「相変わらず、紅茶やコーヒーの腕だけは、一流ね。ケーキもまぁ、及第点よ。キングを祝うには、少し簡素な感じはするけど、どうせ戻ったらみんなとお祝いするからこれでいいわね。」
と、相変わらず辛口な評価をつけつつ、ずっとこちらに語り掛けて来るのは、『キングヘイロー』。俺の幼なじみで、ここの常連……まぁ、店を閉めてから来るお客さんだ。積もる話があるようで、他人に聞かれないように、俺がわざと閉店して話を聞いているのだ。
ここは喫茶店で、居酒屋ではないのだがなぁ……
「それであの時は……ねぇ、聞いてるの雄壱?」
「聞いてるよ。…本当におめでとう。真っ先に祝えて嬉しいよ。」
「……えぇ!一番最初に祝わせてあげたの!私に感謝しなさい!」
オーッホッホッホ!!と高らかに笑う彼女は、満面の笑みだ。ようやく勝てたG1。クラシックではまさに世代の壁が厚く、重く彼女にのし掛かっていたのだろう。この短距離ではあるが、G1を勝ち取れたのは、血統もそうだが、彼女自身の努力の賜物だろう。
「今度月曜日だけど、私は予定が空いているの。だから……一緒に行く権利をあげるわ!」
なるほどね?つまり荷物持ち兼男避けだな。俺はデート気分で行くけど、どうなんだろうな?まぁその日は何にもないし、了承しとくか。
「分かったよ。それで?何処へ行くんですか、お嬢様?」
そう言うと、キングはどや顔でこちらを見て、自信満々にこちらに話しかけてくる。
「それは当日になってからのお楽しみよ!安心なさい。この私が全部計画してあげる!」
上機嫌なのか、目茶苦茶ニコニコしながらケーキを食べている。良かった……祝いの席で嫌な気分には出来ないもんな。満足してくれて良かった。
「それでね。ウララさんってば、また……」
キングとの談話も、かなりの時間を費やししまい、もう日が暮れてきた。キングも、明日があるのでそろそろ寮に戻らせないとな……
「キング。もう時間だ。続きはまた聞くから、今日のところは帰った方が吉じゃないか?」
「あら?もうそんな時間?早いわね…そうね、仕方ないわ、そろそろ寮に戻るわ。」
名残惜しそうにするな。引き留めたくなるだろ。しかし、明日もあるので早急に帰らせる。帰ったら帰ったでおそらく、お祝いが在るのだろう。そう思った俺は、帰らせる前にお土産を渡すことにした。
「キング。これやるよ。」
「あら?これは何?」
俺は冷蔵庫から、朝に作っておいた物を用意した。それは2層に作られたデザート。上の層はコーヒーと紅茶のゼリー、下は祖父から教えられて作ったババロアの2層の菓子だ。一応いつも裏メニューとしておいてあるのだが、毎回期限が近づくと、俺が近所の子供に無料で渡してるから勿体ないんだよな。それなら、多く居るところで宣伝ついでにキングに持たせようと思ったのだ。……余ってたから渡したワケジャナイヨー。
これも商売のため………卑怯とは言うまいな……
「ババロアとゼリーのデザートだ。最近、誰もこれを食べてくれる常連さんが来なくてな。近所の子供に渡すより、お前らで分けて食べてくれた方がいいんでな。持ってけ。」
「はぁ…いい商売根性ね。分かったわ。気に入った子が居ればここを教えておくわ。感謝しなさい。」
流石キング。一発で俺の好意をそのようにに繋げるとは……伊達に幼なじみやってないな?
「顔みれば分かるわよ……あわよくば常連増やそうとするところには感心するわ。でも……ここの店の食べ物が失くなっても、私は責任取らないわよ?」
待って?そんな大食い居るの?キングの友達に?もしかして早まった……?いや、そんなことは……
「……ふふっ。覚悟なさい。私の友人は食べる人が多いわよ?もし行くことになったら、それ相応の準備をお勧めするわ。」
それマジ?どんな友好関係築いているんだ……お兄さん心配だぞっ☆ミ
「少なくとも、貴方よりは多いし、まともだと思うわ。」
泣いた。傷ついた……キングから友好関係の事を言われるなんて……確かに俺は、店をやってる以上、余り遊ぶ時間はないが……友人は居るぞ……?居るよな?居たっけ?
そんなことを考えつつ時計をみる。時計の針は18時半を示していた。
「てか、こんな時間か。暗くなってるし、送るわ。」
「あらそう?ならキングを送る権利をあげる。時間までに間に合わせてよね?」
こちらを挑戦的な目で見てくるキング。……いいだろう。そこまで言うなら、やってやるよ。
その後、法廷速度ギリギリを攻めた安全運転で学校まで送りつけた。
side out
寮に着くと、門限ギリギリの時間にたどり着いた。キングヘイローは、元々門限ギリギリまで帰ってきてはいけないと言われていたらしく、栗東寮の寮長であるフジキセキは、少しの遅れは目をつむるつもりだった。しかし、送迎在りとはいえ、時間きっちりに帰ってくる姿に少し驚愕した。
「フジキセキ寮長?ご苦労様です。ええ、しっかり戻って来ました。」
「驚いたなぁ……少し位なら、見逃すつもりだったんだけど。ここまで完璧だと何も言えないね?ポニーちゃん。」
そう言うと、少し気まずそうにするフジキセキ。キングは、嫌な予感をしつつ、質問する。
「あの……もしかして?」
「あ、うん。君の思ってる通り、まだ、準備が終わってないんだ……かなり手間取ってしまったらしくてね。」
フジキセキの言葉に、肩を落とすキングヘイロー。
「主催が主催ですしね…多めにみてあげましょう。さ、寮長も中に入ってください。どうせ、私が最後でしょう?」
「あぁ、そうだよ。ポニーちゃん。先に入っててね。」
そこまで見透かされてるとはね……と思いつつ軽く笑顔を見せていつも通りの振る舞いを見せるフジキセキ。キングヘイローも何事もなかったように中に入る。
「あぁ!!キングちゃん帰ってきちゃった!!どうしよう……ケーキとかないし……!」
「はぁ……落ち着きなさい、スペシャルウィークさん。」
そう言って、キングヘイローは、手に持っていたものを見せる。
「これでケーキの代わりにしましょう。デザートには代わりないから。その他については待ってあげるから、一流に相応しいパーティーにしてよね?」
スペシャルウィークはキングヘイローの言葉を受けて、目を潤ませながら、頬をパンッと叩き気合いを入れ直す。
「よーし!けっぱるべー!みんなー!」
おー!との言葉と共に、最後の追い上げが始まる。キングヘイローはその姿をみて、一息つく
「ふぅ……月曜日なのに、元気だこと。ふふっ」
その呟きは、誰も聞こえることなく騒音の中に消えていった。
今の話が終わったら、次に出すウマ娘候補です。多かった順からストーリーを作ります。一番多かったのは長めに、その他は意外なお客様形式にです。
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キングヘイロー(原点回帰)
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マンハッタンカフェ
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アグネスのやべー方
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アグネスのヤヴァイ方
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カイチョー
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ギャルを信じてください
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ミホノブルボン
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ユニヴァァァァァァァス
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キタサンブラックRX!
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サトノダイヤモンドは砕けない