垣間見える。
服はサイズの合ってないダボっとした灰色の薄汚れたパーカー。ズボンは一部茶色に染まっている、まさかとは思うが乾いた血液ではないだろう。靴は履いておらず素足。
素足?
すあし
素の…あ、し???
「素足!!?」ガタッ
「縺オ縺会シ?シ溘↑縺ォ??シ」
少女が素足という事実に驚いた菜々子が立ち上がり、痛む右足を庇いつつ松葉杖片手に少女に近づく。少女はいきなり大声で叫んだ菜々子に驚いて固まっていると鬼気迫る菜々子に肩を掴まれた。
「あの!貴方靴はどうしたの!?」
「縺医▲?滄擽?溘◎繧翫c螻・縺?※窶ヲ窶ヲ縺ゑシ?シ?シ√?」
少女は困惑しながら下を見て、菜々子を見て、再び下を見て明らかに「あっ!」という表情で固まる。
「ちょっと足のサイズ確認するけど、いいかな?」
「…………………ッ」コク
「うん。ちょっと触るね」
申し訳なそうな少女を丸椅子に座らせ足のサイズを確かめる。
少女の足を触り改めて異常に冷たいことに気づく。本当に生きてる人間の体温か?こんな酷い怪我で1人で出歩いてるのか?親は?家族は?虐待なの?足の裏が真っ黒になるまで歩いて誰も助けなかったの?まさか捨て子?
嫌な想像が頭を巡る。
本当は今すぐにでも然るべき施設に連絡するべきなのだろうが、彼女にどういう事情があるのか私は知らない。
「私のお古だけど、ちょうど良いサイズの靴があるから持ってくるね」
立ち上がりレジの裏の扉から祖母の家に入って自身の能力の研究のために保管していた靴を取り出して戻る。
「お待たせ……って、あら」
戻ると少女がティアを膝に乗せて可愛がっていた。
(珍しい、普段は人形みたいに抱きしめられたり撫でられるの嫌がるのに)
菜々子が戻ったのに気づいたティアが慌てて少女の膝から飛び降りてトテテテテ!!とレジに戻って妙に上手い口笛を吹く。
「お待たせ。サイズはこれで…うんピッタリ。試しに歩いてみて、違和感があったら遠慮なく言って」
「縺サ繝シ縺?>縺ェ縺薙l縲るュ泌鴨邱エ繧願セシ繧薙〒繧九?縺具シ」
少女は靴を履いて店内を歩き回って外に出ると軽くジャンプすると満足そうに店内に戻った。ジャンプ力高くない?天井超えてたような?
「大丈夫そうね、もし問題があったらいつでも……って何して」
「……」
「えっ、これお金?」
「……!」グイ
「い、いえ!受け取ることは出来ません!」
少女が無言で万札を渡そうとするのを押し返し力つよ!?ゴリ押そうとする少女を何とか自分のために使ってと説き伏せることで渋々といった表情で万札を納めてもらった。
ただその代わりなのか…
ドサッ!!
「……これ全部買うのですか?」
「…」フンス
「ベアー…山盛りねえ……」
店に置いてた籠いっぱい、それ以上の山盛りにお菓子を詰めてレジに置いた。
結局、遠回しに会計で万札を渡されたのであった。
「あの、持てますか?」
「縺薙?遞句コヲ菴呵」輔□」
少女は両手一杯のお菓子を持っているが、ふらつくことなく立っている。見た目に反して逞しいのかもしれない。
「本日はご来店ありがとうございました!それに沢山お菓子も買っていただいてお婆ちゃんも喜ぶと思います」
「ベアベア!本当にありがとうねー!」
「縺ゅ≠縲∝ョカ譌丞、ァ莠九↓縺励m繧医?」
少女は軽く頭を下げて歩き始めた。
菜々子とティアは少女の背中を見送るが、菜々子は少女の背中が余りにも小さく見えてつい声を掛けてしまう。
「あの!」
「…?」
「助けは、必要ですか!?」
少女の赤黒い目が大きく見開き
「繧ゅ≧驕?>繧」
寂しそう笑い、首を横に振った。
私は、ただ痛む右足を恨めしく思いながら小さくなっていく背中を見送るしかできなかった。
【無視できない虫】
やあ、みんな。
新たな仮拠点の大掃除で全身の皮が溶けて肉丸出しな吸血鬼だ!グロくてすまんな!
