五つ子ミルフィーユ   作:真樹

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57_頼りがいのない背中(おまけ付き)

 三玖との話が終わってから程なくした頃だった。

 あらかたの肉を消費し尽くした勇也たちがレジャーシートまで戻ってきたのを、風太郎は心底気まずそうな顔で出迎えた。

 風太郎の顔を見た一行の中で、

 

「あらあら」

 

 と真っ先に口にしたは零奈だった。

 風太郎の隣には三玖と交代した四葉も座っていた。

 ただ、座っているだけではなく風太郎の片腕にガッチリとしがみついていた。

 まるで遠巻きに聞こえてくる蝉たちの如く、引き剥がそうとすれば暴れ出しそうな気配と不機嫌そうな顔までしている始末だ。

 

「これはどういう状況なのでしょうか?」

「俺が聞きたいです……」

 

 零奈の疑問に、風太郎も自分だって被害者なんですという空気を醸し出しながら答えた。

 四葉のこの状態は入れ替わった直後からずっとこの調子だった。

 抱きついたまま一言も話してくれない。

 一度だけ声を出したことがあったのだが、抱き着かれた直後に「暑いから離れろ」と言ったところ「嫌です!」と暴れたのであった。

 振り解こうにも悲しいことに膂力では完敗しているようで引き剥がすことはできず、どうにかしようともがいてみても半袖で露わになった二の腕に柔らかい感触を当たるばかり。すぐに抵抗をすることをやめた。

 幸い、そのことに関して四葉からの苦情はなかった。少なくとも四葉からは。後が怖い。

 

「あの、見てないでどうにかしてくれませんか?」

「無理ですね」

 

 即答だった。

 

「そうなった四葉はテコでも動きません」

「この状態のこいつを知ってるんですね……」

「お気に入りのぬいぐるみを店先で見つけた時、今のように抱きついたまま離れませんでした」

「駄々っ子かよ……その時はどうしたんです?」

「買ってあげましたが、家に着くまで離すことは結局ありませんでしたね」

「買ってやっても離れなかったのかよ……」

 

 どうしたものか、と心の中で呟きながら四葉を見た。

 修学旅行の時にもこんなことがあったなとは思い出せていた。

 あの時と同じ理由で四葉がこうなっているのだとすれば、

 

(花火の日に一花がやらかそうとしたあれが原因か? それともその後の五月との話か……もしかしてさっきの三玖が原因ってことも)

 

 いくつか理由に見当はついたが、いかんせん心当たりが多すぎた。

 なんにせよ、もはやあるあると言っても差し支えのない多重人格特有の裏で控えている間の心変わりが起きたのだろう。

 

「すみませんが、そうなると取れることはないので、そのまま連れて行ってもらえます? 幸い行先は近所にあるという実家なのでしょう?」

「正気で言ってます?」

「冗談です」

 

 真顔で即答したものの、その真顔がむしろ本当は冗談ではなかったと物語っているようで怖かった。

 

「いいじゃねえか。四葉ちゃんの気が済むまで遊んでやれ」

「オヤジはそれでいいのかよ。向こうに付く時間どんどん遅くなるぞ」

「かまやしねえよ。どうせお参りするのは顔も知らねえご先祖様たちの墓だ。遅れたって祟られやしねえよ」

「罰あたりめ」

「らいは、お前も行っていいぞ」

「ふぇっ!?」

 

 予想外過ぎる勇也からの指名にらいはが跳ねあがるようにして驚いた。

 それもそうだろう。勇也よりよっぽど情緒の機微に聡いらいはなのだから、四葉の異変には気が付いているはずだ。まさかその渦中に放り込まれるとは思ってもいなかっただろう。

 眉を八の字にして断ろうと他の大人たちの方を見上げれば。

 

「そうですね、すみませんが私からもお願いできますか」

「僕達は片づけをしないといけないからね。四葉君のことは君に頼んだよ」

 

