プロトマーリンに褒められたい男……スパイダーマッ!!   作:妖精狩りの男……スパイダーマッ!!

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今回スパイダーマン要素無し!!!

ごめんなさい

なので初投稿です。


親友と地獄を作った男、スパイダーマッ!!

 

 

とある昼飯時

 

異常なまでの悪臭、何かが焼け焦げた臭いが部屋中に充満する。

そんな地獄のような部屋でアーサーが横たわっていた。

 

「あ、アーサー………生きてるか…」

 

「…………」

 

アーサーの体を揺らす。

心配になり安否を確認するがアーサーは目を開けることもなく返事もかえってこない。

 

「……し、死んでる……」

 

 

とある事情から俺とアーサーは目の前の黒い物体によって死の淵を彷徨っていた。

 

 

 

あれは今から3時間前…

 

 

天気のいい日の昼頃

 

巨大なイノシシを発見する。

アーサーといつものように森で遊んでいるとたまたま食事中のところ見つけたのでこれは好機と思ったので、俺はアーサーに狩りの提案をした。

 

「……よし、あのイノシシを俺たちで倒さないか?」

「え?僕たち武器も持ってないのに?」

 

不安がるアーサーに俺はさっき拾った、いい感じの木の棒を見せつける。

この木の棒はある程度蹴って加工したのでつかいやすくなっているはずだ。

 

「武器ならその辺に落ちてる木の棒なんかでやれると思うぞ。それに最近村で畑が荒らされていることが何回かあったけどあいつが原因じゃね?」

 

俺の言いくるめ……もとい説得を行う。

 

「……わかったよ、村のみんなが困っていることを見過ごせないからね。僕が木の棒を使うけどピーターはどうするつもりだい?」

 

ちょr……純粋なアーサーが俺を心配心配して武器の有無を聞いてくる。

 

「ふっふっふ、これを持ってきてるんだよな」

 

俺は懐から取り出した数メートルのロープを自慢げに見せつける。

 

「なんでロープを……」

 

大きくため息まじりに理由を説明してやることにした。

 

「お前に剣で勝てる気がしないからなんとかして勝つために俺だけの戦い方を模索してんだよ……言わせんな!」

「まあピーターは僕に一度も勝ったことがないからね、それにしても槍や弓じゃなくてなんでロープなんだい?」

 

こいつの言っていることは悔しいが正しいので反論ができない。俺はアーサーに一度も勝ったことがない。

剣では勝てないし身体能力でも勝てない、なんなら性格の良さでも勝てないので様々な手を使って勝とうとしている最中だ。

 

「弓は矢が無いし槍は剣より扱えなくて……その後盾や鈍器、ステゴロも試してみたけど全然できなくて迷走中……それで今は普通の戦い方以外に試してみるためにロープを持ってきた。俺はこっちで戦うからアーサーは木の棒で戦ってくれ」

 

そう言いながら俺の持っていた木の棒を受け取り、茂みに隠れながら作戦会議というにはあまりにもお粗末作戦会議をする。

 

「とりあえず俺がイノシシの動きを抑えるからアーサーはその隙に仕留めるということでいいか?」

「うん、文句はないよ」

 

俺はアーサーの返事を聞いた後、ロープを上手く投げて木に引っ掛けてターザンのように移動する。

 

ギチギチとロープが千切れそうになる音と俺の重さで折れそうになっている太い木の枝が俺に恐怖感を煽る。

前世の俺なら恐怖で動けなかっただろうがこの世界に生まれて13年の今ならこの程度のことで怯む俺ではない。

 

イノシシの横腹にロープでの移動によって生み出された遠心力を活かした蹴りをぶち込む。

この蹴りの目的はイノシシを怒らせることが目的だ。食事を邪魔されて嫌がらない生物はいない、俺だってこんな邪魔のされ方されたら絶対にキレる。

 

そして目論見通り、蹴られて怒ったイノシシはこちらをゆっくりと睨みつけてきた。

なので俺は全力で逃げながらアーサーに指示を出す。

 

「アーサー!この先の下り坂にある巨大な岩まで先に待ってろ!そこで動きを止める!」

 

するとガサガサと茂みが動き移動していく。

その様子を確認した俺は追ってくるイノシシの突進を避けるためにパルクールのように森の中を走り、跳び、登りといった移動方法で下り坂に誘導しながら逃げていく。

 

イノシシの突進は木を薙ぎ倒していく。

その破壊力は一撃でもまともに当たると俺がぐちゃぐちゃにされそうなことを認識する。

イノシシに対して警戒を強めていると木の上から足を滑らせて地面に激突してしまう。落ちた衝撃は受け流すことができたからそこまで問題ではないが俺に目掛けて突進をしてくる巨大なイノシシが問題だった。

 

おそらくこのままでは避けれない。一撃でミンチにされて終わるだろう。

だから俺はゆっくりと息を整えてイノシシを待ち構える。イノシシの鼻息が俺の体にあたる距離まで来た瞬間にその鼻を踏み台にして跳躍し、真上にあった木の枝を掴みぶら下がる。

 

流石の俺も死ぬかと思ったけどアーサーと模擬戦をやっていたらあのくらいの速度は余裕で対応できる。

アーサーの剣は3年前と比べて練度が増してきている。俺とは違い型に忠実で正統派の強さという感じだ。でもその型はケイさんやアーサーの父のエクター卿とも違うらしいし誰から習ったんだろ?