良いニュースと悪いニュースがあるがどちらから聞きたい?
ちなみに私は良いニュースから聞く派だ。
そして俺は悪いニュース派だ、どうでもいいね。
良いニュース!
・新しい仮拠点を見つけた!
恐らく魔物の襲撃により汚染された都市だ。毒とか病とか死体には関係ないし人も近寄らないからイイネ!
・不完全だが血袋もどきが出来た!
これで正気を保てる。ただ大味過ぎて吐きそ━吐いた(6敗)
悪いニュース!
・ほとんどの家具が古く腐敗している。
幸い前の住民の
・眼鏡竜から情報が抜き取れない。
・都市全体にクソデカい虫。
なぜ大掛かりな結界で封鎖されているのか、それは一目で分かった。
あと大掃除の様子はこんな感じだ。↓
「ギャアアアアア!!!?」
タンスの中から人の顔並みの蝿が!!!
ボッ
ドゴッ!!
「あっ!タンスもろとも壁が…」
過剰なまでに風通しが良くなった部屋にこれ以上虫が入って来ないよう簡易的な結界を張りリビングに向かう。
「………ここか、ウゥ!」
カーペットをめくると赤子くらいの大きさの何かの蛹がビクビクと震えている。
「ああむりむりむりきしょいきしょいまじむしがいちばんきらいきらいぃぃぃ!!!!」
即座に床から剥がしベランダから投げ捨てる。
と同時に…
何処から飛んできた肉食の蟲たちが蛹を喰らおうと奪い合う。
「はあ、先が思いやられる。異世界でも見ねえぞ、こんな地獄みたいな光景……」
大なり小なりの数多の虫が跋扈している。
結界に潜り込む前にあった立て看板からして嫌な予感はしていたがここまでとは思わなかった…。
「……ん?」
ふと違和感を感じて手のひらを見ると
蛆が湧いてた。
………
…………
………………なるほろね、よくわかったよ。
ベランダから勢いよく飛び出し遥か上空に飛び立つ。
瞬時に血の臭いに釣られた蟲たちが集まってくる。
そこで、私は…
おい馬鹿やめろ!誰が治すと思って
「『
俺の意見をすっ飛ばして大爆発した………。
「………」
という訳で冒頭の化け物に成り果てた。
「私の馬鹿ちんが!安易に自爆して脳が壊れたらどうする!?記憶が飛ぶどころかまた人格に影響がでるぞ!?」
「俺には分からないでしょうね!!普通人間はあんなムシだらけな空間にいたら発狂するに決まってるでしょうが!?」
「そんなの今更だろ!!人の死体の山の中や巨人の腹の中よりかはマシだわ!」
「俺が異常者なだけでしょ!?」
「あんだと!?」
「やんのか!?」
「「あぁ!?」」
自身の両手で両耳を引っ張りながらくだらぬ言い争いをする吸血鬼ちゃん。因みに部屋には吸血鬼ちゃんしかいない。
「……やめとこう、これ以上は頭がおかしくなる」
千切れかけた耳を再生しながら窓から外を見やると真っ暗な空が映る。
「あれだけやったのにこの数。街が隔離されてるから予想していたが、予想以上に深刻だな……」
吸血鬼ちゃんは面倒くさそうにぼやく。
雲で空が暗いのではなく、空を埋め尽くすほど異常な数の蟲。しかも全てが人間サイズと大型。
「今は一室確保できただけでも上出来だが、この街を囲ってる結界も経年劣化してるし早いとこ駆除する手段を考えねばな。たく、ほんと行く先々でトラブルに出くわして嫌になるわ」
思考を巡らせつつ肉体を再生させようとして違和感を覚える。
「…おい、このタイミングでかよ」
再生が中途半端なところで止まる。