 と、勇也だけではなく零奈とマルオまで同意見のようであった。

 というか温泉旅行の時だってそれなりに一緒に行動していたはずなのに、マルオがらいはに話しかける光景を初めて見た。小さい子相手にはそれなりに優しい声色を出せるのだなと感心した直後、彼が総合病院に勤務する医者であることを思い出した。小児科の助っ人として駆り出されることもあるのかもしれない。

 らいはは更に続けて風太郎の方へ見るが、こちらに対しては一瞬だけで返す間もなくうな垂れた。

 

「……うん、わかった」

「今、頼りにならないって判断されたか? 俺」

 

 呟きを否定をしてくれる大人は誰もいなかった。

 とぼとぼとこちらに歩み寄ってくるらいはと、その後ろで片づけをしに離れていく大人たち。

 その中でマルオが残りこちらにひらひらと手を振ってきていることに気が付いた。

 どうしたのかと立ち上がって近寄ってみると。

 

「零奈さんは君たちのことをなるようにすればいいと考えているみたいだが、僕は違う。娘達と仲良くしてくれるのは結構なことだが、君はまだ高校生。紳士的に接してくれると信じているよ」

「も、もちろん俺は引いてます! 俺は! 俺はね!」

 

 風太郎がマルオに近づいているということは、腰ぎんちゃくならぬ腕ぎんちゃくも一緒に来ているということである。

 その腕ぎんちゃく、もとい四葉にも当然聞こえているだろうに何てことを言うのだと思った。もしかしたら風太郎を経由するような形で、遠まわしに四葉に対して釘を刺しているのかもしれないが。

 四葉も他人事とは思っていないようで、依然として離れる気配はないものの少しだけ顔が赤くなっていた。

 

 

 

 

 

「おにーちゃん! 冷たくてきもちーよ!」

「あんまり奥まで行くなよ。深くなってるかもしれねえから」

「はーい!」

 

 大人たちに送り出される形で時間を潰すことになった風太郎達は少し離れた場所にある川まで来ていた。

 シートの位置からそれほど遠いわけではなく、遠巻きには勇也たちの姿も見える。

 川は山沿いの渓流となっており、石の地面と川にも明確な境界線はなく、なだらかな傾斜によって水の通り道ができていた。

 対岸までの距離は10メートルほどありそうで、恐らく中心地点あたりが一番深いのだろう。

 らいはは浅瀬の部分、膝より少し下ぐらいのところまで沈む位置ではしゃいでいた。

 それに対して残る二人はというとシートに居た時となんら変わらず石の地面の上に座っていた。

 ただし、レジャーシートから場所を変えた今、直射日光はジリジリと風太郎の肌を焼き風太郎の削れて行く体力の早さは先ほどの比ではなかった。

 

「いい加減離れてくれ。マジで暑い」

「……無理です」

 

 嫌ですじゃないのか、と思った。

 

「お前だって暑いだろ」

「凄く暑いです」

「ならなんで離れねえんだ!? せめて理由を教えろ!?」

「……」

 

 少し黙った後、四葉。

 

「私だって、本当はこんなことしたら上杉さんを困らせるだけだって分かっています。ただ、離れようとすると、胸の奥が凄く不安になるんです」

「不安?」

「私が五月に対して、どんな気持ちを持ってしまっているかは上杉さんもご存じですよね?」

「ああ、聞いたからな」

 

 修学旅行で聞いた話だ。

 自由奔放、天真爛漫、明朗快活といった言葉の数々が五人の人格の中で一番似合うと思っていた四葉であったがその実のところ、誰よりも自分の感情に振り回されていることを修学旅行の時に知った。

 結局あの時は四葉自身が自分を抑えることができたこともあり、風太郎からは何も返事をする間もなく有耶無耶になってしまった。

 

