貞操概念逆転世界に転生!?やったー!   作:夢見る社畜

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以前投稿した1話と2話は合体して1話にしました。混乱させてしまい申し訳ございません。内容に変更はございません。


第2話 過去話①

 口を開けてみたり、目を左右に動かしてみる。鏡に写ったメタリック骸骨が俺の思い通りに動いてしまった。

 

『えー……まじかこれ……まじ……えぇ……?』

 

「ほう、己を人間と認識しているのにセクサロイドという事実に直面しても、自己の否定はせず受け入れるのか……面白い」

 

『意味わかんないんですけどぉ……なんで昼寝をしてたらアンドロイドになってるの?』

 

「昼寝? ……まあいい。これで君は自分がセクサロイドだという事はわかったね?」

 

 そういって天童さんは鏡を片付けてしまう。ちょっと待って、と手を伸ばそうとしても手が動く感覚がない。それがさらに自分にはもう人間ではないと強く認識させてくる。ーー思った以上に、心にくるものがある。

 

『……』

 

「さて、ショックを受けている中すまないが、私の質問に答えてくれないか? それ如何によって君の処遇は決まる」

 

『……ちょっと待つか慰めて欲しいんですけど』

 

「すまんがそうも言ってられなくてね。何せ納期が近いんだ」

 

 よいしょっと椅子を引き腰をかけると、手を組んでじっと俺を見つめる。……これは長丁場になりそうだ。

 

 

 

 

 

Q.ロボット三原則を答えよ A.すいませんわかりません

 

Q.君の存在理由はなにか?  A.存在理由? わからないです。

 

Q.君は先程からアンドロイドと言っているが、セクサロイドとアンドロイドの違いをわかっているか? A.ち、違い? えっち……ができるアンドロイドがセクサロイドってやつかな?

 

Q.これから君はどうしたい? A.……とりあえず落ち着いて色々考えたいです。

 

 

 

 

 

 ……そんなに長丁場にならなかった。時間にして5分かからないくらいだろうか。まあ俺が無知だからしかたないけど質問自体少ない気がする……これってもしかして意味のない質問だったんじゃ。

 

「……そんな不安そうな目をするんじゃない。君を処分することは今のところ考えていないよ」

 

 ふふふと優しげな笑みを浮かべ、椅子から立ち上がり俺に近づいて頭を撫でてくれた。あかん、美人さんにそんなことされたら惚れてしm「だが次の質問の答えによってはお前を通電したまま王水に浸すことも辞さない」もうやだ帰りたい。

 

俺の顔を両手で掴んで引き寄せる。先程浮かべていた笑みは消え去り、能面のような真顔が目の前一杯に広がる。……くそぉ、怖いけどやっぱりめっちゃくちゃ美人だ……。

 

 

 

 

 

 

「私は美人か?」

 

『うん』

 

 

 

 

 

 

 

 あ、やば、なんも考えずに答えちゃった。

 

「……本気か? しまったな、脅したせいか保身に走ったか……いいだろう、ではどこが綺麗か教えてくれ」

 

『えぇ…!? ほ、本人の前でそれは……』

 

「王水」

 

『はい! 俺が思うあなた様の綺麗なところは!』

 

 俺は慌てて天童さんの綺麗なところを挙げていく。その度に彼女の綺麗な眉が跳ねたり頬が引きつっていく……言わせといて酷くない?

 

『ーーおっぱいとお尻はまだ生で見ていないから、大きさでしか語れないけど大きいのはとても良いことだと思うんだ。もちろん小さいのだって素敵で小さいのが悪いなんてことは無くーー』

 

「……もういい」

 

『え?』

 

「もうたくさんだ。どれもこれも私の醜いところばかり……どうやら深刻なバグが発生してしまったようだな」

 

『は? え? 醜い……?』

 

 忌々しげに彼女は俺の顔から手を離してデスクに向かう。そして手には液体の入ったビーカー!?

