貞操概念逆転世界に転生!?やったー!   作:夢見る社畜

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第7話 おでかけ②

『はっはっはっ、すいません。つい興奮してしまって……』

 

「いえいえ~。このおっぱいは私の数少ない自慢なので~」

 

「……」

 

 申し訳なさそうに頭を下げると、百地さんはくすくす笑いながら許してくれた。天使かな……?

 

『では改めて自己紹介を……。初めまして。俺、いや、私の名前は山上 海と申します』

 

「……」

 

「うふふ、緊張してるのかしら? 楽にしていいのよ~リラックスリラックス~♪」

 

 なんてぽわぽわな喋り方なんだろう……ああ~癒されるんじゃあ~。

 

「……」

 

「……ね~歩ちゃん~機嫌治して~?」

 

『天道さん……』

 

 天道さんの機嫌を損ねてしまい、まるでコアラのように俺の胸にしがみついてしまった。まあ、これは完全に俺が悪い。

 

『大丈夫ですって、一目惚れはしてませんって』

 

「…………」

 

『天道さーん……』

 

「あらあら……長い付き合いだけど、こんな歩ちゃん見たことないわ~」

 

『そうなんです?』

 

 俺は少しずつずり落ちてきている天道さんのお尻を掴んでよいしょっと抱え直す。……身体がびくりと震えたけど、エロスイッチ入ってないよな?

 

「ええ~。もう12年くらいかしら? セクサロイド開発の共同開発者なのよ私たち~」

 

『まじか……凄い人なんですね……!』

 

 つまり、この人は天道さんと同レベルの天才なのかと俺は感嘆の吐息を漏らす。それに反応したのか抗議するように胸元の天道コアラがもぞりと動いた。はいはい、天道さんも凄いですよーと頭をポンポンしてあげる。

 

「そんなことないわ~。セクサロイド用AIの雛形も歩ちゃんが作ってくれたし。私がしたのはセックスに関するシステム関係だけ~」

 

『……それはつまり、え、えっちのテクニックとか作法とかを……?』

 

「……ふふ、もちろん。女の子の気持ちい~ところをたっくさん調べたわぁ……もちろん、男の子の身体についても……ね?」

 

 優しげな瞳を細め、ちろりと舌を出す。その仕草に俺はあだだだだだだだだだ! 二の腕がいったい!! 感覚鈍ってるのにどんだけ強くつねってるんだ!?

 

『こら! つねっちゃだめでしょ!』

 

「……うー……」

 

 涙目上目使いで睨んでくる天道さん。うーん、たまに幼児退行するな……可愛いけど。

 

『いいですか? 暴力、だめ、絶対』

 

「……」

 

 頭をぽんぽんと撫でながら言い聞かせる。

 

『……嫉妬してくれたのはとても嬉しいです』

 

「……」

 

 こくりと頷いたの見て、俺は良い子良い子と頭を撫でてあげる。叱ったあとは良いところはちゃんと誉める。これ大事。……嫉妬するのが良いかどうかはおいといて。

 

「……」

 

 って、めっちゃ百地さんこっち見てる! しまった、さすがに人前ですることじゃなかった。

 

『あー……すいません、お見苦しいところをお見せしました……』

 

「い~え~。とても……そう、とても良いものを見せていただきました~。……あら、いけない。私ったらお客様にお茶も出さずに~……」

 

 そういってそそくさと部屋を出ていく百地さん。

 

『あー……やらかしちゃいましたかね』

 

「……いいや、あれは……」

 

 なにか意味深に呟く天道さん。お、じゃあ椅子に座りましょうねえ。やーじゃありませんやーじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……見せつけてくれるわ~……ふふ、天童ちゃんったら相変わらず意地悪なんだから~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、そろそろ本題に入るとしようか」

 

「そうしましょ~」

 

 百地さんが淹れてくれたお茶を飲んで一息ついた俺たちはようやく本題に入った。半分以上俺のせいなので大変申し訳ない……。

 

「次世代機用のAI。こちらに提出した物以外にも予備があるな?」

 

「ええ~もちろんありますよ~」

 

 ……ああ! そうだ、俺のせいで次世代機用のAI がないんだった! だからここに来たのか……。

 

 ここに来た理由をようやくわかった俺は、天道さんに心の中で感謝する。このお礼はあとでしっかり返そう。

 

「それを譲っていただきたい。我が社の報酬はそのまま受け取っていいし、私のポケットマネーからも出そう」

 

 好きな額を書きたまえとデスクの上に小切手を置く。……あれ、この小切手金額書いてないぞ!?

 

「……ふふふ」

 

「……」

 

 それをちらりと見た百地さんは笑みを浮かべるだけで受け取ろうとしない。

 

「……ねえ、歩ちゃん?」

 

「……チッ」

 

 それを忌々しげに見る天道さん。……あれ、なんか雰囲気険悪じゃない?

 

「前にも言ったけど、お金はいらないわ~」

 

「それが一番無難だろうが……っ!」

 

 なんかめっちゃバチバチしてる! どうしたら、俺はどうしたらいいんだ!?