「お恥ずかしい話で、あれは紛れもない私の本心でした。自分でも嫌な感情だと思っていたのに、最初の言い出してしまった瞬間なんてどうしようもありませんでした。どうしようってずっと考えていたのに、二乃はあっという間に答えを出してしまったのは驚きでしたが」

 

 二乃の出した答え。単純な話で、”自分の気持ちなのだから受け入れるしかない”というものだった。

 風太郎からすれば二乃と話したことで一見スッキリしたような気でいたが、どうやら実際はそうでなかったらしい。

 彼女達の側からすれば文字通り人が違う。

 四葉を苛んでいる嫉妬心というものは五人の共通の悩みであり、二乃が出した答えは他の多くの子達にとっても納得できるものであったようだが、肝心の四葉には響いていなかったということだろう。

 

「どうして、とも思ってしまうんです。六年前、初めて京都で上杉さんと会ったのは私なのに、どうして一番になれなかったんだろうって」

「……」

「知っていますか? 六年前だって上杉さんは一度、私を見分けられなかったことがあるんですよ」

「……そうなのか?」

 

 それは知らなかった。

 六年前、京都ではほとんど一日中四葉と一緒に行動していたと記憶している。入れ替わる隙などない程にだ。

 ざっくり流れを思い出してみれば、街中で出会ってから伏見神社やら清水寺やらの名所を回り、今となっては誰か分かる話だが途中で迎えに来たマルオによって引き取られて行ったと思った矢先、今度は宿泊先で再会してまた遊んだ。

 この中で入れ替われるタイミングがあったとすれば。

 

「……あのホテルで会ったのはお前じゃなかったのか」

「一花だったんです。多重人格になりたてで、まだ混乱してばかりだった一花があんなに楽しそうにしているのを裏で見ている時、あの時も今と同じような気持ちにはなりました」

 

 ただ、と四葉は続ける。

 

「あの頃に混乱しているのは私達も同じでした。他の人格も自分としてとらえるべきなのか、他人として見るべきなのかも、振る舞い方もわからず自分ひとりのことに構ってる余裕なんてありませんでしたから。だから上杉さんに見分けてもらえなかったことはショックでしたが、それどころではありませんでした」

「……すまん」

「謝らないでください。あの頃の上杉さんに私達の体のことは教えていませんでしたし、見分けられない方が普通なんですから」

「だがそれでも────」

「本当に上杉さんは何も悪くありません。昔の話をしたのだって、私があの頃から成長できていないということを言いたかっただけなんです」

「……」

「本当に、私はダメなんです」

 

 風太郎を掴む四葉の力が強まった。

 抱き着くだけではなく、風太郎の二の腕に頭まで乗せてきた四葉。それ以外は静かであったが、逆にその静かさは彼女が何かを抑え込もうとしているように見えた。

 三玖のようなことを言うな、とも一瞬思った。

 彼女の場合も他の人格と自分を比較し、荒捜しのように自分が劣っている箇所を見つけては自己嫌悪をしていた節があったからだ。

 

「上杉さんと────風太郎君とした勉強をしようって約束だって果たせなかったのに、それだけじゃ足らずにこうして今も迷惑をかけてしまっています」

「俺は迷惑だなんて全く思ってねえけどな」

「え」

 

 見返すように、四葉が風太郎へと顔を上げる。

 それと同時に少しだけ腕の力が緩んだ気がし、風太郎はその瞬間を見逃さなかった。

 

「ふんっ!」

「あっ!?」

 

 四葉の腕の間から自分の腕を引き抜いた。ようやく自由になった腕はじっとりと汗で湿っていて、外気にさらされたことでやたら涼しく感じた。

 名残惜しそうに抜かれた風太郎の腕を見つめる四葉に対し、風太郎。

 

「唯一困らされてたことといえば暑苦しいくらいにまとわりつかれてたことだが、それも今解決した」

「そんな解決って……私は結局何も変われていません……」

「お前が変わらなきゃいけないことなんて、やらなきゃいけないことなんて何もないんだよ」

「なら、この気持ちはどうしたら────」

「そのままでいい」

 