 

「性格や記録データは、複数の設定ソフトが何らかの要因で混ざってしまったんだろう。で、基幹設定の美醜設定がバグで固定されておかしくなってしまったわけだ。ふん、美醜逆転とでも言おうか……こんなもの世に出せるわけがないだろ」

 

『ちょ、ちょっと待ってくださいよ!! ちゃんと答えたじゃないですか!?』

 

「うるさい黙れ。お前は処分する」

 

『はあぁぁぁぁぁ!? ふっざけんなよ!!』

 

 くっそ、頭しかないから抵抗すらできない!!

 

 俺はせめてもの抵抗として口をがぱがぱ動かすも天道さんは意に介さず俺の頭にビーカーを近づける。

 

「さようなら、バグAI。いや、海……だったか?」

 

 まるでゴミ……いや、部屋に出てきたゴキブリを見たような不愉快そうに眉を寄せてビーカー傾けていく。中に入った液体が金属部分に触れたのであろうシュゥ……と金属が溶けるにしては軽い音を聞いた瞬間ーー俺は泣いた。

 

『やだぁぁぁぁぁぁじにだぐないぃぃぃぃぃぃひどごろじぃぃぃぃぃぃぃぃぃやべでよぉぉぉぉぉぉぉ』

 

「は?」

 

 実際に涙が出たわけじゃないが、涙声というかあまりに汚い声が口から溢れだす。あまりの汚さに天道さんは手を止めた。

 

『めをさましたらいみわかんないへやにいてぇぇぇぇぇえぇぇぇっわけわかんないこといわれてさあぁぁぁぁぁぁぁぁなんなんもぉぉぉぉぉぉぉ』

 

「えぇ……」

 

『セクサロイドってなんなんだよぉぉぉぉぉじゃあいっかいいくらいやらせろよぉぉぉぉっ!!ぬげよぉぉぉぉぉっぉぉ!!……ヴォエ』

 

 それは命乞いですらないただ思ったこと、感じた事を吐き出した魂の咆哮。

 

『どうていのまましにたくねぇよぉ……なんのためにいきてきたんだよ俺……やらせろよぉ……』

 

「……」

 

 それが

 

『最後におっぱいみせて……』

 

「あーもうわかった!! 処分しないから黙ってくれ……」

 

 通じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『スン……スンスン……』

 

「いい加減泣き止みたまえ。というかセクサロイドなんだから泣き真似はやめろ」

 

『心が泣いてるの……』

 

「うるさい」

 

 どうやら俺は命拾いしたらしい。王水はメタリック頭蓋骨の表面を少しだけ溶かしただけで済んだようだ。

 

「私は君が大嫌いだが嘘を吐くのも大嫌いでね。処分はしないからこれからの話をしようじゃないか」

 

 そういって溶けた部分の処置をし終えた天道さんがまた目の前に座った。

 

「まずは現状の確認だ。君は人間だと言い張るが、君は新しく私に開発されたセクサロイドだ。AIは違うがね」

 

『もうなんでもいいです……』

 

「よろしい。そして今私はボディの最終確認を行っていたところだ。君の様子を見るにしっかりと作動はしているようでひと安心といったところかな」

 

 長い足を組んでこちらを物憂げに見る姿はなんとも言えない色香がある。

 

『ボディ……? 体、ないんですが』

 

「ボディは最終起動試験時にのみ接続するからね。AIとボディの不具合なんかで暴走したら私一人では対処できないから」

 

 先程の君の様子を見ると正解だったわけだと疲れたように呟く天道さん。それに関しては俺悪くないと思う。

 

「で、だ。君を処分しないためには問題がある」

 

『問題?』

 

「君を問題ありとした場合、処分しなくてはならなk『ビャァァァァァ』うるさい! 黙って話を聞け!」

 

『ヒンッ』

 

 俺を叱り付け、ため息をついてデスクの上にある書類を俺に見えるように見せてくる。えーなになに? 『次世代機開発計画書』……?