念の為に血袋から取った血液を浴びせるが余計にくしゃくしゃに歪に再生した。
「ああもう、まあ考えればそうか。この短期間で2度も弱点で焼かれ燃やされたり自爆して、魔力は激しく増減したからな。再生不良も起こるか」
いつぞやの聖剣で消し炭にされた時からか時たま肉体の再生が不完全になる。無理に治そうとすると人の形から外れる。
時間経過で元に戻るが数日〜1ヶ月、稀に一年とばらつきがある。
「命拾いしたなムシ共。体が治ったらぶっ潰してやる!」
捨て台詞を残して直近のやる事を確認する。
・大型蟲の出所の確認
・血袋の餌の確保
・次の拠点の捜索
・金策
・大型蟲の出所の確認
この蟲嵐の中を1人で探索するのはキツイので、これは眷属たちに任せよう。ネズミ500匹ぐらいでいいか。
・血袋の餌の確保
不完全ゆえに適当に不味い物をや身体に悪いものを食わせるとくたばるので何か安くて美味しい物を求めて店を探す。
ネズミを作るのに時間が掛かるから先にカラス1匹作って探してもらおう。
・次の拠点の捜索
今の拠点が永遠に安全な場所という保証はないので、何かあった時にすぐ引っ越せるように予め捜索する。
・金策
万引きに持ってこいの魔法があるからそれ使えって?この世界の防犯レベル高くて無理。*1
等身大の
「…という訳で、俺が外に出掛けてる間にお前たちはクソムシ共の出所を突き止めろ。いいな?」
「「「チュー!」」」
「よし行ってこい!」
スライムコアから絞り出した黒く粘性の高い液体をこねにコネコネしてネズミに形作る作業を日が落ちてまたこんにちはするまで繰り返して用意した500匹の
命令を出した後は街の結界を掻い潜り、結界の外に待機していた
「カァー!カァー!」
「……そうか、人がそれほど居ないのか。だが完全に無人という訳ではないだろう?」
「クゥンクゥン!アー!」
「食糧が必要だ。店があれば案内しろ」
「カアー!」
「近くにムシが大量発生してたら、いくら結界があっても怖くて住めないか。……ん?ここか」
一箇所だけシャッターが降りてない店の看板に
「案内ご苦労。引き続き他の店を探せ」
「さて」
何気に日本で買い物するのは初めてだ。
変に緊張せず、ボロが出る前に買い物を済ませよう。
「ん?おっと…」
「ふん!今のへっぴり腰のあなたよりこのキューティーな……ふぇ?」
店の扉からおよそ50cmサイズの喋るテディベアが出てきた。
(ほえー、不可思議な魔力を感じるがこの世界にも
「こんにちは。今、店はやってr」
「ギャー!!!ゾンビーーー!!!」
「はあ!?失礼な!ただの吸け」
「『
「つきって、どわああぁぁぁ!!?」
まさかの突然の魔法に不意打ちをくらい吸血鬼ちゃんはなす術なく吹き飛ばされ、頭からシャッターに突っ込んで寂れた商店街に衝突音が響き渡る。
「菜々子すぐに魔物対策に連絡して!!ゾンビがふぎゅうー!!?」
「おいゴラァ!?いきなり客人を吹っ飛ばすとかどういう了見だ!!?」
即座に復帰した吸血鬼ちゃんが少しキレながらテディベアを鷲掴む。
(こんにゃろ!俺じゃなかったら普通に致命傷になるぞ!?一体何を考えて…)
「あ!あの!待って、お願いだからちょっと待ってください!!」
テディベアの頭をこのままペチャンコにしてやろうかと思っていると店奥から松葉杖をついた黒髪の少女が現れた。
「あ?お前だれ……松葉杖」
「むぐぐぐ!!!」