 と、割り込むようにして四葉の言葉を遮った。

 溜息交じりにそう言うと同時、困り顔で頭の後ろに手を当てた。

 

「迷惑だなんて、それがそもそもお前の決めつけでしかないんだ。俺がそんな風に思うだなんて、お前はいったいいつの話をしてんだ」

「いつのって……すみません、仰ってる意味がわからないのですが」

「確かに去年お前と再開した頃は困らされていた。迷惑なんてもんじゃない、お前らと関わることは悪夢か何かだと思っていた」

「……」

「だが、お前たちと関わっていくうちに、お前らがその体質とどう付き合ってきたのかをしり、俺も俺自身の気持ちを見つけたりした。そうやって積み重ねてきた先に今の俺たちはいる」

 

 風太郎は知っている。人は変わると。

 誰よりも六年前の自分がそうであったから。

 勉強なんてくだらないと思えた自分が四葉のおかげで変われた。

 恋愛なんてくだらないと考えていた自分が、彼女達のおかげで変われた。

 

「今の俺たちが今目指しているのは全員揃っての大団円だ。そのためには俺はお前への気持ちも見つけなくちゃなんねえ。その最中でお前が包み隠さず、ありのままのお前を見せてくれるなら、それは俺にとっても好都合以外の何物でもない」

「……!」

「だからな、その、四葉」

「上杉さん?」

 

 それまで得意げにつらつらと語っていた風太郎の歯切れが途端に悪くなった。

 風太郎自身としても最後まで走り切る勢いで話すつもりだったが、やはりこういう話題は苦手らしい。

 なんとなく自分でもわかった。今までのことは単純に自分が考えて導き出した単なる”答え”のようなものだったが、自分の”気持ち”そのものを話すことは得意になれないらしい。

 自然と、また前髪に手が伸びた。

 

「お前が自分の気持ちの整理に困っているなら、俺も一緒にどうにかする方法を考えてやる。も、もっと俺を、頼っていいんだぞ……お前が惚れた男は……今更お前に遠慮されなきゃなんねえような奴じゃねえんだから」

「────」

「…………!」

 

 呆けた様子の四葉と、自分で言っておきながら硬直する風太郎。

 風太郎の背中はとてもではないが頼れるような凛々しい男のそれではなかった。

 むしろ意気込みと羞恥の割合が徐々に後者へ傾きつつあるらしく、むしろしゅるしゅると小さくなっていくようにさえ見えた。

 その背中に向けて四葉は小さく呟いた。

 

「あの鈍感上杉さんが、信じられません」

「……」

「きっとそんな風になれたのも、五月のために沢山考えたからなのでしょうね。やっぱり、少し焼けてしまいます」

「……」

「ですが」

 

 四葉は風太郎の手を握った。腕にしがみつくのではなく、片方の掌を包み込むようにして両手で握った。

 

「今はそのお言葉に甘えさせていただきます」

「……つっても、どうしたらいいかわからないけどな」

「ちょっとだけ、動かないでくださいね」

「?」

 

 どういう意味かと疑問に思った直後、手が引っ張られる感覚がした。

 四葉に引っ張られたというよりは、いつの間にか膝立ちの姿勢になっていた四葉が腰を上げたことにより、物理の相対的な力により風太郎の手を握る四葉の手の位置が下がったため、それに巻き込まれたといった感じに近い。

 腰を上げた四葉はそのまま一直線に自身の顔を風太郎へ近づけると。

 

「今はこれで我慢します」

 

 頬にキスをした。

 鳥のつがいがするような、一瞬の接触。

 触れたかどうかすら疑わしいほど刹那的で、ただかすかな柔らかさが今も尾を引いていた。

 

「……!」

「ちゃんとしたのをすると、一花のようにフルボッコにされてしまいますからね。だから、また今度です」

 

