『チャレンジ成功!?』『・・・☆もよろしく。』

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リハビリなので続かない。


第1話

 

 

 

 

「な、ない……!?ないないないないない~~っ!!」

 

 

 ここは言わずと知れた童実野町。遊戯王の主人公である武藤遊戯やその仲間達が住む町である。

 そして冒頭で早速慌てているのが我らが主人公、遊戯くんであり、今回のお話は彼の家から始まる。

 

「遊戯ー!早く降りてらっしゃーい!杏ちゃん達待ってるわよー?」

「それどころじゃないんだよぉ~~!!」

 

 母親の呼ぶ声に、家の外にまで聞こえてくる情けない遊戯の悲鳴、外で待っていた城之内、杏、本田のいつもの3人も流石に怪訝な表情で様子を伺っていた。

 

「おいおい、遊戯のやつどうしたんだよ」

「なんだか凄いドタバタしてるみたいだけど……」

「なんか寝坊って感じじゃなさそうだよな」

 

 しばらくすると家の中も静かになり、暗い表情の遊戯が玄関から顔を出した。

 

「ごめんみんな……今日はボク学校休むから、先生に伝えておいてくれないかな」

「えぇ!?どうしたんだよ!別に体調悪いとかじゃねぇんだろ!?」

 

 なんなら学ランまでしっかり着てる様子の遊戯に一体どうしたとびっくりする城之内だったが、杏は遊戯の姿にすぐピンと来た。

 

「遊戯……千年パズルはどうしたの?」

「あ!そういえば、いつも首から下げてるのに!」

「おい、遊戯まさか!」

 

 慌てた様子だった3人も次第に深刻な表情になっていく。

 

「ないんだ……寝てる間に千年パズルが消えちゃったんだよ!」

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 武藤遊戯、千年パズル喪失の前日。

 

「随分長かった……ようやくバトルシティが始まろうとしている……これで計画の本題に入れるというものだ」

 

 ここは同じ童実野町の某所。くっくっく……と今にも悪いことしそうな笑みを浮かべながら薄暗い部屋の中にいる男は『この小説の』主人公である。

 

「流石に王国編はどうすることも出来なかったからな。キースのように船に忍び込むことも考えたがバレた時のリスクがデカすぎだ。まぁそもそも神のカードもまだ出てこないけど」

 

 部屋の中は薄暗いながらもサイバーチックな光が明滅しており、いくつものモニターと電子機器が所狭しと並んでいた。

 家の外観はただのボロアパートなのだが、その部屋だけはまるで未来の世界から切り取って持ってきたかのような異色の光景であった。そしてそんな怪しいこの男の目的はただ1つ……

 

「もうすぐ生で神を拝める日が来ると思うとワクワクが抑えきれないぜ☆」

 

 その目的とは、作中に存在する神のカード『オシリス』『オベリスク』『ラー』そのどれか(と言っても生で見れそうな場面はVS人形戦のオシリスくらいしか思いつかないが)をこの目で拝むことである。

 

「え?つまんないって?せめて俺も所有者になってやるーくらいの意気込みは見せろ?……ふっ!何をバカな。見るだけでいいんだよ。わざわざ原作崩壊させてまで自分が使う意味があるのって話。しかも最終的には王様が集めなきゃ世界が滅んじゃってもおかしくないんだぜ?」

 

 不気味にも虚空に向かって1人話続ける男。傍から見たら異常者にしか見えないが、わかる人間には2人の少女が宙を飛び回っているのだ。

 

「大体君ら現代じゃ使えないんだし、デュエル出来ないじゃん?それでもせっかくこの世界に転生したからには、作中のデュエルを見るくらいはしたいわけよ」

 

 そう。彼は転生者なのである。前世で愛用していたデッキをそのままにこの世界に転生した彼であったが、時代が悪かった。

 

 何せここはEXデッキがまだ融合デッキと呼ばれている時代。彼が愛用していたデッキなど遥か未来のそのまた未来。なんなら別の世界に行かないと使えないんじゃないかというレベルの代物なのである。

 

 EXデッキを使わなくてもどうにかなるタイプのテーマなら良かったのだが、どう足掻いても無理なのであった。

 

「せめてゼアルだったらな……エクシーズ使えるしやりようはなくもなかったんだけど……」

 

 まるで自分達が悪いと言われてるようで不満気な少女達は男に抗議の目を向ける。

 

「いやいや、シンクロとかエクシーズならともかく君達なんて出せるフィールドすらも無いんだよ?流石に無理が……ってちょっと!どこ行くんだよ!」

 

 家出してやるー!と飛び去ってしまった少女達。まぁそのうち帰ってくるだろうと高を括って、男はベットで一眠り決め込んだ。

 

 

 それが最大のミスだったことに気付くのは次の日のことである。

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

「はぁーあ!この時代は動画サイトもSNSも無いしさ、マスターもやる気ゼロだし、ぶっちゃけつまらーーーん!」

「そうは言っても私達が活躍出来ないのはホントだしなー……」

「リィラも諦めないで!こうなったら無理矢理でもマスターを物語の中心に据えてやるのよ!」

「楽しそうだけどー。流石にキツくない?」

 

 ぷんぷんという擬音が聞こえてくる様子の全体的にピンクの少女はキスキル。それを宥める全体的に青い少女はリィラ。

 彼女達は男の持っているデッキに宿ったデュエルモンスターズの精霊であり、ライブ配信業と怪盗業の二足の草鞋を履く2人組である。

 

 前世のOCGでは、その可愛いイラストに一時は炭酸水とのコラボで環境にも食い込んだテーマで、今でも根強い人気を誇るカードだが、リンクモンスターというかなり未来のカードのため、現在実質引退中のニートモンスターでもある。

 

「何言ってんのよ!私達のハッキングテクがあればバトルシティにねじ込むのなんてお茶の子さいさいでしょ?」

「あのさ……バトルシティに出たとして、マスターのデッキは私達のカテゴリカードに手札誘発や汎用カードを詰め込んだ純正のイビルツイン。いくら汎用が強くても私達がリンク体になれないと正直決定力不足でキツいでしょ……」

「うっさいなー!じゃあどうしろっての!?」

 

 キスキルのフラストレーションは爆発寸前であった。

なにしろ自分達得意のライブ配信は時代が追いついてないため出来ない、怪盗としての活動はマスターから厳禁と言われている。

更にデュエルでは自分達が活躍出来ないとなれば、機嫌が悪くなるのも仕方ないことではある。

 

 そしてあまり表には出さないが、それはリィラも同じことであった。ストレスというのは溜まれば溜まるほど思考をとんでもない方向に飛躍させるものだ。

 

「例えば……主人公と無理やり接点を作る、とか」

「ほほう?」

 

 つまり雲行きが怪しくなるのも、また仕方のないことなのである。

 

「…………千年パズル盗ってこようか」

「ちょ、リィラ大胆すぎw……最高かな?」

「精霊の悪戯ってことにすればワンチャン大目に見てくれるかもだし(希望的観測)、王様って精霊見えた気がするから、お願いしたら仲取り持ってくれるかも(希望的観測)」

「一応カメラ回しとこうよ。配信は出来ないけど動画データだけでも残しといてさ」

 

「「うん、これは絶対バズる」」

 

 彼女らは転生者を通して原作の知識を粗方把握している。

……のだが千年パズルに異常があれば、あの闇バクラが察知するかもしれないとか、バトルシティの前という時期的にパズルを盗むとか御伽の話を奪ってないかとか諸々頭から吹き飛んでいるのである。

 

 こうして誰も止めるものがいないまま、2人は武藤家へと全速前進するのであった。

 

 

 


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