「あの、私の妖精が大変失礼致しました!慰謝料や治療費は払いますので、どうか手を離してください。お願いします!!」
「………」
「むぐぅーー!きゃっ!」
吹っ飛ばされたとはいえ流石に遥か年下の少女が頭を下げているのに、これ以上怒るのは違うだろう。
失礼なテディベアを離して少女の頭を上げさせる。
「金は要らんよ。ちょっとカッとなっただけ、それより後ろのお菓子は買える?」
「………えっと?」
……?妙な反応だな。何か変なこと言ったか?まさか言葉がわからな
「…本当にすみません。何を言っているのか聞き取れませんので、よろしければ、えっと、ティア!レジの棚からノートとペン持ってきて!」
「聞き取れない?………あっ!喉もボロボロなの忘れてた」
「わ、分かったわ!」
しまったなぁ、最低限外見を整えようと重視しすぎたか。
次からはコミュニケーションに必要な部分を優先的に治すか。
「はい!持ってきたわよナナコ!」
「ありがとう、ティア。本当にすみませんがノートに書いて頂けないでしょうか」
「いや、逆にごめん。聞き取り辛くて、って分からんか……」
ええい、会話ができないの不便だな。
チャチャっと要件を書いたノートを少女に渡す。
この子がこの店の店番なのだろうか?右足怪我してるのに逞しいな。
「金??要らな?。怪我もな????ら気にするな、ただ買????をしたい???」
「…」
どうしたのだろうか。久々に文字を書いたのだがそんなに読みづらいか?
「えっと、金は要らない?」
「…」コク
「怪我も…ないから気にするな?」
「…」コク
「ただ買……スゥ-、エット…買い物をしたい?」
「…」コク
(やだ私……文字汚すぎ!?ク、クソ!何百年も文字を書いてなかったツケがここに来るか!)
何度も少女に確認されることにショックを受ける吸血鬼ちゃん。
「ええと、お怪我は無いようでよかったです。買い物は……はい、問題なくできます。いらっしゃいませ!」
(よ、よかった。戻ったら文字書く練習しよう)
少々恥をかいたが無事買い物できそうで安心だ。
少女とテディベアがレジに戻って何かコソコソと喋っているが、まあこんな誰もいない商店街でいきなり怪しい見た目の奴が来たら怪しむだろう。
(何を話してるのか意識すれば聞き取れるだろうけど)
少女と目が合う。
「ご、ごゆっくりどうぞ〜!」
「…」
(まあ、異世界のようにビクビク怯えながら盗み聞きするの疲れるし、今は買い物に集中しよう)
さてさて、あの血袋に食わせる菓子は何にしようか。異世界だったら体内で育てた特殊な種を生きているうちに飲み込ませれば、後は水と光で十分だが。
生憎、種は全て異世界の家にあるし、種もこの世界で手に入るかも微妙なうえあの赤い花……確か絶滅危惧種に指定されてたよな?
スライムコアみたいに運命的な出会いを期待するしかないか…。
「素足!!?」ガタッ
「ふおお!?なんだ!?」
いきなり少女が凄い顰めっ面で迫ってきた。
「あの!貴方靴はどうしたの!?」
「えっ?靴?そりゃ履いて……あ!!!」
ま、またまたしまったアアァァ!!?
戦闘や逃げる時にすぐ壊れたり失くすからずっと裸足だったあああ!!
「ちょっと足のサイズ確認するけど、いいかな?」
「…………………ッ」コク
「うん。ちょっと触るね」
(くっ、情けない!これが1000年生きる吸血鬼の姿か?というか触っただけでサイズ分かるの凄いな!?)