 

 あわあわと二人の顔の交互に見ていると天道さんが動いた。

 

「……一週間。それ以上は許さん」

 

「だ~め。最低二週間の約束でしょ~?」

 

「……一週間と二日!」

 

「二週間~♪」

 

「一週間と三日!!」

 

「さ~そろそろ時間が~」

 

「~~ッ!! わかった、二週間だ!!」

 

「はい、AIを渡します~♪」

 

 固唾を飲んで見守っていると、どうやらなにかが決まったらしい。悔しそうな顔をした天道さんと、嬉しそうに笑っている百地さん……いったい何が。

 

「ではでは、こちらがAIになります~」

 

「くっ……すまない、海君……」

 

 デスクの上にアタッシュケースが置かれると、それを奪うように引き寄せて涙を瞳に溜めながら俺を見る。え、俺?

 

「じゃあ、明日の朝迎えに行きますので~……くれぐれも約束やぶっちゃダメですよ~?」

 

「わかっている! 行こう、海君!!」

 

 そういって俺を立たせると、手を引いて部屋を出ようとする天道さん。え、ええ?

 

 困惑しながら手を引かれながら百地さんを見る。

 

「また明日、ですよ~……《パ~パ♡》」

 

 え、なんて?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……というわけで、二週間君を百地に貸し出す事になった」

 

『またですか!?』

 

 あれから行きとは違い、かなり居心地の悪い無言空間の中、研究室に帰ってきてようやく天道さんが説明してくれた。

 

 コレコレこう言う理由でAIが使えなくなったから代わり寄越せ→良いけどそのセクサロイドこっちにも貸せや→金なら追加でやるから嫌じゃボケ→じゃああーげない→ぐぬぬ……という事らしい。人を物みたいに扱わないでほしい……いや物だった。

 

「金で解決したかったんだが……百地の奴が強情でな……」

 

『まあ、百地さんに貸し出されるなら大丈夫ですが……』

 

 優しそうだし、あのヒキガエルと違ってちゃんと人間として扱ってくれそう。

 

 だが、俺の答えが気に入らないのか天道さんはキッと睨み付けてくる。

 

「……本当に惚れてないんだよな……?」

 

『当たり前じゃないですか。信じてくださいよー』

 

「おっぱいめっちゃ見てた……」

 

 それを引き合いに出すのはずるいでしょ……。いや、反省しますが。

 

『そ、それより! なんで最後、百地さんは俺のことをパパって呼んだんですかね?』

 

 慌てて話題を変える。なんでそう呼ばれたのかさっぱりわからず、帰ってる最中にも聞けず仕舞いだったのだ。

 

「……やつは一児の母なんだ」

 

『……は?』

 

 一瞬、思考停止しそうになるも気合いで耐える。……まじかー……人妻だったのかぁ。そりゃエロい訳だよちくしょう……ってそれだとおかしくないか?

 

『えーと……だとしたらほんとになんで俺がパパなんです? 本物のパパがいるんじゃ?』

 

 本物のパパがいるのに俺をパパ呼びとか、修羅場不可避である。やだよそんなドロドロプレイ……疑似NTRプレイならありなんだが。

 

「何を言ってる。奴は未婚だ」

 

『未婚で一児の母とかめっちゃ闇深いやつじゃん……』

 

 俺ががくぶると震えていると、ため息をつきながら天道さんが説明してくれた。

 

 曰く、同性で結婚もしくは未婚で子供を産むのは珍しくない。というか推奨されている。年収などある程度の条件を満たせば精子を政府から提供されるらしい。

 

 うーん、確かに男女比がおかしいからそういう風にしないと人口が維持できないのか……。

 

「で、奴はAIを渡す条件に、君を父親とした疑似家族を二週間過ごす事を要求してきたわけだ」

 

『なるほど……って俺に父親をやれと!? 前に童貞だって伝えたじゃないですか!!』

 

 普通にセックスするより大分ハードル高くない!? しかも子供とはまだ会ってすらいないのに!!

 

「それも説明したさ! でも奴はガンとして譲らなかったんだ!! ……私だって辛い。辛いが……所有権諸々の問題を解決した今、あとは代替AI問題だけなんだ……」

 

 徐々に声が小さくなっていく。いかん、俺のために奔走してくれたのに文句ばっかり言ってしまった。

 

『ごめんなさい。天道さんは頑張って問題解決してくれたのに文句ばっかり言って……』

 

「……いいんだ、君を人間だと言ったのに結局、物のように扱っている私が悪い……」

 

『そんな事ありませんよ。それに……俺は名実ともに天道さんのモノ、ですよ?』

 

「……っ♡」

 

 俺の胸に飛び込んで抱きついてくる天道さん。よーしよし、天道さんは悪くないよー頑張ってるよー。……あれ、天道さん? どうしてそんな強く抱き締めてるんです? どうしてそんなぐいぐい押して……おわぁぁぁぁぁぁぁ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日の朝まで搾り取られた。

 

 

 

 

 

 




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