 そう言って四葉は離れると、ベッ、と舌を見せた。

 いたずらっ子のように小悪魔的な笑みを見せた四葉からは、先ほどのような不満気などまるで消えていて、その代わりに笑顔である割には顔が赤く見えた。

 それが暑さによるものなのか、恥ずかしさによるものなのか。

 

「らいはちゃーん! 私も混ぜてくださーい!」

 

 瞬く間に川の方へと走って行ってしまった今となっては確かめようがなかった。

 残された風太郎は、恐らく四葉が触れたであろう箇所の頬を触れた。

 

「一花がやらかしてなかったら、どうなってたんだ……?」

 

 夏祭りの一件以降、一花が例の人格同士でコミュニケーションを取るために使用している日記で本当に非難轟轟だったことは聞いていた。

 その頃話を聞いていた風太郎は、せいぜいまた一花が拗ねないかと危惧していたぐらいだったが、あれがなければ今頃は────

 

「俺だけは、お前に感謝するぞ、一花……」

 

 表に出ていないどころか、既に声が届かないほど遠く川の中に行ってしまっている四葉の、その裏に控える彼女に向かって風太郎は呟いた。




次回ぐらいからもうすぐ学園祭。最終章です。
生まれも育ちも違う上に、ベツモノのストーリーを進んだせいで五つ子達や周囲のキャラクターの心情も原作とはかなり違っているので、キャラ設定を整理したものを置いておきます。
性格は同じです。そこ変えると二次創作として破綻するので、あくまで”状況が違うからこう考えるようになっている”という点で原作と本作の彼女達の差を再認識されるのに活用いただければ幸いです。

中野一花
織田プロダクション所属のマルチタレント。自分が表に出てきた時にだけ仕事をしている。そのためスケジュールの調整が効かず、小さな仕事しかできていない。仕事自体は好きだが、夢とするほどには至っていない。
風太郎とは原作通り六年前の京都で少しだけ顔を合わせたこともあったので物語序盤から風太郎のことがうっすら好き。
多重人格の主人格。初めは一花ひとりだったところから、他の四人が生まれた。父親の死というPTSDを患うほどにショッキングな出来事がキッカケだったということもあり他人格の存在を強く否定、いつしか自分自身の人生に価値を見出せなくなってしまう。
黒薔薇女子高等学校にて傷害事件を起こし転校したが、転校先での風太郎との再会から徐々に情緒不安定なところも穏やかに。
高三の春に父親の事故現場へ訪れ、自身がPTSDをほとんど克服していることを再認識したことに加えて、その時に起きたひと悶着から完全に改心をする。
現在は原作の一花に近い状態であるが、過去に起こした罪の意識が今でも消えず他人格のため(特に三玖)に行動しようとしている。

中野二乃
割とそのまま原作通りの二乃。
母親が存命だし姉妹達とも五つ子ではなく他人格という付き合い方をしていることから、家族の形に対する思い入れは原作ほど強くはない。
でもマルオのことは未亡人になった零奈に言い寄って来た男という認識をしているので嫌い。
風太郎についても多重人格という体質上六年前に四葉と風太郎が京都で過ごした時間を裏で見ていたので知っており、最初からそれなりに好意は持っていた。
風太郎が家庭教師を始めようとした時もマルオが選んだ男だからという一点で拒もうとするが、上述の経緯もあるので風太郎への反抗心はあまり長引かなかった。
林間学校の時に風太郎への恋愛感情を一花にバラされてしまい、告白のタイミングを見失いずるずると惰性の時間を送ってしまったが、修学旅行にてようやく改めて風太郎を攻略することを決意。
現在攻略中。