「私のお古だけど、ちょうど良いサイズの靴があるから持ってくるね」
少女が松葉杖を支えにしながらレジ裏の扉に入っていった。待ってる間に己のポンコツ具合に呆れていると足をチョンチョンと控えめに触れるテディベア。
「あの、さっきは本当にごめんなさい!!!」
テディベアが地面にポムッとつく勢いで頭を下げた。
「怪我人をゾンビと間違えて攻撃するなんて、とても最低な事をしてしまって本当にごめんなさい!!」
(……魔物に違いは無いんだがな。何だか魔物なのに人として扱ってくれるの死んだアイツを思い出すな)
「気が済むまで、いくらでも私を」
「じゃあ抱きしめさせてもらおうか」
「ふえ!?ひゃああ!そこ、ちょとくすぐったいぃひい!!」
「おおふわふわ!ははっ、手触りいいな!」
手でわちゃわちゃと触るがテディベアは本気で抵抗することなく、されるがままになっている。
(あの時……なんて散々考えてたが、やっぱり思い出すと会いたくなるな)
テディベアと戯れていると少女が戻ってきた。
テディベアは恥ずかしくなったのかレジに引っ込んで口笛を吹いた。
「お待たせ。サイズはこれで…うんピッタリ。試しに歩いてみて、違和感があったら遠慮なく言って」
「ほー、いいなこれ!魔力を練り込んでるのか?」
吸血鬼ちゃんは早速店内を歩き回り、外でジャンプなどして靴の性能を確かめた。
(歩きやすいな、魔力のこれは風魔法か?帰ってからこの靴と私の魔法の組み合わせが楽しみだな!)
「大丈夫そうね、もし問題があったらいつでも……って何して」
「……」
(こんな良い物さぞお高いだろうし、借りは作りたくないから受け取って欲しい)
「えっ、これお金?」
「……!」グイ
「い、いえ!受け取ることは出来ません!」
(ぬ?結構、強情だなこの子!)
強引に万札を渡そうとするが、少女の右足を考慮して余り力を出せずぐだぐだしてる間に少女から自分のために使えと言われてしまい渋々引っ込める。
よし、分かった!自分のために使えばいいんだな!!
ドサッ!!
「……これ全部買うのですか?」
「…」フンス
(自分のために使ったんだ。何か文句あるか?)
「ベアー…山盛りねえ……」
借りを返すために片っ端から菓子を籠に放り込み山盛りになった籠で会計をすまして借りを返してやった。
「あの、持てますか?」
「この程度余裕だ!」
財布が薄くなったが些細な問題だ。
ひとまず血袋の餌はこれでいい。両手一杯の菓子は仮拠点で凍らして保存すればよし!
「本日はご来店ありがとうございました!それに沢山お菓子も買っていただいてお婆ちゃんも喜ぶと思います」
「ベアベア!本当にありがとうねー!」
「ああ、家族大事にしろよ」
失うのは一瞬だからな。
さて、無事?買い物が済んだから次は…
「あの!」
「…?」
ん?何だ、また何かボロでも出してしまったか?
これ以上無様なやらかしは恥か死なんだが?
「助けは、必要ですか!?」
ふはっ
「もう遅いよ」
もう用は無さそうだな。
じゃあ俺は帰らせてもらう、まだまだやる事があるんでな。
遅い投稿のお詫びに吸血鬼ちゃんに関するQ&Aを軽くやります。
Q.吸血鬼ちゃんの名前は?
A.聖剣で9割消し炭にされた時に一部の記憶と共に忘れた。
Q.一人称が二つあるのは何故?
A.人の精神で1000年は長すぎました、前世と今世の区別も付きません。
Q.クッキーとか食べてるけど消化できるの?
A.無理。死体だから頭以外の臓器はほぼ飾りです。
隙を見て吐きます。
Q.吸血鬼生で実力でのトップ3の3番目は?
A.今世の生前(27歳)
Q.吸血鬼は日本語喋れてないのに気づかないの?
A.今の吸血鬼ちゃんは日本語も異世界語も両方とも日本語に見えるし聞こえるとバグり散らしている。
Q.処女卒業はいA.死ね
Q.吸血鬼は魔法少女になれる?
A.魔法少女と吸血鬼の魔力は相容れず、無理に変身すると尋常じゃない魔力衝突が起きてメルトダウンの後にキノコ雲できちゃう。