 

「この計画は3年前から始動していてね。順調にボディ及びAIの開発は進み今は最終段階の起動試験を行っているわけだが……」

 

『おー、ビックプロジェクトですね』

 

「……納期を見たまえ」

 

『7月末と書いてありますね』

 

「今は7月頭だ」

 

『ファー!?』

 

 いかん、つい変な声が出てしまった。どんな工程があるかわからんが、しかし納期が今月末とは大分ギリギリではないのか?

 

『ま、間に合うんですか?』

 

「何も問題なければギリギリで間に合っていたさ」

 

『……あーつまり、その……』

 

「そう、君という問題をどうにかしないと納期には間に合わないのさ」

 

『まじか……』

 

 これでも社会人の端くれ。納期の大切さは身に染みてわかっている。

 

「私が問題なしとしても二週間後には完成品として営業部の人間が君を使()()

 

『まじかぁ……』

 

「さて、この問題をどう解決する?」

 

 じっと俺を見つめる天道さん。

 

『代わりのAIを……いや、さすがにそんな都合のいいものはない……ですよね?』

 

「ないね。君は完成品として協力会社から納品されたんだ。仮にあったとしてもこの会社にはないし、要請したら理由を聞かれる」

 

『ですよね……となると……演じる……しか』

 

 ーー演じる。セクサロイドとして次世代機として。ある意味、本当の試験の乗り越えれば俺にも生き残る希望が出てくるはず。

 

「その通り。商品化はまだ先だしとりあえず納期さえ越えられれば時間的猶予は出来る」

 

すぐ生産ラインが出来るわけじゃないからねと付け加える。だが……本当の問題はそこじゃない。

 

「だけど、まだ問題はある」

 

『はい……』

 

 そう、まだ問題は解決していない。それはーー

 

『俺は……えっちしたことがない……』

 

「例え営業部を騙したところで製品化を……ん?」

 

「え?」

 

『え?』

 

 俺と天道さんの声が重なる。やめて、キョトンとした顔で俺を見ないで。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやいや、セクサロイドなんだからセックスの知識や作法?……はわかるだろ!?」

 

『知識はわかるけど作法なんてわっかんないですよ! というか作法ってなんですか、まずは自己紹介から始めるんですか!?』

 

「どこの世界にセックス前に自己紹介してくるセクサロイドがいるんだい!? AI検査では問題ないと言われたんだ、絶対セックスするにあたってのデータとかあるはずだ!!」

 

『ないですぅぅぅそんなのないですぅぅぅぅぅ!!』

 

「はー!? そんなんじゃ営業部の人間を誤魔化せないよ!?」

 

『だからそれが問題だって言ってるでしょぉぉぉぉっ!?』

 

 まさかの認識の違い。当たり前のようにえっちが出来ると思われていたなんて……。

 

『どうするんですか!? なんかこう、今すぐえっちが上手に出来る方法とかないんですか!?』

 

「だからAI関係は協力会社が開発していてここじゃどうすることもできないんだよ!!」

 

『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあもうダメだおしまいだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

「……セックスができないセクサロイドなんてセクサロイドではない。納期は守れないがやはり処分するしか……」

 

『うそつきぃぃぃぃしょぶんしないってやくそくしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁわかった! わかったから騒ぐな! 今対策を考えるから!!」

 

 天道さんは俺を怒鳴り付け、デスクにあるキーボードを乱暴に叩きながらパソコンを凝視し始める。俺はその横顔を、祈るように見つめていることしか出来なかった。

 

 

 

 




4~5000文字がハーメルンでは一般的らしいのでそれに合わせていこうと思います。

また、毎日投稿を目標にしていましたが文字数を増やすにあたって不定期更新にさせていただきます。

もしよろしければ評価、お気に入り登録のほどよろしくお願いします。作者が大変喜びます。
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