 

まあ、今はそんなことどうでもいいや。今は目の前のことに集中しないと……

 

またもやパルクールのように移動しながら目的の下り坂へ辿り着き、巨大な岩の方を見るとアーサーが待機していた。

 

「今からイノシシをそっちに向かわせるから待ってろよ!」

 

俺はそう叫んだあとにイノシシの方を振り返り、対峙しながらジリジリと後ろに下がる。

イノシシは肌で感じるほどの明確な殺意を俺に向けてくる。俺は焦らずにいつでも動けるように腰を落として戦闘態勢をとる。

 

イノシシは興奮した様子で突進してきる。

その突進を少し横に避けると下り坂を一直線に下って行き、大岩にぶつかり急停止する。

 

その隙を見逃さずにアーサーが木の棒を容赦なく目に突き刺し、イノシシはプルプルと痙攣した後に倒れ伏した。

 

 

俺は坂を下りアーサーと仲良くハイタッチをする。

 

「お疲れ様、ピーターってやっぱり器用だよね」

「はいはい、お疲れ様。俺がどれだけ器用でもお前には勝てないけどな……というかそこら辺に落ちてた木の棒の一撃で絶命させてるとか化け物かよ……ちゃんと脳にまで突き刺してるし…」

 

倒れたイノシシをよく見てみると岩にぶつかってできた傷はそこまでなく、目から脳を狙って突き刺さっている木の棒が目立っていた。

 

イノシシの傷跡を見ているとアーサーがとあることを聞いていた。

 

「それでこのイノシシはどうするの?放置したらオオカミやワイバーンがくるかもしれないよ?」

 

アーサーの言っていることは正論だ。実はこのブリテンにはワイバーンやドラゴンなどの空想生物がいるらしい。らしいというのはドラゴンはおろかワイバーンすら見たことがないほどの平和な村に住んでいるからだ。もちろん六世紀イギリスにそんな生物はいなかった、3メートルを超えるイノシシもいなかったと思う。

 

やっぱりこの世界はアーサー王の物語の世界なのかなと思ってしまう。俺はアーサー王を知らないけど現在の王様のウーサー王に予言を与える者として魔術師マーリンが有名な時点でね……

 

そんな杞憂かもしれない不安を脳内から消去してアーサーの言う通りこのイノシシをどうにかする方法を考える。

 

「うーん………あっ!」

 

そこで俺の頭に電流走る!

 

「何か思いついたの?」

「いやさ…アーサーっていつも食べてるご飯は美味いと思うか?思わないだろ?だから俺たちで美味い調理法を見つけるのはどうだ?」

 

本当にブリテン飯は不味い。野菜の丸齧りは当たり前だし料理に塩や砂糖を入れることはなく出来上がった料理に塩をふりかけて食べるぐらいだ。

しかも肉を焼くときは炭を食ってるんじゃ無いかと言うほどにしっかりと焼くし、それでも血生臭い。生野菜もトマトやきゅうりのように生で食べても美味しい野菜は全て見たことすらない。ほとんど芋だ。

 

果物もこんな土地に自生しているものは少なく、近くの森で見つけたことは無い。

魚も生で食べることはできなく、やっぱり炭になる。

 

俺は限界ギリギリなんだ─────

 

俺は!美味いものが!!食いたいんだ!!!

 

「というわけでまずは村へ持ち帰るか…」

「このサイズだと持ち帰るのは一苦労だからね」

「……でも運ぶにしては大きすぎるし切り分けるような刃物を持ってないからな……ここから村まで走ってどのくらいでいける?」

「往復で20分くらいかな?」

「よし!走って包丁とついでに鍬を借りてこい!」

 

俺はそう言いながらアーサーに命令する。

 

「わかったよ…すぐに戻ってくるから待ってて」

 

アーサーが見えなくなった後この巨大が埋められそうな土地を探す。

さっきもアーサーが言っていたようにオオカミやワイバーンがくるかもしれないので持ち帰れない分は土に埋めるしか無いのだ。

鍬は土を掘るために持ってくるように頼んだ。スコップなどの便利なものはこの時代にはないからな。

 

周りが木に囲まれてその部分だけ草木が生えていない、現代でいうところのフェアリーサークルのような場所を見つける。

 

「お、ここなんて土もそれほど固くないし、広いから埋めることができそうだな」

 

その後アーサーが包丁と鍬を持ってきたのでアーサーに穴を掘ってもらっている間に俺は適当に解体して肉のブロックと毛皮を持ち帰ることにして、あとは埋め、その後アーサーの家で料理をすることにした。

 

 

 

そして現在に至る。

 

俺たちはとりあえず塩をかけた後に焼いてみることにしたが焼き加減をミスり焦がしてしまった。

しかもいつも食べてるやつがマシに思うほど焦げた。料理初心者の俺たち2人では危険毒物を作ってしまうだけだった。

 

 

それでもアーサーと俺は食べ物を胃に流し込む。

食べ物を無駄にしてはいけないと思い、なんとかその毒物を無理やり胃に流し込んだが、その不味さからアーサーは気絶し、俺は何度も吐いた。

 

「うう……ぴ…ター」

 

アーサーが俺に向かってゆっくりと手を伸ばし、僅かな言葉を発する。

 

「こんなところで死ぬのか!?騎士になるんだろ!!」

 

「さ、よう……なら」

 

ガクッという効果音と共にアーサーが崩れ落ちる。

 

「アーサー!!!」

 

その後三日間、俺とアーサーは体調を崩して死にかけ、ケイさんからお叱りを受けた。

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