「あなた方は勘違いをしているようだ。」
その日のニュークロイツ裁判所には重々しい空気が漂っていた。黒服、礼服、軍服...大勢の屈強な男たちが、目をぎらぎらと、あるいは影を落として、口を閉ざしている。しかし、その中心には美しい女がいた。質素な軍服を着た金髪、碧眼の鷹のような女が、力強い、まるで、この裁判所の外にまで響くように、我々を威嚇し嘲るように「演説」をしようとしていた。
「私は、醜い豚を、わが祖国にとっての寄生虫を駆除しただけにすぎない。そこに、あなた方が好きな正義などはない。自宅にでた害虫を駆除するのに正義を持ち出すまでもない」
女はそこで笑った。笑い声が嫌に響いた。
女は...アンネ大佐という女将校は、4年間にも渡る東方内紛で数々の戦争犯罪、そして民族虐殺を行った、今回の軍事裁判での最重要被告人だった。なまじ、その容姿が美しいのもあって、本当にこの女が、死刑になるような...あんな残虐なことをしたのかと疑いたくなる。
しかし、そんな疑念は、女の高らかな、男だけではなく、民衆を魅惑するような鮮明な演説で打ち消される。
裁判官は険しい表情で、女に黙るように警告した。いくら裁判官と言えども、感情を隠せてなかった。
そこから、女は裁判が終わるまで大人しくしていた。次々と判決が言い渡され、他の戦犯は青ざめたり狼狽えたりしているのに、あの女だけは澄ました顔をしていた。
深夜、爆発音が響き渡る。
戦犯どもが、収容されている収容所近くでの爆発、その辺から聞こえるアラームに一気に騒がしくなる。
私は慌てて装備を整え、外に出た。
炎上する収容所から、没収されたはずの、金色に輝く飾り紐をもつ軍服に着替え、胸にいくつも勲章を輝かせながら、あの女がでてきた。
女は笑っていた。
あれが、女の本来の姿だったのだ、あの女は生まれながらの軍人だ...と軍人である私は思ってしまった。
しかし、いくら爆弾などを使って収容所から逃げたとしても、厳重警備がされているここから逃げ切れる訳がない。
すぐさま、警備にあっていた軍人たちが彼女を取り囲む。
すると、女は、腰のホルスターから、拳銃を取りだした。年季が入った、火でちかちかと鋭く光るほど磨かれた漆黒のその銃を、女は自身の金髪に入れ、そのまま引き金を引いた。
幾多の銃声と収容所の崩落音に隠れるように、短い1発の銃声が響いた。
収容所に収容されていた戦犯の殆どは死亡した。戦勝国側、世界は彼らを裁けなかった。あの爆破は、既に死亡したアンネ大佐の信奉者が忍び込んでやったものらしい。
混乱の中、テロリストが国中で密かに活動している。その多くが、アンネ大佐を信奉しているらしい。いわくアンネ大佐の死体を盗んだのもそいつららしい。
あの女の高らかな笑い声が、この陰鬱な国に残っている。
End 「失敗」
アンネが逃げようとしますが、思ったように行かなかった場合です。というより上手くいかないのは当たり前ですね。
ですが、戦勝国側も失敗ですね
で、もし上手く逃げれて、アンネを信奉するテロリストと合流し、ドン発して、裁判の不満とか戦勝国へのヘイトをやって、死んだ場合は「英雄の死」となります。誰が書いて。また、英雄の死ルートは2つあればいいかな。ひとつは先程の、もうひとつは政治家とかになって極右政党を立てて...みたいな。
凌辱とかって、難しいですよね。監視カメラとかあるでしょうし。国際軍事裁判まで行ったらダメですね。ムッソリーニみたいになるか...