中野三玖
多重人格の体質上、常に他の人格達の日常行動も見えてしまっているため劣等感が人一倍育ってしまっている。
自分なんかがという卑屈さと、だったらせめて他の人格に幸せになってもらいたいという思いから他人格のために行動しがち。
風太郎との交際について実は一番頭を悩ませているが、それもやっぱり他の子のためだったり。
再会二日目にして大胆不敵にも告白をしてしまった四葉のせいで恋愛のHowToを間違って学んでしまっており自分の本当に気持ちに気が付くのに物凄い時間がかかった。
一花が前の学校で事件を起こしてしまったキッカケは自分が一花になり代わってタレントの仕事をしてしまったことが原因だと思っており、罪の意識を重めに持っているし、劣等感が育ってしまっている要因にもなっている。
自分が料理好きなことにも気が付いているが、実力(?)が発揮できない現状なのが最近の悩み。

中野四葉
原作同様、六年前に風太郎と勉強をお互いに頑張ると約束を交わした張本人。
高校転校のキッカケが原作だったら四葉の落第が原因だが、本作ではそうではないため”姉妹のために生きよう”みたいな考えがあんまりない。
むしろ風太郎と約束したのは自分、自分が一番なんだといった原作だったら黒薔薇女子にいたころに叩き直されていた性根が今も育ちっぱなしのままなので二乃顔負けで風太郎にグイグイ行ってる。
ただ、それはそれとして人の役に立ちたいという二律背反的な考えもちゃんと持っているのでクラスでは変わらず人気者。

中野五月
本作の巻き込まれ役、兼苦労人。
序盤からアクセル全開の四葉を傍観者的な立ち位置で成り行きを眺めており、林間学校など大きなイベントでもあまり深く風太郎と関わらなかったので完全に蚊帳の外のつもりでいた。
強いて言えば他人格もまあ自分のことだしと、お助けキャラ的なポジションで落ち着いていれば満足できていた。
ので、風太郎から告られた時は心臓飛び出るほどビックリしている。
一応、自分達多重人格者が真っ当な恋愛をするためにはどうすればいいかという一花の疑問提起と、それに対する三玖の全員付き合えばいいという解答を使って風太郎への課題とし、告白の回答を先延ばしにしている。
即答で断らないことに自分でも驚きつつも、自分の気持ちを模索中。

上杉風太郎
割と原作のままの風太郎。
序盤からフルスロットルの四葉のせいでマジで家庭教師に嫌気が差して辞めかけたけど大人たちのフォローで何とかなった。
継続は力なりというように、序盤から二乃や四葉のラブな気持ちに当てられていたせいで原作風太郎よりはませ気味な考えを持っている。
なので原作より恋愛経験値高め。

中野零奈
まず生きてるところから原作と違う人。
旦那が亡くなって以降母子家庭でなんとか食い繋いでいたが、食い扶持となる子供が一人分だけだったので過労で倒れることはなかった。
健康なままマルオと再婚、同棲をし始めたことに加えて娘も青春謳歌中なので今は人生第二の有頂天な時期だったりする。

中野マルオ
割と原作のままのマルオ、かと思えばかなり性格まで丸くなっている。
原作では零奈が亡き後、男手一つで娘達を育てないといけないという使命感を持っていたことや、そもそも最愛の人を亡くしているせいで人生にやや絶望気味だったのだが、その辺りの諸問題がまるっと解決している。
零奈とは亡くすどころか結ばれているし、結婚生活もむしろ望んで尻に敷かれているところがあるから娘達のことにもあまり口は出さないでいる。
まだ入院生活中の零奈と話してる時のマルオさん、よく見ると目の鋭さとか顔つき全然違うんですよね……

上杉勇也
原作と同じ

上杉らいは
原作と同じ

無堂仁之助
不幸な事故で亡くなってしまっている。
人間性についてはボロが出る前に他界しているため、零奈だけでなく大人勢からの信望はかなり厚い。

下田さん
塾講師の片手間で五月達の家庭教師をしている点を除いては原作と同じ



他にもたくさんの素敵なキャラクターたちがいますが、以降はあまり原作と相違がないので割愛します。
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